院内医薬品集

そもそも必要なのか?

漠然と、院内医薬品集は有るのが当たり前と思ってはいたのですが、周りの同業の人たちに

「院内医薬品集って使ってる?」

と聞いたところ、

「いや、使ってない」と・・・。

どこも一応あるとは言われていましたが、それを実際使っているかというと・・・。

では作らなくてもいいですか?と聞くと、そこは必要と言われたり。

施設によって違いはあるとおもいますが、一番多いパターンはExcel使って表を作って・・・な気がします。昔と違って携帯さえあればなんでも調べられる時代ですので、採用薬一覧さえ作っておけば、あとは「フリーの添付文書ソフトを使ってください」で済ましてしまうのが一番簡単?とか思いますし、実際そういった使い方が多いのではないでしょうか。

App storeで検索すると医薬品集がありますが、あれはあくまであそこの病院の医薬品集であり、当然自分の施設でそのまま使うものではないです。 こんなの作れますよ?という宣伝もあるのでしょう。同じソフトで、他の病院も公開されていますので、今から作られるところは参考になるのかな。

機能評価には院内医薬品集が必要なの?

※一応両方、ダウンロードさせていただきました。どんなものかと。参考になるところがあれば取り入れたいですしね。

※※現在は公開されていません。

「やっぱり紙がいい!」というご意見もあろうかと思いますが、それは既存のソフトで院内医薬品集が作成できるものがいくらでもありますのでそれ使ってください。ここに書くのはあくまで医薬品集の電子化のお話しです。

さて医薬品集が出来上がって、iPhone持ってるという他の病院薬剤師さんに「使ってみる?」と聞いたところ「イラネ」と言われました。医薬品集と聞いただけではこれが現状なのです。フリーの添付文書ソフトがあるから必要ないと。

いや、そうでしょうとも。私も自分で作ってみるまでは無料で使える添付文書ソフトがあるのに今更院内医薬品集なんてイラナクネ?と思ってました。さらにどこの誰かもよくわからん個人の作ったソフトなんてそんなもんです。でもね、一言いわせて。「採用」のチェックを入れられるだけで添付文書集とは違います。

フリーの添付文書ソフトになぜそのような機能がないのかは・・・事情ってものがあるのでしょう。

院内医薬品集というと、採用薬のデータだけとなりそうですが、今のご時世、持参薬もあれば、先発後発もありますので、自院採用薬の情報だけでは正直使いにくいです。とりあえず薬剤名だけでも全薬剤入れ込むとしても、すでにあるフリーの添付文書集と同じ物を作ってもしかたありません。

ではどんな機能が欲しいか考えると、

すぐ思いついたのがこれくらいでしょうか。

1は絶対です。院内医薬品集だから。後はあると便利な機能。

3の処方データに連動なんですが、聞いてみるとモバイル端末のローカルに個人が特定できるデータを入れると色々まずいとのことで、生年月日もカルテ番号もダメと。指紋認証とかパスワードということではなく、データを持って帰れる状態がダメということなんでしょう。

そういわれるとどうするか。検索用バーコードを別に持ち歩くしかないですかね。処方データは電子化されてるけど患者検索用のバーコードは紙に印刷して別に持ち歩くという使い方。当然携帯端末に氏名や生年月日は入力されない形で。

処方自体のQRを持ち歩くならその都度読み取る仕組みに変えてしまい、閉じるとデータも消えるようにしてしまうというのもありかと。

ただこれ、気をつけないといけないのが、分割QRで外部のバーコードリーダーソフトを使うと、読み取り履歴ってのがありまして、こいつを消しておかないとそっちに個人情報がバッチリのこってしまうという・・・。

そもそもQRコード持ち歩くならお薬手帳用ソフトでいいだろ?というのもありますが。

本来患者氏名があった部分を削って備考ということに。あとは使う人が何を入力するかはご自由にということで・・・・。

FileMakerのバーコードリーダーがもう少し高機能になってくれるといいのですが、分割QRには対応してませんし、薬剤のGS1にも対応してません。

※19から対応

またQRコード自体の読み取りも外部ソフトの方が読み取り性能が高い場合があります。実際調剤薬局でお薬手帳用に印刷したQRコードが、外部ソフトやお薬手帳ソフトでは読み取れるのにFileMakerGoでは読み取れないということがありました。

4.の付録部分はそれぞれの施設の特色が出る部分でしょう。

抗生物質の適応菌種の表とか・・・・ちょっと取り込むには面倒かな・・・。pdf埋め込むなら楽ですけど。

自分で使うソフトなので、自作したソフト以上に使いやすいソフトなんてありません。とはいえそんなに簡単でもありません。でも頑張るしかないので頑張った結果がこれ。

もとはこれですけど

機能削りまくってこんな具合ですかね。

今、β版扱いで関係者で試している?ところです。日の目を見るのか、永遠のβ版で済ますのか思案中。公開されたらきっとこのページは消えるか修正入れます。

モザイクで隠れているところを入れるかどうかで色々扱いが変わってくるんです。携帯端末で扱うソフトにする場合、上にも書きましたが、個人情報に関して登録出来ないようにしてみたり、データの関係上削らないといけない機能があったり。

医薬品集だけにしてしまう方がいいのか?建前上持参薬としていますが、処方をメモ代わりに入力できるとなにかと便利ではあるのですが、他の職種にはそんなの必要ないですし。

何があっても責任取れませんよ?ってところは変わらないんですが。

さらに削って医薬品集だけにしたらこんな感じです。メインメニューとかなく、いきなりこの画面が開きます。これと添付文書集ソフトがあれば、モバイル端末だけでもとりあえずのデータ確認はできそうです。

この採用薬一覧だけでよければデータはネット上に公開してあるテキストだけで作れます。Excelで一覧表を自作するだけではなく、ちょっと一手間かけるとこんな感じ程度で見て下さい。

なんかスカスカに見えますが。

どこのデータを基本にするか?というのもありますが、とりあえず更新が一番早いあそこのデータを吸いこむとこんな感じです。採用薬一覧だけのアプリを作るとしたらこんなもんだと。

実物はここにあるので興味ある人はお試し下さい。

確かに1本のソフトで採用薬から添付文書情報まで検索できるなら楽かもしれませんが、採用薬だけ調べたいならこれで十分です。少し手を加えたければ、分類も埋まりますし、製薬企業と一般名処方、ハイリスクの部分も埋まりました。

画面はAccess

実はこれ以上先のデータを埋めようとするとかなり敷居が上がります。棒高跳びのバーくらい・・・。

識別記号とかだけではなく用法用量とかまさに添付文書の情報が。そうなるとあれが必要になるんです。

昔あったPapuaではありません。

※薬剤のデータに関してですが、自院の医薬品集やシステムに関しては全てネットでダウンロードできる物で済ませています。予算無いのでどこかでデータを買ってくるというわけにはいかないというのもありますが、必要なデータは今のところそろってるかな。

201909