多重露光の撮影解説 2
多重露光の撮影解説 2
水を張ったアクリルの水槽に「黒い液体」を垂らして1回目のシャッターを切ります。
その液体が広がった部分に2回のシャッターで撮影した被写体の画を乗せるワケです。
黒い液体は程よくグレースケールになる必要があり、墨汁は黒すぎたり水の中でキレイに広がらないため不向き。絵の具は水槽に付着してしまう恐れがあるので試さず。
結果、何に辿り着いたかは…自分で考えてみて。苦労したほうが身につくよ。ヒントは食品。
この撮影で大変だったことは、なかなかこの液体が良い感じに広がってくれないこと!
失敗するたびに水槽の水を全部捨てて洗って水入れ直して撮り直し!面倒!超面倒!
被写体になってくれた二人の協力あってこそ成功した撮影でした。
合成といっても、この2枚の画像を一つにまとめただけです。
合成前はアクリル水槽のフチが映り込んでますね。これは水槽のサイズが小さかったためなので仕方なし。
アクリル水槽の後ろには乳白色の塩ビ板を置いて、その奥にストロボを手前に向けて発光させています。1回目のシャッターはその1灯のみ。
2回目のシャッターで撮影する被写体のライティングは上下の挟み込み(クラムシェル)。両方ともグリッド付きのソフトボックスです。背景は黒。背景を明るくしてしまうと液体のグラデーションが死んでしまうので暗く落としました。
この撮影はとにかく黒い液体が良い感じに広がってくれる運と、2回目のシャッターで被写体をフレームさせるために液体の形を覚えておく記憶力が勝負。勝負っていうか超大変です。お勧めしません。
でも成功した時はアホみたくテンション爆上がりになるので病みつきになるわけです。