研究紹介
研究紹介
アユをはじめとする沢山の魚が、河川に設置された魚道を利用していることを明らかにしています。
魚道を遡上するアユ(水中撮影映像)
遡上調査で確認したアメマス、アユ、アブラハヤ等
一方で、魚道の遡上に失敗する魚達も存在します。
以下は、現地調査から得られた魚道内の”流れ”と”遡上魚の挙動”の関係です。河川遡上期のウキゴリ等は、体サイズが小さくて遊泳能力が弱いため、遡上が困難な魚道が多数存在すると考えています。
魚道隔壁部のおける等流速カラーコンターとウキゴリの挙動
河川遡上期のウキゴリ(体長3~4cm程度と小さい!)
ウキゴリのように体サイズが小さい成長段階で海から河川を遡上する魚達のことを、私達は「小型通し回遊魚」と呼んでいます。日本には、ウキゴリ等のハゼ科、カジカの仲間、ウナギなど、沢山の小型通し回遊魚が存在します。
”小型通し回遊魚が遡上できる・できない”魚道の水理条件を調べるために、実寸大相当のプールタイプ魚道の水路模型を作製しました。
現在、複数の魚種を対象に、遡上実験を進めています。
さらに、小型通し回遊魚を含めた多様な生物が遡上可能となる魚道の開発・既設魚道の改良方法の提案に向けた研究を行っています。
河川遡上期のウキゴリを用いた遡上実験
(プール間水位差Δhが大きいほど、遡上成功率は低下する)
ニホンウナギはウキゴリよりも遊泳遡上が苦手のよう・・・
研究目的(魚道の遡上実験用)でニホンウナギなどを飼育しています。