ホログラフィでは光の干渉により物体の情報を記録するため,通常は干渉性(コヒーレンス)の高いレーザーを使用します.しかしレーザーは集光性が高く,眼に入ると網膜に障害を起こす恐れがあります.また,干渉性が高いために,物体表面の微小な凹凸で散乱されたレーザー光が互いに干渉して斑点状のノイズを生じます(スペックルノイズ).
インコヒーレントディジタルホログラフィ (IDH) では,LED のような干渉性の低い(インコヒーレント)光源を用いることで,アイセーフかつスペックルノイズのない物体光の計測が可能です.また,自然光での計測も可能なため,屋外でも適用可能です.
LED のようなインコヒーレント光は可干渉距離(コヒーレンス長)が µm オーダーと非常に短いため,通常のディジタルホログラフィで用いる二光束干渉系では,そもそもホログラムが記録できません.IDH の光学系はいくつか提案されていますが,自己干渉を利用する方式が広く用いられています.この方式では,液晶空間光変調器 (LC-SLM) などを用いて物体光から2種類の光波を生成して互いに干渉させ,その干渉縞を記録します.
シングルショット化の検討
自然光下でのインコヒーレントホログラム撮影
顕微光学系への応用
IDH による立体動画像撮影