シリカとは組成式がSiO2で表される物質の総称です。結晶の形で鉱物中に存在します。シリカの結晶は数十種類のものが報告されています。シリカ結晶として良く知られているのが水晶に代表される石英です。
シリカガラスは,もともと石英を粉末にして溶融してつくられました。したがって,石英ガラスとも呼ばれています。シリカガラスのことを「石英」と呼ぶこともあります。「石英」は結晶です。シリカガラスとは別物です。
シリカガラスは次のような特徴を持っています。
1. 金属不純物が極端に少ない。
2. 比較的熱に強い。
3. 真空紫外から近赤外までの幅広い波長領域の光に対して優れた光透過特性を持つ。
4. 薬品などに対する耐久性に優れている。
以上の性質を活かして,様々な用途に応用されています。
シリカガラスは極限の性質を要求されることが多く,用途によって様々な製造方法によって作られたものが使い分けられています。原料も当初の石英粉だけではなく,ケイ素の化合物を用いて合成したものも用いられています。
石英粉を原料にして作られたものを「溶融石英ガラス」とよび,液体原料から作られたものは「合成シリカガラス」と呼びます。それぞれ,様々な種類に分類されます。シリカガラスの種類,製造方法,性質については次の参考文献を参照してください。
参考文献
1. 葛生 伸「石英ガラスの世界」,工業調査会 (1995)
2. 川副博司他編「非晶質シリカ材料応用ハンドブック」リアライズ社(1999)
当サイトの管理人(葛生 伸)1996年に赴任す大学教員になるまでの10年間,某シリカガラスメーカーに勤務していました。メーカーに勤務しているときから,工場にある問題を学術的な研究テーマにして,産学連携を行えたらよいと考えていました。その後,大学教員を25年間つづけ,産学連携を含めてシリカガラスの研究を行ってきました。
大学で行ってきた研究テーマ中に企業との共同研究や技術相談などの中からアイディアを得たものが多くあります。これからも様々な工業上の問題からテーマを見つけていきたいと思っています。シリカガラスに関する初歩的なご質問でも結構ですからお気軽にメールにてご連絡下さい 。
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