平らな口縁部に、なぜか横一列の「あな」があり、多くの場合は鍔がめぐっています。この土器を「有孔鍔付土器」と呼びます。内面が磨かれているのも特徴で、お酒づくり説、太鼓説……さまざまな説がありますが、未だ決着がついていません。この「あな」、なんで!?
「あな」や鍔の位置は時期によって変化しますが、平らな口縁はずっと変わらない特徴です。なにか理由がありそうですが…。
このような立派な文様のものは、多摩ニュータウン遺跡ではあまり出土していませんが、長野県や山梨県ではよく出土しています。
鍔の代わりに橋状の把手のついたものや、鍔に装飾のあるものも。しかし、鍔の用途については未だによく分かっていません。
土器製作時の野焼きでついたと考えられる黒斑はありますが、その後、火にかけられた痕跡が認められるものはほとんどありません。
この土器は他の土器よりも古い段階のものです。底は丸く、鍔はありません。
この土器は他の土器よりも新しい時期のものです。この頃には「あな」は内側に貫通せず、鍔にあくようになります。
主に長野県域で見つかった資料をもとにうまれた諸説と、その反論の一部を紹介します。みなさんもぜひ「なんで!?」に挑戦してみてください。
「今のところ、利用方法が明らかな出土状況や痕跡が見つかっていないから、これ以上追求できずにいるんだね。」