花咲じいさんになるには?
作物にとって、収量性や収穫物の品質に大きな影響を与える開花期制御の分子メカニズムを短日植物であるイネを材料に、個々の遺伝子レベルの作用を明らかにすることで理解し、人為的に好きな時期に花が咲く作物をつくりだすことを夢見て、研究しています。イネは、季節変化を予期するために、1日の日の長さのたった30分の変化を正確に認知して、花を咲かせるかどうかを判断しているのです。
イネはどこから来たの?
イネの栽培化に伴って、ゲノムや遺伝子が、どのような変化を受けて、アジア全体で栽培される主要作物になったのかを、脱粒性や種子の色を決めている遺伝子とその変化を明らかにしながら、遺伝子の変化という意味のイネという作物の「起源」を明らかにしようと、研究しています。
イネの「真の姿」を知りたい!
大学の生物学の研究室というと、実験室にこもって、もくもくと研究しているというイメージがあると思いますが、育種学研究室では、自然環境の中での、イネの「真の姿」を明らかにしたいと考えています。そこでは実験室では見えないものが見えてきています。そのため、野外で育つイネのサンプルから、遺伝子発現を網羅的に調べる解析手法を開発しています。統計モデリングやビッグデータ解析を、理論ではなく、実際にやってみたい人にお勧めの研究テーマです。
イネの形はどうやってきまっているの?
皆さんは「イネ」という言葉を聞いた時に何を思い浮かべますか?水田で細い尖った葉をたくさん出している植物体でしょうか。種がたわわに実った黄金色の穂でしょうか。あるいは茶碗に盛られた楕円形のお米を想像した人もいるかも知れません。これらは全てイネの「形」に関わる形質ですが、たった1つの遺伝子が変化するだけで、これらの形は変わってしまいます。このようなイネの形に関わる様々な遺伝子を見つけ出し、イネの形の遺伝的な制御機構を理解することを目指して研究を行っています。
育種学研究室の特徴
上記のような研究を行う上で、非常に有用な材料が突然変異体です。育種学研究室では20年以上にわたって、イネの形が異常となった突然変異体を収集してきました。特に胚の形や大きさが異常になった変異体は、現在1,000種類以上研究室で保存されています。