2023

Exhibition 2023


「都会化された荒野で」@SUNDAY

片山初音槙原泰介

2023年2月25日(土)‐3月28日 (火) 

11:30-20:00[水曜定休]※店の営業に準

会場:SUNDAY   東京都世田谷区池尻2-7-12 B1F https://sunday-cafe.jp/

オープニング:2月25日(土) 18:00-20:00  ※BBQ +1drink  3000円

▶会場配布資料(作品解説、会場案内図)


Concept

 片山初音と槙原泰介は、ともに存在する地平の多層性や不確かさに強い関心を持ち、場所と事物や技術との関係性そのものを作品化してきました。昨年 5 月には、それぞれの活動と並行して協働プロジェクトを立ち上げ、長野県の山荘での 2 人展「都会化された荒野で」を開催いたしました。片山は山荘に隣接したウッドデッキをそこから見える林の中にもう一つ制作し、漠然と形式化された視線と眺望の関係を交錯させることで、その場を野生的とも言える視線から捉えなおす作品を制作しました。槙原は周辺にあった岩石を洗浄することで、岩石の表皮を露わにし、周りの木々や植物との視覚的な対比によってその環境における史や時間を錯綜させる作品を残しました。都会と荒野という両極に示される場所のあいだを制作のフィールドと捉えた両者の作品は、人工と自然の中間領域に存在する物質や構造の組み合わせによって、そのグラデーションの中に定義されずにあった存在を浮き彫りにしています。本展は、山荘での石と場を巡る思考を、東京・三宿という都市部において反芻する試みです。

 片山は不可視な地下構造への考察を反映し、過去に現地へ行ったことのある場所の地図から、地面に起こる侵食や堆積と水の関係を読み取り、掛け合わせたものを作品として提示しました。木材の節や木目などの条件の違いを実際の地面になぞらえ、そこに起こるであろう侵食と堆積の作用を現しています。

 槙原はコンクリート部材を使用した水性石版画を制作しました。部屋の湿度と絵の具の水分をコントロールしながら刷る石版画は、地中で重力を受けながら固まったコンクリート内部の砂利を浮かび上がらせています。それぞれの作品には果実の名が付けられ、植物をモチーフとした 19 世紀の壁紙のようなパターンが無機的な石の配列によって見立てられています。

昨年のプロジェクトのアーカイブと共に、ぜひご高覧下さい。

Document


片山初音 Hatsune Katayama


「152400」2023,


「ブロック、地下の穴」2023,


「三層」2023,


「27600」2023,


「126810」2023,




槙原泰介 Taisuke Makihara


Cherry2023, 水性石版画


Pinecone2023, 水性石版画


Berry2023, 水性石版画


MAP(No.48)2022, サイアノタイプ