研究内容

NASAロケットで宇宙に漂う塵の偏光特性を調査

米国のホワイトサンズ・ミサイル実験場(ニューメキシコ州)から2012年3月に打ち上げられたNASA観測ロケット実験Cosmic Infrared Background ExpeRiment(CIBER)の分光観測装置Low-Resolution Spectrometer(LRS)のデータを詳細に解析し、これまでに観測例がない近赤外域の黄道光の偏光スペクトルの測定に成功しました。本研究は、2022年2月8日に天体物理学専門誌『Astrophysical Journal』に掲載されました。

https://iopscience.iop.org/article/10.3847/1538-4357/ac416f

銀河系外背景光観測ロケット実験CIBER-2が1stフライトに成功

日本・米国・韓国の国際共同研究チームによる観測ロケット実験CIBER-2 (Cosmic Infrared Background Experiment-2)は2021年6月7日にニューメキシコ州のWhite Sands Missile Rangeで最初の打ち上げを成功させました。Black Brant IXロケットを15分かけて宇宙へ往復させることで、宇宙初期からの光の痕跡を垣間見ることができました。

NASAの宇宙背景放射探査機で惑星間塵を紐解く

NASAが1989年に打ち上げた初の宇宙背景放射観測衛星COBE(Cosmic Background Explorer)の拡散赤外背景放射実験装置DIRBE(Diffuse Infrared Background Experiment)の全41週分のデータを詳細に解析し、近赤外域3波長帯の黄道光の偏光マップの作成に成功しました。本研究は、2023年2月28日に天体物理学専門誌『Astrophysical Journal』に掲載されました。

https://iopscience.iop.org/article/10.3847/1538-4357/acb937

超小型衛星で探る天体形成史VERTECS

国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)と国立大学法人九州工業大学は「JAXA-Small Satellite Rush Program(JAXA-SMASH)」の枠組みのもと、超小型衛星ミッション「高精度姿勢制御6U衛星による宇宙可視光背景放射観測で探る天体形成史」を始動します。本ミッションでは、超小型衛星に望遠鏡を搭載し、宇宙可視光背景放射を観測することで、天体形成史の解明を目指します。また、超小型衛星向けの統合型姿勢制御(AOCS)ユニットを搭載した高精度姿勢制御バスを汎用化し、利用拡大を目指します。

「はやぶさ2#」の旅路から惑星間塵の分布の検出に成功

小惑星探査機「はやぶさ 2」が2020年12月6日の地球帰還後、別の小惑星へ向かう拡張ミッションの航行中に黄道光観測を実施し、内惑星領域における惑星間塵の分布を計測することに成功しました。この成果はSpringer Nature 社の発行する Earth, Planets and Space 誌に、8月22日付で掲載されました。

https://doi.org/10.1186/s40623-023-01856-x