クラミジアの検査:女性用
女性のクラミジア検査は難しいんです
女性の場合、クラミジアの感染を診断するには、抗原検査と抗体検査の両方を組み合わせることが必要です。
【抗原検査】は、調べた部位にクラミジアがいるかどうかを調べます。
【抗体検査】は、クラミジアに感染した過去があるかどうか調べます。
『人に知られたくないので、病院やクリニックでの検査はちょっと・・・』と言う貴女は、これで【抗原検査】しましょう。
【抗体検査】には、保健所を上手く利用しましょう。
場所によっては、抗原検査は出来ません
クラミジアが子宮頸管にいる場合は「抗原」の検査が出来ます。
しかし、卵管、腹腔内にまで、侵攻してしまった時には、「抗原」を調べることは不可能です。
何故なら、検体=検査の元になる擦過物(その場所からこすりとったもの)が取れないからです。
ですので、クラミジアが卵管や腹腔内(子宮)に移動してしまい、すでに子宮頸管にはいない場合、
【抗原検査】をしても、陰性になってしまいます。
クラミジアは、移動するのです
理由は性器の構造の違いに有ります。
男性と比べ、女性の生殖器は、膣、子宮、卵管の順に、外界とつながっている管状臓器なので、空間がたくさんあり、
外部からの病原体が侵入、移動しやすい構造になっています。
女性が性器クラミジアに感染した場合、最初にクラミジアが付着する場所は、広い膣の中ではなく、子宮頸管(子宮頚部)です。
しかし、クラミジアは短時間のうちに、子宮腔内、卵管、腹腔内へと感染を拡大していきます。
そして、子宮頸管からは、いなくなってしまうのです。
すると、クラミジアに感染しているのに、検査結果が『陰性』になってしまうことがあるのです。
そんな時に役立つのが、【抗体検査】です。
クラミジア抗原検査のやり方
子宮頚管からの擦過物や膣からの分泌物の中に、クラミジアがいるかどうかを調べます。
のどクラミジアの場合は、うがい液や喉からの擦過物から調べます。
クラミジア抗原検査のデメリット
その場所の事しか判りません。
結果が陰性でも、ほかの場所にクラミジアがいるかもしれません。
抗体検査は感染の履歴・既往が判ります
クラミジアに感染すると【抗体】が出来ます。
抗体検査は、血液中に【抗体】があるかどうかで、感染の有無を調べます。
ですので、【抗原検査】と違って、身体全体の感染の状況が分かります。
過去に一度でも、クラミジアに感染したことがあれば、【抗体検査】の結果は、陽性になります。
ところが、すでにクラミジア感染が治まった後も、【抗体】は、血液内に残るので、今現在、クラミジアに感染しているかどうかの判断は難しいのです。
つまり
抗体検査が陽性の場合でも、すでに、完治している場合があります。
また、検査のタイミングが早すぎて、抗体が出来る前に検査をすると、感染しているのに、陰性の反応になります。
つまり
抗体検査の結果が陰性でも、感染していることもあります。
女性のクラミジア感染~放っておくと・・・
性器クラミジア感染症は、早く見つければ、抗生物質できちんと治療が出来る病気です。
性器クラミジア感染症の画像写真~治療しないで放置すると・・・
ちなみに、クラミジアに感染しているかどうかを知る方法は、検査以外にはありませんよ。
女性の場合、抗原検査と抗体検査の両方を行うことが大事です。
治さず放置すると・・・
女性の性器クラミジア感染症を、治療しないで放っておくと、約40%の感染者が、子宮頚管炎から骨盤炎となります。
骨盤炎は、不妊症や慢性的な子宮・骨盤部の痛み、子宮外妊娠を引き起こす要因になります。
子宮外妊娠は恐いですよ~生命の危機に結びつくこともあリます。
また、卵管が炎症を起こし、卵子が通らなくなり、不妊(子供が産めなくなる)の可能性が高くなります。
しかも、卵管はそのまま腹腔内に繋がっているため、クラミジアが卵管に到達すると炎症は腹腔内にまで波及し、 骨盤腹膜炎の状態になります。
でも、放置することで一番問題なのは、どんどん感染を広げてしまうことですよ。
アメリカ合衆国のCDC(疾病管理センター)では、妊婦は全員、クラミジア感染検査を受けることを勧めています。
アメリカでは、25歳以下の性的に活発な女性や、
25歳以上でも、性器クラミジア感染症になる『危険因子』を持っている女性には、年1回のクラミジアの検査を勧めています。
性器クラミジア感染症になる『危険因子』としては
- 新しくセックス・性交渉の相手ができた。
- 複数のセックスパートナーがいる。 二股、三股・・・
- 売春等、性を売り物にしている。
- コンドームを使わず、生でのセックスが多い。
日本でも20代、30代の女性の性病に対する無防備な意識は、深刻です。
性風俗店、出会い系サイト等、全く素性の分からない相手とのセックスは、クラミジアに限らず、色々な性病をどんどん広めていきます。
不妊症や、人工妊娠中絶も増えています。
クラミジア感染に関するデータ
最近の研究によれば、クラミジアに感染している女性が、HIV(エイズの原因ウイルス)感染者と性交渉を行うと、クラミジア感染していない女性に比べて、5倍以上の確率でHIVに感染してしまうことが、分かっています。
15~19歳の女性の20人に1人、20~24歳の女性の15人に1人がクラミジアにかかっています。
女子大生なら、クラスの2~3人はクラミジアの感染者ということですね(汗)
性器クラミジア感染症の症状
クラミジアは静かに、しかし、着実に女性の体にダメージを与えていきます。
女性の症状としては、感染のきっかけとなる性交渉(セックス)の後、1~3週間で、
膣の分泌物・おりもの(帯下)の異常、頻尿、排尿時や性交時の痛み、骨盤痛が起きることがあります。
ただし、75%の女性は、何の症状も現れません。
クラミジアに感染した人の大部分は、自分が感染したことに気づかないのです。
当然、検査も治療もしないことが多いので、感染を広めていく原因となる場合が多いのです。
クラミジアに感染しているかどうかを知る方法は、検査以外にはありませんよ。