ゼミナール(卒業研究)

戸川ゼミナールの研究テーマ

「都市政策」と「ガバナンス」-暮らしの安心・信頼社会と持続可能なまちづくりに向けて-

①日時・時間

・2年次:秋学期 金曜4限

・3年時:春学期 金曜5限 秋学期:金曜5限

・4年時:春学期 火曜2限 秋学期:火曜2限

 

②主な取り組み(概略)

【ゼミナール第1期】

◆研究テーマ

 コロナ禍の地域活性化と住民コミュニティの創出に向けた提言に関する研究


◆主な活動内容



【ゼミナール第2期】

◆研究テーマ

 地域を紡ぐ防災かるたとコミュニティ創出に関する研究

 

◆主な活動内容


【ゼミナール第3期】

◆研究テーマ

ソーシャル・キャピタルを育む都市政策とソーシャル・デザイン

  ー まちの人々に寄り添い、"地域に暮らす人々を紡ぐ居場所"を創出する

 

<現在、活動内容を思案中>

生活する人々の”居場所づくり”に「必要な・足りないもの」を補うソーシャル・デザインを地域にプロデュースしようとしている。

Key words:市民活動、ソーシャル・デザイン、ネイバーフッド・デザイン


③ゼミナール【第2期】が行った研究成果の紹介(文責:第2期副ゼミ長 米谷彰太)

◆本ゼミナールは「暮らしの安心・信頼社会と持続可能なまちづくり」を研究テーマに活動しております。

主な取り組みとして、実際に自分の足で現場に出向かうフィールドワークや市民意識調査のデータを活用した研究アプローチを通じて政策研究への関心を深めております。

◆今年度は、一般社団法人「鎌ケ谷マネジメントラボ」との連携のもと、千葉県鎌ケ谷市を舞台とした「防災かるた」の制作に取り組みました。新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受け、2020年から様々な活動や行事が制限されました。地域社会の現場には、仲間意識の低下や「疎外されている」という負の感情が溢れているような状況も散見されたかと思います。こうした問題を含めつつ、防災政策に必要な地域づきあいの充実を図るために、本ゼミナールでは防災かるたの制作に着手致しました。


◆防災かるたを制作するにあたり、大まかな活動の流れは以下の通りです。

①地域住民の方々へインタビュー・聞き取り調査を実施

②グラフィックデザインを専門とするメディア系ゼミナールに絵札と読み札の制作を依頼し、異分野のゼミナールがコラボレーション

③プレイベントや地域プロモーションイベントを通じた防災かるたの体験会を実施する

◆①地域住民の方々へのインタビュー・聞き取り調査

 鎌ケ谷市が定点的に実施する市民意識調査に  基づいて、「防災関連に関する意識」を分析。「防災意識は誰が高いのか?」、「同じ地域に住む人の中でも防災意識の違いについてはどのくらいあるのか?」といった、身近な疑問を持つことから研究が始まりました。

 発見したリサーチ・クエスチョンを基にして、「高齢者・自治会班」、「若年層・子育て班」、「行政・消防班」に分かれ、それぞれ質問票を検討して作成しました。そして、様々な人々を対象に実施したインタビュー内容を文字に起こしました。一人一人が時間を分担しながら文字を起こし、速記録を作成する作業は大変な労力のかかる作業でした。その量はおよそ20名分、78393文字、約80頁のワードファイルになります。その速記録のワード・ファイルの内容を精査し、防災意識を喚起するコミュニティと居場所づくりに必要な仮説の検討を行いました。

◆②グラフィックデザインを専門とする異文化のゼミナールと連携した絵札の制作

 調査研究から得た知見を元に、あえて本来のかるたのように「五十音で遊ぶ」のではなく、「伝えたいこと」をキーワードに設定した防災かるたを作成しました。「考えて遊ぶ」、「遊びながら学ぶ」ことをコンセプトに一枚一枚丁寧に絵札から読み札までを制作し始めました。

 かるたの絵札は、まずは戸川ゼミナール生が大まかな絵札の案を制作し、同時に何を特に伝えたいのかを各自まとめました。そして、次には、制作デザインを専門とするゼミナールに絵札作成を依頼しました。これは、分野の異なるゼミナールが連携し、お互いの強みを生かす貴重な機会となりました。

◆③プレイベントや地域プロモーションイベントにて展示・披露

 最終的には、実際に住民の方へ体験していただく機会を設けて、プレイベントなどを実施いたしました。聞き取り調査にご協力いただいた方を大学に招待し、プロトタイプのかるたを紹介し体験しました。そして、体験を踏まえた感想や改善点を話し合い、最終完成に向けて微調整を制作表現ゼミに依頼し、防災かるたの完成版ができあがりました。

 そして、千葉商科大学政策情報学部と鎌ケ谷市が連携して実施する「鎌ケ谷プロモーションイベントDAY」では展示作品として出店するだけでなく、多くの人々に防災かるたの体験をしていただきました。子どもたちから高齢者の方まで多くの地域住民の方々と交流できたことは、公務員を目指すゼミナール生にとっては、貴重な経験になりました。

◆総括

 この活動を通じて、まちに暮らす子供から高齢者まで多くの人を対象とした居場所づくりに少しは貢献できたのではないでしょうか。世代間交流の機会を創出し、人々に寄り添う市民活動政策に必要な手立てを防災かるたを通じて学ぶことができたと考えます。今後も、戸川ゼミナールではまちの地域に足りない・必要な居場所づくりに求められるソーシャル・デザインを地域にプロデュースしていきたいと考えます。