佐藤周友氏集中講義

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佐藤周友氏(中央大学)集中講義を以下の要領で行います.


  • 科目名:数論特選(学部) 数論特論(修士) 多様体論特殊講義DⅠ(博士)

  • 題目:代数的サイクルとエタールコホモロジー

  • 概要:代数多様体上の(あるいはより一般にネータース キーム上の)Chow群は,複素代数曲線(リーマン 面)上の因子類群や代数的整数環のイデアル類群な ど古典的な不変量の拡張である。本講義では、Chow 群の定義と基本性質、および基本的な問題意識(ど こが難しく、何が問題なのか)を解説した後、非ア ルキメデス的局所体(主にp進体)上の多様体0サイ クルのChow群の場合に、Brauer群との間の自然なペ アリング(Brauer-Maninペアリング)を用いたアプ ローチ(ある種の非退化性)について解説する。さ らに、この非退化性が、p進整数環上の正則(かつ固 有的な)モデルのサイクル写像の言葉でいい換えら れることについても解説したい。

談話会について.

  • 19日の談話会は別のZoomアドレスで開催されます.今期共通の談話会Zoom接続情報が有効です.初めての方はこのページから登録してください.

  • 日程:2020年10月19日

  • 時間:16:00-17:00

  • 講演スライド

  • 題目:算術的曲面のエタールコホモロジーとゼータ値

  • 概要:解析的類数公式はDedekindゼータ関数のs=1での留数を記述する定理であるが,そこに現れる不変量は代数体の類数だけでなく,Dirichletの単数規準や判別式など重要な不変量たちである。本講演ではまず,算術的曲面のQ_p(2)係数エタールコホモロジーとBloch-Kato のSelmer群の比較同型を述べ,さらにモチーフのL関数の特殊値に関する玉河数予想などを仮定した場合に,前述の比較同型によって算術的曲面のゼータ関数のs=2での留数が(有限個の素数べき倍による曖昧さを除いて)モチビックコホモロジーからDeligneコホモロジーへのサイクル写像に関係づけられることを述べたい。