第5章 3.債務負担行為

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今回は債務負担行為。借金と債務負担行為については、なぜか決算書ではなく予算書に書いてあります。(巻末の資料編に書いてあるので、残念ながらHPからは見ることができません。)

債務負担行為という言葉は非常にわかりにくい。臨時財政対策債と双璧かも。 それはおいておいて。

債務負担行為とは

区画整理など事業に長期間を要するものの事業費の確保に備える等のために、翌年以降の支出の予定額と期間をあらかじめ定めておくものです。これは将来とはいえお金が出て行くことを予告するものになるので、議会の承認が必要です。家計でいえば、自動車の買換や住宅の購入、子どもの将来の学費を予定しておくようなものでしょうか。

一言で債務負担行為といっても、割賦払いのようなもの(クレジットカードの30回払いのようなもの)や債務保証(子供の借金の保証のようなもの)、単に将来の事業の予定(子供の学費の予定)などいろいろな性質のものがあります。

議会で承認する際には期間と限度額を定めます。

主な債務負担行為は以下です。

<一般会計>

日野市土地開発公社の先行用地取得・債務保証 : 限度額は金額としては定められておらず、用地買収に必要な金額・元本利子の金額と定められています。 ということは借入金の残高(105億円)以上ということ。

特養老人ホームマザアス日野建設費補助金

約24億円、平成9~30年度

平成22年度以降に15.7億円が支出される予定

市民の森ふれあいホール

約22.2億円、平成22~23年度

平成22年度以降は 上記全額

多摩平の森ふれあい館施設取得

15.3億円、平成14~34年度

平成22年度以降に11.2億円が支出される予定

都市計画道路3・4・14立体工事委託料

10.9億円、平成17~23年度

平成22年度以降は6200万

その他平成22年度以降の支出予定額が1億円を超えるものとしては

老人ホームあすなろ建設費補助金

7.5億円(~平成38年度)

住民情報システム再構築委託

4.9億円(~平成24年度)

老人ホーム豊かな里建設費補助金

3.4億円(~平成31年度)

豊田駅南口エレベータ・エスカレーター工事

2.0億円(~平成23年度)

たまだいら保育園園舎建設

1.4億円(~平成23年度)

図書貸出管理システム借上

1.1億円(~平成24年度)

戸籍電算システム借上

1.1億円(~平成22年度)

社会福祉法人夢風船建設費補助金

1.1億円(~平成38年度)

一般会計以外には次のようなものがあります。

<土地区画整理事業特別会計>

西平山土地区画整理事業に伴う業務委託

平成23年度まで65億円、そのうち平成23年度以降41億円。国や都からの財源が34億円。

実際に平成23年度にこれだけの予算を確保することはほぼ無理なので、実際は期間が後ろに延びてくるものと思われます。

豊田南土地区画整理事業に伴う業務委託

平成25年度まで63億円、そのうち平成22年度以降54億円。国や都からの財源が50億円。

万願寺第二土地区画整理事業に伴う業務委託

平成25年度まで37億円、そのうち平成22年度以降31億円。国や都からの財源が9億円。

東町土地区画整理事業に伴う業務委託

平成26年度まで18億円、そのうち平成22年度以降18億円。国や都からの財源が8億円。

全般に巨額です。

<下水道事業特別会計>

浅川処理区管渠埋設委託

平成23年度まで192.6億円、そのうち平成22年度以降は8億円。 国や都からの財源が3億円。

ちなみに決算カード(平成20年度。平成21年度はまだ出ていないので)では、債務負担行為の翌年度以降支出予定額は約240億円となっています。

現在は240億円ですが、平成6年には1300億円以上ありました。それではその1000億円は既に支払ったということではなく、事業の見直し(家計でいえば買い換える自動車を軽自動車にするようなもの)や期間の見直し(大学までの学資を計上していたものを、高校までの計上に変えるようなもの。別に大学をあきらめたわけではない。→ 負担が消えたわけではない)により、総額自体を減らしたことによるものです。

ということで、債務負担行為は将来の市民の負担になるものですが、必ずしもそうでない部分があるとともに、これで将来の全ての負担を網羅しているものでもないという面があります。

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