出題傾向
愛媛の県立高校入試<数学科問題>は、5つの大問、23~25の小問で構成されており、満点は50点、制限時間は50分です。
以下、平成10年度~令和6年度の出題内容とその傾向について、大問毎に分析してみました。
なお、配点につきましては平成26年度より再び非公表となりましたので、数伸学院の予想配点を掲載しています。
大問(一)
基礎的な計算問題が5~6問出題されている(平成17~31年度は6問、令和になってからは5問)。
出題されている内容は、「正負の数」,「単項式の乗除」,「多項式÷単項式」,「多項式×単項式」,「平方根」,「式の展開と整理」。
予想配点は、1問2点で、大問(一)の配点合計は、5問出題のときは10点、6問出題のときは12点。
大問(二)
いろいろな問題が6~7問出題されている(昭和57~平成31年度は6問、令和になってからは7問)。
令和5年度まではずっと「数と式」,「確率」,「関数」,「データの活用」,「平面図形」,「空間図形」,「方程式を利用して解く文章題」が出題されていたが、令和6年度は「規則性の問題」も加わった。なお「数と式」と「平面図形」は3問出題されたこともある。
予想配点は、文章題以外は各2点、文章題は連立方程式の利用なら5点、連立方程式以外の利用なら4点。文章題以外の問題が2つ以上の設問で構成されている場合は各1点。大問(二)の配点合計は、6問出題のときは14~15点、7問出題のときは16~17点。
難易度は、易~標準が多いが、正答率が1けたの問題が含まれたこともある(平成では、1, 3, 5, 6, 9, 10, 12, 16, 20, 21, 28年度)。
「方程式を利用して解く文章題」について ・・・ (1) 解答方法は完全記述式 〔 文字の指定 → 立式 → 解く → 解の吟味 → 答 〕。(2) 図形の証明問題と並んで配点の最も大きい問題で部分点あり。
「平面図形」は、作図の問題が平成16年度からずっと出題され続けている。作図の他にもう1~2題出題されたこともある(平18「相似の利用」、平19「平行線と角」、平22「円周角の定理」、平23「三平方の定理」,「方程式を利用して図形の面積を求める」、令和4「平行線と角」)。
「空間図形」は出題されたりされなかったりであったが、直近は4年連続で出題されている。
大問(三)
平成10年度から令和4年度までは「規則性の問題」を中心に「数学的な考え方」に関する問題が出題されていたが、令和5年度は全く異なった出題形式で「データの活用」と「一次関数の利用」が出題され、令和6年度はまたまた全く異なった内容の問題が出題された。
設問数は4~6。
予想配点は、1問1~2点で、大問(三)の配点合計は7~8点。
難易度は、易~難。
大問(四)
「グラフと図形」または「図形の移動と関数」と題される関数の問題が出題されている。
設問数は4~7。
予想配点は、1問につき1~2点、2つ以上の部分からなるグラフをかく問題では1つの部分につき各1点。大問(四)の配点合計は7~8点。
難易度は、易~標準または易~難。
大問(五)
平面図形の問題が出題されており、頻出内容は「合同」,「相似」,「三平方の定理」,「円周角の定理」。
設問数は3~4。
予想配点は、証明が合同であれば5点、相似であれば4点、その他は各1~2点で、大問(五)の配点合計は8~9点。
難易度は、標準~難。大問全体の難易度は他の大問に比べかなり高くなっていることが多い。
「証明問題」について ・・・ (1) 三角形の合同か相似の証明のどちらかが出題され続けている。(2) 解答方法は完全記述式。(3) 方程式を利用して解く文章題と並んで配点の最も大きい問題で部分点あり。
<注> 平成23, 26年度のように、大問(四)が平面図形、大問(五)が関数の問題になることもあります。