新領域 基盤科学研究系

エネルギーとマテリアルコース

2022年3月1 日(火)~3月4 日(金)

1.形状記憶合金の不思議(文科可)

御手洗 容子 教授・ 松永 哲也 講師http://webpark2173.sakura.ne.jp/index.html

課題内容

金属材料は、外力を負荷すると塑性変形し、元の形状には戻りませんが、形状記憶合金は、合金を加熱することで元の形状に戻ります。その秘密は、マルテンサイト変態にあります。一方、日本刀はマルテンサイト変態を利用して強靭になりますが、形状記憶特性は発現しません。この違いは金属組織にあります。

熱処理による組織の違いとそれが力学特性や形状記憶特性に与える影響を調べて、形状記憶合金の不思議に迫りましょう。

キーワード

マルテンサイト変態、形状記憶特性、金属組織、形状記憶合金、鉄鋼材料


参考図書

   トコトンやさしい形状記憶合金の本 B&Tブックス日刊工業新聞社

2.有機半導体デバイスの作製と評価(文科可)

竹谷 純一 教授http://www.organicel.k.u-tokyo.ac.jp/

課題内容

有機半導体デバイスの作製と評価 /有機半導体材料はプラスチックフィルムなどの上に溶液プロセスによって製膜可能であるため、低コストでフレキシブルな電子デバイスを作ることができます。本研究課題では、ゲート電極、絶縁膜、有機半導体、ソース・ドレイン電極から なる有機電界効果トランジスタを作製します。そこでは、真空蒸着やスピンコート法によって電極や絶縁膜を製膜し、当研究室独自の手法を用いて有機半導体を製膜します。最後にその特性を測定し、半導体デバイスの動作原理について学習します。

キーワード

有機半導体、トランジスタ、試料作製、電気測定

3.実践で学ぶ電気自動車

藤本 博志 教授 ・ 藤田稔之 特任講師https://hflab.edu.k.u-tokyo.ac.jp/

課題内容

電気自動車(EV)が脱炭素社会のキーワードの一つとして注目されています.

本プログラムでは,モータを用いているEVならではの特徴を生かした運動・電力制御に取り組みます.

はじめに,簡単な構成でモータ制御の仕組みについて実験を通じて確認します.次に,実験車両を用いて制御の有無による違いを体験します.

また,EVの航続距離の問題を解決する走行中給電についてもミニ四駆を用いて実験を行います.

キーワード

電気自動車,制御工学,パワーエレクトロニクス,電気回路,モータ制御,非接触給電,シミュレーション

4.核融合プラズマを電磁波で測ろう(文科可)

辻井 直人 講師 【http://fusion.k.u-tokyo.ac.jp/】

課題内容

核融合炉においては,摂氏1億度のプラズマを安定に効率よく閉じ込められるよう,プラズマの圧力・電流分布を最適な状態に制御する必要があります.そのためには,まずプラズマの状態を知る必要がありますが,プラズマは荷電粒子の集合なので,マイクロ波やX線といった電磁波を使うことで様々なパラメータを計測することができます.本プログラムでは,柏キャンパスのTST-2球状トカマク装置を用いて,400万度にもなるプラズマの計測を体験していただきます.余裕があれば,数値計算によるプラズマのモデルと計測結果の比較も行います.

キーワード

プラズマ、核融合、球状トカマク

5.惑星大気・プラズマ環境の量子力学的観測法入門

~分原子の量子状態を変える装置を作ってみる~

吉川 一朗 教授・吉岡 和夫 講師https://www.astrobio.k.u-tokyo.ac.jp/yoshikawa/

課題内容

原子のもつ自由電子には離散的なエネルギー順位があることは高校でならっただろう。何らかの形で外部からエネルギーを与えると、原子はそのエネルギーにより励起され、脱励起するときに原子固有の波長の光を発する。そんな装置を自作してみよう。この原理は、惑星周辺のプラズマを観測する原理にも応用されている。