第1章 1.財政とは何だろう。

財政の役割について、このページでは解説しています。主に左側で解説。右側には参考資料へのリンクなど。

基本的には国ではなく、市町村の財政を念頭において書いています。他のページも同様です。

既にご存知の方はスキップいただいて結構です。

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■財政とは何でしょう?

いろいろな説明がありますが、端的に言えば

「みんなから集めたお金をみんなのために使う仕組み」

といえます。 (財政の言葉の意味について、より細かく知りたい方はこちら

みんなから集めたお金 の中で大きいのは税金。

その他に手数料や使用料、借金のようなものもあります。

みんなのために使う の方は、実にいろいろあります。

詳細は別のページで紹介しますが、外交や防衛から始まり、教育、ゴミの収集や処理、道路などの公共施設の建設と管理、医療保険や年金などなど。

このような「みんなのためのサービス」を

「行政サービス」又は「公的サービス」

といいます。

このような行政サービスを提供するためのお金の裏づけ。

お金を調達したり、配分したりするのが財政です。

(行政サービスの意味について、もう一段踏み込んだ考察はこちら。)

○動画による紹介

日野市 市民が市民のために作った財政白書平成21年度版から

■お金の配分を決めるのは難しい。

「みんなから集めたお金をみんなのために使う」 というのは非常に簡単ですが、実際にどう使うかを決めるのは非常に難しいことです。

みんなのために使う、と一言で言っても、例えば保育園は子どものいる家庭に利益があるものですし、高齢者の福祉は高齢者に利益があるものです。それもみんなのために使うものなの?という意見があるかもしれません。

しかし、誰しも子どもとして生まれ、年を取り、あるいは体が不自由になる可能性があることを考えれば、それらに備えるセーフティーネットは「みんなのために使う」ものと言い得ます。とはいえ、短期的に見れば「市民全員のため」のサービスというのは極まれで、ほとんどのサービスはそれぞれ一部の市民のためのものです。

歳入がどんどん増え、配分できる財源が豊富にあるうちは、それでもまだ易しいといえます。今後は財源はどんどん減少する傾向にあります。

そのような中で財政を改善、あるいは維持するだけでも歳出を抑えることが不可欠になります。

支出を抑える話をすると、人の懐に手を突っ込んでくるというイメージや、逆に事業仕分け人のように一刀両断するイメージがあるかもしれません。

でも実際は思うほど簡単に一刀両断できるようなものはほとんどありません。

財政の健全化はダイエットに似ているところがあります。何か一つを食べれば、あるいは何か一つ食べるのをやめればできるものではありません。日々の食事と運動の積み重ねです。

それと同様に、特定の悪者がいてそれを一刀両断すれば、それ以外のところ(端的に言えばあなた自身)は変わらずに問題が解決するというものではないのです。

そのような状況の中でさらに利害が異なる人の思いが絡んでおり、解決策を導き出すのは非常に難しいことです。

今後財源の配分を考えることは非常に難しいということを、いくら強調しても十分ではありません。

しかし、それを避けることはできないのです。その難しいことを究極的にはわれわれ自身がしなければならない。

一刀両断してけりがつく魔法の杖のようなものなどなく、解決策は困難な道を粘り強くいかなければならない。

いきなり重くなってしまいました。

ちょっと長くなったので、この項分けます。続きはこちら