死生学各論

担当:竹之内裕文(非常勤講師)

セメスター:集中  単位:2

講義題目

死とともに生きることを学ぶ
Cultivating the Wisdom of a Mortal Human Life

授業の目的と概要

なぜ死生学という学問が誕生したのかというところから始め、終末期医療、在宅での看取りといった現代医療の問題や、大震災被災地での支援、老人介護など、超高齢多死社会といわれる現代生活の多様な局面を取り上げながら、誰もがケアの担い手になり得るという現実を理解し、それぞれの立場から人間の生と死を取り巻く諸問題にどのように対処していけばよいのかを考察する。

This course describes the origins and purposes of the discipline of tanathology and covers various problems and challenges faced by modern medicine, such as an increasing demand for terminal care and home health nursing. Today, we are asked to provide care and support in multiple and varied circumstances: as volunteers in the areas affected by the Great East Japan Earthquake, as elderly care workers, etc. Ultimately, any member of our super-aged, mass death society may find him- or herself in the position of a caregiver. This course aims to prepare students for this role and give each of them an opportunity to look for his or her personal way to address a range of issues related to human life and death.

学習の到達目標

  1. 対話スタイルで進められる講義を通して、対話的探究の楽しさと可能性を身をもって学び、対話の精神と技法を習得する。

  2. テキストや他の受講者との対話を通して、死とともに生きる自分なりの知恵を身につける。

授業内容

  1. ガイダンス:講義の目的と進め方、導入としてのもしバナゲーム

  2. ワールドカフェ ある死別の経験から(序章)

  3. 映画『生かされて生きる』鑑賞

  4. テキストをめぐる対話(1)重度障害者自立ホームから(第1章)

  5. テキストをめぐる対話(2)在宅緩和ケアの現場から(第2章)

  6. 死生学カフェ(1)

  7. テキストをめぐる対話(3)死者と共にある農村との出会い(第3章)

  8. テキストをめぐる対話(4)いのちにあずかって生き、死ぬ(第4章)

  9. 死生学カフェ(2)

  10. テキストをめぐる対話(5)共に生きること、本当に生きること(第5章)

  11. テキストをめぐる対話(6)森と湖の国の「福祉」(第6章)

  12. 死生学カフェ(3)

  13. テキストをめぐる対話(7)ホスピス運動の源流を辿る(第7章)

  14. テキストをめぐる対話(8)死とともに生きることを学ぶ~哲学と対話(終章)

  15. 死生学カフェ(4)

成績評価方法

ポイント制とします。試験やレポートはありません。

  1. 「テキストをめぐる対話」(全8回)の準備作業として、受講者は各回の講義冒頭にフィードバックシート(テキスト各章の要旨、着眼・疑問・意見、希望する対話テーマを記載する)を提出します。これをすべて遺漏なく提出すると、8点満点×8回=64点のポイントを獲得します。

  2. 全体対話での発言については、これを対話的探究への寄与と位置づけ、1回あたり3点を加算します。

教科書・参考書

講義担当者の単著『死とともに生きることを学ぶ 哲学と対話』(ポラーノ出版 2019)をテキストとして使用します。宗教学研究室にて割引価格で購入できるように手配します。

The course is based on the instructor's book:
Takenouchi Hirobumi. Shi to Tomo ni Ikiru Koto wo Manabu: Tetsugaku to taiwa (Polano Shuppan, 2019)
The book can be purch

授業時間外学習

講義テキストを事前に読み、序章から終章について、それぞれフィードバックシートに記入してもらいます。

Students are required to read the assigned texts in advance and fill in all feedback sheets (eight in total).

その他

きちんと準備して臨めば、きっと楽しい授業となるでしょう。母校での対話的探究を楽しみにしています。死生学カフェについては次のURLを参照ください。https://www.facebook.com/shiseigakucafeshizuoka/

You will surely enjoy this class provided that you come prepared. I look forward to engaging in dialogic inquiry at my alma mater.