物性研究所

物性コース

2021年2月16日(火)~2月19日(金)

1.物質の表面:機能と反応の最前線 (文科可)

吉信 淳 教授 【https://yoshinobu.issp.u-tokyo.ac.jp】

課題内容

現代生活に欠かせない機能を持つ電子デバイス、センサー、触媒などは、固体表面の物性や反応を利用している。本課題では、固体表面における原子や分子を様々な実験手法で観察することを体験する。

キーワード

表面、電子の波動性・粒子性、電子分光、質量分析、走査トンネル顕微鏡

参考図書

・岩澤・中村・福井・吉信「ベーシック表面化学」(化学同人)

・マイケル・フェイヤー「絶対微小 日常生活を量子論で理解する」(化学同人)

2.電気抵抗ゼロ!超伝導状態の電子を見よう (文科可)全日程オンライン

岡﨑 浩三 准教授 【https://okazaki.issp.u-tokyo.ac.jp/】

課題内容

電気抵抗がゼロになり、全く損失の無い送電を可能にする超伝導。超伝導体と磁石を用いることで重いものが浮いている様子を見たことがある人や、リニア中央新幹線が超伝導を利用していることを知っている人もいるかと思います。この課題では、超伝導という現象の理解を目指すとともに、超伝導という現象には電子が重要な役割を担っていることを光電子分光という実験手法を用いることで確かめます。

キーワード

超伝導、光電効果、光電子分光、レーザー

3.スピントロニクス素子をつくろう (文科可)全日程オンライン

三輪 真嗣 准教授 ・坂本祥哉 助教 https://miwa.issp.u-tokyo.ac.jp/

課題内容

電子には電荷とスピン(磁石としての性質)の2自由度があります。スピンの性質がナノの世界で顕著に現れることに着目し、高度なレベルでエレクトロニクスを実現する研究分野をスピントロニクスと呼びます。本研究では複雑な合金(例:Mn1.4Pt0.9Pd0.1Sn)ではなく、単体(例:Pt)を積層することにより疑似的な新物質を創成する点が特徴です。本サイエンスキャンプでは元素の組み合わせを学生さんに選んでもらい、実際にスピントロニクスデバイスを作製して評価します。

キーワード

スピントロニクス、電子スピン物性

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4.シミュレーションによって未来の物質をデザインする (文科可※要相談)全日程オンライン

尾崎 泰助 教授 https://t-ozaki.issp.u-tokyo.ac.jp/index_jp.html

課題内容:

私たちの身の回りにある物質はミクロに見れば原子核と電子で構成されており、物質の硬さ、電気伝導性、色などの性質は物質の構造と電子状態で決まっています。物質の電子状態を決めている物理法則は量子力学です。したがって、量子力学における基本方程式を精密に解くことで物質の性質を予測することが可能となります。本コースでは量子力学の第一原理から出発し、コンピューター上で未来の物質のデザインにチャレンジします。物質構造の成り立ちと電子状態の基礎を学ぶ手掛かりが得られることでしょう。

キーワード

シミュレーション、第一原理電子状態計算、物質デザイン

参考図書

ケイサン ブッシツ カガク Kindle版

計算物質科学イニシアティブ(CMSI) (著)