去る8月29日(土)、30日(日)の両日、居合発祥の地である村山市林崎の居合振武館において、組太刀講習会を開催しました。
居合道の稽古は通常、仮想の敵を想定し、一人で業を行うことを基本としますが、組太刀は実際に相手と相対して攻防を行う稽古です。
そこで行われる所作は、長い歴史の実戦で磨き上げられてきた精緻なものです。
打太刀と仕太刀、その双方が互いの動きを正確に捉え、呼吸を合わせて業を行わなければ、僅かな狂いによる事故や怪我につながります。そのため参加者には、ある一定以上の確かな技量とともに深い意識と高度な集中力が求められます。
今回の講習で取り上げたのは「位取り」。
一 出合
二 拳取
三 雷
四 詰流
五 鍔留
六 柄詰
七 神妙剣
八 返討
九 青眼
以上、九本です。
二人一組となり、打太刀と仕太刀に分かれて業を進めてゆきます。
定められた手順をなぞるだけではありません。相手との間合い、刀の角度、力の加減と方向、体捌き、太刀筋を見切る眼、重心の移動を含めた身体運用――。
そして、それらすべてを統轄する「心」。
実際に相手と剣を交えてみる事で、日頃一人で行っている稽古の中では見えにくかったものが、明確な形となって現れてきます。
どこまで間合いを詰めるのか。
どの瞬間に動くのか。
相手の動きをどこまで感じ取れているのか。
自らの身体が意図した通りに業を体現しているのか。
組太刀とは、単に相手と剣を交える稽古ではありません。
日々の稽古によって積み重ねてきた技術と身体、そして心の在り方を実際に相手との間で確かめる場でもあり、謂わば日常の稽古の「答え合わせ」の場とも言えます。
二日間の講習会には総勢34名が参加しました。
互いに打太刀、仕太刀を務めながら、九本の業に向き合う。そこには、一人で行う稽古とはまた異なる緊張感があり、相手があってこそ得られる学びもありました。
一つひとつの所作を確認し、相手の動きを感じ、呼吸を合わせる。
そうした積み重ねの中で、それぞれが自らの稽古を見つめ直す二日間となりました。
講習で得たものを日々の稽古へと持ち帰り、なお研鑽を重ねてゆきたいと思います。
今回、組太刀で交わした業の一本一本が、参加された皆さんの更なる高みへと繋がってゆくことを願っております。