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中国由来の治水神・禹王にまつわる石碑や文化財を全国に訪ね、その立地や建立の経緯から、郷土の歴史と民俗、水害や治水にかかる人びとの思いについて知る。いつ、なぜ、どのように伝わり広まったのか、いまだ謎の多い禹王伝説探求の第一歩である。視線の先は中国、台湾、韓国、東アジア全域へと続く。本書データ編には、これまで確認した日本の57か所につき、写真のほか、サイズ、材質、碑文解説、建立の経緯、地形図、交通案内などをまとめて収録。

日本と中国には共通の神がいた

日本各地の川のそばには、数多くの石碑「文命碑」が立つ。“文命”とは古代中国・夏王朝の「禹王」の別名で、その伝承は治水の思想のほか、「平成」「疎通」などの言語、相撲の四股など、日本語と日本文化に深い影響を与えてきた。日中での伝承の実像と日本に渡来した経緯を解明し、文化的な相互理解の可能性を探る。

月刊「地理」古今書院  2018年 63巻11月号  特集『日本の禹王遺跡と治水神信仰』1300円(税込み)

植村善博:東アジアの禹王遺跡と禹王文化圏, 谷端郷:京都・鴨川の禹王伝説,関口康弘:酒匂川の治水と文命文化,水谷容子:近世高須輪中の水害と禹王信仰,片山正彦:淀川の近代治水事業と禹王遺跡,北原峰樹:高松市の「大禹謨」碑とその系譜,大邑潤三:日本の禹王遺跡の分類と立地分析

     植村善博+治水神・禹王研究会著 『禹王と治水の地域史』古今書院  2019年9月14日発行 2700円(税込み)

        『禹王と治水の地域史』        目次

カラー口絵:1.日本禹王遺跡分布図2019 ,2. 全国各地の 禹王遺跡,3.禹王遺跡の年代グラフ

第1章 禹王とは:1 禹王伝説と夏王朝,2 中国における大禹信仰,3 中国・紹興市の大禹公祭,4 台湾の水仙尊王信仰      

第2章 日本の禹王遺跡:1 禹王遺跡の特徴,2 遺跡の成立年代

第3章 禹王と治水信仰:1 京都鴨川の夏禹廟-日本最古の禹王遺跡,2 大阪府島本町高浜の夏大禹聖王碑,3 神奈川県酒匂川の文命文化,4 大分県臼杵市の  大禹后稷合祀壇,5 濃尾平野・高須輪中の禹王像

第4章 顕彰にみる禹王:1 高松市の大禹謨碑,2 天竜川の惣兵衛堤防と理兵衛堤防,3 栃木県鬼怒川の導水と岡田宗山,4 淀川の近代治水と建野郷三・大橋房太郎

第5章 禹王文化の諸相:1 福島県伊達市の禹父山,2 岡山県倉敷市の禹余糧石と禹余糧山,3 建築物としての禹門-日本庭園への導入 ,4 京都御所の大禹戒酒防微図,5 群馬県片品村の大禹皇帝碑と各地の岣嶁碑 ,6 琉球王国の禹王碑文化  ,  あとがき ,   巻末: 日本の禹王遺跡一覧 2019(総数132ヵ所のデータベース)

創立10周年記念誌世話人会編(2022)『治水神・禹王探求の10年』  文理閣 定価1000円(税込)

目次:第1章 禹王と出会う、第2章 活動のあゆみ、第3章 全国禹王サミット 歴史と記録、第4章 会員からのメッセージ  第5章 中国・台湾への禹王調査旅行、第6章 『治水神・禹王研究会誌』のこれまで、第7章治水神・禹王研究会資料、編集後記            文理閣または書店、ネットから注文できます。

 

植村善博・関口康弘・大邑潤三共著(2023)『日本の禹王遺跡』 古今書院 

  税別4800円   禹王遺跡165件の最新の情報が満載です。