中央・総武線(0番台・900番台)Chuo-Sobu Line
中央・総武緩行線では1998年に次世代通勤車の試作車として209系950番台が三鷹電車区に配置され、1999年3月に営業運転を開始した。この間に209系の幅広車体車として登場した209系500番台が習志野電車区に配置され、1998年12月29日に営業運転を開始している。2000年以降は量産車のE231系0番台が三鷹・習志野の両電車区に投入され、103系や201系、205系の置き換えが開始された。習志野電車区は2001年3月に209系とE231系へ、三鷹電車区は2001年11月にE231系への統一を完了した(地下鉄東西線直通を除く)。209系950番台は2000年6月にE231系900番台に改称されている。2003年には習志野電車区の配置が三鷹電車区に集約され、209系500番台とともに運用されている。2004年には三鷹電車区が三鷹車両センターに組織変更された。2010年からの山手線へのホームドア導入に伴って同線のE231系500番台の6扉車を4扉車に置き換えることとなったが、新津車両製作所製の4扉車の新車回送と長野総合車両センターへの6扉車の廃車回送用の伴車として三鷹車両センターのミツB27編成(クハE231-27ほか)が東京総合車両センターへ一時転出し、山手線6扉車の置き換えが終了した2011年に三鷹へ再転入した。2015年からの山手線へのE235系投入により、同線のE231系500番台が中央・総武緩行線に転用された。E231系0番台は6編成が中央・総武緩行線に残ったが、多くは武蔵野線や八高線・川越線へ転用された。900番台は武蔵野線へ転用されている。2020年3月14日改正では中央・総武緩行線で早朝夜間に存在した武蔵小金井駅・立川駅乗り入れが終了し、終日三鷹駅までの運用となった。また、日本全国で最後まで残っていた6扉車の運用が2020年3月13日限りで終了した。
常磐線・成田線 Joban Line, Narita Line
常磐快速線へは103系の置き換えのため、0番台が松戸電車区に新製配置され、2002年3月より運用を開始した。当初の運用区間は常磐快速線上野駅 - 取手駅間および成田線我孫子駅 - 成田駅間である。103系の定期運用は2006年3月に終了した。2015年の上野東京ライン開業後は常磐快速線用E231系が東海道線の品川駅まで乗り入れるようになった。
武蔵野線 Musashino Line
武蔵野線へは中央・総武緩行線へのE231系500番台転入で捻出された0・900番台が8両編成に短縮の上で転用され、205系が2020年までに置き換えられ、インドネシアに譲渡された。E231系は209系500番台と共に京葉車両センターに配置され、武蔵野線府中本町駅 - 南船橋駅間のほか、京葉線東京駅・海浜幕張駅、「むさしの号」・「しもうさ号」での大宮駅、「むさしの号」での中央本線八王子駅への乗り入れで運用されている。
山手線 Yamanote Line(転属後:中央・総武線 Chuo-Sobu Line)
山手線 Yamanote Line:
205系で統一されていた山手線ではデジタルATC導入を機にE231系500番台に置き換えられることになり、2002年より新製配置が開始された。配置は山手電車区で、11両編成のうち7・10号車の2両が6扉車となった。置き換えられた205系は103系置き換えのため周辺各線区へ転出し、205系の山手線運用は2005年に終了した。この間の2004年6月に山手電車区と大井工場が統合し、東京総合車両センターが発足している。山手線では2010年よりホームドアが設置されることになり、6扉車・サハE230形の代替として4扉の新造車サハE231形600・4600番台が組み込まれた。新津車両製作所で製造された4扉車の新車回送と長野総合車両センターへの6扉車の廃車回送に使用するため、中央・総武緩行線用0番台ミツB27編成(クハE231-27ほか)が三鷹車両センターから東京総合車両センターに一時転属している。2011年8月に山手線6扉車の運用が終了し、同編成は2011年11月に三鷹車両センターに返却された。2015年より山手線へE235系が投入されるのに伴い、置き換えられたE231系500番台は中央・総武緩行線に転用されて三鷹車両センターへ転出した。E231系から外されたサハE231形4600番台は大多数がサハE235形4600番台に改造・改番され、山手線用E235系0番台10号車に編入された。山手線の予備本数削減とサハE235形500番台の登場により、サハE231形4600番台4両が余剰になったが、これらは2020年9月10日付で廃車となった。山手線でのE231系の運用は2020年1月20日の終日00G内回り運用をもって終了し、1月24日に最後まで活躍したトウ506編成の東京総合車両センター入場をもって山手線で運用される車両は全てE235系に統一された。
中央・総武線 Chuo-Sobu Line:
2010年からの山手線へのホームドア導入に伴って同線のE231系500番台の6扉車を4扉車に置き換えることとなったが、新津車両製作所製の4扉車の新車回送と長野総合車両センターへの6扉車の廃車回送用の伴車として三鷹車両センターのミツB27編成(クハE231-27ほか)が東京総合車両センターへ一時転出し、山手線6扉車の置き換えが終了した2011年に三鷹へ再転入した。2015年からの山手線へのE235系投入により、同線のE231系500番台が中央・総武緩行線に転用された。E231系0番台は6編成が中央・総武緩行線に残ったが、多くは武蔵野線や八高線・川越線へ転用された。900番台は武蔵野線へ転用されている。2020年3月14日改正では中央・総武緩行線で早朝夜間に存在した武蔵小金井駅・立川駅乗り入れが終了し、終日三鷹駅までの運用となった。また、日本全国で最後まで残っていた6扉車の運用が2020年3月13日限りで終了した。
地下鉄東西線直通用の800番台 Subway Tozai Line (E231-800)
中央・総武緩行線のうち地下鉄(営団地下鉄→東京地下鉄〈東京メトロ〉)東西線直通列車では2003年よりE231系800番台の運用が開始され、従来の301系と103系1200番台が置き換えられた。運用区間は中央線三鷹駅 - 中野駅間、地下鉄東西線中野駅 - 西船橋駅間、総武線西船橋駅 - 津田沼駅間である。走行距離調整のため、JR車は東西線内のみの運用にも使用される。なお、東西線と相互直通運転を行っている東葉高速鉄道東葉高速線への乗り入れは行わない。
近郊タイプ(東海道線) Tokaido Line
2004年1月からは東海道線の113系置き換え用として国府津車両センターへ近郊タイプの新製配置が始まった。これらの車両では新たにグリーン車が組み込まれ、これに合わせて小山車両センター向けの近郊タイプにもグリーン車組み込みが実施された。また、以降に製造された車両では、運転台や車内設備の仕様が一部変更されている。2004 - 2006年に基本編成(10両・K編成)42本420両と付属編成(5両・S編成)34本170両の計590両が国府津車両センターに配置された。この際、一部の中間車は小山車両センターの編成から組み込まれている。この中には東海旅客鉄道(JR東海)所属の113系のうち東京 - 熱海間に乗り入れていた編成(静岡車両区所属の旧T編成)の置き換え分も含まれている。東海道線での運用に先駆けて、同年7月18日より宇都宮線・高崎線で暫定的に運用を開始し、10月16日より湘南新宿ラインおよび東海道線・伊東線・御殿場線の普通・快速列車で本格的に運用を開始した。2006年(平成18年)3月18日のダイヤ改正で同センターの113系の全定期運用を置き換えた。この国府津車両センター向けの車両は2006年3月に国府津車両センターへの配備が完了した。一部の編成は配置開始直後から2006年2月にかけて小山車両センターに貸し出され、小山車として宇都宮線や湘南新宿ラインの横須賀線 - 宇都宮線系統の運用や高崎線の小山車運用にも使用されていた。配置開始直後に、一部の付属編成がJR東海静岡支社に乗務員訓練のために貸し出され、試運転で浜松駅まで入線したことがある。基本編成は「ひまわり号」で浜松駅まで入線したことがあり、2009年には付属編成が同様に「ひまわり号」で静岡駅まで入線している。2008年春までに全編成のスカートがV字に尖がった大型のものに交換され、優先席付近の吊り革もE233系タイプのものに交換された。御殿場線でも国府津 - 山北間で2往復運用されていたが、2012年3月17日のダイヤ改正で廃止された。2015年3月14日ダイヤ改正より、湘南新宿ラインの横須賀線 - 宇都宮線系統(逗子 - 宇都宮間)も定期運用に入っている。所属両数は2021年4月現在、配置完了時の590両から変化していない。
川越線・八高線 Kawagoe Line, Hachiko Line
八高・川越線には中央・総武緩行線への500番台転入で捻出された0番台が3000番台へ改造の上で投入され、2018年に運用を開始した。これにより、205系3000番台や209系3000・3100番台が置き換えられた。川越車両センターに配置され、同時期に転用改造された209系3500番台とともに八王子駅 - 高麗川駅 - 川越駅(一部は南古谷駅)間で運用されている。
都営新宿線 Toei Shinjuku Line(1・2次車+10-300R)
概要:
新宿線開業時から使用している10-000形は、セミステンレス車両である初期車の登場から25年(試作車では30年)以上が経過し、車体の老朽化が進んでいた。本形式はその置き換え用として、また2005年(平成17年)5月14日に行われたATCと列車無線の更新に対応するために製造された車両で、2005年(平成17年)5月から2006年(平成18年)7月にかけて10-000形セミステンレス車と同数の108両が新製された(1次車)。日本の通勤形電車として標準的な全長20 m級・片側4扉車体の基本設計は、軽量ステンレス製構体や列車情報管理装置 (TIMS) の採用など、JR東日本E231系電車で採用された設計技術をベースにしており、開発・製造コストの抑制を図っている。新宿線の車両限界に合わせて車体幅が狭いほかは類似した印象の外観を持つが、先頭部はオリジナルのデザインを採用している。本形式は「ライフサイクルコスト低減」と「人と環境にやさしい車両」をコンセプトに設計した。また、車体には基本的にリサイクル可能な材料を採用しているほか、車内ではバリアフリーに配慮した設備を有している。なお、本形式は編成すべてが新造車の10-300形と、先頭車両のみ新造車で中間車は既存の10-000形である10-300R形の2つに大別される。Rは、改修する(Repair)、改造する(Reconstruction)などの頭文字に由来する。製造メーカーは大部分が東急車輛製造・総合車両製作所横浜事業所だが、2006年(平成18年)製造の中間車18両と2010年(平成22年)製造の2両は新津車両製作所で製造された。本項では、東京都交通局が監修した資料に基づき、編成表記は本八幡方先頭車の表記を、編成番号は第31編成から記載する。2013年(平成25年)度から増備されている3次車以降についてはE233系2000番台がベースとなり、仕様が大きく異なることから、本項目では別途記載する。10-300R形は2015年(平成27年)より廃車が開始され、2017年(平成29年)2月14日をもって営業運転を終了した。
運用:
2005年に登場して以来、10-300形・10-300R形は10-000形とともに本八幡 - 新宿 - 笹塚 - 桜上水 - つつじヶ丘間の各駅停車や橋本・京王多摩センター発着の急行・快速・通勤快速に使用されてきたが、2006年9月1日の都営新宿線・京王電鉄ダイヤ改正で相模原線・京王線直通の急行・快速の大半が10両編成での運用に置き換えられたことにより、当時8両編成のみの都営車による運用は本八幡 - 笹塚(一部桜上水・つつじヶ丘)間と精算運転のために京王相模原線内の各駅停車とその出入庫回送を兼ねた早朝・夜間の相模原線直通運用が中心になった。このため、同線では直通急行の大半を京王車が占めるようになったのとは反対に、線内各停の多くを都営車が占めるといういわば逆転現象が生じた。調布で折り返す際は京王線の車両と同様に新宿方面の3番線で乗客を降車させた後に一旦布田寄りの本線上に列車を回送してから1番線へと転線していた。その後、2010年3月19日に行われたダイヤ修正により京王相模原線で日中に運転される列車が10両化されたため本形式での線内運用は減少した一方で、京王競馬場線で本形式を含む都営車8両が土休日に運用されるようになり、精算運転は京王競馬場線で行われるようになった。土休日には急行高尾山口行に入る都営車の運用もあった。2010年6月1日からは一部編成が10両編成となったため、京王線・京王相模原線直通の急行など10両編成の運用にも使用されていた。2013年2月22日のダイヤ改定以降は、平日の夕方に本八幡 - 新宿間各停、新宿 - 調布間急行、調布 - 高尾山口間各停という列車が4本設定された。このうち、新宿 - 調布間では急行調布行となり、高尾山口到着後、快速つつじヶ丘行として折り返し、つつじヶ丘到着後は調布発各停高尾山口行となり、その後、2本は各停本八幡行、1本は各停瑞江行となり、都営線内へ戻るという運用であった。残りの1本は高幡不動発各停桜上水行となり、同駅で夜間滞泊を行っていた。すべて都営車による運用で、本形式を含む8両編成と、本形式の10両編成ともに運用があった。2018年2月22日のダイヤ改正より京王八王子駅に乗り入れる運用が設定されたが、2019年2月22日のダイヤ改正で一度撤退した。その後、2024年3月16日のダイヤ改正で復活している。
相模鉄道10000系 Sotetsu 10000 Series
概要:
製造から30年近く経過し老朽化が進む2100系、新6000系、5000系、旧7000系の置き換えを目的に投入された。本系列の大きな特徴としては、イニシャルコストの低減を図るため東日本旅客鉄道(JR東日本)のE231系電車と共通設計となったことが挙げられる。前面のデザインなど細かい設備を除いて、ほぼそのままE231系の設備を導入した。2001年度に10両編成2本、2002年度と2003年度に8両編成各1本[、2004年度に8両編成3本が製造された。これで終了となる予定だったが、8000系の事故廃車による補填のため、2006年度に10両編成1本が製造されており、最終的に10両編成3本・8両編成5本の計70両となった。車両の製造は東急車輛製造を主に、一部の車両はJR東日本の新津車両製作所が担当しており、いずれも車内外の銘板には両者の名が記されている。
概説:
前述のように、本系列は基本的にE231系電車と同一であり、後節の車内設備とともに相鉄で特に目を引く設備を中心に解説する(その他の設備については、「JR東日本E231系電車」の項目を参照のこと)。 各車両20m長の車体に片側4つの両開きドアを備える。車体限界幅がJR東日本より50mm狭い2,950mmのため、E231系より車体幅を20mm縮めた2,930mm(雨樋部は2,946mm)としている。相鉄ではそれまで、車体の素材にはアルミニウム合金を主体に使ってきたが、初めてステンレス鋼を用いた。前面部分は繊維強化プラスチック (FRP) を用いて、ステンレスでは困難な造形を形成している。前面デザインはこれまでの相鉄電車とは異なって「非貫通形」であり、急行灯も設置されておらず、なおかつE231系のものとも異なる独自のデザインが採用されている。種別・行先表示器はLED式である。側面はE231系とほぼ同一であり、帯の色と配置以外には目立った相違点がない。導入当初の帯色は新6000系電車のイメージを引き継いだ配色で、上部はピーコックグリーン、下部はサフランイエローラインとなっていたが、2006年のCI導入に伴い他の系列と共に統一カラーへ変更され、11000系電車と同様の配色になっている。また、導入当初は現在のものと異なる相鉄初の英文・ローマ字表記ロゴ(エンブレム)も付加されていた。さらに2020年11月には「YOKOHAMA NAVYBLUE」塗装が施されたリニューアル車が登場している。屋根上に集中型冷房装置を各車両に1基ずつと、一部の車両にはパンタグラフを搭載する。パンタグラフはすべてシングルアーム型である。車いすスペースステッカーの位置は、10両編成は号車表示の横で、8両編成は号車表示の下となっている。
運用:
本系列は他形式と共通運用を組んでおり、8両編成と10両編成で運用が分けられている。8両編成は各停を中心に、一部の特急、快速にも使用される。10両編成は他形式と共通運用で、特急、通勤急行、快速、各停全ての種別に使用される。また、都合によっては、8両編成の運用や相鉄新横浜線の運用を代走することがある。