藁葺き屋根のある家
下の段までは、刀のような形に作り、ここからは、ハナと呼ばれる部分の作成になります。この部分は、茅葺屋根でも刀の形がない屋根は、ここからの作り方と一緒と思ってください。よく見るとハナのラインには下地に細い竹があるので、それを使って茅の束を締めていきます。中央に一つの大きな小麦の束を作り、両サイドに小さな茅の束を作り、縄で連結していきます。最後にもう一度、中央に茅の束を作って角度調整すれば完成です。この部分は、風がよくあたるので、中に割った竹を4枚いれて針金で締めております。こうすることによって風が当たっても崩れにくい屋根になります。
ハナの部分が完成すると画像のように綺麗になっていきます。この部分ができると全体から見ても屋根らしい形になってきております。
ハナを作ったら平らな部分に行き、ハナを作った工程と同じように上から綺麗に小麦を並べていきます。最初は、割った竹を使い、最後は、細い竹を使って縄で締めていきます。
上の方にくると、上の古い小麦がありますが、それも引き出しながら並べていきます。最後は、上の小麦と下の小麦で仕上がるような感じで葺いていくのですが、ここの部分は慣れないと難しい部分になります。私も苦労しましたが、綺麗にいかないものなんです。
綺麗に小麦を並べ終わったら、ブーメランのようなハサミで下から上へ、下から上へとカットしていきます。このハサミも特殊で新潟の音房という場所で購入したのですが、このハサミの職人さんもやめるみたいなので、慌ててハサミを数本かっておきました。
屋根をハサミでカットしていったら、竹ぼうきを使って綺麗にはいていきます。竹ぼうきなんて今では、見る人も少ないと思います。ハサミでカットしていくと、かなりの量の小麦の破片が落ちるものです。
竹ぼうきを使ってはいたら、後は、コテを使って綺麗に角度調整しながら叩いていきます。これでかなりの見栄えになるんですよ。とても美しくなっていきます。
ハナの部分は、屋根の上まで綺麗なラインができるようにカットしていきます。ハナの下の部分は、ハサミの先端を使ってカットしていきます。後は、叩いて仕上げる感じです。
ハサミでカットして、コテで叩いていくと、こんな感じで綺麗に仕上がります。この技術を覚えるのに、独学で10年はかかってしまいましたが、あと少し守っていけそうです。やはり努力をすれば何とかなるものです。