Economic Geography
Objective :
新しい経済地理学(NEG)モデルを中心に、多数の集積形成を説明し得る経済集積理論を学び、自身での理論モデルを構築する能力を習得するとともに、理論に依拠した実証分析の設計について学びます。特に、人口減少下の日本の都市・地域の盛衰について、事実再現性の高い理論を用いて予測する分析枠組みの開発を意図した講義します。今、人口減少は都市・地域経済にとどまらない極めて大きな問題であるにも関わらず、その効果について殆ど理論に基づいた定量的な分析が行われていません。それがこの問題の重大さが一般に認知されない理由のひとつです。今年の講義では、都市・地域経済の問題を通した人口減少の効果の分析に焦点を当てていきます。
Schedule :
4月10日〜7月24日, 水曜3限 13:15-14:45 (祝日・公休日を除く)
Lecture style:
森によるスライドを使った講義。
Room:
経済研究所本館1階会議室(106号室)
Office Hours:
講義後 & アポイントメントにより随時
Evaluation:
人口減少下の都市・地域盛衰を分析する理論・手法のアイデアについて、レポート提出&報告 (A4紙1,2枚でOK)。講義内での学生プレゼンは止めました。講義が全て終わってから、(単位が必要な人は)話しに来てください。
Notice :
(7/16) 7/24の講義スライドを掲載しました。前期講義期間中はここまでですね。後期に続けます。
(7/7) 7/9の講義スライドを掲載しました。2時間まで延長して準備した分を話し切ると言ってましたが、多分それでも時間が足りません。ここは、要点を確実に伝えたいので、急がずに次回に延長するかもしれません。
Lectures :
参考文献 [PDF, 4/9更新]
(4/10) 講義概要 [スライド, 4/26更新]
(4/17) 4/10の講義スライドP32「Canonical QSMs」から始めます。
(4/24) 人口減少下での都市経済学・空間経済学の課題 [スライド, 4/24更新] -- 人口減少という具体的な問題に焦点を当てて、解決すべき問題から始まり、既存の理論・ツール・データを俯瞰し、それぞれの必要な要素を特定し、場合によっては新しく作って、分析枠組を構築していくアプローチについて紹介します。
(5/1) 基本設定 [スライド(1/2) 6/2更新] [スライド (2/2) 5/1更新] (Fujita, Krugman & Venables (FKV), Book 1999, Ch.4,5の内容です。)
(5/8) 基本設定(対象均衡から)〜補足(3種類の分散, FKV, Ch.7の拡張版)[スライド 5/8更新]
(5/15) 代替的定式化 [スライド 5/12更新] (複数の論文からを代替モデルを概説)
(5/22) ロックイン効果(FKV Ch.8) [スライド 5/21更新], 集積の陰/市場ポテンシャル関数 (Fujita & Krugman, RSUE1995/FKV Ch.9)[スライド 6/6更新]
(5/29) Fujita & Krugman (RSUE1995)のつづきから、新都市形成と集積間隔 (FKV Ch.10.1-2) [スライド 8/24更新]
(6/5) 集積間隔(Fujita & Mori, RSUE1997/FKV Ch.10.3) [スライド 6/5掲載]・複数産業(IRSのバリエーション)下での単一都市均衡 (Fujita, Krugman & Mori, EER1999/FKV Ch.11.2)[スライド 6/3掲載]
(6/19) 市場ポテンシャル関数の再考 (FKV Ch.9.4やり直し 6/19更新--5/22のFKV-Ch.9のスライドPP14-25部分をやり直します)・複数産業(IRSのバリエーション)下での単一都市均衡からの新都市形成 (FKV Ch.11.3)[スライド (PP9-20) 6/19更新] (FKV, App 11.3) [スライド 6/14掲載]。 FKV Ch11のAppendixを理解するには、Fujita, Krugman & Mori (DP1995)にある証明が必要になります。これが簡単に手に入らないので、ここに掲載します。
(6/26) 産業集積の空間的同期と都市の階層構造 (Fujita, Krugman & Mori, EER1999/FKV Ch.11.4) [スライド 8/24更新]; Mori, Akamatsu, Takayama & Osawa (DP2023) モデルとシミュレーション方法の部分 [スライド 6/30改訂] -- P12、講義時間違った説明してました。
(7/3) 3テーマで話します。A. 都市人口分布のべき乗則を伴う相似構造について (実証と理論), B. 都市の人口規模と形成間隔 (実証と理論) 、C. 産業集積の空間的同期現象、都市の産業構造の階層性 (実証と理論)
A. Mori, Smith & Hsu ( PNAS2020)[スライド 6/28掲載] , Mori, Akamatsu, Takayama & Osawa (DP2023) [スライド 6/30掲載](6/26講義のMATO論文スライドP22-24)。
B, C. Slackで共有します(6/29掲載)。
(7/10) 多地域経済集積理論 (Akamatsu, Mori, Osawa & Takayama (AMOT), 2024 in progress) [スライド 8/25更新] -- AMOT論文の前半、多地域経済集積モデルの類型部分 。ウェブ掲載されている2023年版とはプレゼンテーションが大分違います。最新版は間もなく公開しますが、講義には間に合いそうにないです。これまでの講義内容を理解できていれば、理解できるように講義するつもりです。
(7/17) Akamatsu et al. (DP2024)つづき:7/10の講義では、集積力・分散力の空間スケールの概念を導入することと、モデルに含まれる分散力がLocal dispersion forceだけの場合に起こり得る集積の形について説明しました。7/17の講義では、分散力にGlobal dispersion forceだけを含む場合に起こり得る集積の形について説明します。その後、両方の分散力を含む場合の集積の形を説明します。多分、これで1回分の時間を使い尽くしますが、とても大事なところなので、ゆっくり説明したいと思います。
(7/24) Akamatsu et al. (DP2024)2/2 [スライド 7/24掲載] これまで説明してきた、集積の規模と配置の関係を明示的に説明するタイプの多地域経済集積理論から得られる、「定量空間経済学」へのインプリケーションについて説明します。
予定していた内容を講義期間中にカバーできそうにないです。それでも、とても重要な内容なので、急がずに話します。続きは、後期講義の始めの1,2コマを使って行います。具体的にカバーしきれないのは、こちら:中心地理論に基づく構造モデル (Mori, Kogure, Sugimoto & Takayama, In progress) -- 多地域・多産業Class IIIモデルを使った日本の都市の人口と配置の再現 / 複数均衡下での均衡選択の考え方, 現状のモデルフィットと課題 → 都市盛衰の誘導系予測モデルを作るロジック (Mori & Murakami, 2024)。