OTOTEN 2022 出展情報
おかげ様で OTOTEN 2022 を無事終えることができました。ご来場の皆様ありがとうございました。
今回の再生システムは目標としていた音にかなり近付いたと感じ、出展致しました。一般の方に聴いていただく機会は初めてでしたので期待と不安で一杯の開催となりましたが 、殆どの方のご意見・ご感想は私がイメージしていたものとほぼ同じでした。少し驚きでもありましたが、とても安心することができました。
会場で配布しましたパンフレットと演奏で使用した14曲を、その時のコメントと共に以下に掲載します。採用した曲は、再生システムの音質・音場の進化をチェックするために使用してきた曲で、ご参考になれば幸いです。なお、ハイレゾ音源につきましては、全て e-onkyo music で購入できます。
●パンフレット
●会場で使用した曲
●アーティスト: カーペンターズ
●曲 名 : 遥かなる影 (Close to You)
●アルバム名 : シングルス1969~1973(デジタル・リマスター版)
● 録 音 : 1970年
● 音 源 : CD
【 コメント】1970年の録音ですが、年代を考えるとかなりの音質と言えるのではないでしょうか。私は、ボーカルの音質チェックで使用しており、重宝しています。
リチャード・カーペンター自らが再アレンジした192kHz/24bitのハイレゾ音源もありますが、CDからリッピングしたこちらの方がお勧めです。同一音源でも、CDクオリティの方がハイレゾよりも良いと感じることは度々経験します。
● 作 曲: ヴィヴァルディ
● 曲 名: 作品10 協奏曲第6番 第1楽章Allegro
● 演 奏: 有田正広(フラウト・トラヴェルソ)東京バッハ・モーツァルト・アンサンブル
● 録 音:1990年
●アルバム名:ヴィヴァルディ:フルート協奏曲集
● 音 源 : CD
【 コメント】【44.1kHz、16bit】のオリジナルマスター音源を、日本コロムビア”ORTマスタリング”技術で【96kHz、24bit】音源にリマスタリングされたという ハイレゾ音源もあります。ここでは、音質が良いと感じたCDクオリティの方を採用しています。
この曲もCDクオリティの方が ハイレゾよりも良いと感じた例です。
●アーティスト: 宇多田ヒカル
● 曲 名 : Can You Keep A Secret?
●アルバム名 : Utada Hikaru Single Collection Vol.1
● 録 音 :2001年
●音 源 : ハイレゾ(96 KHz、24 ビット)
【 コメント】音が広がりながら空気に溶け込んでゆくように表現できるところが、この再生システムの特徴です。それによって、音場が大きく広がり、音楽性が高まります。この曲の音楽性は、特にその影響を大きく受けるようです。
振動板内で振動の伝搬が多くなったり、振動板の周囲の障害物等で音の反射が多くなると、この空気に溶け込んだ感じは出なくなってしまいます。
●作 曲: アルビノーニ
●指 揮: ニコル・マット
●曲 名: 五声の協奏曲(2つのオーボエのための協奏曲)
(ト長調 作品9の6)Ⅱ.Adagio
●演 奏:ヨーロピアン・チェンバー・ソロイスツ
●録 音: 2005年
●アルバム名: オーボエ協奏曲全集
● 音 源 : CD
【 コメント】各楽器の音の繊細さと空気に溶け込んで消えるような感じ、また、広い空間に楽器が分離して配置される様子は、この曲の音楽性にかなり影響を及ぼしているようです。
CDクォリティ(44.1kHz/16bit)の可能性を知るためにも参考になる曲です。
立体音響等、様々な技術が紹介されていますが、このようにCD音源を使用した2chステレオでも、音場に対して残された可能性がまだ存在しているように感じています。
●アーティスト: 井上 陽水
● 曲 名 : リバーサイド ホテル
●初出アルバム : LION & PELICAN
発 売 : 1982年 7月 5日
●音 源 : ハイレゾ(192 KHz、24 ビット)
【 コメント】この曲の魅力は、音場の広さと高域の繊細さに依るところが大きく、再生装置によって音楽性がかなり変わってしまうと考えています。
この再生システムでユニットの周囲の空間をなくしたり、LCネットワークを採用したりすると、この曲の粋な感じもなくなってしまいます。
空間をなくすと反射が多くなり、LCネットワークを採用するとこれまであまり言われてこなかったインピーダンスの影響が大きく、制動が効き難くなってしまうからです。
●アーティスト: マイケル・ジャクソン
● 曲 名 : ビリー・ジーン
●アルバム名 : Thriller
● 録 音 : 1982年
● 音 源 : ハイレゾ(96 KHz、24 ビット)
【 コメント】この曲は、バックコーラスによって、その魅力が倍増しています。
ただ、その効果を得るためには音の切れと広がりが必要で、さらに、広がった空間に音像が分離して配置される必要があります。
このような効果を妨げる要因の一つが、キャビネットやバックチャンバー内から振動板を通過して前方に漏れ出る音です。振動板はキャビネット機能としてその一部を構成していますが、キャビネットに比べると薄いため、通過する音が多くなることは容易に想像できると思います。
その対策を行うことがとても大事になってきます。
● 作 曲: ヴィヴァルディ
● 曲 名: 作品10 協奏曲第3番『ごしきひわ』 第3楽章
● 演 奏: 有田正広(フラウト・トラヴェルソ)東京バッハ・モーツァルト・アンサンブル
● 録 音:1990年
●アルバム名:ヴィヴァルディ:フルート協奏曲集
● 音 源 : CD
【 コメント】【44.1kHz、16bit】のオリジナルマスター音源を、日本コロムビア”ORTマスタリング”技術で【96kHz、24bit】音源にリマスタリングされたという ハイレゾ音源もあります。ここでは、音質が良いと感じたCDクオリティの方を採用しています。
このような技術に限らず、CDクオリティの方がハイレゾよりも良いと感じることは度々経験します。
●アーティスト:テレサ・テン Duet With 夏川りみ
● 曲 名 :別れの予感
●使用アルバム :テレサ・テン生誕60年ダイヤモンド・ベスト
発 売 : 2012年
●楽曲リリース : 1987年 6月21日(シングル盤)
● 音 源 : CD
【 コメント】この曲は後から 夏川りみ の声を合成しているようですが、違和感は感じられません。
とても切れの良い、澄み切ったボーカルですが、CDクォリティ(44.1kHz/16bit)の可能性を知るためにも参考になる曲です。
因みに、これらの特徴は、この再生システムを使用していても、LCネットワークを採用しただけで、全て消えてしまいます。
● 作 曲: ヘンデル
● 曲 名: 組曲「王宮の花火の音楽」第4曲 歓喜
● 演 奏: オルフェウス室内管弦楽団
● アルバム名:「王宮の花火の音楽」「水上の音楽」
● 録 音:1990年 12月
● 音 源: CD
【 コメント】この曲では音場が左右上下に広がり、奥行も深くなっている様子を感じ取ることができると思います。このような音場の広さは音楽性にまで影響してきます。
ただ、理想的な音場を獲得するためには多くのオーディオ的な問題をクリアする必要があり、難しいことでもあります。
トランペットの軽快さと切れも大事ですが、トランペットが止んだ間奏部が退屈にならないように再生できることも大事で、そのためには総合的な再生能力が要求されます。
●アーティスト: ノラ・ジョーンズ
● 曲 名 : I've Got To See You Again
●アルバム名 : Come Away With Me
●アルバム名 :「王宮の花火の音楽」「水上の音楽」
● 発 表 : 2002年
● 音 源 : ハイレゾ(96 KHz、24 ビット)
【 コメント】ボーカルの透明感が、この再生システムの特徴です。
そのために、反射等によって生じる遅れる波形の音をできるだけ排除するようにしています。
反射の例としては、振動板の周囲の障害物による反射や、振動が振動板内を伝搬することによる反射等があります。まずは、トゥイーターを独立させてできるだけ周囲に空間を確保することが必要です。
●作 曲: J.S.バッハ
●指 揮:ジェフリー・カヘイン
●曲 名:オーボエとヴァイオリンのための協奏曲第3楽章
●演 奏: ヒラリー・ハーン(ヴァイオリン)
●アルバム名: J.S.バッハ:ヴァイオリン協奏曲集
●録 音: 2003年
● 音 源 : ハイレゾ(192 KHz、24 ビット)
【 コメント】この再生システムは、左右上下の広がりと奥行のある表現、また、各楽器を分離させて配置できることを得意としています。最終的に、全体の雰囲気がうまく出せればと考えています。
これらの特徴を実現するための方法としては、振動板内で振動を伝搬させないことが最も効果的です。
ただ、コーン型やドーム型等のスピーカーでは、原理において振動の伝搬が前提となっているため、この点の改善については限界があります。
●アーティスト: 沖 仁
● 曲 名 : フエゴ ~炎~ (ブレリア)
●アルバム名 : Concierto [コンシエルト] ~魂祭~
● 録 音 : 2011年
● 音 源 : ハイレゾ(DSD、2.8MHz)
【 コメント】CDクオリティと比較したときに解像度の差が明確に出るため、ハイレゾ効果がとても良く分かる曲です。また、スピーカーユニットの解像度の差も明確に出てしまいます。
なお、スピーカーユニットが優れていても、ユニット周囲の反射が多いとこの繊細さは出せなくなってしまいます。
音源や再生装置によって曲のイメージや音楽性までも変わってしまうため、この曲に対する評価も再生装置によって大きく変わってしまうのではないかと感じています。
●アーティスト: マイケル・ジャクソン
● 曲 名 : スムーズ・クリミナル
●使用アルバム : Number Ones
● 楽曲リリース : 1988年10月8日
●音 源 : ハイレゾ(96 KHz、24 ビット)
【 コメント】この曲は、バックコーラスによって、その魅力が倍増しています。
ただ、その効果を得るためには音の切れと広がりが必要で、さらに、広がった空間に音像が分離して配置される必要があります。
このような効果を妨げる要因の一つが、キャビネットやバックチャンバー内から振動板を通過して前方に漏れ出る音です。振動板はキャビネット機能としてその一部を構成していますが、キャビネットに比べると薄いため、通過する音が多くなることは容易に想像できると思います。
その対策を行うことがとても大事になってきます。
●作 曲: アルビノーニ
●指 揮: ニコル・マット
●曲 名: 曲名: 五声の協奏曲(2つのオーボエのための協奏曲)
(ニ長調 作品9の12) Ⅱ.Adagio
●演 奏:ヨーロピアン・チェンバー・ソロイスツ
●録 音: 2005年
●アルバム名: オーボエ協奏曲全集
● 音 源 : CD
【 コメント】各楽器の音の繊細さと空気に溶け込んで消えるような感じ、また、広い空間に楽器が分離して配置される様子は、この曲の音楽性にかなり影響を及ぼしているようです。
CDクォリティ(44.1kHz/16bit)の可能性を知るためにも参考になる曲です。
立体音響等、様々な技術が紹介されていますが、このようにCD音源を使用した2chステレオでも、音場に対して残された可能性がまだ存在しているように感じています。
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