長い進化の歴史の中で、その分類群にとって転換点となる進化が生じてきた。その一つに、昆虫の翅の進化が挙げられる。祖先種が保持していなかった進化的新奇形質がいかにして進化してきたのか?昆虫類の大進化の中でも大きな転換点である進化イベントを紐解く研究を実施
翅のある昆虫だけでは、どのように昆虫の翅が進化したのか? →理解困難
→翅を獲得する以前 無翅昆虫 シミ類と
最初期に分岐した有翅昆虫 カゲロウ類を用いて
昆虫翅の進化の分子基盤の解明を目指す
同じように空を飛ぶ鳥の翼は、私たちの手足と相同です。しかし、昆虫には脚(アシ)も翅もある。
→昆虫の翅はどこから?...不思議
昆虫は4億年前には空を自由に飛んでいた
数億年もの間、空の支配者だった昆虫類は、なぜ空を飛ぶことができたのか?
無翅昆虫における翅の相同形質は?
翅形成の遺伝子ネットワーク?何が足らない?
昆虫翅の起源仮説の中に、カゲロウ類の鰓から、翅が進化したという仮説があります。
水中で呼吸するために用いていた鰓が、上空を飛ぶための前適応?
そこで、カゲロウ類の鰓と翅の形成における分子基盤や、発生プロセスを調べます。
しかし、カゲロウ類を用いた発生遺伝学研究は世界的にもほとんど成功例のない非モデル昆虫です。
カゲロウ類を用いた発生遺伝学を実施することができれば、昆虫翅の進化について新しいことがわかるのではないかと期待!
生態系の多様性:海には海の、森には森の砂漠には砂漠の生態系が存在
それぞれの環境に適応した生物が生息
生物たちは、どのように環境に適応し、現在に至るまで生き残ってきたのか?
その分子メカニムを紐解き、新しい環境への適応進化について研究
河川:上流から下流にかけて劇的に環境が変化
上流:大きな礫がゴロゴロと転がり、林冠が発達した鬱蒼とした環境
中流:礫のサイズは小さくなり、河川沿いに林は発達するものの、林冠は開けた明るい環境
下流:川底は砂や泥で構成され、河岸にも木々はなく、平野部を蛇行しながらゆっくりと流れる
それぞれの環境には、異なる種が生息
それぞれの環境に適応したメカニズムは?
適応形質は存在するのか?その分子メカニズムは?
同一の河川内で、近縁種が流程分布する多種共存メカニズムは?
河川は、進化研究にもってこいのフィールドで
特定の種を対象にした生物系統地理研究は、これまでに多く蓄積されてきた。これからは、生態系を構成する種を網羅的に解析し、日本列島の様々な生態系の成立の歴史について調べる時代?!
科研プロジェクト
日本列島の森林生態系の形成過程の解明
https://www.jsps.go.jp/file/storage/kaken_12_g1990/r_6_jp_24h00055.pdf
分担:日本列島昆虫を網羅的にMig-seq解析し、森林生態系の成立過程にを紐解く
協力者募集中〜〜
環境DNAを用いた水生昆虫の流程分布(河川生態学)
環境DNAを用いた日本列島の河川生態系の成立メカニズム(網羅的生物系統地理学)
タイトル:特定第二種止水性水生昆虫の保全手法および簡易モニタリング法の確立
サブテーマ1: 環境DNAを用いた個体数推定法の確立、種多様性、遺伝的多様性評価
https://www.nagasaki-u.ac.jp/ja/science/science382.html