花としてのすみれは、フランドルの画家ヒューホー・ファン・デル・フースの「羊飼いの礼拝」やドイツの文豪ゲーテの「エルヴィンとエルミーレ」などにみられるように「謙譲」や「謙遜」を象徴する花として登場しています。 それは頭をもたげながら咲く小さな花であることに由来しており、また、花が終わり実ができた時、三方に開いて種がはじけていくことから「三位一体」を象徴するとも言われます。
すみれは、ひっそりと小さく目立たず咲きますが、それでいてとてもひた向きに「生きよう」としているように思えます。 決して堂々としているわけではないけれど。それに対して、その生命を支えてくれる光(太陽)や潤いを含んだ大地(水、土)は、大きな心で全てを見守り包み込んでくれる「母なる存在」といえましょう。 この関係は、そのまま「私達」と「音楽」になぞらえるように思うのです。
きっと、大切なのは、自分にできる、自分が思う、最高の、最大のこと・・・即ち、心でもって、精一杯の愛情でもって、いつも相対するものに接したり、応えたりすること・・・。きっとすみれもそのようではないか・・と。そして、私達もそのすみれのようでありたい、そう思う気持ちをとても大切にしたい、 そんな気持ちの膨らみでこの会をVeilchenと名付けました。
~発表会~
様々な理由で会場を変えつつ、生徒さんたちのおかげで、発表会は1994年より毎年続けられています。その後、リコーダーの方々もご出演くださるようになり、副題として「リコーダーとチェンバロが織りなす様々な響き」を付加させていただいております。また2022年からは、リコーダー以外の楽器とのアンサンブル、チェンバロ連弾など、アンサンブルの愉しみや深みを共感できる「アンサンブルって愉しい!!」というアンサンブル発表会も開催するようになりました。
日々のレッスンや発表会のための練習、本番、打ち上げを通して、みなさまそれぞれが、音楽をとても大切に思われていらっしゃるのを感じます。
生徒さんたちはすばらしい方々ばかりで、頼りない私を様々なかたちで支えてくださり、そのおかげでここまで続けさせていただいています。そのことを決して忘れることなく、これからも、より優しい、より温かなVeilchenを、生徒さんたちとともに育くんでいきたいと思っております。