臨床研究関連教材

研究倫理

1. 研究したい!!と思ったら

2. 研究倫理とは

研究者が研究を行うにあたり持ておくべき倫理感のこと

過去の事例を教訓に研究対象者を侵害しないように研究倫理が確立してきた

3. 研究倫理の歴史

1947年 ニュルンベルク綱領 : 研究倫理の原点

1964年 ヘルシンキ宣言   : 倫理的基盤

1979年 ベルモントレポート : 被験者保護のための倫理原則

 → これらの原則を踏まえて、現在世の中にある指針が策定されている

4. 日本における倫理指針

倫理指針は必要に応じ見直しを行うこととされており、その見直しの過程で、共通して規定されている項目の整合性をとることなどが検討され、統合に向け動いていった

5. 人を対象とする医学系研究 ≧ 臨床研究 ≧ 治験

「人を対象とする生命科学・医学系研究に関する倫理指針」の目的・基本方針

 この指針は、人を対象とする生命科学・医学系研究に携わる全ての関係者が遵守すべき事項を定めることにより、人間の尊厳及び人権が守られ、研究の適正な推進が図られるようにすることを目的とする。

 全ての関係者は、次に掲げる事項を基本方針としてこの指針を遵守し、研究を進めなければならない。

① 社会的及び学術的意義を有する研究を実施すること。

② 研究分野の特性に応じた科学的合理性を確保すること。

③ 研究により得られる利益及び研究対象者への負担その他の不利益を比較考量すること。

④ 独立した公正な立場にある倫理審査委員会の審査を受けること。

⑤ 研究対象者への事前の十分な説明を行うとともに、自由な意思に基づく同意を得ること。

⑥ 社会的に弱い立場にある者への特別な配慮をすること。

⑦ 研究に利用する個人情報等を適切に管理すること。

⑧ 研究の質及び透明性を確保すること。

「人を対象とする生命科学・医学系研究に関する倫理指針」の対象

「人」を対象とし、下記を通じて、国民の健康の保持増進又は患者の傷病からの回復若しくは生活の質 の向上に資する知識を得ることを目的とした研究

1.傷病の成因の理解

2.病態の理解

3.傷病の予防方法の改善又は有効性の検証

4.医療における診断方法及び治療方法の改善又は有効性の検証

 → 指針の対象となり、倫理審査が必要

「人」を対象としない、下記などの患者情報と切り離された調査研究

・処方箋枚数

・後発医薬品の変更割合

・薬剤費

・副作用データベースの情報

 → 指針の対象とならず、倫理審査が不要

7. 倫理審査委員会による審査


第三者が8つの視点が遵守されているか客観的に評価

社会に公表して研究の透明性を確保する


 倫理的配慮がなされていない研究は実施させないのが原則であり、倫理審査委員会を受けて承認されたことが、被験者の権利が守られている、その配慮が実行されることの担保となる

 自施設に倫理審査委員会がないなど研究でお困りの際には、学術委員会にぜひご相談ください。

8. まとめ

参考資料

【倫理指針とガイダンス】

人を対象とする生命科学・医学系研究に関する倫理指針(本文)(令和4年3月10日一部改正)

 https://www.mhlw.go.jp/content/000909926.pdf

人を対象とする生命科学・医学系研究に関する倫理指針ガイダンス(令和4年6月6日一部改正)

 https://www.mhlw.go.jp/content/000946358.pdf