どこかで見たような形に見えますが、どれも現代の道具とは全くちがう文脈で生まれたそっくりさん。なんの関係もない赤の他人です。縄文人がこんな形に作ったのは、なんで!?
縄文土器は煮炊き用の鍋であることが多いのですが、これらの土器には大きな把手(?)が付いており、私たちの目には「ビールジョッキ」のようにも映ってしまいます。しかし、これは「持ち手」でしょうか?縄文土器に、現代の感覚は通用しないかもしれません。
「ジョッキ」形の土器は、把手の他はよくある深鉢と同じ形をしています。現在のところ出土例も少なく、この把手に意味を見出すのはなかなか難しいところです。
「立体的な文様の一部と考えることもできそう。」
縄文時代後期には、下に掲載したような注ぎ口のついた土器が見つかることがあります。まるで土瓶みたい?しかし縄文時代に緑茶はありません。とても丁寧に作られていますが、いったい何を入れていたのでしょう。
「弥生時代には作らなくなるのもなんで!?」
注口土器の特徴
注ぎ口の上とその対面には、持ち手をつけるのにちょうどよさそうな把手が付いています。しかし、植物などの腐りやすい素材で作っていた場合は現代まで残らないため、確かな証拠はありません。
内外面は丁寧に磨かれ、赤く彩色された痕跡が残るものもあります。
注ぎ口はどれもちゃんと内側に貫通しています。液体を注ぐのに使われたのは確かなようです。
「お酒を入れたと考える人もいるけど、確実な証拠はないんだ。」
「縄文時代にありそうな液体っていうと、水、お湯、果実酒、薬、シロップ、だし汁…とか!?」