楽器紹介

フォルクローラーの相棒たちをご紹介します!あなたの相棒も見つかるかも♪

管楽器紹介

フォルクローレのフロントマン!管楽器たちを紹介します。

ケーナ・ケナーチョ Quena y Quenacho

ケーナは南米の民族楽器を代表する楽器です。フォルクローレの有名曲「コンドルは飛んでいく」などでその音色を聴いたことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。この楽器は、長さ35センチくらいの円筒形の筒に吹き口を削り、表に6個、裏に1個穴をあけただけの楽器です。この簡単な作りにも関わらず、高く澄んだ音色で、3オクターブもの音域があり、多くの曲で主役を受け持つことになります。

ケーナを作るのによく使われるのは、カーニャという南米の葦ですが、木製のものや、竹、骨などでできたものもあります。竹や塩ビ管などは日本でも簡単に手に入りますから、ケーナが吹けるようになったら、自分オリジナルのケーナを作ってみるのもいいでしょう。実際に五月祭では、私たちが竹から制作したケーナを販売しています。市販のものに比べると安価にお求めいただけますので、興味のある方はぜひお越しください。

一般的なケーナは、G管で、(ソラシドレミファ#ソ)の音が出ます。ケーナより少し長いものがケナーチョで、ケーナより低い音が出ます。ケナーチョはD管(レミファ#ソラシド#レ)です。ケナーチョはケーナより長いため穴を押さえるのも一苦労です。その他にも、ケナーチョより長いハッチャケーナや、ケーナをさらに短くしたケニージャなどいろいろな長さのケーナがあります。特にハッチャケーナは(物理的に)吹ける人が限られるため、使われることはごく稀です。また、F管など調の違うケーナもありますが、ケーナでは穴を半分押さえることによって半音を出せるので、あまり使われません。

ケーナの吹き方は、フルートや尺八と同じといわれています。まず、下唇を手前に引くように左右に広げて上唇と下唇の間に隙間を作ります。そして、その隙間から吹き口をめがけて息を出すと音が鳴ります。ただ、唇の形や、息の量、当てる位置が悪ければ音は出なかったり、鳴ってもかすれたりするでしょう。ケーナの吹き方の8割はうまく息があてられるかにかかっています。高音になるほど、息をたくさん強く出さなければならないので、きれいな音を出せるようになるにはかなりの練習が必要です。練習しているとどんどん音が出るようになってくるのでそれだけでも楽しいものです。最初は息の使い方がわからず酸欠で頭がくらくらすることもあるでしょう。この「くらくら感」がたまらないのですが、「くらくら」しすぎて階段で転ぶこともあるので気をつけましょう。音が出せるようになったら自分の音にこだわってみましょう。自分の音が出せるようになったら本当のケーナ吹きです。

サンポーニャ Zampoña

サンポーニャはいろいろな長さの管を束ねて音階を構成する南米の民族楽器です。ケーナと同様数千年の歴史があり、現地のインディオの言葉ではシーク/シクーリ(アイマラ語)、アンタラ(ケチュア語)とも言います。

小さいものから順に、イカ(チュリ)、マルタ、サンカ、トヨとありますが、それぞれ2枚1組になっており、セットにして、イカス、マルタス、サンカス、トヨスと呼ばれます。基本的には、7管+6管で、下の図のような音階をしています。Em(G)調のサンポーニャでは片方がミソシレ…という並びなのに対し、もう片方は端からレファ#ラドミ…と交互に並んでいます。もっとも、現代的な曲を吹くにはこれでは音域が足りないので、売られているサンポーニャは、高い方や低い方に管が付け加えられているのが普通です。

サンポーニャの音の配列

1枚で完結しているサンポーニャもあり、単純にレミファ#ソラ…と並んでいるもの(これをアンタラと呼ぶこともあります)の他に、細く短い管が隣同士和音になるように束ねられている、ロンダドールという種類のサンポーニャもあります。

2枚重ねて吹くというのはパンフルートのなかでも難しいとされているらしいのですが、サンポーニャではさらに、ド#レ#ファ♮ソ#ラ#...と並んだものをもう1枚重ねて3枚で吹くという荒技を使います。しかし、2枚を2人の人が持って交互に吹くというのが本来の演奏法で、「コンテスタード」と呼ばれます。

弦楽器紹介

弦楽器は地味で目立たない?いいえ、フォルクの要です。

チャランゴ Charango

南アメリカ大陸を征服したスペイン人が持ち込んだギターを、現地のインディオがまねして作った楽器がチャランゴです。しかし形はギターというよりもウクレレなどに似ていて、小さく可愛らしいものです。元々胴の部分はアルマジロの甲羅で作られていましたが、現在は希少種保護のために木で作られることがほとんどです。

チャランゴは見た目通り結構もろい楽器です。上で書いたように弦の張力が非常に強いため、共鳴板と弦を結ぶコマがバーンと飛んだり、ひどいときには共鳴板ごと取れてしまったりということがあるそうです。あちこちぶつけたり落としたりしないよう注意して扱いましょう。 価格も民音で使う楽器の中では高めですが、一生モノの楽器になると思えば割安です。

ケーナやサンポーニャほど主旋律を担うことはありませんが、音が高いので、演奏中も比較的よく音が聞こえますし、フォルクローレにはちゃんとチャランゴだけの見せ場を含む曲が多いので、練習しがいがあります。一通りのコードとリズムを覚えてしまうと、演奏できる曲があっという間に増えるのでがんばりましょう。

ギター Guitarra

ユニークなものが多いフォルクローレの楽器の中で、この何の変哲もないクラシックギターが楽器の一つとして数えられることに驚きを覚える人がいるかも知れません。フォルクローレにおけるギターの役割は、ストロークによってリズムを刻んだり、ベースやアルペジオ、爪弾きなどをこなしたり様々ですが、ケーナやチャランゴといったフォルクローレの花形楽器の裏に隠れてなかなか目立つことができません。また、ギターを手にとった始めの頃は、汚い音しか出せない、指が早く動かない、指が痛い、などの壁にぶつかることでしょう。また、フォルクローレ独特のリズムを会得するのも大変です。

しかし、そんな苦労の多そうに見えるギターも、慣れてくれば色々な曲をこなせるようになり、あらゆる場面で活躍します。普段は演奏を伴奏で支え、時には鋭いベースや爪弾きで魅せる…その楽しさは他の楽器では味わえないものです。初心者向きでありながら奥行きも深く、いちばんよく使われているクラシックギターだけに、工夫次第では一つの曲でも千変万化の表現が可能です。さらに腕を磨いて、チャランゴやケーナとの二重奏やギターソロで聴衆を魅了することもできる他に、フォルクローレの外でも活躍できる、まさに万能の楽器と言っても過言ではないでしょう。

さあ、ギターを手に取ってみて下さい。初めは辛いながらも、少しでもその魅力を見い出せたなら、あなたも近い将来、きっと演奏の屋台骨を担う影の技巧師となれるでしょう。

ロンロコ・ワライチョ Ronrroco y Walaycho

2つともチャランゴに似た楽器で、ロンロコはチャランゴよりも一回り大きく、ワライチョは一回り小さいものです。

ワライチョはチャランゴよりも高く調弦され、曲に応じてチャランゴの3度上や5度上にするそうですが、普段の演奏では滅多に使いません。

ロンロコはチャランゴと同じように調弦されますが、弦によってオクターブ違いの弦があり、深みのある音が出せます。日本でも著名な、ボリビアのカルカスというグループが考案した楽器で、彼らの曲に多用されていますが、それ以外ではあまり用いられていないようです。

パーカッション紹介

取っ付きやすいのに、アンサンブルの支配者になれます。

ボンボ Bombo

和太鼓に似た太鼓です。上面と底面にはリャマというラクダの仲間や、チーボ(ヤギ)の皮が張ってあります。後者の方が一般的だそうです。アンデス音楽のPVを見ていると、よく出てきます。

側面の紐で皮の張り具合を調節し、一方の面の真ん中を叩きます。肩に担いで叩いたり、置いて叩いたりします。一つ一つのリズムに基本の叩き方のようなものがあって、それに装飾をつけて曲感を出したりします。弦楽器や管楽器に比べると目立たない存在ですが奥が深く、曲によってはソロパートもあったり、また曲全体の出来にも大きな影響を与えます。

ボンゴス Bongos

小さな太鼓が二つセットになっています。座って足の間に挟んでたたきます。二つの太鼓は大きさが違っていて、当然音も違います。見ため以上に妙に味のある楽器です。

チャフチャス Chajchas

フォルクローレで使われるパーカッションのなかでは、ボンボのつぎによく使われる楽器です。チャフチャスはリャマの爪や乾燥させた木の実をたばねたものです。チャッ、チャッ、という音がします。ただ、音は小さいのでほとんど目立ちませんが、曲によってはボンボを使わないものもあり、このチャフチャスがリズムをリードすることもあるようです。

鳴らし方は、ふつうは振り下ろすのですが、からだに打ちつけたり、足などにつけて鳴らすこともあります。値段は600円~とお手頃なので、自分のチャフチャスを持つのもいいのでは?

マラカス Maracas

小中学校の音楽室やカラオケボックスにも置かれていますし、知っている人も多いでしょう。振るとチャッチャッと音がします。その中身を見たことのある人は少ないでしょうが、中にはビーズが入っているそうです。たかがマラカス、されどマラカス。うまい人が刻むリズムはひと味違います。民音では、取っ手が無く(名前の通り)卵のような形・大きさをした「エッグシェーカー」が使われることが多いです。

マトラカ Matraca

ペルーやボリビアの民族楽器です。初めてこれを見て、すぐに楽器だとわかる人は結構少ないのではないでしょうか。箱に付いた取っ手を回すことで、中に入っている板と歯車がぶつかり合い、「ガラガラ…」という音が鳴るのです。現地では、この音を「中に潜む悪魔が発する音」とも形容するようです。

さて、このマトラカは、手元で雑布を絞るようにしてリズムを刻んだり、頭上で振リ回したりします。モレナーダ(「リズム」参照)系の音楽で良く使われます。木製のものが一般的ですが大きさは大小様々、このサークルで目にしたことはありませんが、アルマジロの胴で作られたものも存在するようです。

ギロ Güiro

ギロは、アフリカから南米に移り住んだ人々が生みだした民族楽器で、カポラルやアフロサヤといったリズムの曲でよく使われます。洗濯板のようなこの楽器を、小学校の音楽室などで見たことがある人も多いでしょう。全体はひょうたんをくり抜いてできており、胴に刻まれた溝を棒でこすって音を出します。こする強さや向き、棒の太さによって音に変化をつけます。本来のバチは千枚通しのような短いものですが、私たちの間では専ら割り箸が使われています。

アピート Apito

サンバホイッスルとも呼ばれる、息を吹き込むと中にはいっている玉が震えて音が出るブラジル発祥の笛です。左右の穴を押える加減で、音を変えられます。