2021年3月以降の経緯

■2021/3/20:市教委「富田小敷地ありき」の方針を表明

3/17の北岡市議ブログによると、高槻市教育委員会は「富田小学校地」を施設一体型小中一貫校の候補とすると発表したようです。

案件3 富田地区まちづくり基本構想(第2編 富田地区公共施設再構築)の検討状況について 」という資料によると、5月に富田と赤大路のコミュニティセンターでパネル展示、6月に広報記事掲載、6月に市役所が認めた人物を参加させる「ワークショップ」(小学校児童に「統合してほしい」と言わせる子どもの政治利用が行われるとの情報も)、12月にネットで発表して市民に意見を投稿させ市が「原案通り」と回答する儀式(パブリックコメント)を実施し、来年2月に計画を策定すると書かれています。「広聴」のアリバイづくりに徹して赤大路地区全住民や赤大路小学校全保護者に対する直接の説明会はしないという方針を表明していると言えそうです。

【参考資料2】富田地区まちづくり基本構想(第3編)【検討概要】について 」という資料では、施設一体型小中一貫校敷地選定の基準として、①広い敷地があること、②歴史がある地区であること、③新しい公共施設(現在の青少年センター等がある富田小学校敷地の東側のことを指す)との連携がとりやすいことを挙げています。②と③については富田小学校地を選定するための後付けの理由に過ぎない子供だましであることは明白で論外としても、①について「富田小学校の敷地形状は整形に近く、四周が道路に接しているため、近隣建物への影響が少ない」「新しい公共施設と複合化した場合は3校地中最大になる」と選定の理由を述べていますが、敷地面積だけでは四中が最も広くてより整形で、四中の方が周りに住宅街がないことから近隣住宅地への影響は少ないと考えられ、新しい公共施設を教育施設の面積に加算することは比較の対象として不適切であることから、富田小学校を選ぶ理由が破綻しているのは子どもでもわかるのではないでしょうか。この資料を見ると、改めて、表に描かれているのはすべてこの構想の本質を覆い隠すための後付けの無理やりの理屈であり、まずは「富田小学校地に施設一体型小中一貫校を建て、高齢化で地盤沈下する歴史ある富田地区の地価を上げる」大方針ありきで進んでいることが浮き彫りになります。市上層部で決まっているこの方針にそって末端の市職員たちが強硬突破部隊として日々苦心しているという構図です。

■2021/7/10:市教委、住民との対話を拒否

3月の文教にぎわい委員会での「富田小学校」立地方針提示(市議ブログによって公表)の後、6月号の市広報、四中校区保護者に配布された2号にわたる「小中一貫校だより」においても市は立地選定について一切触れず、計画策定のぎりぎりまで情報を隠そうとする意図をあらわにしました。2号目の「小中一貫校だより」においては、配布日の数日後に富田・赤大路コミュニティセンター等で開催するパネル展の日時をぎりぎりになって駆け込み的に発表し、できるだけパネル展に人をこさせないようにしようとする意図を表明しました。

パネル展の展示においては、最後のパネルの最終行に富田小学校敷地を選定する旨が書かれ、これが高槻市による公式の立地発表となりました。パネル展での説明において、市教育総務課長は「富田小学校敷地から公共施設分を除いた敷地面積は四中より狭く、富田小学校を選定する論拠が無効である」点については認めたものの、「通学路の安全問題、跡地利用の方針については全く白紙だが、とにかく富田小学校に立地させる」「赤大路小学校住民・保護者への全戸アンケートや説明会は行わない」との主張を繰り返し、住民の声に基づいて進める意思のないことを表明しました。

市は立地をまず決めてかかり、通学路の安全問題、跡地利用は追々考えるとの主張をしていますが、赤大路小学校保護者にとっては順序が逆で、上記の二大問題について十分な対策が示されない限り、施設一体型小中一貫校計画そのものが検討に値しないものであり、上記の二大問題を抜きに現状のまま進めようとするならば絶対に受け入れられないということを市は理解すべきです。その点が理解できないとすれば、市長・市職員の精神的腐敗は末期症状と言うべきで、もはや税金を徴収して市政を担当する資格はありません。計画の白紙撤回または無期延期、もしくは二大問題に対する十分な対策立案・提示と全関係住民に対する説明・アンケート・意見交換の機会を求めます。

■2021/7/12:情報公開請求で判明した教委資料の内容

高木市議が情報公開請求により市教育総務課の内部資料を入手し、ブログで公表しました。それによると、下記のようなポイントが抽出できます。

総論

・市は「高槻では人口減少していないから教育効果で攻める」という戦略を採ったこと。

住民説明

・赤大路と富田が分断しないようにする必要がある

・「富田地区まちづくり基本構想」では赤大路を含まないと認識されるおそれがある。

・PTA役員との意見交換会を開く

・地域住民との意見交換会を開く

→以上のような指摘や案が出たようですが、いずれも没になったようです。その結果、赤大路と富田住民の間には厳しい対立感情が生まれ、「富田地区まちづくり基本構想」として赤大路を植民地扱いしたことでその怒りの火に油を注ぎ、地域住民との意見交換を拒否する市に対する疑念はもはや払拭しがたいものとなりました。

通学路

・通学路 類設計室と学校安全課が協議中

・4人に3人が通ることになる踏み切りについては調査中

・交通量調査を実施すべきである。

・JR以北保護者については阿武野中学校区への通学も可としては?

との記載がありますが、いずれも具体性ゼロです。まともな通学路対策もせず「不安なら阿武野小へ通え」とは、どこまで赤大路地区住民をなめているのでしょうか。

跡地活用

・議論なし

これは、通学路・跡地活用について白紙という現在の状況を裏付ける資料です。

■2021/7/16:富田地区地盤議員が議会で発言

6月市議会で富田地盤の推進派・岡井市議は質問に立ち、赤大路幼稚園を富田幼稚園に合併した歴史にふれ、富田は本家だから赤大路はつぶして当然という富田中心主義を露わにした上で、「市の進め方は住民の声を聞いていない」と批判し、「鉄道高架化は無理。踏切対策として高架人道橋・地下道を、ガード下対策として通学バスを」と主張しました。

高架人道橋・地下道は対策として妥当な主張ですが、通学バスは子供の交通を登下校のみに限定した視野狭窄な(車道に手をつけないでおこうという)考え方です。子供が遊びやクラブ等で学校に行くことや、早引けした場合などを想定していません。またガード下を含む府道の通勤時間帯の渋滞を考慮していません。何より子供にとって不健康です。(「子どもの歩みバックアップ」を掲げる同市議の発言としては何とも皮肉です。同市議のいう「子ども」は富田地区の子どもだけでしょうか?)都市計画道路として大阪府が無策を貫いている府道について対策をしないと明言しているのと同じです。

踏切・ガード下の問題を本質的に解決しない限り、この話は赤大路地区住民にとって受け入れられない、この話は進みえないということを市関係者は理解する必要があります。

■2021/8/4:「ワークショップ」開催

7月末に市はアリバイづくりのための「ワークショップ」を開催したようです。市が制御可能な少数の地域団体を市が指定してその役員を出席させ、「こんな小中一貫校ができたらいいな♪」という題目で話し合いました!と市が主張するためだけのおぞましい茶番です。当日の資料によると、富田小への立地・通学路問題には一切触れていません。本来この種の市の工作をボイコットし、通学路・跡地利用に関する対策の提示を率先して求めるべき小学校PTAやコミュニティ協議会が、漫然とこれに出席し、反対の声を上げなかったとしたら、市の傀儡としてこれに協力したことになり、後世まで批判を免れないでしょう。

■2021/8/13:保護者・住民アンケート結果

8/12に「赤大路小校区保護者・住民の会」がアンケート結果中間速報と要望書を市に提出しました。「市の説明が不十分との回答が97%超という結果」で、赤大路地区を中心とする市民の当然の意見が反映されていると言えるでしょう。これだけの民意を突き付けられて、市長・教育委員会・各市議がどのように動くのか要注目です。

■2021/9/4:「保護者限定説明会」で露呈した市教委の杜撰さ

保護者・住民の会からの要望後、市はドタバタで保護者限定説明会を開催したようです。一問一答を読むと、市は通学路の安全、跡地利用・避難所の問題、施設一体型が優れているとする論拠、施設一体型の弊害への対策など、何を聞かれても「これから検討する」の一点張りで、結局「富田小学校地に施設一体型を建設する」ことしか考えていないことがバレバレ。児童の安全などこれっぽっちも考えたことがないことを世界に知らしめてしまいました。ブロック塀事件やマスク事件以後も全く反省を見せない市教育委員会の姿勢は、もはや正視に堪えません。こんな素人集団と悪徳コンサル(怪文書配布のあそこです)に税金を吸い取られていたとは!

また、市は地域住民を対象とする説明会開催を拒否した模様。回答の中で市は「希望する住民が参加できる説明会」の文言を「地区住民約1万8000人全員を招く説明会」と誤読したことも判明。小学校をぶっつぶす!」と叫ぶ前に、小学校(or 施設一体型小中一貫校?)からやり直してこい!

■2021/9/22:市長「今一度立ち止まって慎重に検討を行ってまいる」

市議会本会議において、市長が「地域のみなさま、また正副議長を始め、議員のみなさまから多くのご意見やご要望をいただいたことから、第四中学校区における施設一体型小中一貫校の設置については、今一度立ち止まって慎重に検討を行ってまいることといたしました。つきましては、現在策定中の富田地区まちづくり基本構想は、老朽化した公共施設の再構築と第四中学校区の施設一体型小中一貫校の設置を二本柱として進めてまいりましたが、施設一体型小中一貫校については基本構想から外し、公共施設の再構築として取りまとめてまいりたい」と述べました。

今年12月に決める構想は学校以外の公共施設リストラのみとし、施設一体型小中一貫校については12月の期限を設けず、少し時間をとって構想策定を進めるということですね。撤回・中止・停止する意図などまったくなく、構想策定推進の継続を明言したと言えます。策定停止・撤回に向けて、さらに追及を進める必要があると思います。

■2021/12/19:全中学校区で「地元の要望」でっち上げ作戦へ

11/30更新の市HP「富田地区まちづくり基本構想の検討状況について」によると、学校以外の公共施設リストラ計画についても延期になった模様。また、市長が某市民団体との会合で「ある校区からは施設一体型小中一貫校をつくってほしいと要望が出ている」と発言したとの情報あり。一中校区では推進派の与党市議がPTA会長をしているとの情報もあり、今後市がコミュニティ協議会・自治会長やPTA会長を操作して「地元の要望」をでっち上げてくる可能性大です(市は施設一体型小中一貫校構想とあわせて「コミュニティスクール」なる取り組みを推進しています。これは教育委員会が従来小学校区単位で構成されてきた自治組織を中学校区単位に再編成し、学校・PTA及び地域組織を直轄支配して、施設一体型小中一貫校の設置を要望させる「京都方式」の道具として使われる可能性があります)。市発表資料(児童生徒数一覧校区割)によって計算すると、例えば一中校区の児童生徒数合計は約1600名、六中校区は何と約2000名、二中校区は2000名超!今の教育委員会の杜撰さではこの人数を一つの学校敷地に押し込める計画すら保護者・住民への相談なしにつくりかねません。高槻市全中学校区の皆さん、施設一体型小中一貫校は他人事ではありません。ぼやっとしていると、何事もなかったかのように、いつの間にかやられますよ!

■2022/1/7:学校以外の公共施設リストラ策再始動

市民の反対で延期に追い込まれた「富田地区まちづくり基本構想」が再始動するようで、パネル展の案内が公表されました。例によって地元説明なし、重要事項はパネルの隅のみで発表してネット公開はできるだけ先延ばしという戦略のようです。「富田地区」の名のもとに赤大路地区の小学校に続いてコミセンをつぶし、すべてを富田小学校の近くに集約したいという富田中心主義も健在のようです。

■2022/1/22:市「赤コミは富田地区の公共施設に複合化」方針表明

市は「できるだけ施策を市民の目に触れさせないためのアリバイ作り戦略」により、地元説明は無しでパネル展を開催しました。赤大路コミュニティセンターについては「小寺池図書館、富田支所、富田公民館」と一体として中長期的に複合化を検討すると書いてあり、「赤大路地区からいろんな習い事や集会の場として活用されているコミュニティ施設がなくなる可能性」について住民に問われた市の職員は否定しませんでした。赤大路地区住民としては、「富田地区まちづくり基本構想」の名前で赤大路地区の重要問題が地元への十分な説明もなく決められようとしていることに衝撃を覚えます。

■2022/2/26:住民アンケート結果

コミセンの件について赤大路地区住民の会がアンケート中間報告を発表しました。ほとんどの人が高槻市はちゃんと住民に説明していないと考えているという結果で、施設一体型の時と同じです。自由記述を見ると、単なる公共施設リストラの問題と勘違いしている人がまだ若干、学校統廃合の話と誤解している人が一人いますが、大方は今回の話が、単なる公共施設リストラ策ではなく、学校とコミセンを一体的にとらえつつ、富田地区への異常な偏重をもとに、地域間の公平性を著しく欠いた策謀であることが周知されつつあると思われます。

■2022/3/13:市は住民に対し詐欺答弁を連発

アセットマネジメント推進室は「赤コミをつぶしたい」という本音を隠すのに必死のパッチで、基本構想のホームページ上でこっそり「赤コミは中長期的に富田地区に併合する」から「赤コミは【当面】長寿命化を図り、その後〇〇に複合化する」(〇〇は赤大路小学校なのか富田公民館なのか不明)に説明を変えたようです。で、市民には「赤コミは(当面)長寿命化します!」と前半部分だけを連呼する、正視に堪えない詐欺答弁を繰り返すという醜態。初めから限りなく市民をバカにし、不正と嘘にまみれた本構想でしたが、ついにここまで来るとは…

■2022/4/24:維新市議が「四中校区の件は白紙」発言

維新の市議が「四中校区施設一体型小中一貫校の件は昨年12月議会で白紙になった」「赤コミは赤大路小と一体なので、小学校の問題が白紙になった以上赤コミの複合化の話も進められるわけがない」と発言した模様。これは市の公式的立場とは違いますが、大会派の市議の発言としてこれの意味は大きいですね。「富田地区まちづくり基本構想」に一方的に包含された「赤大路地区」部分について、これだけの住民や保護者の反対を受けながら市長や教育委員会・アセットマネジメント推進室が「白紙」「撤回」の言葉を口に出せないのは、「自分の責任を問われたくない」という保身が理由の一つであることは明らかです(そんなことは市民にとってどーでもいいことです!)。来年春は市長・市議選挙。四中校区のみならず、全市域において(児童生徒や利用者市民の都合は考慮に入れず)とにかく小中学校、幼稚園・保育園、公共施設をつぶしまくる!という政策を推進している市長、それを支える市議の今後の発言に要注目です。

■2022/6/18:高槻市、公共施設リストラの範囲を小学校区ではなく中学校区に設定する政策根拠を答えられず

6/16の総務消防委員会で、北岡市議が「四中校区には交通上の課題があり、それは市も認めている。また本構想の効果の及ぶ範囲が富田小学校区に限られるにも関わらず、『一定の範囲』で『効果的なまちづくりを実現する』として本構想の範囲を四中校区に設定するのは無理がある」旨指摘したところ、「市が指定する都市拠点に加え、四中校区とした」「公共施設の再構築に取り組むことで魅力的なまちづくりにつながる」と構想の文言を読み上げるだけで、「一定の範囲」を設定する基準や「効果」の客観的な判断基準に関する質問に答えられないことを露呈。市には言語による質問を理解し、訊かれたことに的確に回答する能力に欠陥があることを示しました。これは市を代表してなされた答弁ですので、これが現在の高槻市役所の能力を示していると見てよさそうです。

■2024/3/7:教育委員会が「義務教育学校審議会」で本格的に学校統廃合推進

教育委委員会が義務教育学校に関する審議会をつくって学校統廃合について検討を具体化させるようです。市議質問によると、いまだに市は「小中連係の効果」をお念仏のように唱えているものの、「効果」の根拠も、なぜ義務教育学校にするとそれがさらに高まるのかの根拠も答えられず、二年間何も学ばなかった様子。市議の質問にもことごとく答弁拒否。視察候補については地区名まで挙げて具体的に事例候補を検討していることを明らかにしておきながら、詳細な事例名は答えないというちぐはぐぶり。「上から公共施設をつぶせと言われからやってるだけで、詳しいことは何も知りません!」と言えばまだ素直なのに。

■2025/5/30:学校教育審議会内部ですら疑問の声が続出

高槻市が指定する人物だけで翼賛的・アリバイづくり会合を重ねてきた学校教育審議会ですら、ついに児童数・通学・跡地利用などについての疑問の声が噴出。委員長ですら「答申時期を先延ばしできないか?」と言い出す始末。初めから嘘で固めた偽審議会の瓦解の始まりか?