稽古内容

楊名時八段錦・太極拳について

☯このページでは、教室で稽古する際のカリキュラムなどをご紹介します。太極拳に興味がある方、健康増進したい方、御稽古を始めてみませんか?

☯ 見学・体験ご希望の方は教室一覧のページ(👉教室一覧)をご覧ください。

◆楊名時八段錦・太極拳は、健康長寿をめざして生涯続けられる運動です。愛好者の皆様の性別・年齢層は様々で、中には御夫婦や親子で太極拳を楽しんでいる方もいらっしゃいます。虚弱体質の方や、お仕事などで疲れが溜まりがちな方、高血圧の方、持病があるという方も、日々教室に通いながら気力と体力を養っていらっしゃいます。

◆稽古の進捗状況をむやみに他人と比較せず、おひとりおひとりがその日の体調に応じて、できる範囲で動作をしていきます。過剰に頑張り過ぎず、心身を労わる様にゆったりと動きますので、持病がある方も医師の許可があれば参加できます。

◆私共の太極拳は、人と競わず自分自身の体と向き合うことを前提としていますので、団体として試合(競技会)にエントリーはしておりません。尚、御免状取得ご希望の方におかれましては、免状制度がございますので、稽古の際に教室の指導者に御相談ください。

※教室によっては、この他に別の簡単な準備運動等を行うことがあります。また動作の指導だけではなく、理論的な事もあわせて学んでいきます。

※あせらずにゆっくりと24の動作を身につけられるよう稽古を重ねていきます。ご自分の体調に応じて、無理のない範囲で稽古をしましょう。

※中国古来の気功養生法です。ゆっくりと深い呼吸をしながら動いていきます。ゆったりした柔らかい動きなので、御年配の方や体力に自信がない方でも大丈夫です。年齢・性別に関わらずお勧めできる健康法です。

※太極拳を行う際の指針です。

※楊名時先生が大切にされていた五原則です。

<稽古要諦>

☯稽古要諦に並ぶ言葉の数々は、太極拳を鍛錬していく上での身体動作の指針となる要訣です。

☯以下に、稽古要諦二十四訣についての短い解釈文を掲載いたします。


【気沈丹田】気を丹田に集めること。

【心静用意】意を用いて心静かに行うこと。

【沈肩垂肘】肩に力を入れないで沈め、肘は自然に垂らすこと。

【身正体鬆】姿勢を正しくすると体がリラックスする。

【内外相合】内は心と意識と呼吸。外は体、動きのことで、内と外を一致させること。

【由鬆入柔】体を楽にして力を抜いて、柔らかくする。

【上下相随】上は体の上半身、下は下半身、相随は相従わせるということ。

【弧形螺旋】動くときは弧を描き、らせん状に動く。

【主宰於腰】腰を中心にして動く。

【中正円転】背骨はまっすぐにして、動きはまろやかに。

【尾閭中正】背骨をまっすぐにして、尾骶骨の位置を正しくする。

【源動腰脊】動きの源は腰と背骨である。

【含胸抜背】含胸は胸をゆったりさせること。抜背は背骨をのびのびさせると呼吸がスムーズになること。

【脊貫四梢】脊貫は脊髄。四梢は両手両足の指先のことで、脊髄の神経を手先の末端まで通わせること。

【虚領頂勁】頂は、頭の頂のこと。勁は、内面の気が統合され、力となって現れたもの。(頭頂部から引き上げられるような姿勢で。)

【三尖六合】三尖は、手足の親指の先と鼻の先の三点を一直線に結ぶこと。内面の精・気・神と外面を調和させること。

【呼吸自然】太極拳の呼吸はゆっくり吸って吐く腹式呼吸。できるだけ自然に呼吸をすること。

【速度均匀】速さを同じにする。起勢から動き出したら、収勢まで同じスピードで動く。

【分清虚実】清は透き通るということで、虚実をはっきり分けること。

【胯与膝平】後ろ足の大腿と前足の膝の高さを同じにする。ただし年齢に応じて(沈み方を)加減する。

【動中求静】動きの中に静を求めること。

【眼随手転】眼は手の動きに従う。意識と動きが統一され形が整う。

【剛柔相済】剛柔が互いに助け、補いあうこと。

【手与肩平】前方に押し出す手の高さは、肩と同じくらいの高さにする。


※上記の各解釈は、NPO法人日本健康太極拳協会・指導者育成委員会作成の手引書より主に引用・抜粋しております。

※稽古要諦について更に深く御知りになりたい方へ。こちらに👉関連書籍等が紹介されていますので御参照下さい。

<指導者十訓>

☯指導者の為の標語であり、主として中国の格言などから楊名時師家が選別されたものです。

☯指導者のみならず、太極拳を学ぶ全ての人々、更には、人が他人と関わる上での心構えに繋がるような、意義ある言葉の数々です。


一、説話和気

「言葉づかいは穏やかに」


二、学無止境

「学問は止まる境なし、学ぶことに境界はない 」(学びは一生続くもの)


三、天天学習

「毎日学習する、毎日稽古する」


四、教則学習

「教えること、即ち学習すること」


五、心中事少・口中言少・肚中食少

「心の中には心配事を少なくし、口の中には言葉を少なくし、腹の中には食べ物を少なくすること」


六、敬天信人

「天を敬い、人を信じる」


七、我為人人

「私は人々の為に尽くす」


八、自他共栄

「自分も他人も共に栄える」


九、団結一致

「一致団結すること」


十、求大同・存小異

「小異を残して大同につく」