僕は死にませ~ん:エイズ患者の言葉

幸い、日本社会に住んでいる私たちは本当に恵まれています。

治療薬を安価で頂ける制度があり、コントロールすればエイズを発症しなくてもすみます。

世界の大半の感染者はなすすべもなく、無念な思いで亡くなっているということ。

日本でも、もし、10年前位に発症していたら、今と状況はずいぶん違ったと考えると、私たちが今生かされていることに、

そして、土台となって闘ってくださった方たちにも、本当に感謝だと思うのです。

それがなかなか死なないんですよ!

私もそんなに長い事はないんだろうと思ってましたが、普通に生活して、時期が来たら薬を飲み始めて、そのまま特に変わらない生活。

定期通院、毎日の服薬が日常になるんです。

私の場合、始まるまでにはすごく頭の中がぐるぐるするんだけど、始まってしまうと、ごくごく日常って感じです。

医学的に考えて、HIV感染症では死にません。(きっぱり)

放っておいて、発症して、それでも放っておけば命の危険はありますが・・・。

自分の経験からすると、HIVで死ぬというよりも、自分のその他の疾患や遺伝的要素からして、

ドクターに「やせないと癌・心臓病・脳卒中の方が怖いよ」と毒舌ギャグをかまされてしまった経験があります。

これは、HAARTで中性脂肪なんかが上がってしまうということも含んでの発言なんでしょうが、気をつけましょう。

HIVで死んでしまうことはまずありえないと僕は医者に言われました。

ただ発病してエイズになった場合、合併症などで亡くなるケースもあるみたいですが、今はほとんど無いみたいです。

僕は、告知された当時「死んじゃうんだ」と思って、仕事も辞めてしまい、友達とも縁を切ってしまった。

ところが、ところがなんですヨ。

今は、喰っていかなくちゃならないし、やりたいことはやりたいし、いい暮らしだってしたいので、就職活動中。

いろいろ立て直すのも大変だけど、やり直すチャンスにもなったみたい。

死にません。

今は治療薬がいろいろあって、ちゃんと薬を飲んで、

体に負担をかけないように(夜更かし等)、規則正しい生活をすれば、必ず薬の効果が出ると思います。

僕の場合は、アメーバ肝膿瘍で42度以上の高熱が続いていて、

「この高熱から解放されるのなら死んでも構わない」と思っていた時に告知をされたので、それほどショックを受けませんでした。

入院して肝膿瘍を治療する薬を飲み始めて、すぐに熱は下がり、一ヶ月ほどで退院しました。

それから1ヶ月後、免疫機能が弱っていたので抗HIV薬の投薬を開始しました。

その後重大な副作用に悩まされることもなく、時々自分が病気であることも忘れてしまうぐらい元気です。

この病気は正しい知識をもって対処すれば、「すぐ死んでしまう病気」ではありません。

少数の症例以外で、HIVによる重度の日和見感染を引き起こしての死亡ってあまり無いと思いますよ!

大多数は感染が成立した後、10数年~それ以降に免疫が下がって行く経過中、

判断基準として定められた特定の疾患を発症した時点でAIDSと診断されられるのですが、

発症したとしても、早期に確かな医療情報を持ち的確な診断、治療が出来る病院に掛かることが出来れば決して致命傷にならずに、

健康を維持して普段と変わりなく生活できますので、心配は無いはずだと思います

実際私自身も、告知数ヶ月後には、CD4が一桁になって2~3年後に帯状疱疹などにかかりましたが

結果的には入退院を数回繰り返しましたが、仕事は出来ましたし、6年ちかく抗HIV薬を使わずに過ごせましたし

今みたいに抗HIV薬が効果的に効く物が無かった時代でしたので、 仕方ない事では有りましたが、

それでも精神的に辛い事は有りましたがすぐ、死んでしまう訳では有りませんでしたよ!

初めて感染に気がついた場合には、発見がおくれているために、 体内の免疫システムの消耗が大きい場合があります。

そうした場合には、薬物治療を開始しても、 免疫の能力が快復するのに時間がかかったりしますが、すぐに死にいたる訳ではありません。

残念ながら死ねないのよねえ。それよりも今は毎日残業残業で死にそうだわ。

何が悲しくて一日の半分以上の時間を会社で過ごさなくちゃいけないのよ!

仕事だけの人生なんてつまらないわ。あたしのプライベートタイムを返して!