学生募集
2024年度卒業研究配属に関するお知らせ
最終更新:2023年11月13日(面談の日程を追加,オープンキャンパスについての情報を追加)
概要
現在,当研究室は内海研究室との共同運営(内海・宮本研究室)という形を取っています.宮本を指導教員として卒業研究配属を希望する場合は,内海・宮本研究室への配属を希望してください.また,配属希望する可能性のある方は,このページの掲載内容をよく確認したうえで,宮本と個別面談をしてください(面談を必須とします).お知らせの内容は随時更新していきますので,最新情報を確認するようにしてください.また,以降では,宮本を指導教員とする卒業研究の所属のことを宮本研究室(宮本研)と呼びます.
個別面談について
宮本研への配属を希望する方,興味のある方は,以下の流れに沿って面談を予約してください.
宮本のメールアドレス(miyamoto[at]uec.ac.jp)宛てに,面談の予約申し込みの連絡をしてください.現在の面談可能日程は以下です.面談場所は,西5号館7階707号室です.基本的に対面での面談としたいと思いますが,zoomによるオンライン面談を希望する方はその旨ご連絡ください.(下記の予定は随時変更される可能性があります.また,他の日時でも可能な場合がありますので,問い合わせてください.)
10/31 (火) 17:30~19:00
11/8 (水) 13:00~19:00
11/10 (金) 17:30~19:00
11/13 (月) 17:00~19:00
11/14 (火) 17:30~19:00
11/15 (水) 13:00~19:00
11/20 (月) 13:00~19:00(追加しました)
面談では下記について伺う予定です.加えて,学生さんからの質問にお答えします.1回の面談時間は30分~1時間くらいを想定しています.
どのような研究に取り組みたい・興味があるか.
卒業後の進路は(今のところ)どうしたいと考えているか.
後述の「宮本研の研究内容」,「宮本研との相性に関する判断材料」に関連すること.
以下では,宮本研究室に卒研配属されることを検討する場合の重要事項を書いています.配属希望を検討している方は,面談の前によく確認しておいてください.
面談とは別に,11月26日(日)のオープンキャンパスのときに,研究室公開(11:00〜16:00,西5号館702室,事前予約不要)を行います.研究室の学生に話を聞きたい,研究室の雰囲気を知りたいという方は,こちらにも参加してみてください.(もちろん必須ではありません.)
宮本研の研究内容
まずは,研究室の紹介動画をご覧ください.動画の下に,少し詳しい説明や関連文献の情報を書いています.
宮本研究室紹介動画(約1分半)
宮本研究室では,人が人工物に心を感じるメカニズムについて研究しています.このような研究はHuman-Agent Interaction(HAI)という,人とエージェント(自律的な,もしくは人が自律的であると認識する機械)のインタラクションを扱う研究分野で盛んに行われており,宮本が最も得意とするのは「対話・会話に着目したHAI」です.
これまでに宮本が行ってきた具体的な研究としては以下のようなものがあります.関連する論文も記しますので,興味が湧いた人はぜひ目を通してみてください.
対話システムが冗談や褒めなどリスクのある発話戦略を使ってユーザとの心理的距離を縮めて関係性を深める研究
Risky Politeness Strategyの提案と雑談対話システムへの実装-対話システムにおけるリスクテイクに着目した発話戦略の枠組み-,人工知能学会論文誌,Vol. 37,No. 3, p. IDS-G_1-16, 2022 [pdf]
雑談対話システムにおける心理的近接発話の戦略が対話の評価に及ぼす影響,人工知能学会論文誌,Vol. 35, No. 6, p. AG21-I_1-14, 2021[pdf]
ポライトネス・ストラテジーに基づく会話エージェントの言語的な振る舞いの違いが人との関係性構築にもたらす効果~初対面における冗談の心理効果~,知能と情報,Vol.30, No.5 , pp.753-765, 2018 [pdf]
自動車の運転を支援する対話ロボットがユーザに指示を出す際の発話の設計
ポライトネス理論に基づく運転支援エージェントにおける発話の文末スタイルに着目した印象評価,知能と情報,Vol. 31, No. 3, pp. 739-744, 2019 [pdf]
Influence of Social Distance Expressed by Driving Support Agent’s Utterance on Psychological Acceptability, Frontiers in Psychology, Vol. 12, section Human-Media Interaction, 2021 [pdf]
Should a driving support agent provide explicit instructions to the user? Video-based study focused on politeness strategies, The Ninth International Conference on Human-Agent Interaction (HAI 2021) Outstanding Research Award受賞.[pdf]
対話システムが用いる対話戦略の受容性に関する異文化比較調査
対話型擬人化エージェントの受容性に関する日米比較調査, 知能と情報, Vol. 35, No. 3, pp. 731-735, 2023 [pdf]
スマートスピーカにおけるエラー通知発話の言語的配慮デザイン
What Linguistic Considerations Should Smart Speakers Adopt in Error Notification?, HCII 2023, pp 637–641 (2023.7) [pdf]
その他,人と擬人化エージェントのインタラクションデザインに関する研究(研究業績ページを参照)
これまでは対話・会話に関する研究を中心に行ってきましたが,今後,対話・会話研究はもちろんのこと,人が機械に対して感じる「心」の研究や,広く「人と機械のコミュニケーション,インタラクション」に関する研究を学生さんと一緒に推進していきたいと考えています!
【2023年度の宮本研の卒論テーマは以下を進行中です】
エージェントを導入した人や組織の存在を考慮したHAIモデルの提案と心理実験による検証
ロボットが通常は持たない感性(味覚など)についての対話を違和感なく実現するインタラクションデザイン
宮本研との相性に関する判断材料
研究テーマについて
前述したような研究テーマについて興味・関心があり取り組む意欲もあれば,研究テーマに関する相性は良いと思います.また,必ずしも対話(会話)を扱わなくても,何らかの未解決問題を解決するためのインタフェース・アプリケーションやオリジナルのコンセプトに基づくロボットの設計・開発,人の心理・認知に関する実験などの研究に興味があれば歓迎します.また,Unityなどのゲームエンジン,Live2Dなどのアニメーションソフトウェア,RoBoHoNやSotaといったの市販のコミュニケーションロボット等を活用して卒業研究に取り組みたい人は,技術的な面での相性が良いかもしれません(これらを必ず使わなければいけないわけではりません).宮本研の特徴的な研究環境として音声対話ロボットがあり,SHARPのRoBoHoN,ヴィストン社のSotaを2台ずつ所有しています.研究で自由に使うことができます.
HAIは学際的な分野なので,学生さんの目標(どんな人材になりたいか)に応じて研究テーマや主として扱う技術等を考案・選択できます(どこまで希望が通るかは要相談です).実際に取り組む研究テーマの決め方は,各自の興味・関心・問題意識を基にゼロから自由に決定するパターンと,宮本が現在取り組んでいるorこれから取り組みたいと思っているテーマを紹介してその中から選んでもらうパターンに大きく分かれます.前者は,配属してから少しの時点である程度明確に研究テーマが浮かんでいる人が主な対象になります.後者の場合でも,すべて宮本が指示を与えるというわけでなく,テーマの大枠が決まっている中で,独自のアイデア・観点で自分のテーマを設定して主体的に取り組んでいくことになります.また,前者の場合に,研究の方針について宮本から何らかのリクエストをする可能性もあります.
来年度について,いまのところ想定している研究課題の例は以下です.
対話システムによるリスキーな発話戦略(冗談や褒め)の心理効果検証や工学的手法の開発.
対話システムの信頼性や親しみやすさが上がる(下がる)要因はどんなものか?
人と対話システムの多人数会話では,どのような現象が起こるか?
ユーザの属性に応じたエージェントの振舞いは,どのように設計できるか?
幅広いユーザに受容してもらえるエージェント(バーチャルエージェント,ロボット等)のデザインとは?(外見や対話機能の有無などの特徴)
Sota.比較的簡単なプログラミングによって音声対話を実装できます.
研究指導に対する基本的な考え
配属された学生さんには,研究活動を通して自らの長所を伸ばしたり,まだ気づいてない長所に気づいて欲しいと思っています.研究は総合力が試されるので,人によってスムーズに進んだり悩むタイミングが異なります.得意なことは,やればやるだけ伸びます.逆に苦手なところは,前向きに取り組めば確実に改善されていきます.長所はどんどん伸ばして,短所は日本社会に出てから大きな問題にはならないくらいのレベルまで改善していくイメージです.宮本研では,そのような活動を楽しく快適に真剣に行うことのできる環境を提供したいと思っています.また,他大学の研究者や企業の方と協力する可能性もあります.
プログラミングや新しく使うソフトウェアの勉強について
おそらく,研究期間中に全くプログラミングをしないということは無いと思います.配属時点で得意である必要は無いですが,積極的に自分で勉強する必要はあります.ただ,ここで書いていることは,プログラミング等が得意でない人を突き放すという意味ではなく,必要に応じて相談に乗ったり,研究費で必要な図書を購入・提供したりなど,自主的な解決に向けたアドバイス・指導は行います.学生さん同士で教え合うことももちろん大歓迎です.
コアタイム(作業時間)について
コアタイム(研究室に必ず居なければならない時間帯)を設ける予定はありません.ただし,研究室配属後は研究活動にウエイトが置かれることになり,自主性が重要になります.
ゼミ(進捗報告)について
内海・宮本研としてのゼミに参加して研究の進捗報告や関連文献の紹介・輪講をしたり,他のメンバーの進捗報告に対してコメント・議論をしていくことになります.週2回(火・金)開催です.
対面・オンライン(在宅)に関する考え方
どちらかといえば,研究は対面で行う(研究室に来て作業する)方がスムーズだと思っています.研究室に来てもらえていれば,ある程度の頻度で私の方から学生さんの様子を伺って,その場で困ってることについて相談に乗ったりすることで早く解決したりしやすいのですが,オンラインだとこまめに様子を伺うのが難しく,相談する機会もどうしても減るので,困りごとを引きずりがちになってしまうと思います.オンラインでも自分でガンガン研究を進めていける人や,早めにメールやチャット等で相談できるタイプの人は問題ないかもしれませんが,特別な事情が無い限りは研究室に来て研究することを推奨したいです.一方で,オンラインと対面のハイブリッドをうまく活用するという手もあります.このあたりは実際に研究を始めてみないとわからないと思うので,相談しながら進めていきたいと思います.(大学の方針として対面またはオンラインを原則とする可能性があります.また,ゼミは原則対面で実施になると思います)
大学院進学について
大学院(博士前期課程)への進学をお勧めします(入試の合格が必要です).卒業研究の1年間だけでは,どうしても中途半端なところで研究を終えることになりがちです.より専門的な知識・技術を身に着けるため,また,卒研の1年間と大学院の2年間(計3年間)での努力を経て満足のいく進路を獲得するために,ぜひ進学をご検討ください.大学院では,修了するための最低限の活動だけを行うのではなく,対外発表(国内学会,国際会議,学術雑誌など)や後輩の指導に積極的にチャレンジして,様々な経験・業績を積むことが重要となります.一方,博士後期課程は誰にでも気軽にお勧めできる進路というわけではありませんが,明確な目標がある人はチャレンジする価値のある進路だと思います.
宮本研が求める学生像
前述のような研究テーマやその周辺に関心があり,主体的に研究に取り組める人
新しいことを積極的に学ぶ意欲やチャレンジ精神のある人
大学院進学に興味のある人を歓迎しますが,必ずしも優先するとは限りません
その他
宮本研自体は比較的新しい研究室ですが,宮本研の学生・先輩はもちろん,内海研の学生・先輩も同じ研究室に居て一緒に研究するので,一人で寂しくなったり,相談相手がいない等の心配はないです.
学生さんからの評判が良い取り組みとして,学生室(713号室)にお菓子・お茶コーナー(学生さんは食べ飲み放題)を設置しています.在庫の具合を見て,宮本が適当に買い出しに行って補充しています.今後も継続する予定です.最近は,おやつラーメンが大人気です.
研究に必要なPC,図書等は基本的に研究費を使って購入するので,研究の作業に係ることで学生さんの私費での出費ができる限り出ないように配慮します.ただ,出張などで一時的に立て替えをしてもらう必要が出てくる可能性等はあります.また,どうしても,その年の予算によって状況が変わる可能性はあります.PCはWindowsまたはLinuxマシンを提供する予定ですが,特にOSの種類は問いません.
宮本は,大学院生時代にJASSO奨学金の特に優れた業績による返還免除を受けているので,配属された学生さんで狙う方にアドバイスできます.
お菓子・お茶コーナー