宇宙には大量の銀河が存在しており、そのような銀河の中には、活動的なブラックホールを持つ銀河、変わった形態を持つ銀河、星を大量に作っている銀河などのように、珍しい特徴を持つ希少な銀河が存在しています。こうした希少銀河は、これまでの銀河進化研究で見逃されてきた銀河である可能性があり、銀河進化シナリオの理解に欠かせない重要な情報を持っている可能性があります。こうした希少な銀河を,機械学習を用いて探査しています。
すばる望遠鏡と広視野カメラHyper Suprime-Camを用いて撮像された銀河画像の中から,機械学習を用いて希少な銀河の探査を行いました。分光データも用いて検出された銀河の解析を行った結果,極端に強い輝線を持つ銀河や,合体途中の可能性のある銀河,さらには活動銀河核などが選ばれていることを確認しました。今後,別のモデルを用いたり,この手法を別のデータに適用したりと,様々な応用の可能性があります。
銀河は、活発な星形成を行う star-forming galaxy (星形成銀河, SFG) と,ほとんど星形成を行わない quiescent galaxy (QG) に大別されます。SFG が星形成や合体を通じてある程度成長すると,何らかの要因で星形成活動が抑制 (quenching) され,SFG と QG の中間にあたる green valley (GV) を経て QG に進化するという一方通行の銀河進化シナリオが広く考えられてきました。一方で近年、quenching を経験した上で直近に星形成を再開した「若返り銀河」(rejuvenation galaxy) が発見されました。
一方で、こうした若返りがどのようなメカニズムで起こるのかどうかはわかっておらず、銀河進化分野の未解決問題となっています。若返りに秘訣を解き明かすためには、若返り銀河の統計的サンプルを構築し、若返りを起こしていない銀河 (QGs) と比較する必要があります。そこで、我々は先行研究よりも大規模かつ統一的な定義で選択された若返り銀河のサンプルを作成し、若返りを経験していない銀河との統計的比較を行いました。その結果、若返りは現在の宇宙における星形成の約20%程度に貢献している重要な減少であること、単一の銀河が何回も若返りを経験した可能性があること、円盤状の形態を持つ QG が選択的に若返りを起こしている可能性があること、などが判明しました。