2022年10月10日

田村あけみ

市議会報告 


《匝瑳市民だより NO.106号》 

2022年 10月10日

発行  日本共産党匝瑳市議会議員 田村 明美  

 

  9月市議会で行なった、田村あけみの一般質問・答弁の抜粋を報告します。

ご意見、ご要望をお願いします。


なんといっても

市民病院の早期建て替え、医師・看護師の確保と医療充実を求める


【田村あけみ議員】  宮内市長は「市民病院の建て替えは、最優先に取り組むべき重要課題である」との認識を示された。

  新病院建設、竣工までの年次計画、建設候補地の選考状況を伺う。

【宮内市長】 市議会全協で、基本計画案の検討状況と建設候補地について報告した。議員からの意見は、これから十分検討したい。建設候補地の検討は、病院事業運営委員会(病院幹部職員、副市長と関係課長で構成)で行なっている。私の公約でも、市民病院の建設を位置付けている。早期に計画をとりまとめていきたい。

【太田市民病院事務局長】 病院施設の建て替えの年次計画と病床数は、令和5年度用地取得、6年度から基本設計、実施設計、7年度建設工事、9年10月頃開院を見込む。病床数は、今後の医療需要予測、直近の入院患者数の動向、感染症への対応等を踏まえ80床(一般病床60、地域包括病床20)を検討中。個室化を図りたい。個室化で、男女別などのロスがなくなり、従来の90床以上に匹敵する病院となる。

【田村議員】 80床では少ないのではないか。個室化するというが、公立病院は、差額ベッド料金を設定できるのは全病室数の30%までと制限があることから、デラックスな個室と一般的な個室というように格差を付けるということか。差額ベッド料金の徴収は、患者さんが自らその個室に入ることを要望した場合に限られる。要望がなく、治療の必要性や病院側の事情による場合は、差額ベッド料を請求できない、そのことを明確に表示していただきたい。

【病院事務局長】 そのとおりである。現在も、新病院でも、そのように実施する。きちんと対応していくことは間違いない。

【田村議員】 産婦人科医が大変不足し、出産も検診も難しくなっている。行政努力で、市民病院に産婦人科の再開、設置を、市長の実現目標にして取り組んでいただきたい。


【市長】 しっかりと御意見として賜り、調査研究しながら考えていきたい。


【田村議員】 産婦人科など将来の診療科目の増設や感染症対応などで転換ができるよう、余裕を持った施設建設をすべきと考える。建設候補地はどこか。

【病院事務局長】 ①そうさぬくもりの郷の隣接地 ②そうさ記念公園の北側 ③八日市場駅の南側について、6つの視点(地域医療や患者・市民の利便性、地域医療連携、まちづくり、建築、土地取得、財政面) で検討している。

*1981年 土光敏夫経団連会長の臨調答申 「コメ・国鉄・健康保険が日本経済の足を引っ張る3Kである」 を受けて1982年政府は医師数削減、医学部定員削減を閣議決定。2018年日本の医師数は約33万人、OECD加盟国の人口あたり医師数と比較すると13万人の不足。感染症専門医の不足、産婦人科医や小児科医の不足に直結している。1980年から2010年まで診療報酬点数は据え置かれてきた。外来診察料、手術料の診療報酬は欧米の半分以下だが、薬価の平均価格はドイツの1.3倍、医療機器価格は世界最高レベルに設定されているという。公立病院の経営圧迫要因。


災害時 避難所の開設、運営と感染防止の徹底は


【田村あけみ議員】 感染防止対策とりながらの 避難所開設、どのように行うのか。

【宮内市長】 感染防止に最善を尽くす 「新型コロナウイルス感染症に対応した避難所運営方針」を定め、避難所受付け時の検温、消毒、健康チェックの実施、衛生管理の徹底、室内用簡易テントを利用して避難スペースを確保、など行う。

【田村議員】 簡易テントが、各避難所に30台(60人分)配備されたが、組立式トイレは 各避難所に1~2台しかない、全く不足ではないか。 台風、強風時の避難所室内の換気はどうするか。扇風機の増設が必要では。

【布施総務課長】 組立式トイレは、避難所が停電した場合に必要となる。今後計画を見直す中で検討したい。可能な限り、換気を行なう。扇風機は市役所本庁舎にあるものを活用したい。

【田村議員】 福祉避難所の開設、福祉避難所での 避難者受け入れ計画は 具体的になっているか。

【市長】 高齢者施設10か所、障がい者施設7か所、特別支援学校1か所と協定を結び(中央地区4か所、豊栄地区・栄地区各3か所、飯高地区・椿海地区・須賀地区・平和地区・野田地区が各1か所、市外3か所)、災害時に、一般の避難所では困難な方(要配慮者)を受け入れる福祉避難所とする。受け入れ可能人数の確認は、一般避難所を開設するときに行う。一般避難所に避難している要配慮者から、福祉避難所の要望があったら、必要な設備を備えている福祉避難所を探して、誘導する。

【田村議員】 福祉避難所となる施設に、事前アンケート調査をお願いし、設備状況、室内スペースの余裕、災害時のスタッフ体制などを明らかにして無理のない受け入れ計画を作っておく必要があるのではないか。

【福祉課長】 確認できていないので、アンケート調査は、今後検討したい。


【田村議員】 在宅の要配慮者が、直接、福祉避難所に連絡して避難した場合、受け入れてもらえるのか。


【福祉課長】 原則は、一般避難所から福祉避難所への移動であるが、施設側で受け入れを認めた場合は可能である。


【田村議員】 一般避難所から福祉避難所への移動は、誰がどの車両を使って送り届けるのか。

【福祉課長】 自力での移動が可能か確認し、難しい場合は、社会福祉協議会と協力して、福祉避難所や関係機関に移送支援を働きかけて行う。

【田村議員】 コロナ陽性で自宅療養中の人、PCR検査していない発熱等の症状がある人の避難場所はどこか。

【市長】 コロナ陽性患者さんは、県保健所が医療機関や宿泊療養施設を避難先として確保し、保健所が連絡を取り避難してもらう。感染療養者が多いときは、市も協力して専用避難所を設置する。一般の発熱等の患者さんは、一般避難所に避難してもらい、発熱者等の専用スペースで健康観察を行なっていく。

【田村議員】 匝瑳地区の避難所は、旧匝瑳小学校校舎だが、普段使用されていないので不安の声がある。大丈夫か。

【市長】 校舎の使用については、台風接近など被害の恐れがある場合、早期に避難所の開設準備に取りかかり、清掃や衛生面の点検を行った上で避難受け入れする。今後も一次避難所として使用できるようなあり方で、利活用を検討したい。

【田村議員】 旧匝瑳小学校の校庭校舎の利活用検討が、敷地内にある私有地の扱いの件で、ストップしているというが。

【矢澤学校教育課長】 平成30年民有地があることがわかり、令和2年その2分の1を買収し、残り2分の1は相続確認中。松山神社からの借地もあり、その賃貸借契約の中で、公的に使用してほしいという要望があるので、そういう対応をしている。

市民病院の建て替え、医療充実を


【田村あけみ議員】 匝瑳市の人口は約34,600人、65歳以上は約12,400人(35%)、医療の必要性が高まっている。

一方で、若い人達が、子どもを産み育て、安心して暮らせるための医療の充実も求められている。民間では困難な事も公立だから可能なことがある。

地域医療の現状、市民病院のコロナウイルス感染症対応、市のコロナ対応支援策を伺う。 

 

【菊地市民病院事業管理者】 市民病院発熱外来には1月からの5か月間で1,030人が受診、うちコロナ陽性者310人。

市民病院にコロナ感染病床を確保し、入院患者の受入れを行なった。

ワクチン接種は、市民病院内での個別接種、市民ふれあいセンターでの集団接種へ職員を派遣した。 第7波には、しっかりと対応していきたい。

 

【宮内市長】 市として、自費のPCR検査費用への補助、自宅療養者へ生活支援物資の支給を来年3月末まで実施する。

 

【田村議員】 救急患者の診療、夜間の救急車受入れ病院は?

 

【市民病院事業管理者】 市民病院は、夜間、土日祝日は、当直医1名のため、その医師の専門領域外の診療はお断りせざるを得ない状況。

夜間の救急車は、海匝地区では、原則として旭中央病院で受けて頂き、その後の診療を匝瑳市民病院等で行なう体制となっている。

 

【田村議員】 安心して子を産み育てられる医療環境が必要だが、市内近隣でお産ができる分娩施設は?

 

【小川健康管理課長】 市内は増田産婦人科医院とひまわり助産院、近隣では旭中央病院、銚子市の島田総合病院がある。香取市、多古町、横芝光町にはない。

 

【田村議員】 匝瑳市の子宮ガン検診受診率は31%、低い要因に、産婦人科医の不足があるのではないか。

 

【市民病院事業管理者】 産婦人科を志望する医学生が非常に減少しており、大学でも不足ぎみで、働き方改革、時間外労働規制等もあり人数が必要である、常勤医が3名以上とならなければ医師を派遣しない、という状況がある。

匝瑳市民病院等の中小病院で産婦人科や小児科を再び開設することができない事情である。

 

【田村議員】 市民病院で産婦人科の開設は困難であるという答弁だが、政府に医療政策の転換(医学生の増員)を求め、医師確保の可能性が考えられるところへは働きかけて頂きたい。小児科医も少ないが、市内での小児科診療の現状は。

 

【健康管理課長】  市内で小児科診療を行なっている医院は7か所あり、旭市は9か所、横芝光町は3か所、多古町は3か所あり、不足しているとは考えにくい。

 

【田村議員】 市民病院の施設建て替えの検討は、どうなっているか。

 

【宮内市長】 市民病院の建設候補地は、まちづくりの観点を加えて検討し、選定したい。

 

【太田病院事務局長】 新病院の診療科目は現状と同じ科目を予定し、病床数はおおむね80床を軸に検討を進めている。

 

野栄アリーナの老朽化対策、改修を


【田村議員】 野栄アリーナは、トイレの洋式化、照明設備の更新、老朽化対策が求められているが、改修計画は。

 

【二村教育長】 劣化状況調査を行い、更新修繕計画が示されている。屋根は漏水が生じたため、昨年修繕した。本年度は冷温水ポンプの更新工事を予定。今後、外壁、機械設備、電気設備の更新を、財政事情も勘案して実施していく。

トイレは、現在男子用1基、女子用2基が洋式で、検討していきたい。当面の間として、簡易洋式便座を設置した。

 飯高檀林跡の森林保全は いかに?

 

【田村あけみ議員】  飯高檀林跡は、面積約2万500坪、敷地内の飯高寺講堂・鐘楼・鼓楼・総門は、国の重要文化財、境内全体は千葉県指定史跡、周囲は巨木の杉林で竹も茂っており、その森林保全を誰がどのように行なうのかが、財源も含め重い課題となっている。 

昭和51年(1976年)史跡飯高檀林跡を守る会が地元で結成され、以後現在まで会員、ボランティアにより、日常的に草刈り清掃、牡丹園の管理が行なわれてきたが、高齢化もあり、財政的にも潤沢ではないため、困難になっている。 

平成29年度匝瑳市市民協働提案型事業として30万円の予算を元に、急勾配地の竹を伐採したが、本来は、ボランティアではなくプロにより行なわれるべき、危険の伴う事業であった。荘厳な森林の保全方法について、市や教育委員会はどのように考えているか。

 

【二村教育長】 現在、所有者である飯高寺や、史跡飯高檀林跡を守る会の皆さんによって、境内や森林の保全が行なわれているが、今後、必要に応じてボランティア募集などでの共同作業を支援していきたい。

 

【田村議員】 ボランティアによる共同作業でできる範囲ではない。財源確保として、森林環境譲与税は活用できるか。

 

【奥田産業振興課長】 森林環境譲与税の活用対象は、適切に管理されていない人工林で、その整備範囲の確定や境界確認等が必要となるため、調査研究したい。

 

【教育長】 県文化財課等にも問い合わせたが、森林保全への助成はない。しかし貴重な遺跡なので、保全できるように調査研究したい。

 

【田村議員】 匝瑳市地域おこし協力隊の募集が行なわれるが、飯高檀林跡の保全と利活用にも関わって活動頂きたい。

 

【鎌形企画課長】 飯高檀林跡は、観光、市のPRとしても重要なので、協議していきたい。

 

コロナ禍での学校生活、こどもたちのストレスは 


【田村議員】 コロナ禍の学校生活、こども達は様々な制限のもとで、心も大きく影響を受けているのではないかと心配する。友達と大騒ぎをする、はしゃいで走り回るのが子どもと思うが、IT化社会、コロナ禍のもとでは、どうなのか。

給食、音楽、美術図工、体育など、情操教育の場ともいえる現場の状況、教育委員会の方針は?

 

【教育長】 給食指導、音楽、美術図工、体育等の学習を通した情操教育は、命を大切にする心情や態度、豊かな感性等を育成する上で重要である。

現状は、給食は前を向いて黙食、歌唱や管楽器の授業は、身体距離を確保し、パーティションの使用、同じ方向を向いて、マスク着用で大声にならないように歌う。体育は熱中症予防もありマスクは外している。水泳指導は、身体的接触を避け大声は出さないで実施の予定。今年は、小学校の運動会、中学校の修学旅行を実施。

 

【田村議員】 大声を出さないで合唱するのでは、消化不良になる。体育館や校庭で大声で歌えるように、検討頂けないか。

 

【矢澤学校教育課長】 外では、ピアノや機材がないので、体育館なら可能かと思う。各学校と検討していきたい。

 

買い物支援策、移動スーパーをもっと便利にできないか


【田村議員】 市内で移動スーパー(食料品等の車両販売)が行なわれているが、こちらにも来てほしいという要望をどこに伝えたら良いのか。

市は、スーパーと連携協定を結んでいるというが、市民の要望を聞いて調整する協議を行なえないか。

 

【宮内市長】 市高齢者福祉計画・介護保険事業計画にある買い物支援策として、(株)カスミより社会貢献活動の一環として提案のあった移動スーパー業務について、市は包括連携協力協定を結んだ。高齢者の見守り活動も行なわれている。

 

【林高齢者支援課長】 移動スーパーの販売場所は、各地区からの希望場所を(株)カスミが調整し決定している。

公平の観点からも、市が直接関与することは難しい。今後、区長会等を通じ各地区の要望をお聞きして、伝えて調整を諮りたい。