2022年度

April 2022 - March 2023

干支のイラスト:いらすとや より

Upcoming

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日時:月曜日 Mondays 13:30 -- 15:00.

理学部学年暦

場所
[ハイブリッド]の場合、理学研究科合同A棟801、および下記のZoom.
[オンライン]の場合、下記のZoom.


ID: 981 1706 3360
pass: 292983? ただし?は最小の正の自然数

世話人川﨑菜穂、大野泰生、山内卓也、甲斐亘 

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リンク

集中講義, 談話会, 他のセミナーの予定

理学部教務情報(シラバス・学年暦等)

日本数学会 代数学分科会 ホームページ(代数系の研究集会情報)


Past

winter 2022/23

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1月23日 

修士論文発表会予行演習2

13:30--14:50 (4講演) 

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前畑 佑都     13:30-13:50

安部 拓弥     13:50-14:10

新井 龍之介    14:10-14:30

角野 裕太   14:30-14:50

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タイトル及びアブストラクト

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前畑佑都氏:オンライン発表

タイトル:S_3拡大に付随する2次元既約Artin表現のArtin 導手の明示的計算と対応する保型形式

アブストラクト:整数係数既約3次多項式fのmod pにおける分解規則は、fの分解体$\mathbb{Q}_f$のArtin表現$\rho$に対応する重さ1でレベル$N$の楕円(Hecke同時固有)カスプ形式によって記述される。この保型形式のレベル$N$は、$\rho$のArtin導手N(\rho)$と呼ばれる正整数値と一致する。本研究では、与えられた3次多項式fに対するArtin導手$N(\rho)$の値を明示的に記述し、対応する保型形式の特定方法を与えた。さらに具体例としてfがpure cubicである場合に完全な記述を得たのでこれを紹介する。

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安部拓弥氏:オンライン発表

タイトル:代数幾何符号の最小距離に関する考察

アブストラクト: 代数幾何符号とは、有限体上の代数曲線上の因子を用いて構成される有限体上のベクトル空間のことである。その次元と最小距離がどちらも大きいものが実用上重要であるが、それらの和には最大値が存在する。本講演では、一般の代数幾何符号に対して、その次元と最小距離の和が最大となる時の条件を得たので、これを紹介する。また、具体例も合わせて紹介する

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新井龍之介氏:オンライン発表

タイトル:$\overline{\mathbb{F}_p}$上のある多項式写像に付随するArtin-Mazurゼータ関数の超越性

アブストラクト:1965年にArtinとMazurによって導入された離散力学系に付随するゼータ関数について, その有理性がしばしば問題とされる. 本講演ではとくに, 有限体$\mathbb{F}_p$の代数的閉包$\overline{\mathbb{F}_p}$上の多項式写像の定める離散力学系を考え, ある特別な形をした多項式写像の場合は, 付随するArtin-Mazurゼータ関数が有理関数体$\mathbb{Q}(T)$上超越的になるというBridyの結果を紹介する.

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角野裕太氏:オンライン発表

タイトル:多重ゼータ値と多重ポリログ関数の母関数について(On a generating function of MZVs and MPLs)

アブストラクト:多重ゼータ値(MZV)とは、Riemann zeta値の定義級数を多重化した多重級数の収束値である。多くのMZVについては明示式があまり知られていないが、いくつかのMZVについては明示式が知られている。例えばBorwein氏ら4名は、1999年に\zeta(3,1,...,3,1)の母関数が2つのGauss超幾何級数の積で表せることを示すことによって、\zeta(3,1,...,3,1)が\piべきの有理数倍になるという明示式を得た。今回、Borwein氏らの母関数の構成方法を参考に、MZVの多項式補間であるt-MZVのある系列の母関数が、一般化された超幾何級数で表せることを新たに示したので紹介する。証明は、この母関数から定まる非斉次な線型常微分方程式の、形式的べき級数解を構成することによる。また、今回の結果を用いることによって、\zeta(2k,...,2k)の明示式の新たな表示を得られることについても述べる。


1月16日 

修士論文発表会予行演習1

13:30--14:30 (3講演)

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石塚 康介   13:30-13:50

叶 冀平 (イェー ジーピン)  13:50-14:10

今泉 大樹    14:10-14:30

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タイトル及びアブストラクト

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石塚康介氏:オンライン発表

タイトル: 非アルキメデス的関数解析におけるコンパクト性

アブストラクト:  一般に完備非アルキメデス的付値体は局所コンパクトでないため, 通常のコンパクト性は非アルキメデス的関数解析において, 一般論を記述するのにふさわしくない. そこで, 非アルキメデス的関数解析ではコンパクト性の代替物としてコンパクトイドを扱う. コンパクトイドは, Gruson と van der Put によって導入され, 主に van Rooij や Schikhof などによって研究された. 本修論審査会では, コンパクトイド性の一種である局所コンパクトイドについて得られた結果を紹介する.

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叶 冀平 (イェー ジーピン) 氏:オンライン発表

Title: An application of Gröbner basis to determinantal ideals of non-generic matrices

Abstract:Many well-known ideals in algebraic geometry can be described as ideals generated by maximal minors of a homogeneous polynomial matrix, also known as determinantal ideals. Eagon-Northcott Complex gives the minimal resolution for the determinantal ideal of a generic matrix, whereas for non-generic matrices the resolutions can vary widely. My thesis explored an algorithm called Pruning Technique introduced by Adam Boocher, who took advantage of the property of universal Gröbner basis and gave the minimal resolution for the determinantal ideal of a sparse generic matrix. 

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今泉大樹氏:オンライン発表

タイトル:ポアンカレ双対を一般化した双対群について

アブストラクト: ポアンカレ双対は向き付けられた閉多様体について、そのホモロジーとコホモロジーにキャップ積による同型が存在するというものである。双対群はこの定義を一般化し、群と任意の加群についてキャップ積を用いた同様の定義をする。

本講演では、1973年のRobert BieriとBeno Eckmannの論文をもとに双対群の諸性質について紹介する。

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12月26日 

新井 龍之介 氏 (東北M2) [オンライン]

タイトル

$\overline{\mathbb F_p}$ 上のある多項式写像に付随するArtin-Mazurゼータ関数の超越性

アブストラクト

1965年にArtinとMazurによって導入された、離散力学系 (X,f) に付随するゼータ関数 ζ(X,f;T) についてその有理性がしばしば問題とされる。本講演ではとくに、有限体 F_p の代数的閉包 $\overilne{\mathbb F_p}$ 上の多項式写像 f の離散力学系を考え、ある特別な場合では付随するArtin-Mazurゼータ関数 $ ζ(\overline{\mathbb F_p} ,f;T)$ が有理関数体 $\mathbb Q (T)$ 上超越的になるというBridyの結果を紹介する。


12月19日 安部 拓弥 氏(東北M2) [オンライン]

題目:代数幾何符号の最小距離に関する考察

概要: 代数幾何符号とは、有限体上の代数曲線上の因子を用いて構成される有限体上のベクトル空間のことである。その次元と最小距離がどちらも大きいものが実用上重要であるが、それらの和には最大値が存在する。本講演では、一般の代数幾何符号に対して、その次元と最小距離の和が最大となる時の条件を得たので、これを紹介する。また, 具体例も合わせて紹介する。


12月5日 

前畑 佑都 氏 (東北M2) [オンライン]

題 目:   S_3拡大に付随する2次元既約Artin表現のArtin 導手の明示的計算と対応する保型形式

概要:  整数係数既約3次多項式fのmod pにおける分解規則は、fの分解体$\mathbb{Q}_f$のArtin表現$\rho$に対応する重さ1でレベル$N$の楕円(Hecke同時固有)カスプ形式によって記述される。この保型形式のレベル$N$は、$\rho$のArtin導手N(\rho)$と呼ばれる正整数値と一致する。本研究では、与えられた3次多項式fに対してArtin導手$N(\rho)$の計算方法と対応する保型形式の特定方法をチャート化し、さらにfがpure cubicである場合に完全な記述を得たのでこれを紹介する。


11月28日 

今泉 大樹 氏 (東北M2) [ハイブリッド]

タイトル

ポアンカレ双対を一般化した双対群について

アブストラクト

双対群とは、群とその任意の加群についてホモロジーとコホモロジーの間にキャップ積による同型が存在するものであり、同様の定義をするポアンカレ双対のより一般的なものである。

本講演では、1973年のRobert BieriとBeno Eckmannの論文をもとに双対群の諸性質について紹介する。


11月21日 

叶 冀平 氏(東北大学M2) [オンライン]

Title: An application of Gröbner basis to determinantal ideals of non-generic matrices

Abstract: A minimal free resolution is an exact sequence illustrating the structure of a specific module. The minimal free resolution for the determinantal ideal of a generic matrix is given explicitly by Eagon-Northcott Complex, while for non-generic matrix the resolution can vary wildly. In this seminar, I will follow a paper by Adam Boocher in 2012 to introduce an algorithm called Pruning Technique, by which we take advantage of the universal Gröbner basis to give the minimal free resolution for the determinantal ideal of a sparse generic matrix.


11月7日 

角野裕太 氏(東北大学M2)[ハイブリッド]

【タイトル】

多重ゼータ値と多重ポリログ関数の母関数について

On the generating function of MZV and MPL

【アブストラクト】

多重ゼータ値(MZV)とは、Riemann zeta値の定義級数を多重化した多重級数の収束値である。多くのMZVについては明示式があまり知られていないが、いくつかのMZVについては明示式が知られている。例えばBorwein氏ら4名は、1999年に\zeta(3,1,...,3,1)の母関数が2つのGauss超幾何級数の積で表せることを示すことによって、\zeta(3,1,...,3,1)が\piべきの有理数倍になるという明示式を得た。今回、Borwein氏らの母関数の構成方法を参考に、MZVの多項式補間であるt-MZVのある系列の母関数が、一般化された超幾何級数で表せることを新たに示したので紹介する。証明は、この母関数から定まる非斉次な線型常微分方程式の、形式的べき級数解を構成することによる。また、今回の結果を用いることによって、\zeta(2k,...,2k)の明示式の新たな表示を得られることについても述べる。



10月31日 

石塚 康介 氏 (東北大学M2) [オンライン]

タイトル:非アルキメデス的関数解析におけるコンパクト性

アブストラクト:一般に完備非アルキメデス的付値体は局所コンパクトでないため, 通常のコンパクト性は非アルキメデス的関数解析において, 一般論を記述するのにふさわしくない. Gruson, van der Put はコンパクト性の類似物としてコンパクトイドを定義し, その性質を研究した. 本講演では, コンパクトイド性の一種である局所コンパクトイドについて得られた結果を紹介する.




summer 2022

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7月 11日 (月曜日)午後1:30~3:00

川邊 大貴 氏(東北大学PD)

タイトル:種数1ファイバー曲面の算術

アブストラクト:

種数1ファイバー曲面とは, 代数曲面から代数曲線への全射で, 生成ファイバーが種数1曲線となるものをいう. 

本講演では, 種数1曲線の復習から始めて, 整数論に関連した話題をご紹介したい.

塩田・Tateの公式, 相対的Mordell-Weilの定理(Lang-Neronの定理), それらの(1つの)一般化をご紹介したい.

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7月 4日 (月曜日)午後1:30~3:00

竹平航平 氏(東北大学博士課程)

【タイトル】

論文「Parry, W. An analogue of the prime number theorem for closed orbits

of shifts of finite type and their suspensions. Israel J. Math. 45,

41–52 (1983)」の紹介


【論文DOI】

https://doi.org/10.1007/BF02760669


【アブストラクト】

素数分布論の古典的かつ有名な結果に、素数定理がある。素数定理には様々な一般化や類似が知られているが、今回紹介する論文では、ある種の力学系における周期軌道の個数に関して、素数定理と同様の漸近挙動が存在することを証明しており、そのことについて紹介する。証明は素数定理のWiener-池原の定理を用いた証明の類似をたどるものであり、力学系に対してゼータ関数を定義し、その性質を調べることによって証明が行われる。

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2022年 6月 27日 (月曜日)午後1:30~3:00

砂田浩幸 氏(東北大学博士課程)

タイトル:

論文「T. Kashio, Fermat curves and a refinement of the reciprocity law on cyclotomic units, Journal für die reine und angewandte Mathematik 741 (2018), 255-273」の紹介

アブストラクト:

代数体の整数論において重要な公式に類数公式がある.これは代数体に対して定義されるDedekindゼータ関数のs=0でTaylor展開したときの先頭係数に類数などの数論的に重要な情報が現れるという公式である.Stark予想とは簡単に述べれば,これをArtin L関数に拡張したものである.Stark予想の簡単な場合は古典的にEulerの公式やΓ関数に対する反転公式などを用いることで簡明な証明が知られているが,今回紹介する論文では一般化を見据えEulerの公式や反転公式を一切用いずに証明を行う.証明にはFermat曲線の周期とp進周期の比較,及びFermat曲線への絶対Frobenius作用に関するColemanの公式を用いる.

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2022年 6月 13日 (月曜日)午後1:30~3:00

青木 美穂 氏 (島根大学)

タイトル: 

大域体における素イデアルの偏りについて

アブストラクト:

チェボタレフの密度定理から,4k+3形の素数と4k+1形の素数の密度は等しいことが分かるが,  有限区間[1, x]で比較すると, 4k+3形の素数の方が僅かに多くなる場合が多い.  この現象は『チェビシェフの偏り』と呼ばれ, 未解決問題である.本講演では, このような大域体におけるさまざまな素イデアルの偏りの大きさを定式化し, この定式化がアルティンのL関数のオイラー積の中心値における収束(Deep Riemann Hypothesisの一部)と同値であることについて説明する. また関連する話題や計算機を用いた数値結果についても紹介する. 本研究は東洋大学の小山信也氏との共同研究である.

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2022年 6月 6日 (月曜日)午後1:30~3:00

鈴木諒 氏(東北大学博士課程)

タイトル:

論文紹介「On complex zeros off the critical line for non-monomial polynomial of zeta-functions」

アブストラクト:

Riemannゼータ関数がもつ性質の一つとして, 1975年にVoroninによって証明された普遍性定理があり, 零点を持たないコンパクト集合上の連続関数をゼータ関数の適当な平行移動によって近似が可能である.  今回は, 普遍性のある種の一般化であるhybrid universality (混合普遍性)を定義し, そこから多重ゼータ関数の零点の個数の評価が得られることを紹介する. 

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2022年 5月 23日 (月曜日)午後1:30~3:00

村上 友哉 氏(東北大学PD)

タイトル:量子モジュラー形式入門

アブストラクト:量子モジュラー形式はトポロジーにおける量子不変量の研究による動機からZagierによって2010年に発見された対象であり、数論とトポロジーの両方からその重要性が認識され始めてきている。本発表ではこの量子モジュラー形式がどのような対象なのかを具体的な計算を通して紹介する。

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2022年 4月 25日 (月曜日)午後1:30~3:00

数学リテラシー(比較的若いメンバー向けの催しです)


甲斐亘「一部の論文や書籍を大学経由でダウンロードできる件」

川﨑菜穂「発表と質問のすすめ+α」

大野泰生「アウトゴーイングのすすめ」

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参考:集中講義日程