お祭りなどの縁日で、ものを釣らせる箱釣りというジャンルがあります。
今でもメジャーなのがヨーヨー釣り(非生物)や金魚すくい(生物)ですが、かつてはうなぎを釣らせる屋台が各地にありました。縁日等の出店情報というものは記録にはきわめて残りにくく、調べることがとても困難です。そこで、ツイッターのみなさんのお力をお借りして、・どこに、・いつ頃(何年頃)あったのか、・どんな方式であったのか、をたずねてみることにしました。
なお、ウナギ釣り屋台の紙媒体での初出については、昭和7年の読売新聞の記事であることがフナと納豆のひとの調べで判明しています。永井荷風の『墨東綺譚』にも記述がみられることを近代食文化研究会さん(@ksk18681912)にご教示いただきました。
2022年8月20日現在の地図(聞き取った地名や寺社名でプロットしてます)
(※)提供アカウント名は別表で管理していますが、地図内には反映しておりません。あしからずご了承ください。
・現在までに全国26都府県に出現した
・最近はほとんどの地点で消滅している
・その場で裂いて、焼いてくれるもの・生きたままもらい受けるもの・蒲焼き既製品と交換するものの3タイプが存在する
加えて、釣り方の詳細や値段設定、消滅した時期等も一部詳しく教えていただきました(感謝)。情報は引き続き募集しています。
その後いただいた情報(敬称略)
・現在(2024年)も岸和田だんじり祭に存在。釣れたら生きたままか、捌いた生の開きでのお渡し(井守@syoyo_imori)
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その他のメモ
『非日常空間に残る遊び 屋台のうなぎ釣り文化』(ぎょぶる,11:30-35)では触れられていない関連情報をメモ書きとして残しています:
伊地知(2013)による記述
「(前略)それは神社の秋祭りのひとつで、釣り竿の穂先に木綿のしつけ糸、これに返しのない碇針というタックルでの遊びだ。(中略)昭和40年代で1回30円、後に50円になった。これは金魚すくいやヨーヨー釣りと同価格で、小学生の小遣いを掛けるには、なかなか大きな賭けであった」(伊地知英信,ウナギの絵馬を見に行く.フィッシュマガジン,(552): 36-37)註:伊地知は1961年、東京生まれ。
※いただいた情報はフナと納豆のひとの活動や報告(論文等)に利活用される場合があります。