坂本研究室では、「健康を多層的に科学する」をテーマに、身体・心理・社会・学びといった複数の側面から健康を考えています。基盤となっているのは基礎医学ですが、その枠にとどまらず、身体と心理の関係、効果的な教育やその在り方、地域社会での人との関係性までを視野に入れた、領域横断的・学際的に健康をとらえる研究を行っています。
―生活習慣病における組織解剖学・免疫学―
食事や生活習慣が体の中の免疫反応にどのような影響を与えるのかを研究しています。たとえば、高脂肪食(60%kcal fat)が腸管や脾臓の組織構造をどのように変えるのか、リンパ球といった免疫細胞の分布や発現する蛋白はどのように変化するのかといった課題に対し、形態学・免疫組織化学を中心とした研究をしています。
―疫学手法・アンケート手法を用いた調査―
病気や怪我を予防することを中心とした研究です。いくつかのテーマがあり、地域や職場に暮らす人々の「社会とのつながり」や「幸福感」と「健康」の関係の調査、職場における心理的ストレスや職場環境における健康被害の調査、アスリートにおけるメンタルヘルスの調査などを行っています。
―教育評価学・批判的比較教育の実践―
大学教育の現場で、学生がどのように意欲を高め、仲間と協力して学ぶかを研究しています。関心があるのは自己決定理論で、主体的に学ぶためにはどのような支援が必要か検討しています。また、主体的学修を補助するための評価表の検証や、学ぶこと自体の価値を教育実践から体系化する試みをしてます。