Economics of Agglomeration

Objective : 

経済立地・産業集積・都市形成メカニズムの定式化の基礎として, 前半で古典的な経済立地論, 後半で集積の経済学の理論を学ぶ.  過去10年以上に渡り, 都市・地域経済学では実証研究が中心になったが, 検証する仮説以上に, 計算可能性や因果関係の識別の技術的な問題に興味が集中し,  本末転倒気味である.  本講義では, 適切な理論に立脚した実証研究・政策分析を行う上で必要となる理論的基礎を習得することを目的とする. 古典的な産業立地論を系統的に教える講義は現在少ない. しかし, ミクロジオデータの利用が一般的になり, 高度に非集計された立地空間を想定する最近の理論モデルの挙動を理解する上で, 一般的な立地空間(多地域/連続立地空間)を想定して蓄積された古典的産業立地論の知見は有用である. 80年代以降, 近代経済学の下で構築されてきた経済集積の理論の多くは空間を抽象化しており, 本来の地理空間の役割についての理解は十分でない.

Schedule :

水曜3限13:15-14:45 , 4月12日- 7月 26日 (休講日:祝祭日, 5/31) 

Evaluation :

このテーマ(特に前半の産業立地論)には適当な教科書がなく, 話を聞かないことには分からない内容なので, 講義への出席は単位取得の前提です.  その上で, 講義中の議論への参加,  既出版論文の報告の良し悪しをもとに評価します.  なお, 報告論文は個人の興味を考慮しつつ私と相談の上決めます.


Notice :

(7/2) 7/5,12の予定を変更しました。7/5は川口さんと森の組み合わせ、7/12は原田さんと松元さんです。

(6/23) 6/28のスライド(1/2)(2/2)を掲載しました。

(6/20) 6/21のスライド(1/2) (2/2)を掲載しました。

(6/11) 6/14のスライを掲載しました。

Lectures:

参考文献:PDF(前回2021年のものです. 追って若干更新しますが,  この講義では新しいことはあまり扱わないので基本は変わりません.)

第1回(4/12):講義概要[スライド (4/19更新)]

第2回(4/19): ウェバー問題 (1次元・ネットワーク立地空間) [スライド(4/19掲載)]

第3回(4/26): ウェバー問題(2次元立地空間, 規模・集積の経済, 要素代替と最適立地)[スライド(4/26改訂)] -- 例題(規模の経済) 解答

第4回(5/10): 空間経済における価格付け・空間的需要・市場範囲 [スライド(1/2), スライド(2/2) (5/9掲載)]

第5回(5/17): UEA summer schoolでの講義内容 (Endogenous multimodal agglomeration)を聞いていただくことにします。みんなの印象や意見を聞かせてください。スライドはPandAからメールで送ります。[実際にSummer Schoolで使用したスライド (6/4掲載)]

第6回(5/24): UEA summer school 講義の続きをします。内容は更新しました。1IRS産業のケースから話します。

第7回(6/7) 農業土地利用問題 (von Thünen)モデルの定式化 [スライド, 最適化問題補足(6/5掲載)],   報告モデル候補リスト [スライド(6/6更新)] 

第8回(6/14) 空間不可能性定理(内生的集積の条件につて) [スライド (6/11掲載)]

第9 回(6/21) Krugman (Book1991, App.C/Duranton & Puga HB2004, Sec.2.4) [スライド(6/21更新)], Economides & Siow (AER1988) [スライド(6/21更新)]

第10回(6/28): Helsley & Strange (JUE1991) [スライド(6/28更新)], Helsley & Strange (RSUE1990) [スライド(6/28更新)]

第11回 (7/5) Duranton & Puga (HB2004, Sec. 4.2.1) by 川口 [森による補足スライド(7/5掲載)], 集積のロックイン効果とハブ効果 (Fujita, Krugman & Venables, Book1999, Ch.8) [スライド(6/29掲載)] by 森

第12回 (7/12): Gasper & Glaeser (JUE1998) by 原田  [森による補足スライド(7/12改訂)], Konishi (JUE2000) by 松元 [森による補足スライド(7/11掲載)]

第13回 (7/19) Konishi (JUE2005) [スライド(7/19改訂)]

第14回 (7/26) Ellison & Glaeser (JPE1997) [スライド(6/29掲載)], Duranton & Overman (REStud2005)[スライド(6/29掲載)], Mori & Smith (JUE2015) [スライド(6/29掲載) ]

第15回 フィードバック (希望に応じて聴講者各自1時間程度の面談受付)