古い屋根材を取り除く 

古くなった屋根の材料

茅葺屋根を葺き替えるときは、反面ずつ葺き替えるようにします。屋根全体を一気に葺き替えると次に葺き替える時は、全部同じように葺き替えるようになってしまうため、反面ずつにします。屋根の材料もそんなにないので、反面ずつの方が良いのです。

家の藁葺き屋根の厚さは、下から約40cmくらいになっております。築300年以上は経っているので、表面から20cmくらいまでは、すぐに外せたのですが、残りの20cmくらいになると黒くなっており、黒いすすが出て顔まで真っ黒になります。マスクをして作業をしないとどうにもならない状態になります。この黒いすすは、昔、囲炉裏の場所がたくさんあったので、そこで薪に火をつけて煙を出したので、真っ黒になっています。この煙を出す作業も大切で、この煙を出すことによって屋根からうっすら煙がでて、屋根にいる虫を追い払っていたのです。

古い小麦を取り除くのに、1日かかってしまいます。取り除いたら、屋根から降りて、古い小麦を縄でまとめて、車に積み込んで処分します。

下地はボロボロだった

古い小麦を外すとこんな感じになっておりました。下地の竹をみると、ボロボロになっており、さわると落ちていくような感じになっておりました。よくこんな状態で、屋根を保っていたと思うと、不思議でなりませんでした。この古くなった竹をすべて取り除きます。

下地の竹を並べていく

画像を見るとわかると思いますが、屋根の横には孟宗竹が数本横に入っておりました。これでは弱いので切り口12cmくらいの丸太を購入して、横の孟宗竹を取り除き、丸太にして縄で締めておきました。そして、縦のラインに真竹を並べていきます。真竹は、とてもしなやかにしなりますので、とても強い竹になります。幅約30cm間隔で並べていき、2mくらいの間隔で縦のラインに細い丸太を入れていきました。

いちごがけ

竹を並べ終わったら下から15cmくらいの場所に真竹を横にして縄で縛っていきます。この縛り方は特殊で、「いちごがけ」といい、一つの縄を切らずにずっと特殊な縄の締め方で締めていきます。こうすることによって何十年か経ってから一か所の場所が切れても締まるような縄の結び方になっております。

割った竹を並べる

孟宗竹を鉈で割って、上から綺麗に並べていきます。割った竹は節を取ってはいけません。この節に小麦が引っかかって落ちないようになります。並べ終わったら縄を上から竹6本の間隔で上から通していくのですが、下から通して前に綺麗に下がってもっていき、下をくぐらせて逆から綺麗に下に通す感じです。けして、下から通した縄を上の竹に横切って通してはいけません。雨の流れを考えているので、雨漏りした時に、この縄もつたわってくると思ってください。