エイズかどうかを知る唯一の確認方法
エイズになってしまったのか?HIV(エイズウィルス)に感染したのか?
確かめる方法は、たった一つしかありません。
それは、血液検査です。
尿検査では判りません。
レントゲンでは判りません。
MRIでもCTでも、確かめる事は出来ません。
勿論、身体に起きた症状では、感染の有無を知ることは不可能です。
血液検査
HIV(エイズウィルス)に感染すると、体内でまずHIV(エイズウィルス)が急激に増え、その後、ウィルスに対する抗体が産生されます。
通常のHIV検査は、血液の中にHIVに対する抗体があるかどうかを調べる「抗体検査」が一般的です。
検査は、「スクリーニング検査」と「確認検査」の2段階になります。
スクリーニング検査
抗体検査の結果を、『陰性』と『陽性及び陽性かもしれない』の2つのグループにふるい分けをします。
陰性なのか陽性なのかはっきりしない場合には、念の為に、陽性にしておくのです。
確認検査
スクリーニング検査での陽性の内、1%程度は、『偽陽性』といって、実は、本当の陽性ではない場合があるのです。
スクリーニング検査で、一応、陽性となったものが、本当の陽性なのか、実は陰性だったのかを調べます。
検査を受けるタイミング・時期
HIVに感染後4週間位経過すると、抗体が増えて検査で検出できるようになってきます。
それ以前に検査を受けても、まだ抗体が出来ておらず、陰性となってしまい、感染していることが分かりません。
これを、 ウインドウ期間・ウインドウピリオドと呼びます。
感染の可能性のある行為をした時から、3ヶ月経過した時点での検査で 陰性ならば、感染していないと 確定できます。
厚生労働省のガイドラインでも、望ましい検査時期を、3ヶ月後としています。
ちなみに、核酸増幅検査(NAT検査)と言って、HIVの遺伝子を検出することで、感染の有無を調べる方法があり、
その場合は、2~3週間後には、陽性かどうかの判断が出来るのですが、やっているところが限られています。
血液検査が出来るのは
1.病院、クリニック等の医療機関
2.保健所や自治体の特設検査施設
3.いくつかのメーカーで販売している、自己検査キット
です。
会社等の健康診断の血液検査では、HIV感染の有無は調べていません。
ちなみに、献血を利用しようとしても、だめです。
献血の結果が、もしも、『陽性』でも、教えてくれませんよ。
勿論、厳しいチェックの後に、輸血に使用しますが、万が一にも、HIV感染の血液が、誰かの体に輸血されたとしたら、大変なことですから。
HIV感染の心当たりがある人の献血は、【迷惑行為】になりますから、絶対にやめましょう。
病院、クリニック等の医療機関での検査
デメリットが多くあります。
検査の結果を知るまでに1~2週間の時間が掛かります。
匿名での検査も出来ません。
また、特定の条件が備わらないと、健康保険が使えないことが多いです。
HIV検査の保険適応は輸血後の感染症を疑って検査した場合など限られています。
取り合えず、調べたい等の理由、つまり、本人の希望で実施したのであれば全額本人負担です。
自費負担で、5000~10000円位かかるうえに、人目にさらされます。
ただし、妊娠時の検査の時には、HIVに限らず、その他の性病や肝炎等の感染症全般の検査が、保険の適用で出来ます。
保健所や自治体の特設検査施設での検査
- 直ぐに結果が知りたい
- 名前を知られたくない
- 無料で検査を受けたい
- あまり、待たされたくない
- 人目にさらされたくない
不安を抱えた人の多くは、こうした気持ちでしょう。
それにこたえてくれるのは、保健所や県や地方自治体が独自で運営している、特設検査施設です。
ちなみに、自分の居住地以外の保健所や特設検査施設でも検査は受けられます。
ですので、日曜日しか行けない、夜じゃないとだめ等の希望があり、地元の保健所の対応時間が合わない時には
自分の都合に合った保健所を探して、検査を受ける事が出来ます。
とても有名で便利なサイトがあります。
日曜、祭日、夜間等希望に合わせて、エイズの検査施設が探せます。
全ての保健所と特設検査施設が、プライバシー厳守の匿名制での、無料検査になります。
また、多くの保健所と特設検査施設が、予約不要で迅速(即日)検査になります。
迅速(即日)検査と通常検査
HIVの検査には、【通常検査】と【迅速(即日)検査】が有ります。
【迅速(即日)検査】はスクリーニング検査のみなので、陰性の場合は、すぐに、結果をもらえます。
ただし、結果が陽性だった場合には、確認検査をしなければならず、だいたい1週間後まで、不安な気持ちと戦うことになり
結局、【通常検査】と同じことになります。
【通常検査】はスクリーニング検査と確認検査がセットになっています。1週間ほど待たないと、結果を知ることはできませんが
確実な結果を知ることが出来ます。
つまり、ここで陽性と判断されたなら、本当に陽性と言うことで、一刻も早く、医療機関に相談することになる訳です。
ただし、【通常検査】でも、【迅速(即日)検査】でも、疑わしい行為から、3か月経過していない時点での陰性は、「真の陰性ではない」可能性があります。
自己検査キット
いくら匿名でも、やはり、人目に付くのは抵抗がある。
どうしても、時間や曜日が合わない。
検査に行ったら、泣いてしまいそう。
そんな気弱な方は、自宅で出来る、自己検査キットを使うのが良いでしょうね。
自己検査と言っても、自分でエイズかどうかを判断する訳ではありません。
指先にちょっと針を刺し、ほんの少しの血液を採取して、専門の検査センターに郵送するのです。
費用は、3~5千円程度です。クレジット払い等も出来ます。
検査結果は、どのメーカーも、厚生労働省の認可を受けた、専門の血液検査センターに依頼しているので、
保健所や医療機関での検査と、違いはありません。
『知られたくない』の気持ちに、十分こたえてくれますよ。