ごあいさつ

代表 中村圭子

(これまでの経歴)
  1988年に一般行政職として市役所に入庁し、地域の多様な社会課題の改善に取り組んだ。
  2012年に総務省自治大学校に出向。全国の自治体職員や国の政策立案者との議論を通じて、政策実現に必要とされる地域のリーダーシップについて深く考えるようになった。
  2016年に早期退職制度を活用し、28年間勤務した市役所を退職。同年、慶應義塾大学大学院政策メディア研究科後期博士課程に入学。研究テーマは、「乳幼児がのびのびと成長でき、子育てが楽しめる地域のプラットフォーム(場・空間)づくり」。研究成果を実践につなげることで、よりよい地域社会に貢献できるとの考えから、プラットフォームデザイン株式会社を設立し、2018年に認可小規模保育園を開設。
(資格・学位など)保育士、幼稚園教諭、経営管理修士(MBA)
(Academic Project)慶應義塾大学大学院政策メディア研究科 ヒューマンサービスとコミュニティTA*  (*TA とはティーチング・アシスタントの略。演習や実験の指導/監督を行う教育補佐役のこと) 

保育園と自分自身とのかかわり

市役所時代の話ですが、わたし自身が保育士資格を持っていることもあり、地域子育て政策に関わっていました。公立保育園や幼稚園の職員採用、人材育成、コンプライアンス、メンタルヘルス、さらに子育て支援計画のプロジェクト参画など色々な角度で、行政職として20年間ほど携わってきました。

ここで、地域の子育てや保育園運営の政策には、大きく二つあると感じました。ひとつは、就労家庭などを一世帯でも多く支援するために、待機児童を減らしていく。これは、「預けるところを多く確保する」という数に焦点を当てる考え方です。もう一つは、保育園を、「預るところ」から、給食や教育を通した「育ちと学び」という重層的な視点をもってアップグレードしていく。こちらは、保育の質に焦点を当てる考え方です。

保育園は、子ども達、保護者さん、保育園職員、行政、町内会など、さまざまな組織・専門職・市民が、それぞれの強みを持ち寄って成り立っている場です。待機児童数の解消は、行政だからこそ出来るテーマですし、保育の質向上は、保育園の創意工夫や経営努力に依るところが大きいテーマだと思います。

 

     開園にいたるまで

2015年に、行政職から、研究者にキャリアをシフトしました。研究テーマは、「乳幼児がのびのびと成長でき、子育てが楽しめる地域のプラットフォーム(場・空間)づくり」です。

2018年に、研究を実践に移すために保育園を開設することにしました。立地選定は、土地勘のある三田と本郷で検討をすすめ、ご縁があり、最終的に東京大学本郷キャンパスの門前である、ここ本郷春木町でスタートを切ることなりました。


    赤門小規模保育園が大切にしている三つのこと

現場を預かる園長とは、ほぼ毎日話し合っています。業務標準は、江戸川区認可つぼみ保育園をお手本(ベンチマーク)にして、定期的なアドバイスを受けています。わたしたちが念頭においているキーワードは、「笑顔で来て、笑顔で帰る」、「保育と子育て家庭支援は一体」、「地域のプラットフォームづくり」の三つです。

 「笑顔で来て、笑顔で帰る」は、保育の一丁目一番地は安全安心であるという認識のもと、清掃、設備整備、職員健康管理、コンプライアンス遵守、委員会活動などについて、計画・実行・振り返りを行っています。さらに、園児さん、保護者さん、職員が笑顔で来て、帰る場所にしたいという思いを込めて、居心地のよい場所にできるようディスカッションを行い、細やかな取り組みをしています。

 「保育と子育て家庭支援は一体」は、子ども達が健やかにのびのびとでき、さまざまな感性が育つ学びの場にするとともに、保護者さんが安心してお仕事などに専念していただける場になることです。主役は子ども達であり、同時に保護者さんであるという考えで日々取り組んでいます。また、就労中の保護者の皆様から寄せられる様々な相談ごとの解決にむけ、直接的にお手伝いができる事や、子育ての専門家としてアドバイスできる事について、計画・実行・振り返りを行っています。

 「地域のプラットフォームづくり」は、在園中も卒園後も色々な形の交流が続けられ、子育てを楽しめる地域のプラットフォームをめざしています。そのひとつの方法として、保育園では直接対面で行ってきた面談やイベントを、コロナ禍においては家庭むけのオンライン面談や、オンライン版サイエンスイベントなど、デジタルを活用した新しい取り組みを行っています。れにより、コロナ禍においても、信頼や安心していただける場になっていきたいと考えています。さらに、職員の在宅勤務支援など、デジタル技術を最大限活用した業務改革について、計画・実行・振り返りを行っています。

 

    さいごに

赤門小規模保育園は、昨年度5期生が卒園した新しい保育園です。

子ども達の保育園生活を、より充実した時間にするにはどうするか、あるいは保育の質をどう向上させるかについて、職員一同、目標を高く掲げ、地道な改善活動に取り組んでおります。

子ども達や保護者さん、地域づくりに貢献したいという思いで運営する中で、気付いたことは、実は、私たち保育園スタッフが子ども達や保護者さんに応援していただき、サポートしていただいているということです。私たちにいただく、保護者さんからの励ましや温かいお声かけと、子ども達との楽しさによって、スタッフ全員がいきいきと運営できており、感謝ばかりです。

保護者さん、行政の皆様、地域の皆様と力を合わせて、創意工夫で質の高い保育を行っていきたいと考えております。どうぞよろしくお願いいたします


園長 磯貝純子

(これまでの経歴)
 1975年に、江戸川区の古寺名刹で知られる圓勝院の境内にある保育園で、保育士としてのキャリアを開始。以来2010年まで、0歳児から5歳児までの子ども達の成長を、クラス担任や副主任として見守ってきた。
 その後、江戸川区の認可保育園に転じ、職員の労務管理、人材育成、運営全般、新規園立ち上げ、職員採用、渉外活動、地域子育て支援活動などの広範なマネジメント業務を担い、園長として保育園を支える。
 赤門小規模保育園の開設に際し、長年馴染んだ江戸川区から心機一転、文京区に所を変え、2019年に園長として着任し現在にいたる。
(資格・学位など)保育士、幼稚園教諭

●ごあいさつ 

 赤門小規模保育園で実践しているのは、安全衛生委員会、給食委員会をつくり、業務標準に基づく保育の質向上活動です。若い先生みずから委員会を回してもらい、さまざまなアイデアを出し合い、実践し、さらに次につなげるというサイクルを倦まず弛まず継続しています

   小規模保育園は、中間管理職がいないフラットな組織なので、情報伝達が早く、すぐ改善案を試すことができ、改善の成果が目に見えるのが強みだと感じています。その中で、子ども達ひとり一人の生活リズムや、発達状況、さらに家庭での様子をしっかり見据えた保育が、着実に根付いてきたという手応えがあります。

 ここ数年は、コロナの影響で保育園運営にも大きな試練が来ています。年度は、一日も休園することなく運営を続けておりましたが、現実には在宅保育のご家庭との連携、職員の健康管理基準の刷新、あるいは給食供給体制の維持など、わたし自身の長いキャリアの中でも経験したことのない課題に直面しました。

  また昨今では気候変動による酷暑、豪雨など、園児や職員の安全確保にむけ、先入観や前例に捕らわれない気配りが必要な時代になってきていると感じます。

   課題の一つ一つを、子ども達や家庭の目線に立って職員一同で対策を練り、実行し乗り越えて行きたいと思います。基本に忠実に、新常態にもひるまず前向きに進んで参ります。

    皆様のご協力、ご支援のほど、どうぞよろしくお願いいたします。