手取川右岸域(石川郡側)の用水路の歴史に比べて、
左岸域(能美郡側)の歴史はあまり知られていませんでした。
天保十一年(1840)「加賀国全図・能美郡図」
(掲載省略)(金沢市立玉川図書館蔵)の一部
本絵図は加賀藩の命をうけた遠藤高のりの監督のもと、
石黒信由らによる三十年間にわたる加越能三州地図作製
の成果をうけて作成された「加越能三州細密図」の一部
の写し(写真)であり、十年程前に崇敬者により奉納さ
れたものです。この天保十一年の古絵図の左上端には
「宮竹用水一名小松様用水」と明記されており、小松城
におられて加賀藩農政改革を推進された利常公との縁を
物語るものですし、明治維新後、長らく忘れられていた
宮竹用水の別名称といえます。
(詳しくは、『小松天満宮だより』第19号
(小松市立図書館および石川県立図書館に寄贈)
掲載の西孝三氏による寄稿文をご覧下さい)
なお、この絵図面の原図作成を監督した人物が加賀藩
最大の科学者といわれる人であり、その子息により作成
されたのが次に展示いたします「前田齊泰帰国絵図」で
あります。