この事業は、オープンイノベーションを誘発し、イノベーション・エコシステムの形成を推進するため、県内大学等を核とした共同研究等に対し支援を行うものです。具体的には、県内大学等の研究シーズと企業ニーズとのマッチングを行うとともに、事業化を目指した産学連携による出口志向型の共同研究等を支援します。併せて、出口志向型の共同研究等の成果を活用した実用化研究等を支援します。FoodXプロジェクトでは、「地方型エコフィード畜産の展開」と「微生物の分離・評価技術を用いた離島農産物の付加価値向上につながる発酵食品の開発」の2テーマに取り組んでいます。
●「地方型エコフィード畜産の展開」
豚用エコフィードにおいて問題となっている脂質過多を克服するために、高タンパク高繊維の泡盛蒸留粕や脂質代謝改善作用を有する月桃の添加効果と生産された豚肉の品質への影響を検証します。また、肉用牛については、中部地区和牛改良組合で組織的な取り組みが開始された経産牛肥育に利用可能な食品循環資源の検索と飼料原料としての有効性並びに至適タンパク質レベルの検討を行い、生産コストや牛肉質への影響を検証するプロジェクトです。
●実施体制:琉球大学、宮城ファーム、文三牧場
●研究内容
1)養豚における液状エコフィードに関する研究
2)経産牛肥育におけるエコフィードサイレージに関する研究
●「微生物の分離・評価技術を用いた離島農産物の付加価値向上につながる発酵食品の開発」
沖縄県の離島地域では多くの観光客が訪れていますが、島内で消費される食品・加工品のほとんどが島外で作られているため、経済効果は限定的です。島内での経済循環を生むためには、島内農産物を用いた加工品開発を島内で行う必要があります。本事業は、微生物の分離・評価技術を用いた離島農産物の付加価値向上につながる発酵食品の開発をし、竹富町西表島をモデルとし、離島地域での活用が期待できる微生物として、乳酸菌および酵母に注目し、これらの微生物を活用した農産物加工品として「パン」や「泡盛」の開発を目指します。
●実施体制:琉球大学、バイオジェット、高嶺酒造
●研究内容
1)乳酸菌の分離とパン種に適した候補株の選定(琉球大学)
2)酵母の分離と泡盛醸造に適した候補株の選定(琉球大学、バイオジェット)
3)新たな乳酸菌を用いたパン種の開発と製パンへの応用(琉球大学)
4)新たな酵母を用いた泡盛の開発(高嶺酒造所、バイオジェット)