メイオベントスとは [only in Japanese]
メイオベントスって何?
メイオベントスは”小型底生生物”の総称です.英語のMeiobenthos (Meio=中性の,中型の; benthos=底生生物) をカタカナ読みしたものです.一般に”1 mmの篩を通り抜け,63 μmのふるいに留まる底生生物”を指すことが多いです.
「そんな説明じゃ全然イメージできない!」という人も多いと思いますが,そんな人は,
海底(川底や湖底)に住んでいる,肉眼で見えるか見えないかぐらいの,とても小さな生き物
と覚えてもらえるといいと思います.
私の研究対象が海産無脊椎動物なので,このサイトでは基本的に”メイオベントス”=”海産の小型底生多細胞動物”を指します.
(もしかすると,淡水産のメイオベントスや,多細胞動物ではないメイオベントスを紹介するかもしれませんが.)
米粒(左側)とメイオベントスのサイズの比較.
右側の小さな生き物たちがメイオベントス(詳細は下図へ).
どんな生き物がいるの?
現生動物門(※1) のほぼ全てがメイオベントス性種を含むと言われています.つまり,非常に多様なグループが,メイオベントスとして生活しているということです.
一言では説明しきれませんので,将来的には動物群ごとのページを作って説明していきたいと考えています(しばらくお待ちください).
ちなみにどのグループのメイオベントスも,体が小さい上に砂や泥の中に隠れて暮らしていることが多いです.
こちらが探そうとしない限り,人目に付く機会はほとんどありません.
大型の生き物に比べて,研究も遅れがちです.
「どこにどんな種がいるのか?」といったことも,あまりわかっていません.
言い換えれば,夏の海水浴で遊ぶ砂浜や磯,湖沼からですら,未発見種・新種(※2) が見つかる可能性が高い,夢あふれるグループなのです.
さまざまなメイオベントス(走査型電子顕微鏡写真)
今後,少しずつメイオベントスの採集方法や,代表的な生き物を紹介していきたいと思います.
興味を持った方は,ぜひ近くの砂浜や岩場でメイオベントスを採集し,同定してみてください.
※1 動物門:体の仕組みごとに動物をグループ分けした時,一番大きなグループの単位.例えばヒトや鳥,魚はすべて”脊椎動物門”という動物門に属します.
※2 新種:新たに学名がつけられた種のこと.学名がつく前の種は未記載種と言います.