「地球温暖化ではなく地球沸騰化だ!!」などという言葉が言われ始めた時代、我々を取り巻く環境は大きく変わっています。昭和の時代には思いもよらなかった環境異変。そんな中でも体調を崩すわけにはいきません。今月は予定を急遽熱中症とマダニの話に変更です。
毎年のように異常気象と言われていますが、それだけ環境がめまぐるしく変わっている、と言う事でもあります。真夏の気温・湿度はまさに「異常」なのでしょう。昭和の時代はクーラーなしでも何とか生活できました。ところが今はとてもクーラーなしの生活は考えられません。風鈴をつけて窓を開けて外気を入れ、うちわで扇いで縁側で麦茶を飲む。午後は3時過ぎに雷がなり、5時頃には入道雲が壊れ、幾分気温が下がりしのぎやすくなる。このような「夏」が懐かしいですね。ところが今は締め切ってクーラーです。適切にクーラーを使用しないと部屋の中でも熱中症になってしまいます。環境はこれだけ変化しているのです。
そして、マダニ、ツツガムシなどの危険なダニ類。マダニは国でも警告を発し始めました。マダニが媒介する感染症は死亡率も高いです。ちょっと庭で草むしりをした主婦がマダニに噛まれて亡くなられた、と言うケースもあるくらい身近な問題です。現時点では西日本で感染者は多いようですが、日本全土に広まるのも時間の問題でしょう。なお、ツツガムシによる犠牲者はマダニほど多くはありませんが、ツツガムシによるツツガムシ病は致死率は50%くらいあり、やはり注意は必要です。
脱水、熱中症、マダニ・ツツガムシなどの危険害虫対策など、このコーナーの下部に詳しく載せてあります。ご参考下さい。
夜中に車を走らせたときにライトに照らされた光景、それはモヤ、と言うか霧。まるで熱帯ではないかと思ったことがあります。まだ夏の入り口、異常気象という言葉には慣れっこですが、さすがにこの時は、肌で「異常」を感じました。こんな中、ちまたでは「脱水予報」とか「熱中症対策」とか言われていますが、さらに基本的なことがあります。
この時期大切なことは胃腸の機能を落とさない事です。(この時期だけではありませんが)胃腸は食べ物の消化吸収という大変重要な役割をしています。身体を作るもと、身体を動かすエネルギーを作るのに大変重要ですね。ここから漢方の話になります。この胃腸に相当する最も近い概念が「脾胃」です。「脾胃」は「気」を生みます。「気」は身体をつくり、そして身体を守り、身体を動かす原動力です。そして、このホームページでも、色々なコーナーで陰陽五行説の話をしておりますが、五行では「土」に当たります。作物は良い「土」ほどすくすくと元気に育ちますね。せっかく植物が育ち始めているのに熱いものをかけたらどうなるでしょう?ダメになりますね。冷たい水をかけたら?うまく育ちません。水をやらなければひび割れて乾燥した土壌になります。勿論、水をやりすぎれば根腐れしてダメになります。甘いものをまいたらベトベトの土になります。油をまいたらギトギトです。いずれにしても作物は育たなくなります。私たちの身体は小宇宙と言われますが、そう、同じですね。「脾胃」という、作物の捕れる土壌です。適度に湿った、適度な温度を保つ柔らかい土壌にする必要があります。
ところで五行とは別になりますが「心下」というとても重要な言葉が漢方の世界(特に古方派という流派)にはあります。傷寒論という漢方の教科書にはあちこちで散見されます。「心下支結」「心下急」「心下痞」「心下秘硬」「心下逆満」「心下水気」……。このように細かく状態を論じたのは、そこが大変重要だからです。これは五行とは別の話ですが、簡単に言えば心下とは「胃」です。この部位の状態で、使う漢方薬を見極めます。
胃が弱い人の話ですか?と言われそうですが、そうではありません。だから「俺は胃は丈夫だ!酒だろうが、脂っこい者だろうが、いくらでも食べられるぜ!!」と暴飲暴食を繰り返すそこのあなた。ちょっと待って下さいよ~。「胃」だって筋肉です。筋力の無い人はちょっとの運動でバテてしまいます。(食が細い、食欲がない)筋力のある人は過激な運動が出来ますが、筋肉疲労は強く出て、つったりこわばったり、強く痛んだりするかも知れません。(暴飲、暴食、過食などによる強い胃障害)このように、胃が弱いので、とか胃が強いから、ではないのです。先達はここを見抜いていたという事でしょう。
だから、どんな人でも不摂生はダメなんです。こんな季節だからこそ、最良の胃の状態を維持しましょう。
毎年のように言われる「異常気象」。とにかく暑い!!おまけに湿度も高く、夜なんて「霧」というか「もや」がかかっている。これではまるで、熱帯ですね。暑い!のぼせる!ほてる!夏バテしそうと言うそこのあなた!実は原因は冷え性にあるかも知れませんよ。
昭和の時代は野良仕事中に、暑い!ほてる!とやかんで水を飲む、と言う光景も見られました。しかし、現代人の多くはちょっと違うようです。むしろ、昔のように身体を使う機会も減っているため、温熱産生能力は減少していますね。
人間は年とともに身体の水が減っていきます。水は高い熱容量を持っており、それは水分子間の水素結合が引き起こす性質によるものです。そのため、水は熱するのに長い時間を要し、冷却するのにも長い時間を要するのです。その高い熱容量のために、温血動物は水を使って体内の熱をより均等に分散させています。それは車の冷却システムと同様の方法で働き、暖かい場所から冷たい場所に熱を運び、身体をより均一な温度に保っているわけです。ですので水が減れば、外気温に大きな影響を受けやすくなります。熱しやすく冷めやすいと言う状態になるのです。ですので、高齢になるほど水がなくなるので、夏場は特に熱中症に注意が必要になるのです。だからといって水を過剰摂取するのも逆傾向になることもあります。胃のあたりがシャブジャブです、と表現する人もおりますが、胃のあたりが水でつまって冷え、上部がほてって気分悪くなることも多々です。水の摂り方は大切です。
それから、実は冷えが存在する人です。ですので、暑いからといって、陰性食品ばかり摂取していると余計にほてり、熱感、だるさが酷くなったりします。では、そもそも何故冷えるのでしょう?それは、身体活動がいっぱいいっぱいで、実は疲労状態にある、という事も原因の一つです。もともと体に冷えを持っている人は寒い場所では強く緊張しなければなりません。体内が冷えているために、寒い状況において一般の人よりも強く緊張しなければ、熱を保持できないのです。そして冷えが起こりやすいということは、そもそも身体に熱を保持する力が弱いという事になります。もともと血管が緩みやすく、熱を体内に保持しにくいのです。このように冷えがある人はもともと緊張度が弱いので、暑さでさらに緩んでしまいます。そのため再びもとの緊張状態に戻るのに時間がかかり、いつまでも強く、長く、熱感を感じてしまうのです。疲れている、或いは弱っている身体はちょっとしたことでも強く反応してしまうんですね。そして、元に戻るのに時間がかかるのです。
冷え性の改善方法や疲労の原因と対策などについては、また、後ほど詳しく解説する予定です。
今回は肝機能検査についてです。まずはGOTやGPTについてです。今は、検査値の表に載ってない事が多いですね。名称が変わっています。GOTがAST、GPTがALTです。しかし、この二つのデータが異常だからと位って肝臓が悪いと言う事には繋がらないのです。色々なデータを元に考えなくてはなりません。色々な検査値を元に総合的に判断する必要があります。人間の身体はそんなに単純ではないのです。
肝機能障害には、肝臓そのものに異常がある場合と、胆石などが原因で胆汁がうまく流れていない場合が考えられます。それは血液検査によってその原因を明らかにすることができます。また、肝炎ウイルス感染が疑われるときには、肝炎ウイルスマーカー検査を行ないます。
それでも、これらの血液検査の結果は体内の変化の一部を反映しているにすぎません。特定の疾患にすぐに結びつくわけではないのです。例えば肝臓の線維化や肝炎の活動性をみるためには、血液検査のみでなく肝生検を行うことがあります。
多くの検査があるのですが、簡単にまとめると、肝機能検査として肝細胞の障害の程度をみる項目にはAST(GOT)、ALT(GPT)、γ-GTP。肝細胞のはたらきをみる項目には総たんぱく(TP)、アルブミン、アルブミン/グロブリン比(A/G比)、中性脂肪(TG)、総コレステロール(TC)、コリンエステラーゼ(ChE)、乳酸脱水素酵素(LDH)、アンモニア、プロトロンビン時間(PT)、活性化部分トロンボプラスチン時間APTT。肝細胞、または胆汁の流れに障害がないかをみる項目には総ビリルビン、アルカリフォスファターゼ(ALP)、LAP、肝臓が線維化していないかをみる項目には血清膠質反応(ZTT・TTT)、γ-グロブリン(免疫グロブリン)、血小板数などがあります。
そしてウイルスマーカー検査として、A型・D型・E型肝炎のウイルスマーカー。.また、腫瘍マーカー検査、腫瘍マーカーははがん細胞があると血液中に増える特殊なたんぱく質です。その存在によってがんの可能性を探ることができます。アルファ・フェトプロテイン(AFP)、PIVKA-Ⅱ、AFP-L3分画などがあります。
画像検査もよく行われます。超音波検査は腹部の表面に超音波の発信機を近づけ、内臓に反射して返ってくる超音波をとらえて内臓の状態を画像として映し出す検査法です。がんの広がりを調べるのに静脈注射や点滴で造影剤を注入して検査する場合もありますね。最近は2cm以下のがんも発見することが可能になっています。
CT検査はX線を照射する装置を回転させながら、得られたX線吸収値をコンピュータで処理してからだの横断面を撮影する検査てす。1cm以下の小さながんを発見することもできます。病変の血流や内部の状態をより詳しく調べるために、造影剤を急速に静脈注入して時間を追って撮影する「ダイナミックCT」という検査法もあります。
MRI検査はきわめて強い磁石を用いてからだの中の水素原子核を画像化する検査法。X線を使用しないためX線被ばくがなく、撮影した組織のコントラストが優れているなどの利点があります。通常はCT検査で診断がむずかしい場合などに行われます。強い磁石を用いるため、体内に金属を埋め込んでいる人は検査できない場合があります。
血管造影検査はカテーテルという細い管を大腿動脈などの太い血管から挿入し、肝臓の血管に造影剤を注入してCTでX線撮影する検査。がんの広がりがわかり、がん治療の手術などを検討する際に行われます。
肝生検は病理診断を目的に肝臓の組織を採取して顕微鏡で調べる検査。主に線維化の状態を調べ、慢性肝炎や肝硬変の確定診断のために行われます。画像診断が発達し詳細な画像が得られる今日でも、直接病理組織を確認できる生検はきわめて重要な検査法ですね。
今月は、検査値の話です。皆様方の多くは、健康診断や病院受診で色々な検査をしてもらった経験があると思います。大切なことは、やりっぱなしでなく、何のために行う検査でどのような結果が出ているのかを、きちんと把握しておくことです。ですので実施した検査について、きちんと結果をもらっていることが大切となります。
もらっているけれど、意味はよくわからないしちゃんとは見てない、という人、もったいないです。見てもわからなければ、わからないことは聞いて、きちんと説明は受けるようにした方が良いです。忙しいみたいだから、なんとなく聞きにくかったり……とは言っても、説明を受ける権利はあるのです。医療人はきちんと説明し、疑問には答える義務があります。だからわからないことはきちんと説明してもらうことが大切なのです。
そうは言っても基本的な事は知っておいた方が良いかも知れないから、基本的な話をしましょう。血液検査は一般的に行われますね?まず、血液って何でしょう?赤い色をした液体。そうですね。ではあの赤い色は何でしょう?赤血球です。では何のためにあるのでしょう?栄養分を運ぶのは血漿です。川で言えば水に当たります。川と同じように流れており、ここには脂肪分や栄養素が含まれ、また白血球や赤血球、血小板も含まれています。勿論、赤い色はしていない。薄黄色の透明な液体です。最も中性脂肪が高いと、ラード沢山!見かけ上牛乳みたいになったりします。
赤血球で一番重要なのは酸素の運搬です。中には鉄が含まれています。ヘモグロビンですね。ヘモグロビンA1cは聞いたことある人が多いでしょう。HbA1c、糖化ヘモグロビンとも言われます。ブドウ糖はヘモグロビンに、くっつきやすいから。そしてくっついたらなかなか離れない。それを利用した糖の指標となる検査数値です。しかし、HbA1cが高いと言うだけで糖尿病と断定できないです。血糖値かと言うとこれは、食べたものによっては高くなります。尿に糖が混ざるから糖尿病という見方をする人もおります。極端な疲れ、ストレスが高血糖を招き、尿に糖が出るのはよくある話ですね。正式には糖負荷試験で、血糖値の推移をみるなど、色々な検査結果や自他各症状を総合的に判断して病名決定はされるんです。
話は横にそれましたが、血球の検査と言っても沢山あります。例えば形や大きさです。赤血球量の他、ヘモグロビン量(濃度)、ヘマトクリット、MCV、MCH、MCHCなどはよく数値化されています。あの何だかわからない数値で、赤血球の大きさ、形、比重などがわかります。
そして、出血したら止血するのに重要な働きをするのが血小板です。少なくなったら出血しやすくなりますし、極端に少なくなったら、出血の為にあちこちにあざが出来たり、紫斑が出来たりします。原因は多く考えられますが。例えば、末期肝硬変や膠原病などがあります。逆に血液が固まってしまうのを示す数値もあります。それがD-ダイマーですね。この末値が高いほど血栓ができているという指標になります。
血液と言えば、赤血球があれば、白血球もあります。これは、体を守る兵隊たちと言って良いでしょう。つまり免疫担当細胞です。色々な兵隊がいますが、それらを合わせて白血球と言っています。白血球には好酸球、好中球、好塩基球、単球などの骨髄系とB細胞、T細胞、NK細胞などのリンパ系があります。感染しているのか、また、疾患の原因がウイルスか細菌か調べるのに重要な検査値として白血球がありますが、CRPと言う炎症反応を見る数値も大切となります。
薬物、というと昔はシンナー、トルエン等の有機溶剤でした。時代とともに麻薬・覚醒剤が主流となってきます。アヘン、ヘロイン、モルヒネ、合成麻薬LSD等に代表される麻薬、アンフェタミン、メタンフェタミンなどの覚醒剤ですね。これは、闇社会の資金源でもあり、また、使用した人たちはその魔力から抜けられず、廃人となったり犯罪を犯すなどの事件となることも多いです。あちこちで闇取引が行われ、検挙数も増えましたが、今日に至るまでこの傾向は続いています。薬局での相談件数も散見されました。
それと同時に大麻が台頭してきました。大学でのサークル内でも流行し、多くの芸能人が使用、ニュースでも取り上げられていたことは皆さんもご存じかと思います。海外では合法だとか言って、気軽に、そしてレジャー感覚で使ってしまうようです。マリファナ・ハシシと言ってヨガや瞑想の手段として使われるなど、確かに国によっては合法であったりしており、その様なこともあり気軽に、そして遊び感覚で使われてきました。しかし、ここは日本です。日本では違法となります。日本に住んでいる以上法律は遵守する必要があります。そして、私の相談事例に一発で人生を棒に振った例があります。ストレスから、たった1回やってしまったが、全く何日も眠れない、寝ようとすると身体が溶ける夢ばかり見る、と言う状態に陥りました。だから、安全ではないのです。
そして、危険ドラッグ。これも一時は大きな社会問題となり、特に若者の間で広まりました。趣味で音楽をやっている知人曰く、地下のスタジオなど仲間内でやるコンサートに売人は来るんだ、とか。色々な形態の違法ドラッグがあり、後から後に沸いて出るようでした。
最近は、睡眠薬など、医療用医薬品の違法使用。お酒と一緒に飲まされ、身ぐるみ剥がされ所持品は奪われ、公園に素っ裸で放置され凍死、等という事件もありましたね。このように犯罪に多く使われていました。
そして今、市販薬の乱用(オーバードーズ)が問題となっております。以前はアセトアミノフェン含有市販薬を保険金殺人に使用した、等の事例はありましたが、今は、ストレス発散、仲間作り、自殺の手段など色々な目的で、多くの種類の成分、その成分を含む市販薬が乱用されています。
違法ではありませんが、問題になりつつあるのがエナジードリンクの過剰摂取。死亡例も出ております。カフェインの過剰摂取ですね。ちなみにカフェインは劇薬です。
これらの根底にあるのは自立心の欠如、依存体質の形成にあるのでは、と思われます。誰も勿論ひとりぼっちにはなりたくないし、寂しい思いはしたくないとは思いますが、何かに依存しないと生きていけない、と言う事こそ問題だと思われます。スマホ依存、ゲーム依存、タバコ依存、お酒などのアルコール依存、ギャンブル依存など大変身近にあります。薬物で一番問題なのはこの「依存」が強くその罠から抜け出せないところにあります。違法グミ問題が大きなニュースになりましたが、ニュースになるまでは、違法ではありませんでした。しかし、このグミ一粒5000円以上するのです。それでも買うのです。これが薬物の恐ろしいところです。
抗がん剤と放射線の細胞障害作用は、腫瘍縮小効果(有効性)と臓器障害(副作用)の両方に関連します。遺伝子変異作用は、がん細胞の悪性進展と、正常細胞のがん化(2次がん)を引き起こします。抗がん剤と放射線照射の腫瘍縮小効果を妨げないで、臓器傷害と遺伝子変異を軽減することができれば理想的ながん治療となります。
同じ細胞が集まって組織を作るために、それぞれの細胞の表面にはお互いをつなぎ止めるための接着因子があります。がんになるとこの接着因子が異常を起こして、機能しなくなったり消失したりしてバラバラになりやすくなります。がん細胞は蛋白質分解酵素を分泌して周囲の結合組織や血管壁を破壊しながら血管内に入ります。血中を循環しているがん細胞の多くはアポトーシスで死滅していますが、一部のがん細胞は生き残って、別の臓器や組織に定着して増殖を開始するのです。がん細胞が転移するためには、がん細胞同士が離れやすくなること、まわりの結合組織を分解しながら活発に運動すること、死ににくくなること、等が考えられます。
マクロファージが活性化されて産生されるTNF-αは、がん細胞や病原菌に対する生体防御力を高めますが、炎症を増悪させ、がん細胞が多い場合は悪液質を悪化させる場合もあります。腫瘍壊死因子アルファ(TNF-α)は主に活性化したマクロファージから産生され、炎症や生体防御に広く関わるサイトカインの一種です。サイトカインというのは細胞の増殖・分化・細胞死などの情報を伝達し、免疫や炎症や創傷治癒など様々な生理機能の調節を担う蛋白質で、リンパ球や炎症細胞などから分泌されます。TNF-αは炎症病巣で大量に産生され、病状を悪化させる要因となっています。
TNFαは腫瘍の壊死を誘導する作用を有するサイトカイン。当初は悪性腫瘍に対する「夢の治療薬」「奇跡の抗がん剤」として期待されました。しかし、悪性腫瘍の末期にみられ、がん患者の衰弱を促進する悪液質(cachexia)を誘導する物質でもあります。TNF-αにはがん細胞を殺す作用があるのですが、食欲不振や倦怠感や体重減少などの副作用が問題です。炎症にともなって大量に産生されるTNF-αが細胞の酸化ストレスを増大して、発がん過程を促進したり、がん細胞を悪化させる作用も指摘されています。がん治療においては、TNF-αはむしろ悪玉ととらえられることも多くなりました。腫瘍細胞が多く存在するときは、マクロファージを活性化するサプリメントや医薬品が、がん性悪液質を誘導し悪化させることも指摘されています。しかし、TNF-αの働きが低下すると感染症やがんの発生に対する抵抗力が弱まることも確かです。しかし、慢性関節リュウマチに対するTNFα阻害療法による感染症や発がんの副作用が問題になっているのです。特に感染症の誘発は明らかであり、肺炎を始めとする感染症が起こりやすくなります。TNFα阻害療法を施行された患者に、悪性腫瘍が合併する頻度が高いことも報告されています。
シクロオキシゲナーゼ-2 (COX-2) により産生されるプロスタグランジンは、がん細胞に栄養を供給する腫瘍血管の新生を誘導することによって、がん組織の成長促進に関与していることが指摘されています。ヒトの大腸がん、乳がん、前立腺がん、肺がんの生検組織の中にあるがん細胞のみならず、新生した腫瘍血管の細胞においてCOX-2は発現しています。COX-1はがん組織のみならず、正常な組織にも広く存在します。ですのでCOX-2を選択的に阻害することは正常組織への副作用がなく、がん細胞の増殖を抑えることが期待できます。COX-2とCOX-2が産生するプロスタグランジンは、がん細胞の増殖や血管新生を刺激するなど多くのメカニズムによって、がん組織の成長に重要な役割を果たしています。シクロオキシゲナーゼ-2 (COX-2)により産生されるプロスタグランジンは、がん細胞に栄養を供給する腫瘍血管の新生を誘導することによって、がん組織の成長促進に関与していることが指摘されています。COX-2の発現の多い癌に対して、COX-2阻害剤は抗腫瘍効果が期待できます。
今回は「冷え」と癌の関係からです。「冷え」とは、体内での熱産生が低下したり、末梢の血管が収縮して皮膚に流れる血液が不足して、手足や腰や背中などが冷たく感じる状態です。冷え症の状態が長く続いていて冷えやすい体質を持っているという意味で「冷え性」です。西洋医学では冷え症というのはあまり問題にされません。しかし、冷えが体の抵抗力や治癒力の低下を引き起こして、がん発生の一因になっている可能性があるのです。がんの進行や治療にともなって生じる体力の消耗やストレスが、エネルギー産生や血液循環を悪化させて冷えの原因となっている場合もあります。野菜の多い食事やあっさりした食事は体の冷えの一因ですし、精神的なストレスは、交感神経を緊張させて血管を収縮させ、血液循環を悪化させる原因となります。がん治療に伴う貧血や体力の消耗も血行を悪化させて冷え症の一因になります。経験的には、冷えはストレスとならんで、がんを発生させる要因の一つです。冷えは治癒力を低下させるのです。
外部から取り入れた栄養素を素材にして、タンパク質や脂質や核酸など細胞の構成成分を合成すると同時に不要なものは処分し、炭水化物や脂肪酸を酸化してエネルギーを作り出している、この仕組みが物質代謝。組織や臓器内においては、古くなった細胞がアポトーシスで死んで、細胞分裂で新しい細胞が絶えず入れ替わっている。このような物質代謝と細胞の入れ替わりが組織の新陳代謝です。新陳代謝は、生体の恒常性維持機能や修復・再生機能の基礎です。新陳代謝が悪い状態では自然治癒力は十分働かないです。冷えは組織の血液循環やエネルギー産生や新陳代謝が悪くなった状態です。冷えがあることは治癒力低下の指標となります。熱産生は原則的に代謝の副産物です。代謝や循環が低下して熱産生が低下すると体の冷えが自覚されます。代謝が低下しているのです。代謝が低下すると水分の吸収・排泄が低下するために、消化管内や組織間に水分が停滞して、浮腫や水様性下痢が出現しやすくなります。体の冷えがあると、体内の水の代謝が悪くなるうえに、冷えによって腎臓の働きも低下して体外への水の排泄が悪くなり、体内に余分な水分が貯留します。がんの進行やがん治療によって体力の消耗や貧血・栄養状態の悪化が進行すると代謝の低下や体の冷えが起こります。体の冷えは、血液や体液の循環を悪化させ、さらに臓器・組織の活動や新陳代謝を低下させるのです。冷えに対しては、適切な漢方薬の使用も有効です。
今回はメラトニンと癌の関係からです。メラトニンとセロトニンは睡眠リズムには欠かせないホルモンです。この2つは逆の動きをします。メラトニンは夜間に増加して明け方に減少します。メラトニンは概日睡眠リズム(サーカディアンリズム)を調整しているのです。このメラトニンの分泌には、加齢も関係しています。10代をピークに、加齢とともにメラトニン分泌が低下します。メラトニンの分泌はピークの10代と比べて、50~60代では1/10程度となります。その様なこともあり、子供では、夜の光を避けさせることが大切です。高齢者では、日光浴も大切となります。このような生活習慣が睡眠にとって良いことがわかりますね。そして、そのメラトニンには免疫力や抗酸化力を高める作用や、がん細胞の増殖を抑える効果があると言われます。NK細胞やキラーT細胞の活性を増強し、がん細胞を排除する免疫力を高め、抗がん剤やストレスによる免疫力低下を軽減します。ですので、メラトニンの体内産生が少ないとがんになりやすいと言われます。年齢を重ねるとともに癌の発生確率が高くなる要因は多くが考えられますが、メラトニンの減少も一要因と考えられます。
さて、抗酸化作用、これは酸化ストレスから細胞を守る働きのことですが、抗酸化作用により認知症やアルツハイマー病やパーキンソン病を予防するためには重要です。脳の神経細胞の酸化障害を防ぐことができますし、細胞成分の酸化によって生じる病気(がん、動脈硬化、神経変性疾患など)を防ぐ役割もあります。そして組織の酸化障害を軽減する効果は炎症を抑える効果でもあります。腫瘍組織の血管新生を阻害する作用や創傷治癒を早める効果、免疫力を高めて感染症を予防する効果があります。
免疫力や抗酸化力を高めるメラトニンは、がん細胞の増殖を抑制、免疫増強作用、抗酸化作用、がん細胞の増殖を抑える作用、がん性悪液質を改善する効果があるのです。悪液質とはがん細胞が出す炎症物質などによって、食欲不振や倦怠感や体重減少などの症状が現れる病態です。がん患者の死期を早める原因でもあります。飢餓での体重減少は貯蔵脂肪の涸渇が主ですが、悪液質では骨格筋と体脂肪の両方が失われ、体力が急速に低下します。栄養失調に基づく病的な全身の衰弱状態です。大切なのは悪液質を改善して体力や抵抗力の低下を防ぐことを目標に治療することです。がん性悪液質は、十分な蛋白質とカロリー投与によっても改善させることができない点が、単純な飢餓とは異なります。末期がん患者にメラトニンを投与すると、体重減少や食欲低下や倦怠感や抑うつ症状が改善し、延命効果があると言われます。メラトニンは海外ではサプリメントとして販売されています。
がん性悪液質の治療としては、サリドマイドや、シクロオキシゲナーゼ阻害剤やω3不飽和脂肪酸、抗酸化剤の有効性が報告されています。がん組織での炎症反応が強い時や、悪液質が存在するときには、免疫力を高めることを目的にした健康食品や漢方薬は、症状を悪化させることもある点に注意が必要です。特に漢方薬は癌性炎症の度合いと抵抗力や体力のバランスを総合的に考えながら使う必要があります。体力を高めることばかりでは、がん細胞も元気になる可能性があるからです。そして、科学で説明できない所に漢方薬の存在価値があります。患者さんの治療の状況や症状に注意しながら処方を行えば、漢方治療で弊害が起こることは少ないです。
人間にはプラセボ効果と言う素晴らしい力が存在します。実に30%とか40%もの人の症状がこのプラセボ効果で改善しているのです。プラセボ効果とは、心のあり方が治癒力を誘発することを示唆している非常に重要な現象です。心理効果や暗示作用が人間の身体の状態にいかに重要な影響を与えるか、ですね。気持ちの持ち方も治癒系に強く影響することを証明しているのです。「病は気から」という言葉があるように、自然治癒力は心と切り離して考えることはできないのです。もう治療法が無い、何も希望が無いという絶望感や不安感は、免疫力を低下させてがんの進行を早めるだけでなく、生きる力も失わせて死期を早めるのです。
ストレス日程も今回は3回目。ストレスと上手く付き合う方法についてです。ストレスをためない方法ですが、これは、認知症を予防する方法でもあります。(詳しくは9月、10月の認知症コーナーをご参考下さい。)つまり、ストレスのため過ぎは認知症にもなりやすい、と言うことですね。それにストレスは色々なことに影響を及ぼしますから。認知症対策と違うところは「考える力が残されている」ことです。たとえば、趣味を通してのストレス発散は多くの人が実践しています。
例を挙げると、身体を動かすこと。このことについても、知っておくと良いことがあります。筋力トレーニングを実行したり、競技であれば結果を出すことに一生懸命だけれど、本来身体は全部繋がって一緒に動きますから、それを意識した動きを入れた方が中心力も強くなり、ストレスを受けにくい心身ができあがります(上下連環)。筋力トレーニングも頑張ってやる事は良いのですが、辛い場合もあります。この「辛い」というのはストレスでもあります。適度であれば有効ですが、強すぎると問題になることがあるので注意が必要です。特にスポーツマンは、筋肉が張ったりすることで「やり遂げた感」が出ますから、逆にそこまでやらないと気が済まなくなってしまいます。心理的に強迫神経障害のようになってしまうこともあります。心の動きと体の動きを一致させる(内外合一)も大切となります。
ストレス発散に音楽と言う人も多いでしょう。聴いたり演奏したり……。これは有効な手段ですね。そして、音楽の演奏には楽譜は欠かせないです。楽譜の段階ではまだ、音楽ではありません。たとえは悪いのですが、死んだ状態ですね。楽譜があっても何の影響も及ぼしませんから。楽譜に息を吹き込むのは、演奏者です。どのように一つの音楽を誕生させるかは、演奏者によります。ですので同じ曲でも、演奏者や演奏形態で微妙に変わってくるのです。今の自分にはどの演奏者が、どの音楽が良いのかは、その時の精神状態でも変わります。例えば、誰もが知っている「君が代」。あまり知られてないのですが、これは日本を代表する行進曲でもあるんですね。
アロマセラピーも有効です。その時々の気分で何を使うか決めると良いですね。それに人によっても違います。例えば、親の畑仕事でお昼を食べた時、牛糞の匂いで食欲が全く無かった、など。それだけ身体には大きな影響を及ぼします。科学的にもある程度、証明されています。
マッサージと言う人も多いでしょう。「触れる=癒やし」ですね。一人ではないこと、本来みんな繋がっていることを五感を通して感じられるから安心します。
しかし、最も重要なことに思考を変えてみる、と言う事があります。これは認知症では無理な改善方法です。思考を変えると言う事が出来るのか?と思われる人も多いでしょう。しかし、思考の主は皆さんなのです。上に上げたスライドをご参照ください。
比較は「地獄への特急便」とも言われることもありますが、もちろん、比較、競争が悪いわけではありません。しかし、エネルギーを使うことは確かです。そして、争いや精神疾患の原因にもなります。ですので、相手を認めると言うことが前提にないと大変なことになる場合があります。精神的に疲れ果てると、他人を殺めるか、自分が消滅するかに走る人も多いのです。
そして、このような考え方や行動に伴って調節される、ストレス反応に対しての重要な物質があります。それが、β-エンドルフィンに代表される物質、つまり脳内麻薬です。麻薬というと悪いイメージしかないとは思いますので、幸せホルモンと呼びましょう。これは素晴らしい人生を送るためには大変重要なのです。
ストレスが無かったら大変なことになるのは前回の市民講座で紹介したとおりですが、今回はストレスが引き起こす重要な問題についてです。頭痛や胃痛など、心身に影響を与えるという事は皆さん経験されている人も多いかと思います。脳内疲労からくる自律神経の失調に伴う症状も現れやすくなります。自律神経は身体の至る所で働いているので症状も多彩ですね。イライラしたり、顔が赤くなったり、動悸したり、血圧が上がって、頭が痛くなったりします。食べることでストレス発散し、飲みに行って仲間に愚痴こぼしたり、カラオケで歌いまくって、などでストレスを発散するタイプの人も多いです。しかし、逆にくよくよ、めそめそして食欲が無くなり、胃も痛くなる。頭も重痛く、誰かに誘われても行く気になれず。血圧も下がったようになり、目めまいや動悸がし出たり胸が苦しくなったりすると言う人が非常に増えています。神経的なら大きな問題になることは無いのでは?とも思われますが、例えば、頭痛、イライラ程度だったのが、常にストレスにさらされることで、高血圧や心疾患、脳血管障害などになってしまうこともあります。逆に低血圧症や鬱、引きこもり、胃炎や胃・十二指腸潰瘍、過敏性腸症候群などを引き起こす事も非常に多くなっています。
実は統合失調なんかもそうだと言われています。遺伝では?と思われますが、素質は遺伝するかも知れないけれど、遺伝子のスイッチが押されなければ発現しない。つまり病気にはならないのです。なので、統合失調症は右肩上がりで増えています。これも、強いストレスが加わったこともも大きな原因とも言われています(ストレス脆弱性仮説)。
増加の一途をたどる糖尿病もストレスがかなり大きな原因となっています。食べ物も大切ですが、実は運動不足とストレスの方が影響が強いとも言われています。食事指導がやりやすいのは、カロリーとかで数値化できるために指導しやすい、と言う事もあります。しかし、運動もストレス解消も、個人差やり方が大きく違います。数値化できないから指導は難しいですね。自分で最適の方法を見つけてやっていくしか無いのです。治すのは自力で、です。今の西洋医学は、基本的には数値のコントロールです。もちろん、コントロールは大切ですし、色々な病気の予防になります。ですから、多くの薬は「続けて飲んで下さい」となるのです。もしも治ったら薬はいらなくなるはずです。食べ物ではありませんから。
悪性腫瘍もストレスが影響します。ストレスは抵抗力、免疫力のバランスを崩すからです。逆にストレスで過剰防衛反応が出ることもあります。通常は自然免疫という門番、抗体免疫という特殊部隊があり、どちらも大変重要な役割を持っています。身体に害を及ぼすと思われるものが侵入、或いは発生した時は自然免疫が総動員して駆除します。そして、数が増えたり毒成分が強い強力な相手だと、こちらもかなりの労力を使います。なので、彼らに対して特別部隊を用意する訳です。人間の世界みたい、と思われますが、全くその通りですね。そしてストレスは自然免疫を落とし、特殊部隊を増強します。自然免疫を落とすと言うことは、いわゆる抵抗力が落ちると言うことにもなるのです。特殊部隊を増強すると厄介な問題も起こります。花粉みたいな無毒なものに対して特殊部隊を用意すると花粉症になり、自分の身体に対して特殊部隊を用意するとリウマチ・膠原病になります。元々無害なのに敵だと思ってしまうのです。戦場は荒れて炎症状態となります。
すべてがアレルギーという訳ではないのですが、ストレスで身体があちこちかゆくなったり、イライラして頭をかきむしるような漫画はよく見かけますね。
このようにストレスは身体に強力な影響を及ぼします。次回の健康講座はトレスの改善方法についてです。
ストレスと言ったら健康を害する一要因でもあります。しかし、ストレスがなかったらどうなるのでしょうね?今回は、ストレスの必要性についてのお話です。
さて、ストレスがなかったらどうなるでしょう?
例えば悪玉菌と善玉菌の話を例に取ってみます。これは、以前、薬局の市民講座でも取り上げましたね。悪玉菌が居なくなったら大変だ、という話でした。バランスの問題で、悪玉菌が多すぎると問題だという話。本来、善玉菌、悪玉菌、中立菌は仲良く一つの世界を形成していると言う事でした。もちろん、悪玉菌、善玉菌はお互いのことをストレスと思っているでしょう。しかし、悪玉菌は、肉類などのたんぱく質を分解して、便として排泄する処理をしている、人間が生きていく上でなくてはならない菌。それに、悪玉菌がいなくなってしまうと、善玉菌が働かなくなってしまい、消化吸収が上手くいかなくなってしまう。それに、悪玉菌がいなくなると、善玉菌は強い殺菌力や腸の粘膜を保護すると言った、自分の仕事をしなくなってしまうと言われています。善玉菌とされていたものの中にも働きの悪い怠け者の菌がいたり、逆に悪玉菌や日和見菌の中に良い働きをする菌がいたりすることが分かってきたと言う話をしましたね。
回虫がいなくなったら、免疫の異常が出てしまったという話もあります。これが、花粉症の増えた原因だというのですね。寄生虫が体内にいると、寄生虫を抗原とした免疫グロブリンE抗体が鼻粘膜の肥満細胞に結合する、そのため、花粉が鼻粘膜の細胞と結合できず、花粉症にならないらしいというのです。つまり、敵がいなくて暇になった免疫機能が、何でも良いから仕事させろ~って、言っているようなものかも知れません。しかし、逆にひどくなるんじゃないかという説もあります。マウスによる実験も行ったのですが、結果、どちらも証明できた、つまり、どちらとも言えない、と言う事になりました。
考えることもせず、動きもせず、好きなだけ食べたらどうなるでしょう?これは上の図のように皆さんの想像つく状況になってしまいますね。脳と身体の老化、つまり認知症や骨粗鬆症にも早くなってしまうでしょう。
そして最後にストレスのない、天国のような世界で絶滅するという話。ネズミを使用した実験結果と人間社会を照らし合わせたのが、上の図です。
このようにストレスがなくなったら、我々は大変なことになるのです。この世界は二極の世界です。善がなければ悪も消滅しますし、闇がなければ光もありません。上がなければ下もなくなります。この世界は二極の間を揺れ動き、現象する世界ですね。
とりあえず、ストレスというものが、いかに大切か、という話でした。次回はストレスが、私たちにどれだけの害を及ぼすか、の話です。
認知症と言っても色々な形態があります。主な認知症としては「アルツハイマー型認知症」、「レビー小体型認知症」、「脳血管性認知症」の三つがあります。認知症はもちろん、進行することもあります。しかし、対策も沢山あります。まず、アルツハイマー型認知症。認知症の約50%がアルツハイマー型認知症によるもの。アルツハイマー型認知症では、高齢になるほど発症しやすく、何年もの時間を経て、少しずつ病気の症状が進行していきます。アルツハイマー病の原因ははっきりと解明されていませんが、アミロイド仮説が唱えられています。アルツハイマー型認知症の患者では、「老人斑」と「神経原線維変化」の二つの特徴的な構造的変化が起こっています。老人斑とは、大脳皮質に沈着するタンパク質の塊のこと。このタンパクはアミロイドベータ(Aβ)という異常なタンパク質が凝集したものであり、これが老人斑を形成して脳にシミのようなものを作ります。アルツハイマー患者では多量の老人斑が沈着しています。また、アルツハイマー型認知症では神経細胞の中に糸くずのようなものが蓄積します。これが、神経原線維変化のことで、これは、タウタンパクと呼ばれるタンパク質が凝集することで起こります。このような老人斑の蓄積や神経原線維変化が起こることにより、脳の神経細胞が死滅していきます。これによって、脳の萎縮が起こります。
レビー小体型認知症の特徴としては、大脳皮質にレビー小体というタンパク質の塊が現れます。高齢者に多いが、40代の比較的若い人でも発症します。レビー小体型認知症では物忘れだけでなく、パーキンソン病のような症状(運動障害)を表します。特徴としては、記憶に障害の出る認知機能の障害、歩行など運動機能の障害、見えるはずのないものが見える幻視、病気の症状の重さが日によって変動する症状の変動があります。
脳血管性認知症の原因としては、脳梗塞や脳出血の多発によるものが70%以上です。脳血管が詰まったり破れて出血したりすることで、脳の働きが悪くなります。これによって、認知症が引き起こされます。
今は沢山の薬が使用されていますが、詳しくは、かかりつけの薬剤師に聞いてみて下さい。色々な薬が開発はされていますが、理屈は立派だから効くというわけではありません。個人差もあります。進行を止めると言われていますが、なかなか難しかったりする場合もあります。人間の身体は、そう単純ではないのです。わかっていることより、わからないことの方が多いのです。
実は、薬よりも大切なものがあります。少し紹介します。大きく分けて、まず、認知機能のリハビリテーション、これは五感を刺激することで、脳の活性化や認知機能の改善効果が期待されます。そして、生活遂行機能のリハビリテーション、これは家事を通じたリハビリテーション、認知症の患者にとって自己肯定感を高め、日常生活の維持に寄与する重要な要素となります。具体的な方法を紹介します。
回想法は一定の効果が現れているので信頼性のある手法です。
音楽療法は懐かしい音楽や癒やしの音楽を聴くことで、耳から大脳に入る効果的な情報の記憶を辿り過去の記憶を呼び起こす効果があります。音楽療法にはリラクゼーション効果もあります。音楽療法はリラックスしながら脳を刺激できる優れた療法なのです。
リアリティオリエンテーションは新しい記憶を取り入れ、繰り返し脳から取り出していく」という訓練。特に課題を与えることはなく、会話の中で聞いた言葉などを記憶し、反復させることで記憶を強めることを狙った療法で「現実見当識訓練」です。
アニマルセラピー(動物介在療法)は動物と触れ合いながらストレスの緩和や精神的な落ち着きを得る療法。癒し効果を得ることに加えて、活動性の向上を促すことを目的とします。アニマル・セラピーには回想法という側面もあり、認知と応用の連続性を取り戻す訓練にもなり得ます。
運動療法は体を動かし適度に運動することで寝たきりの状態になることを防ぎます。椅子に腰かけながらできるような簡単な運動から行い、徐々に転倒に注意しながら強度を高めていくなどが大切です。
レクリエーション療法は絵を描く・動物と触れ合う・陶芸や園芸を行う・ゲームなど、エンターテイメント性のあるレクリエーションを行うことで、楽しみながら精神の安定を図れます。社会的結束感や生活の質を向上させ、孤立感や不安を軽減する効果もあり、家族や介護者と共に楽しむ機会としても有用です。
大事なことは、本人が嫌々行っていたり完全に受け身だと十分な効果が得られないし、ストレスになってしまうこともあると言う事。本人にとって丁度いい強度のリハビリを行うことを常に意識して、無理のない範囲で他の人と一緒にやってみる事が大切です。同じ悩みを抱えている人と一緒に取り組む事もリハビリに取り組む大きなモチベーションになります。仲間づくりを意識することも重要です。現状にあうものにアレンジをしたりして、高い治療効果を得るためには丁度いいレベル感の療法が欠かせません。
また、軽度認知障害(MCI)と言われている状態で手を打つと改善できる可能性はかなり高くなります。アルツハイマー型認知症を本格的に発症する前の状態が軽度認知障害(MCI)です。アルツハイマー病によるMCIの臨床的な定義は
・記憶障害の訴えが本人または家族から認められている
・客観的に1つ以上の認知機能の障害(記憶や見当識など)が認められる
・日常生活動作は正常に行うことができる
・全般的な認知機能は正常
・認知症の診断は受けていない
です。早期に適切な治療やリハビリを行うことで認知症の発症を遅らせることができる可能性が高まります。認知症は「発症すると一生治らない」「進行が止まることはない」と考えられがちですが、早期発見と早期治療を行うことで改善できる可能性は高まります。
具体的な軽度認知障害(MCI)の予防・改善方法として、まず、運動。有酸素運動は、MCIの予防効果が非常に高いです。そして食事、質の良い栄養素を摂取することは非常に重要。また、噛む動作も脳に適度な刺激を与えることができます。認知トレーニングもゲーム感覚で取り組めるものや楽器の演奏など、楽しみながら行うと良いです。睡眠は重要で良質な睡眠を取ることも非常に効果的です。睡眠中に認知症の原因物質が脳外に排出されることが分かっています。家族のサポートも重要です。MCIの段階は、認知症への進行を予防する上でとても重要な時期だからです。
このように、どの段階でも、出来る事は沢山あるはずです。そして、ポジティブに行うことで効果は倍増なのです。
助けあい慈しみあう心は、大きな意味での健康法そのものではないかと思います。震災や災害は社会が大きな怪我をしたようなものです。大怪我を負った社会全体には健康を取り戻す力があふれ、社会は復興します。人の世界も同じですね。
昨今、世界平和や自然との調和を願う言葉とならんで「健康になりますように」という願いが至る所で目につきます。それだけ健康でないと感じている人が多いこと、そして健康であることが全ての原点であることを思わされます。
ところであなたは今、健康ですか?。風邪をひいたり、病院に通ったりしながらも、健康な人はたくさんいます。風邪を引かないことは良いことか?と言うともちろん、そうではありません。外敵が身体に侵入してもわからない、と言う事かも知れません。風邪をひくと、がちがちだった身体も弾力を取り戻して柔らかくなります。高い熱が出れば、からだの中のばい菌は少なくなります。40度の熱が出せれば、癌細胞も苦しみます。どんな症状も、からだが一生懸命に働いている証として現れているものですから、自然のリズムに従い適正にバランスをとることが大切です。そのリズムを無理に止めようとしたり、感覚にふたをしてしまうのはとてももったいないこと、とも言えるのです。
気功と言う健康法、大道芸と勘違いされたり、神秘的なもの、或いは宗教的なものと思われることも多いです。ですので、私が気功をベースにした運動を教えるときは、表向きは健康体操教室です。このような勘違いをしている人も多いからです。しかし、本来は自然の健康法です。自然の流れにそって心と体を整えていく健康法なのです。気功で整えるのは具体的に見て触れることのできる体だけではありません。内側に感じることのできる動きや変化、つまり人間が生きていこうとする原動力のようなものを『気』と呼び、そのバランスをとるために自分ですぐにできる簡単なやり方が気功なのです。
健康観の変革が今とても大切です。悪いものを食べては「吐いた」と言って心配するけれども、悪いものを吐き出せる胃袋は健康です。下痢だといって下痢止めを飲むけれども、からだの排泄作用を止めれば毒は体内に残ります。健康なからだとは不調になっては、すぐ治っていく体です。
自然なままの健康な心と体、自然に暮らせる健康な社会と環境を培っていくための方法が、気功健康法なのです。
9月は、認知症の日があり、認知症月間でもあります。(世界アルツハイマーデー/世界アルツハイマー月間)その様なこともあり、薬局の市民講座も「認知症」です。
加齢による物忘れは、誰にでも起こる老化現象の一つで何かの拍子に思い出すこともあります。しかし、認知症は自分が体験したことを忘れてしまっている自覚がなかったり、時間や場所が分からなくなったりします。脳が傷害されることで「同じことを何度も言う」など記憶・判断に関わってきます。機能が鈍くなり、最終的には体が思うように動かせなくなって寝たきりとなってしまいます。
認知症の初期における特徴として「最近の出来事(短期記憶)は障害されるが、認知症を発症する前に起きた出来事(長期記憶)は残っている」という事があります。また、周辺症状は日々のストレスによるものが大きいです。
認知症患者は「忘れること」によって、日々の大きな不安を抱えています。これに、周囲からの好意・やさしさが加わると、「安心感」を得ることができるのです。認知症患者さんにとっては、この「受け入れられている」という安心感が重要です。
配偶者や介護者はどうしても、記憶など失われていくものに捉われがちです。中には「認知症だから、何も感じないだろう」という誤解が生まれることもあります。しかし、実際にはそうではなく認知症の患者さんは健常人と同じように目で見て、耳で聞き、相手の感情を読み取っているのです。言葉などが不自由になるほど、その場の雰囲気や相手の表情などに敏感になります。
認知症患者さんは記憶の障害によって、「過去→現在→未来」と繋げて考えることができません。過去や未来が分からないため、心に大きな不安ができてしまいます。認知症患者さんが認識できるのは「現在」に関してのみです。これを理解することがとても重要になります。そのため、「昨日も言ったでしょ!!」と怒ったとしても、認知症の患者さんは過去と現在を繋げることが難しいので意味がありません。
若くして認知症となることもあるのですが、若年期認知症とは18歳以上65歳未満で発症する認知症のことです。認知症の発症する原因は色々とありますが、高齢で発症する認知症としては、アルツハイマー型認知症が最も多いです。しかし、若年期認知症は必ずしもアルツハイマー型認知症であるとは限りません。脳血管性や頭蓋外傷による認知症の比率も高いです。若年期認知症の原因はさまざまであることが特徴です。
認知症の診断方法の一つに、長谷川式認知症診断法があります。正常な方の長谷川式認知症診断法の平均点は24.3点。これが、基準点である20点を下回れば認知症の疑いが出てきます。
まず、薬を使う方法があります。まず、ベンゾジアゼピン系薬ですが、薬の力で、体を「疲れた状態」にすることで、催眠作用を発揮します。ベンゾジアゼピン系の薬は、脳の活動を抑制するGABAの働きを強め、
・抗不安 ・催眠 ・筋弛緩(筋肉をゆるめる) ・抗けいれん
の4つの効果を発揮します。ベンゾジアゼピン系薬の副作用としては以下のようなものがあります。
○持ち越し効果:薬物の効果が次の日の朝まで続いてしまい、眠気やふらつきなどの症状が出てしまいます。
○記憶障害(健忘):薬物服用後、「眠るまでの出来事」や「朝起きた時の出来事」の記憶がない症状です。
○リバウンド(反跳性不眠):ベンゾジアゼピン系薬を長い間使用している段階で、急に服用を止めてしまうことで不眠・恐怖・ふるえなどの離脱症状が起こります。
体内時計に作用するラメルテオン(商品名:ロゼレム)の特徴としては、「自然な眠り」です。それまで使用されていた薬は脳の機能を抑制することによる眠りであり、自然な眠りではありません。しかし、ラメルテオン(商品名:ロゼレム)の効果が表れるには時間がかかります。少なくとも、2週間を目安にして薬の効果を見なければわかりません。良い点としてはそれまで使用されていた睡眠薬に比べると副作用が少なく、薬を止めた時に表れる「退薬症状」や薬の効果が弱くなってしまう「耐性」などが表れない薬と考えられています。
<メリット>
・自然な眠気を強くする ・中途覚醒や早朝覚醒、熟眠障害に有効 ・リズムを整える効果が期待できる ・依存性が極めて少ない ・せん妄を起こしにくい ・処方日数の制限がない
<デメリット>
・入眠障害には効果が不十分なことがある ・効果発現に時間がかかることがある ・眠気が残ることがある 入眠障害に対しては効果は期待しづらい。
ですので、ラルメテオン(商品名:ロゼレム)は、中途覚醒、早朝覚醒、熟眠障害に対して、効果が期待できますが、正式な適応は、「不眠症における入眠困難の改善」となっており、入眠障害での適応となっています。こういった特徴のある薬なので、ラルメテオン(商品名:ロゼレム)は時間的な余裕があるときに使われます。ラルメテオン(商品名:ロゼレム)はメラトニンと同じように働らきますが、メラトニンは加齢とともに減少していくので、高齢者には向いていると思われます。ラルメテオン(商品名:ロゼレム)を生理的なリズムに合わせて、21時頃に服用することも多いです。
睡眠薬は、その作用メカニズムの違いから、脳の機能を低下させる睡眠薬、自然な眠気を強くする睡眠薬に分けられますが、ベルソムラは、自然な眠気を強くする睡眠薬になります。スボレキサント(商品名:ベルソムラ)は、私たちの睡眠・覚醒の周期に関係する生理的な物質の働きを調整し、睡眠状態に仕向けていく薬。本来の眠気を強める薬なので、効果が人によっても異なります。
自然な眠気を強くする睡眠薬は、現在のところ2系統の薬が発売されています。それは☆メラトニン受容体作動薬:ラルメテオン(商品名:ロゼレム)・メラトニン(商品名:メラトベル)とオレキシン受容体拮抗薬:スボレキサント(商品名:ベルソムラ)・レンボレキサント(商品名:デエビゴ)です。スボレキサント(商品名:ベルソムラ)では、ベンゾジアゼピン系薬に比べて耐性などの副作用は少ないです。薬をやめたとき、ベンゾジアゼピン系薬で問題となりやすい反跳性不眠(リバウンド:断薬によって、より強い不眠症状を引き起こすこと)や退薬症状(禁断症状)も少ないと考えられています。ただ、薬に頼りすぎるのも問題です。スボレキサント(商品名:ベルソムラ)にも嗜好性があり、その依存性の強さはゾルピデム(商品名:マイスリー)という睡眠薬と同程度との報告もあります。
<メリット>
○自然な眠気を強くする ○中途覚醒や早朝覚醒、熟眠障害に有効 ○入眠障害にも効果が期待できる ○依存性が極めて少ない ○せん妄を起こしにくい ○処方日数の制限がない
<デメリット>
○入眠障害には効果が不十分なことがある ○眠気が残ることがある ○夢が増えて悪夢になることがある ○湿度に弱い
また、身体疾患や精神疾患による二次性不眠症に対してスボレキサント(商品名:ベルソムラ)の有効性は確認されておりません。例えば、胃潰瘍による胃痛や逆流性食道炎によって体に異常が生じると不眠になることがありますし、激しい頭痛によって眠れないこともあります。うつ病による不眠もあります。こうした身体や心の不調によって生じる不眠症が二次性不眠症ですね。
スボレキサント(商品名:ベルソムラ)の効果は、即効性が期待できます。服用から30分ほどして自然な眠気が強まっていきます。明け方になると生理的なオレキシンが上昇して、スボレキサント(商品名:ベルソムラ)の効果が薄れて目が覚めます。スボレキサント(商品名:ベルソムラ)は夢をみているレム睡眠を増加させます。そのため夢が増え、悪夢となってしまうこともあります。
レンボレキサント(商品名:デエビゴ)は睡眠の質への影響は少ないデータとなっています。しかしながらスボレキサント(商品名:ベルソムラ)と同様に、夢が増える可能性は否定できません。またデエビゴは、生理的な物質であるオレキシンと同じところに働くので、依存性が極めて少ないという特徴があります。
睡眠薬は、原則的にすべての薬が運転や危険作業が禁止となっています。
薬以外でも睡眠状態の改善方法は沢山あります。日中の生活習慣も影響します。上図であげたとおり、色々な方法が考えられます。また、自分に合った音楽を聴く、呼吸法(気功)を試すなどが有効です。自分に合った対処法を探すことが大変重要となります。
不眠は、様々な原因によって引き起こされます。例えば
・ストレス(仕事、人間関係、家庭など) ・アルコール摂取 ・薬の服用 ・精神疾患(うつ病など)・生活習慣病
等々ですね。脳内には、「興奮系」と「抑制系」の神経が存在しています。通常はバランスよく存在しているのですが、上記のような原因によって、興奮系が優位となることで不眠症を発症すると考えられています。興奮系には「オレキシン」と呼ばれる物質が関与しており、抑制系には「GABA(ƒΑ-アミノ酪酸)」が関与しています。脳内の神経から分泌されるオレキシンが「オレキシン受容体」を刺激することで脳が興奮・覚醒すると考えられています。
人間が「寝たい」と感じる時。一つ目は「疲れた時」。疲労した肉体を休ませるため、脳の機能を低下させます。2つ目は「夜になったから」。人間には「朝が来たから起き、夜になったから寝る」というリズムを調整する機能があり、これを概日リズム(サーカティアンリズム)と言います。一般的には体内時計と呼ばれたりしますね。メラトニンは夜間に活性が高まることで、睡眠を促します。つまり、メラトニンは「自然な睡眠リズム」を調整するホルモンです。松果体から分泌されるメラトニンは夜間に活性が高まり、催眠作用を示します。メラトニンは、睡眠と覚醒だけでなく、代謝や免疫など様々な機能の調節をおこなっています。このため、体内時計を司るホルモンと呼ばれています。
記憶は脳の海馬と呼ばれる場所に一度蓄えられます。ただし、繰り返し刺激を与えないとすぐに忘れてしまいます。これは、記憶を一時的に溜めておく短期記憶として蓄えられるために起こります。これを記憶として取り出せるようにするためには、長期記憶として脳に定着させる必要があります。このときの記憶形成に睡眠が大きく関わっています。
床についてもなかなか寝付けない症状が入眠障害。布団の中に入ると平均10~15分で眠りにつくのですが、日常的に1時間以上眠れずに苦痛を感じるようであれば入眠障害となります。入眠障害はストレスの多い人や神経質な人に多く見られます。睡眠障害の中で最も頻度の多い症状が入眠障害です。
一度眠ったとしても、夜に何度も目が覚めてしまう症状が中途覚醒であり、眠りが浅いために熟睡感のない状態が熟眠障害です。朝早く目が覚めてしまい、そのまま眠れない状態を早朝覚醒と言います。早朝覚醒は高齢者に多く見られます。若い人での早朝覚醒は精神的ストレスやうつ病である可能性があります。レム睡眠は身体はぐったりしているが、脳は覚醒状態に近いです。ノンレム睡眠は深い眠りについており、起こしても脳がすぐに活動できません。「体を休める睡眠」がレム睡眠であり、後者の「脳を休める睡眠」がノンレム睡眠。まず初めにレム睡眠に入り、すぐにノンレム睡眠へと移行します。このレム睡眠とノンレム睡眠は交互に繰り返され、合わせて約90分のサイクルです。レム睡眠とノンレム睡眠のサイクルが4~5回繰り返されることによって睡眠が完了。このとき、起床が近づくにつれてレム睡眠の時間が長くなります。
眠っている最中に無呼吸(10秒以上息が止まる)の状態が何回も出現すると、睡眠時無呼吸症候群が疑われます。むずむず脚症候群(レストレスレッグス症候群)は、じっとしている姿勢を保っていると脚に不快な感覚が伴う病気のことです。不快な症状で足を動かしたくなるので睡眠障害に繋がります。
また、ナルコレプシーという睡眠障害があります。日本語で居眠り病と呼ばれますね。以下のような特徴があります。
① 昼に突然眠くなる(睡眠発作):「営業で重要な商談をしている最中」や「運動をしている時」などの場面でも眠ってしまいます。
② 急に力が抜けてしまう(情動脱力発作):「嬉しい」、「悲しい」などの喜怒哀楽が強く働いた時、全身の力が抜けてしまいます。
③ 睡眠麻痺: 眠る前や目覚めた直後などに金縛りが起こります。
④ 入眠時幻覚: 睡眠発作によって眠ってしまった時、強い幻覚を見ることがあります。
このように睡眠障害と言っても、色々なケースがあるのです。
Allium属というのはユリ科ネギ属の植物の総称で、体を温め血行を促進し、殺菌作用や滋養強壮作用などがあります。ニンニクの細胞内にはアリインという無臭の成分が含まれます。ニンニクを切ったり、すりおろしたりするとアリシンという成分に変化します。アリシンはビタミンB1と結合して、アリチアミンという物質に変化ます。アリチアミンは活性持続型ビタミンB1とも呼ばれ、効率よく体内に吸収され新陳代謝を活発にし、エネルギーの生産力を高め、体力増強や抗疲労効果など色々な効果を発揮します。ニンニクやその仲間(ニラ、ネギ、ラッキョウ、アサツキなど)の野菜に含まれます。イオウ化合物は、発がん物質を不活性化する酵素を増やし、体外に排出する解毒作用を促進する作用が報告されています。腫瘍組織内の、抗酸化酵素や抗酸化物質の組織内濃度が増え、脂質の酸化が抑制されているため、ニンニク成分は抗酸化力を高めることによって、発がん過程を抑制すると言われています。ニンニクのがん予防効果はアリナーゼという酵素の働きによって産生されるニオイの成分にあります。
高血糖は色々な疾患を引き起こしますが、2型糖尿病を発症する前に、数年間高インスリン血症が見られると言われています。インスリンの働きに影響する様々な生理活性物質が脂肪細胞から分泌されており、肥満によって体脂肪が増えるとインスリンの働きが低下します。また、脂肪組織から分泌されるアディポネクチンという蛋白質はインスリンの働きを高める作用があるのですが、内蔵脂肪が増えると分泌量が減り、アディポネクチンの血中濃度が低下するとインスリン抵抗性(インスリンの作用低下)が高まります。インスリンの働きが弱くなるから、インスリンの分泌量を増やして血中のインスリン濃度を高めるわけです。この段階ではインスリンの分泌増加によって、まだ血糖があまり高くないので糖尿病とは診断されません。ランゲルハンス島から十分なインスリンが分泌されなくなると、高血糖状態が持続して糖尿病となります。糖尿病があるとがんの進行が早く転移しやすいことも言われています。高血糖や高インスリン血症ががん細胞の増殖を促進するからです。プレ糖尿病から糖尿病になって血糖が上がると、がん細胞はブドウ糖をエネルギー源として大量に取り込んでいるため、がん細胞の増殖に有利になります。高血糖は活性酸素の産生を高め、血管内皮細胞や基底膜にダメージを与えて、血管透過性を高め、転移を起こしやくするという考えもあります。アディポネクチンのがん予防効果は、インスリン感受性を高めて血中のインスリン濃度を低下させるためです。インスリン感受性を高める(=インスリン抵抗性を低下させる)ことはがんの予防に効果が期待できることが言われています。また、アディポネクチンはがん細胞の増殖を抑えるAMP活性化プロテインキナーゼ(AMPK)を活性化するとも言われています。AMP活性化プロテインキナーゼ(AMPK)は運動で活性化されます。
有酸素運動でエネルギー産生のために充分酸素を使うことは、癌の増殖には不利になります(一部酸素があっても増殖する癌はあります)ミトコンドリアに頼ったエネルギー産生方法だからです。ここでがん細胞にとっては脅威となる活性酸素が発生するからです。人間の身体には活性酸素を無毒化するシステムが備わっているのです。活性酸素は過剰にあると問題になるのですが、実は無くてはならない大切なものです。
癌との戦い第4段です。今回は普段、身近にある食材の利用や運動の大切さについての話が中心です。
よく知られているハトムギはきちんとした試験検査を受けたものはヨクイニンと言う名称で医薬品に指定されています。ハトムギを常食すると肌がなめらかになり、シミ、ソバカス、ニキビ、肌荒れの改善に効果があるので、化粧品の原料としても使われています。また、ヨクイニンには免疫力を高める効果があります。重湯やお粥などにして食べると、体の中の余計な水分を取り除き血液の流れを良くし、腎臓の働きを促進して尿の出を良くします。その様なことから解毒機能を高め、むくみを解消します。栄養価が高く、滋養強壮作用があり、消耗した体力を回復します。コイキセノライドのような抗がん成分を含むので、がん細胞の増殖抑制や再発予防にも効果が期待できると言われます。
免疫力を高める成分としては、キノコに含まれるβ-グルカンなどの多糖体成分が有名です。多糖体というのはブドウ糖のような単糖がいくつも結びついた物質。結び付きの違いで作用も異なります。β-グルカンにはマクロファージ、T細胞、ナチュラルキラー(NK)細胞、補体系などの免疫増強にかかわる種々の免疫細胞を活性化する作用が証明されています。腸の粘膜には特殊なリンパ球が存在し、腸管壁での免疫応答(腸管免疫)、そして全身免疫に影響しています。高分子量のβ-グルカンは消化管からは吸収されにくいので、腸管免疫を介した免疫増強作用の可能性が考えられています。β-グルカンはサルノコシカケ科のキノコの仲間に多く含まれており、漢方薬に使われる生薬としては、猪苓(チョレイ)、茯苓(ブクリョウ)が有名。漢方薬の原料ではありませんが、霊芝(レイシ)、梅寄生(バイキセイ)などがあります。食用のマイタケもサルノコシカケ科ですが、他のサルノコシカケ科のキノコと違って柔らかく、味も香りも良いので、食用として使われています。免疫を活性化する作用のある“サルノコシカケ科”のなかで、唯一、食べられるキノコです。
体内での活性酸素やフリーラジカルの産生量が増えたり、体の抗酸化力が低下すれば、体内の細胞や組織の酸化が進みます。体内を酸化する要因が体の抗酸化力に勝った状態が酸化ストレス、酸化ストレスは細胞内のタンパク質や細胞膜の脂質や細胞核の遺伝子などにダメージを与え、がんや動脈硬化、認知症、白内障、肌の老化など様々な疾患の原因の一つともなります。酸化ストレスの増大は、がんの発生や再発を促進、悪化させる原因となります。紫外線を浴びて育つ植物の中には、強力な抗酸化物質やラジカル消去物質が数多く含まれています。
皮膚が黒くなるまで日焼けするのは、一見健康そうにみえますがが、皮膚のしみやがんの発生を高めるだけでなく、ビタミンDの産生を低下させて、がん予防にはマイナスになる可能性もあります。活性型の1,25(OH)ビタミンDは細胞の増殖や分化や死に関する複数の遺伝子の働きを調節する作用があり、がん細胞の増殖や転移を抑制し、アポトーシスという細胞死を誘導する作用があると言われます。
腸管(腸)の免疫機能を腸管免疫と言い、腸管免疫には、異物の侵入を防ぐほかに、食事などの無害なものを摂取した時にはアレルギーを除いて免疫反応は起こらないようにするという重要な役割があります。経口摂取した異物に対して免疫反応を抑える現象を経口免疫寛容と言います。
攻撃したくて仕方ない連中に、敵と見なすな、彼らに対しての武器をつくるなと命令する細胞があります。(制御性T細胞:レギュラトリーT細胞)戦闘したくて仕方ない連中は、入ってきた瞬間、こいつは敵だ!という目印を造ります。その目印めがけて、総攻撃が始まりますが、その目印は必要ない、と命令するわけです。
制御性T細胞(レギュラトリーT細胞)の分化は腸内で促進されます。制御性T細胞(レギュラトリーT細胞)とは、B細胞(抗体をつくりだす働きがある免疫細胞)の抗体生産をコントロールし、抗体をつくりすぎることを防ぐ役割を持つ免疫細胞です。過剰に生産されるとアレルギー症状や自己免疫疾患などの様々な病気の要因になってしまうため、制御性T細胞(レギュラトリーT細胞)の存在は非常に重要です。
制御性T細胞(レギュラトリーT細胞)に分化するのを促すのが酪酸。酪酸は善玉菌がつくり出すため、善玉菌が優位な腸内は制御性T細胞(レギュラトリーT細胞)にとって分化しやすい環境となります。腸内環境がよいと、制御性T細胞(レギュラトリーT細胞)が分化しやすく、バランスのとれた免疫力が発揮されます。
B細胞の作り出す抗体は特定の敵に対して造られるのですが、例外があります。いわば、万能抗体で粘膜の表面や初乳に存在し、身体を多くの外敵から守ってくれます。免疫グロブリンA(IgA)と言われ、小腸で造られます。IgAは他の抗体に比べて抗原に対する特異性が低いため、様々な病原体に対応でき、全身の粘膜で病原体の侵入を防いでいるのです。IgAの産生を増強するのが短鎖脂肪酸。産生されたIgAや、短鎖脂肪酸の作用を受けたIgA産生細胞は血流にのって全身をめぐり、あらゆる粘膜での感染症予防に貢献します。ですので、腸だけではなく全身の免疫の向上に貢献しているのです。
善玉菌の重要な役割の1つに、“体にとって有用な物質をつくり出す”ことが挙げられます。健康長寿に役立つ成分として注目を浴びているのが、「短鎖脂肪酸」ですね。短鎖脂肪酸は善玉菌が行う発酵によってつくられる物質で、代表的な短鎖脂肪酸に酪酸、酢酸、プロピオン酸などがあります。
腸内には多数の腸内細菌が共生しており、常に炎症反応と抗炎症反応の間でバランスが保たれています。これらは生体防御に重要な反応ですが、このバランスが崩れることで様々な重篤な疾患が引き起こされてしまいます。
腸は脳(心)とのかかわりも深く、脳と腸が双方向に影響し合うことを「脳腸相関」と言います。幸せをしっかり感じることができ、ストレスに負けない精神を保つことは、免疫力アップにつながります。そのためにも、腸内環境を整えることが大切です。
身体全体の免疫細胞の5割が小腸に、2割が大腸に存在します(腸管免疫)。消化管は構造的には皮膚と同じように外の世界に接しています。そこには危険なものを中に入れてはいけない、と言う防衛網が敷かれています。皮膚、粘膜すべてに防衛隊(免疫細胞)が存在しています。中でも小腸、大腸は「吸収」が大切な仕事の一つです。なので、防衛隊(免疫細胞)が集中しているのです。消化器官は「内なる外」とも言われ、管の中心の空洞は空間的には外界と接していることから、実は“体の外側”といえます。抗原(細菌やウイルスなどの外部から入り込んだ異物)と関わることの多い場所なのです。様々なものを吸収する腸は、有害な物質を体に入れないために免疫細胞が豊富に存在します。特に小腸には体内に入れて良いかどうかの「関所」があります(パイエル板、M細胞)バイエル板は有害物質を迎え撃つ免疫の前線基地です。T細胞やB細胞、NK細胞など多くの免疫細胞が集まって、病原体やがん細胞を退治する役割を果たしています。吸収しても問題ないものは、「こいつを攻撃して追い出す必要は無い」と言うお墨付きをもらって中に入る事が出来ます(経口免疫寛容)腸粘膜が荒れたり、皮膚が荒れたりでこの関所を通過しないで侵入すると、敵と見なされ攻撃の対象になってしまいます。いわゆる、食物アレルギーですね。食物アレルギーにおいては、アレルゲン (原因タンパク質) と、巨大な免疫臓器となっている腸管の免疫系との相互作用が発症の重要なポイントとなります。特に腸管免疫系において異物である食品に対して過剰な免疫応答を防ぐ機構「経口免疫寛容」が存在し、これらを突破、回避したものがアレルギーを引き起こします。
腸内に多種多様な菌が存在することで、仮に一部の細菌がダメージを受けても他の細菌が協力して腸内環境を良好に保つことができます。善玉菌はその名の通り無くてはならない大切なものです。特に重要なのはアレルギーに関していることです。身体には敵をやっつける細胞がいますが、これが過剰に働くと大変なことになります。過剰な働きを持つ連中を押さえてくれる細胞はここでつくられます。
善玉菌の重要な役割の1つに、“体にとって有用な物質をつくり出す”ことが挙げられます。腸内を弱酸性に保って悪玉菌の繁殖を抑えます。腸粘膜を丈夫にして腸のバリア機能を高めます。過剰な免疫反応を抑える制御性T細胞を増やして免疫機能を調整し、炎症性腸疾患やアレルギー性疾患を抑えます。
腸内細菌の約9割は大腸に、残りの約1割は小腸にすんでいます。腸壁の粘膜には1000種類以上、およそ100兆個もの腸内細菌が生息、その総重量は1.5~2キログラムとも言われます。大便のおよそ3分の1はこうした腸内細菌の死骸です。大腸にはパイエル板はありませんがが、膨大な量の腸内細菌⇒「腸内フローラ」と呼ばれる集合体があります。腸内細菌と腸管免疫は相互に影響し合う深い関係にあります。「腸内フローラ」は様々な種類の腸内細菌がグループごとにまとまって群生している様子をお花畑に例えて名づけられたもので腸内細菌叢(ちょうないさいきんそう)」とも呼ばれます。「もう一つの臓器」といわれています。
善玉菌の補給に、一時的にヨーグルトなどを摂取してもなかなか効果は発揮されません。外からヨーグルトやサプリメントなどに含まれる菌がバッと腸内にやってきても、その多くは生存競争に負けてしまいます。腸内細菌は助け合う一方で、生存競争も繰り広げ、その結果として、その人その人に最も適した腸内細菌のタイプだけが腸内に生き残っています。それは、その人が生きてきた年数をかけて培ってきたものです。だから、人によって腸内フローラの構成は違います。腸内フローラはその人の中に存在する固有の世界で在り、国家で在り、宇宙とも言えるのです。ですので、食事由来の乳酸菌やビフィズス菌は食べてすぐ腸に定着するわけではありません。しかし、これらをコンスタントに腸に送り続けると、日々の腸内環境を整えることはできます。少しずつ、良いように腸内フローラという世界を変えることは可能です。現段階では、おなかにいいといわれているものを実際に食べてみて、自分でいいと実感できることを続けてみるしかありません。腸内フローラという世界は人それぞれだからです。
しかし、どんなに体に良い食べ物であっても、多量に摂りすぎると大腸で増殖し、小腸に流れ込んでしまう「小腸内細菌増殖症(SIBO)」を発症する恐れもあるから注意が必要です。
小腸や大腸の働きは栄養を吸収する、水分を吸収するなど簡単な事はこれまでに知られてはいましたが、最近は大変重要な働きを持つことがわかってきました。
大便は見かけによらず、その半分は水分。消化された食物の残りかすは5%程度で後は腸壁の残骸15~ 20%、腸内細菌の死骸10~15%です。さて、この大便はうまく細菌のバランスがとれてないと理想的な形状となりません。大腸には腸内細菌の9割が存在します。集まっている様子はまるで花が咲いたようなので腸内フローラ(腸内細菌叢)と言われています。この中には、善玉菌、悪玉菌、日和見菌がおり、うまくバランスをとっています。善玉菌、日和見、菌悪玉菌の割合は2:7:1が良いとされ、このバランスが崩れてしまうと免疫力の低下をはじめ様々な健康被害が起こってしまいます。適度な運動や規則正しい食生活、ストレス解消を行い、腸内環境を整えることが大切です。
食べ物によっても、この細菌のバランスは変わりますから、食事は重要です。善玉菌を増やすには水溶性の食物繊維の摂取が大切。悪玉菌は高たんぱく質・高脂質な食事が大好きです。また、食べ過ぎもいけません。小腸で吸収されるはずのアミノ酸や胆汁酸が大腸にまで流れ込んでしまうことにも繋がり、流れ込んだものを悪玉菌が腐敗させたり有害物質に変えたりします。
しかし、悪玉菌も居なくなっては大変です。バランスが問題なのです。いろんな菌が仲良くやっていたのに、その関係が破綻、さらに、日和見菌が悪玉菌に加勢したりすると大変な事になります。そんな悪玉菌は、肉類などのたんぱく質を分解して便として排泄する処理をしています。悪いイメージのある悪玉菌ですが、人間が生きていく上でなくてはならない菌。大切なのは、悪玉菌を過剰に増やさないようにすることなのです。悪玉菌の増加を防ぐために、エサとなる「脂質」の多い食事は控えるようにすることです。また、悪玉菌を全て取り除いてしまうと善玉菌が働かなくなってしまい、消化吸収が上手くいかなくなってしまいます。悪玉菌がいるからこそ善玉菌が正しく働き、健康を維持してくれるのです。それに、悪玉菌がいなくなると、善玉菌は自分の仕事(強い殺菌力や腸の粘膜を保護する作用)をしなくなってしまうといわれています。善玉菌とされていたものの中にも働きの悪い怠け者の菌がいたり、逆に悪玉菌や日和見菌の中によい働きをする菌がいたりすることも分かってきました。また、善玉菌は老化によって減少します。なので悪玉菌と善玉菌は、エネルギーのやりとりをしているのだろうと最近は言われ始めています。それにやっかいな細菌の侵入に対しては、善玉菌では力不足です。頼もしいのは悪玉菌なのです。例えば、ビフィズス菌は毒素から腸を守っても、O-157という大腸菌を退治する力はありません。それどころか、O-157は、ビフィズス菌がタンパク質を分解して作り出すアミノ酸を自分に取り込み、自らのエネルギーにしてしまいます。食中毒の予防効果が高いとされてきたビフィズス菌は、O-157を退治できないどころか、不覚にも敵にエネルギーを提供していたということになってしまうのです。O-157の脅威を前に、頼りになるのは大腸菌などの悪玉菌。大腸菌には、番人(ガードマン)の働きがあり、腸の規律を乱す有害な病原菌が入ってくると、真っ先に動き出し、敵を排除しようと働いてくれるのです。悪玉の大腸菌は食物繊維の分解過程において、ビタミンを合成するという働きまで持っています。
湿度、気温ともに上昇すると悪化するのが水虫ですね。酷くなると晴れたり痛がゆくなったりするので、早い段階で処置するのが良いでしょう。
ところで、「足に出来たから、これは水虫に違いない」「水虫は手には出来ないだろうから、これは違うな」等々、思われている人も多いかと思います。しかし、そうではないケースも見られます。例えば、異汗性湿疹(汗疱(かんぽう))。痒みや水疱、皮がむけるなど水虫とそっくりの症状が出ることも多く、再発を繰り返すうちに足の裏の角質が厚く硬くなることもあります。異汗性湿疹の人は足の指の間が常に汗で湿っており、水虫にもなりやすいです。そして、掌蹠膿疱症。掌蹠膿疱症は、手のひらや足の裏に小さい水ぶくれや膿を持った水ぶくれが繰り返しできる皮膚炎です。他にも乾癬、接触性皮膚炎、手湿疹など見分けのつきにくいケースは多いです。
そして、手にも水虫は出来るのです。手のひらの角質層は厚いので、治りにくいです。手だけではありません。男性のひげの生える部分、頭皮、股部などにも出来る事があります。
最近よく耳にする爪水虫。通常水虫は足の薬指と小指の間から始まりますが、それが広がり、かかとも水虫になり、さらには爪も水虫になっていきます。こうなると、根治には時間がかかります。爪甲の下はとても柔らかく、水分も多くて白癬菌が住みやすいのです。何しろ水虫菌にとってこんなに居心地の良いところはないのです。爪は皮膚です。ケラチンで出来ています。これは水虫菌の大好物です。おまけに薬が浸透しにくい。そして、爪水虫の恐ろしいのが、「人に感染しやすい」ということです。爪水虫の人が裸足や目の粗い靴下で歩き回るということは、白癬菌をまき散らしているのと同じ事です。また、削る行為が症状を悪化させてしまいます。爪白癬の爪を削っているうちに、健康な爪まで傷つけてしまいます。白癬菌は傷口から入り込み、以前よりももっと深い場所まで侵入していきます。
ペットを飼っている人も要注意です。動物に感染する白癬菌としては、ミクロスポルム・カニスが有名です。日本に入ってきたのは1960年代、外国から血統書付きのペットが輸入されるようになってからです。今は日本中のどの動物がミクロスポルム・カニスを持っていても不思議ではありません。ペット自体はそれほど強い症状は現れません。しかし、人に感染すると、瞬く間に強いかゆみや炎症を引き起こします。白癬菌は感染するまでに24時間ほどかかりますが、ミクロスポルス・カニスは比較的早く感染します。最初は、小さな赤いつぶつぶの湿疹ができます。とても水虫には見えません。また、ペットとのスキンシップでうつることもあるので、足の裏にできるとも限りません。赤い斑点はかゆみを伴ってだんだんと拡がって行きます。治療はペットと一緒にする必要があります。
水虫かどうかは、皮膚科では、顕微鏡でみて水虫なのかどうか判断します。それくらい、見分けがつかないこともあります。では、一般的にはどのようにして見分けるのでしょうか?
気温が15度を超える時期と言えば、4月~5月のちょうど人間が気持ちよく活動できる季節です。その時期に増える皮膚病は、かなりの確率で水虫です。しかし、気を付けてほしいのは冬の水虫も増えているということ。温かなブーツをいている女性は、冬でも水虫の症状が出てしまうことがあります。
水虫が発症しやすい場所は、足の薬指と小指の間の股、そして土踏まず。足の薬指と小指の間の股や土踏まずに米粒から小豆大くらいの水疱が点在しているときは、かなり高い確率で水虫だと思われます。米粒よりも小さな水疱ならば、水虫ではなくかぶれの可能性があります。また、足の甲に水虫ができることはほとんどありません。足の甲がかゆい時もかぶれである可能性は高いです。
それから注意点。足の裏に傷口があったら、白癬菌は皮膚の中に入り込みやすくなります。足の裏に傷がある人は、12時間ほどで白癬菌が広がります。荒れを改善することは大切です。抵抗力を落とさないことも大切です。白癬菌に長い間さらされても感染しないことや、感染してから自然に治ることも、免疫機能の働きによる結果なのです。また、低体温の人や末梢血管障害の人、血糖値の高い人、タバコを吸う人は水虫にかかりやすく、重症化しやすいです。白癬菌が好む温度環境は、25度前後。体温はわきの下で測ることが多いと思います。わきの下よりも足の先などの方が体温が低く、低体温の人の足の先の温度が、白癬菌が好む25度前後なのです。
薬を使って治ったように見えても、続けなくてはなりません。皮膚のターンオーバーで完全に皮膚の細胞が入れ替わるまで続ける必要はあります。足の裏では最低3ヶ月以上は使用した方が良いでしょう。爪水虫も同様です。爪が完全に生え替わるまで続けましょう。1年は続ける必要があります。
なお、肥厚爪は水虫ではありません。外からの圧迫や衝撃によって爪が正しく伸びなくなり、爪が分厚くなったものです。
今回は薬や健康にまつわる身近な話です。まず、以外と知られてないかかりつけ薬剤師のお話。かかりつけの薬局、かかりつけ薬剤師をきめて、できる限りそこを利用し相談することが理想です。かかりつけ薬剤師は24時間365日つながる電話番号を教えてくれます。つねに、あなたの相談役となってくれるはずです。だから、あなたに合った薬局、あなたに合った薬剤師、あなたの体調を良く把握している薬剤師を見つけましょう!これがかかりつけ薬剤師です。かかりつけ薬剤師は、他の薬局、病院でもらった薬の相談にも応じてくれます。
次に薬を服用する上での注意点です。ます、副作用と効能・効果が一緒の薬。たとえば、頭痛を起こしやすいために、頭痛薬を常用。効きが悪くなり、頭痛薬が増える。これは、薬剤性頭痛の可能性があります。最初は頭痛のために服用したのに、続けた頭痛薬のために頭痛が出る。それでも、とりあえず頭痛薬の服用で、頭痛が軽減するから頭痛薬が原因とは思わないのです。ステロイド剤(副腎皮質ホルモン剤)の塗り薬でも同様のことが起こります。皮膚炎に使用していたが治りが悪くなり、どんどん強い薬にシフト。これは、ステロイド外用剤が原因であるステロイド皮膚炎、ステロイドざ瘡の可能性があります。皮膚炎にしろざ瘡にしろ、ステロイド外用剤の使用で少し良くなるので、ステロイド剤が原因なんて思いもしないのでしょう。
飲み合わせの問題も注意が必要です。ワーファリンと納豆・クロレラ・青汁、アダラートとグレープフルーツジュース、等々です。アルコールと一緒に薬を飲むと危険なのは、アルコールも薬の一種だからですね。
体質や基礎疾患の問題もあります。卵など食物アレルギーや薬物アレルギーの人は注意が必要です。肝臓や腎臓に障害がある人も、特に注意が必要。薬を無毒化、体外へ放出するのは主に肝臓や腎臓です。
名前が違うが成分は一緒というケースもあります。皮膚炎のために、皮膚科からメキタジン錠をもらい、花粉症の時期、耳鼻科からゼスラン錠をもらったとします。メキタジン錠はジェネリック医薬品、ゼスラン錠は先発品。同じ成分です!
使用目的、成分が違っても同じような副作用を持つ薬にも注意が必要です。心療内科から安定剤を、肩こりがひどく整形より筋肉の緊張を緩める薬をもらったとします。この組み合わせで、眠気や便秘、むくみや倦怠感が出やすくなるので注意が必要です。
多剤服用にリスクはつきものです。二種類以上の薬を併用すると、薬の副作用が強くなりすぎたり、効果が落ちたりすることがあります。しかし、多剤服用をした方が良い場合もあります。安定した効果を発揮させるため、同じ目的の薬を2種類以上使うこともあるのです。大きな荷物を大男が一人で持つのと、力が弱い人3人くらいで持つのでは安定感が違いますよね?
最近は過量服薬が問題となっております。薬は食べ物ではないので、多く摂れば良い、と言うものでは無いのです。沢山飲みすぎては、悪い方向に働いてしまいます。薬は必要最小限の使用が理想。何の問題も無ければ、薬は体には不要な異物です。
サプリメント、健康食品でも注意が必要です。例えば、カルシウム含有サプリメントを摂取していた人が、骨粗鬆症と言われ整形から骨を丈夫にするためにビタミンD製剤を貰い服用し、口渇、吐き気、ぼんやり感で救急外来受診となったケースがあります。血液中のカルシウムが異常に増えた事が原因ですね。
ジェネリック医薬品は、先発品と同じ有効成分を同じ量含んでおり、先発品と同等の効能や効果が得られると認められるております。「ジェネリック医薬品は特許が切れた薬」で「同じ効果を得ることができる」とは言われますが、これらは一部真実であり、一部ウソです。ジェネリック医薬品は完全に特許が切れたわけではないからです。特許が切れたのは物質特許であり薬の本体。つまり、有効成分そのものです。しかし、製剤特許や製造特許が切れていなければ、同じような添加物を加えることができないし、製造の仕方も全く同じとは限らないのてす。添加物が変われば薬がどのように溶けていくか、どれくらいの速度で吸収されていくかが変わってしまいます。「これが俺のラーメンの材料だ」と名店の親父が具材を用意しても、作り方がわからないので、同じ味の出るラーメンを作るのは不可能です。
最近、オーソライズドジェネリック(AG)が登場しました。先発医薬品と全く同じ有効成分の医薬品を特許の切れる前からジェネリック医薬品として発売した後発品です。ジェネリック医薬品メーカーの利点としては、特許切れの前から半年(180日間)の独占販売が出来る、つまり他のジェネリック医薬品に先駆けて発売できることにあります。先発医薬品メーカーの利点としては、1社とオーソライズドジェネリックの契約をしておき、利益を確保出来る、他社ジェネリックメーカーにシェアを奪われるよりはマシ、と言う事ですね。そして、オーソライズドジェネリック(AG)の中には先発医薬品の名前を変えただけ、つまり成分、添加物、製造方法全く同じという製品も存在します。詳しくはかかりつけ薬剤師にお聞き下さい。
今月の市民講座は茨城弁で楽しくやりました。
花粉症とは、「花粉が原因で起こるアレルギー」を指します。これら花粉症の主な症状としては、「くしゃみ、鼻水、鼻づまり、眼のかゆみ」の四つが有名ですね。しかし、人によっては身体のかゆみ、耳の中のかゆみ、喉の痛みやムズムズ感、咳や喘息症状、発熱、倦怠感、胸焼け、ゲップ、下痢、肝機能値上昇など多彩です。発熱と言っても37.5℃くらいまででしょうし、肝機能値上昇も因果関係ははっきりしませんが、理屈上あり得ることではあります。そして、花粉の飛散が多いほど、症状が悪化します。
花粉の飛散時期ですが、スギ花粉の場合は2月~5月となっています。今は晩秋から年末にかけても、多くはないのですが飛散することが知られるようになりました。日本人の花粉症はスギ花粉によるものが多く、2月~5月が花粉症の季節であると言われています。しかし、花粉症はスギ花粉以外でも起こります。スギから少し遅れてヒノキ花粉の飛散が始まりますが、スギ花粉症の約7割もの人がヒノキの花粉にも反応すると考えられています。また、北海道ではスギ・ヒノキ花粉が少ないのに対し、シラカバによる花粉症患者がいます。本州でも、年始からカバノキの仲間による花粉症の症状が見られる人も増えています。夏から秋にかけてはイネやヨモギによる花粉症もあります。そのため、花粉症は春のみに発症する疾患ではありません。多くの花粉にアレルギーがあると、治る頃にまた症状が出ると言う事を繰り返し、通年性鼻炎となる人も増えております。スギ花粉の飛散時期は、暖冬の影響もあり、年々早くなっているような印象もあります。
花粉症発症の要因としては、三つ考えられます。一つ目は遺伝的要因です。患者さん自身が花粉症を起こしやすい遺伝体質であることが考えられます。二つ目に原因植物があります。花粉を飛散させる原因植物によって花粉症が引き起こされます。日本では、スギやヒノキの花粉が有名です。三つ目に生活環境が考えられます。ストレスや疲労、不規則な生活などは花粉症悪化の要因となっています。これらの要因が積み重なっていった結果、花粉症を発症します。
花粉症になるには、初めにのどや鼻から花粉が侵入する必要があります。侵入した花粉に対して、リンパ球が花粉を異物として認識します。花粉を認識したリンパ球はその後、IgE 抗体を産生します。リンパ球によって産生されたIgE 抗体と肥満細胞が結合すると、花粉症の症状が表れる環境となります。この状態で再び花粉が侵入すると、肥満細胞からヒスタミンなどの化学物質が放出されます。これにより、くしゃみや鼻水・涙などによって花粉を外に排出しようとします。また、鼻を詰まらせることで、花粉を中に入れないようにします。
対策としては、花粉の暴露を避ける事が大切です。そこで、外出時の花粉症対策です。一つ目に、マスクやメガネを着用すること。着用するマスクとしては、花粉をブロックし、呼吸しやすいものが理想です。二つ目に、表面が滑らかな素材の服装。これは、滑らかな素材であると花粉が付着しにくいためです。そのため、ウール素材などは避けた方が良いでしょう。花粉を防ぐために、帽子なども有効です。三つ目に、花粉情報のチェックがあります。これらの情報をもとに、日中活動の参考にする、花粉の多い場所を避けるなどの参考にします。通常のマスク、メガネを着用した状態であると、マスク・メガネなしの状態に比べて鼻の中の花粉数は約1/3 に、結膜上の花粉数は約1/2 となります。花粉症用のマスク・メガネであると、鼻の中の花粉数を約1/6 に、結膜上の花粉数は約1/3 に減らすことができます。
そして、家の中で行う花粉症対策です。一つ目、帰宅後は花粉を払います。これは、衣服や髪についた花粉を除去するためです。洗顔やうがいなども有効です。二つ目、こまめな掃除。これによって、家の中の花粉を除去することができます。花粉の他にも、塵やダニの除去にも役立ちます。三つ目、日中の窓や戸の開閉を少なくします。これは花粉を家の中に入れないためです。特に花粉量の多い日は気をつける必要があります。
しかし、余りにも神経質になるとそれ自体がストレスとなり、かえって心身ともに脆弱な身体となる可能性もあります。いつまで経っても花粉に慣れません。何でも「ホドホド」ですね。
花粉症で使用される主な薬としては、抗ヒスタミン薬、化学伝達物質遊離抑制薬、抗ロイコトリエン薬、鼻噴霧用ステロイド薬などがあります。これらの薬は「花粉症の症状」によっても使い分けることができます。くしゃみ・鼻汁型の花粉症であれば、主に抗ヒスタミン薬や化学伝達物質遊離抑制薬、鼻噴霧用ステロイド薬が使用されます。鼻閉型の花粉症であれば主に抗ロイコトリエン薬や鼻噴霧用ステロイド薬が使用されます。これら花粉症の薬物療法として行うべき最も重要な事柄に「早期治療」があります。治療を早くから行うメリットとして、花粉症の重症化を防ぐことがあります。花粉症の初期では、鼻粘膜の炎症が進んでいません。この段階で炎症を早く鎮めておくと、重症化を回避する可能性が高まります。
花粉症では抗ヒスタミン薬が多用されます。しかしながら、抗ヒスタミン薬の副作用として眠気があります。つまり、抗ヒスタミン薬によって集中力や判断力・作業効率の低下を招く恐れがあります。このように、花粉症の薬の副作用によって「運転」、「スポーツ」、「勉強」、「パソコン作業」など、気づかないうちに日常生活のパフォーマンス低下を招くことがあります。これを、「インペアード・パフォーマンス」といいます。
花粉症の治療法として、手術療法があります。現在行われている主な手術療法はレーザー治療です。これは、鼻粘膜を変性させることで鼻づまり・くしゃみなどの症状を改善します。レーザー治療の特徴ですが、治療時間が30 分程度と短く、保険適応も可能なため、患者さんは3 割負担で実施することができます。治療後はしばらく症状が強くなることもありますが、2週間程度で症状は改善されます。ただし、粘膜は再生するので、花粉症が完治するわけではありません。平均して2年間は効果が持続するといわれています。
花粉症の根本治療としは、減感作療法があります。減感作療法は、花粉抗原を防御する免疫を獲得させることで花粉症を治療します。より簡単に言えば、「花粉に慣れさせる」となります。治療法としては、花粉の抽出エキスを取り入れ、花粉症を治療します。減感作療法が行われ始めた頃、治療法としては「花粉エキスの注射」が基本でした。現在では、注射をしない減感作療法として「舌下に花粉エキスを染み込ませることで免疫を得る舌下減感作療法」が期待されています。「注射の場合と同じように花粉症が完治する人もいる」ことが、この治療法の大きな特徴です。なお、医学的に治療効果・安全性が証明されている治療法ではありますが、効果がない人は約30%います。人によっては根本治療が可能な治療であるので、期待はされています。
漢方薬は大変良く効きますが、人によって使う漢方薬は変わります。合わなければ、いくら続けても無駄です。漢方薬に詳しいところで相談することが大切です。
このように色々な治療がありますが、これ以外にも多くの方法が考えられます。どの方法にするかは、生活環境、花粉症の程度、持病、体質、年齢、性格などで変わります。「受診する暇はない、症状が出てしまったので市販薬で良い」「早めに受診して薬を処方してもらう」「自分に合った漢方薬を試す」「予防だけで頑張る」「そんなことを言っていたら地球に住めない、マスクもメガネもいらない、もちろん薬も不要、ありのままで行く」等々。人それぞれですね。雑誌やテレビでも花粉症については取り上げられますが、どんなテレビや雑誌の内容でも「あなたにとって、最適な方法」とは限りません。よく相談する姿勢が大切なのです。
そして、何よりきちんとした生活習慣を守る事が大切です。きちんとした食事、質・量ともに良好な睡眠、適度な運動は基本です。ストレス社会だがら睡眠は大切です。運動不足も問題です。強いストレスを感じるほど運動する必要は無いのですが、弱い身体はアレルギー反応が強く出ます。そして 身体は食物から作られています。バランスの悪い食事は、バランスの悪い身体をつくることになります。
花粉症だからといって原因を調べ、その時期は一切外に出ないなど、異常に神経質になることは良くないでしょう。花粉症の程度にも寄りますが、おおらかな気持ち、ゆったりした生活が大切でしょうね。
脂肪は、代謝されてエネルギー源となり、また分解されて生成した脂肪酸は細胞膜などに取り込まれ、細胞を造ります。取り入れられた脂肪酸自体は、それぞれの構造や性質を保ったまま使われます。細胞膜をつくるとき脂肪酸の違いを区別せず、そこにあるものを使用するのです。その結果、食事中の脂肪酸の種類によって細胞の性質も変わってきます。細胞膜の脂肪酸から作られるプロスタグランジンやロイコトリエンなど化学伝達物質の種類も違ってきて、炎症やアレルギー反応や発がんに影響することが明らかになっています。常温で液体のあぶらを油(oil)、個体のあぶらを脂(fat)、両方を総称して油脂と言います。ほとんどの植物性油や魚油は常温で液体です。多くの陸上動物(牛脂、豚脂、人間の脂肪など)と熱帯植物(ヤシ油、パーム油、ココアバターなど)のあぶらは常温で個体の脂ですね。食べた脂肪は、グリセリン1分子と脂肪酸3分子に分解(消化)されて腸から吸収され肝臓で再び脂肪に組み立てられます。二重結合をもつ不飽和脂肪酸の多い脂肪は常温で液状です。飽和脂肪酸になると固まりやすいです。固まりやすい脂肪を多く摂取すると動脈硬化が起こりやすくなります。
リノール酸のようなω6系不飽和脂肪酸は血栓ができやすく、アレルギー反応を増悪、がんの発生頻度を高めます。ω6系不飽和脂肪酸を多く取り込んだがん細胞は増殖が早く転移をしやすくなります。魚油に多く含まれるドコサヘキサエン酸(DHA)やエイコサペンタエン酸(EPA)のようなω3不飽和脂肪酸を多く摂取すると炎症やアレルギーを抑え、血栓の形成や動脈硬化やがん細胞の発育を抑えます。
また、DHAやEPAを多く摂取するとがん細胞が抗がん剤で死にやすくなります。その理由は、食事から摂取されたω3不飽和脂肪酸ががん細胞の膜の脂質組成を変えることによって細胞シグナル系に影響して増殖を抑えるからと言われています。
プロスタグランジンE2(PGE2)と言う生理活性物質がありますが、これは細胞の増殖や運動を活発にしたり、細胞死を起こりにくくする生理作用があるため、がん細胞の増殖や転移を促進してしまいます。PGE2はω6系不飽和脂肪酸のリノール酸から合成されます。DHAなどのω3系不飽和脂肪酸はPGE2が体内で増えるのを抑えます。一般的に、DHAやEPAのようなω3系脂肪酸はがんの発育を抑制し、アラキドン酸のようなω6系脂肪酸はがんの発育を促進します。もちろん、どちらも必要なのですが、摂取するω3系脂肪酸とω6系脂肪酸の比が腫瘍の発育に影響するのです。摂り方の問題ですね。肉類にはアラキドン酸が含まれているので、肉を多く食べる人はがんになる危険が高いです。リノール酸そのものは体に必須な物質なのですが、大豆や米など植物性食品のほとんどに含まれているので、どうしても過剰摂取になりがちです。したがって、肉の替わりに魚を食べる回数を増やせば、がん細胞の増殖や血管新生を促進するPGE2ができにくくなって、がん増殖や再発を抑えることができます。
毎日魚を食べる習慣にしておけば必要量は摂取できます。不飽和脂肪酸は酸化されやすいので、新鮮な魚を生か煮て食べるのが理想。フライや焼き魚にすると、EPAやDHAを損失するだけでなく、高度不飽和脂肪酸が酸素と反応すると過酸化脂質となって発がんを促進することになります。焼き魚の焼け焦げは発がん物質になり、フライは揚げ油のリノール酸を魚が吸収するという問題もあります。
膵臓がんの患者の多くは、診断後4ヶ月以内に体重が25%減少し、6ヶ月以内に死亡するケースが多いです。膵臓がんで体重が減るのは、悪液質という状態にあるからです。ω3系不飽和脂肪酸は、膵臓癌にも良いと言われています。
がん性悪液質とは、がん組織から産生される腫瘍壊死因子α(TNF-α)やプロスタグランジンなどの作用によって筋肉の分解が促進されたり食欲が低下することによって、体力が消耗していく病態です。栄養摂取が障害され、体力や抵抗力の低下が加速され、死を速めることになります。膵臓がん患者の85~90%は診断時にすでに悪液質の状態になっていると言われています。
自然界に存在するものには、多かれ少なかれ毒があります。ナスやトマト、ネギなど普段何気なく摂取する食材にもです。それは適量摂れば、身体に大変有益なのです。ホルミシス効果と言います。紫外線も放射線も、身体にとっては大切ですが、量が多いと問題ですね。このように全体のバランスを取りながら、体調を整える事は必須です。それは、すべてはバランスが崩れたことから始まっているからです。
体の中に大きながんがあるときには、がん細胞の増殖を抑える事を考えずに、免疫力を引きあげることだけを行うと、がんが進行したり病状が悪化する場合もあります。体力を補うサプリメントや体力を補うのみの漢方薬は癌の段階によっては逆効果となります。だから、「ソバ療法」も存在しました。有名な漢方の先生が「漢方薬はしっかり飲め!!、そして食事はソバだ!!余計なものは摂るな!!」と指導し、余命幾ばくも無い多くの末期癌患者を治療、延命、あるいは治癒させていました。もちろん、適切な漢方の選択も功を奏したのでしょうが、体調、体力、状況でやるべき事や使用するサプリメント、漢方薬は変えなくてはなりません。
温熱療法も昔から行われていますね。琵琶の葉療法と言って、びわの葉を敷き詰め、蒸し風呂のような状態で利用する、と言う方法もあります。また、玉川温泉はとても有名ですね。がん細胞は熱に弱く、41~43℃で死にやすくなります。しかし、我々もこの体温を持続したら、参ってしまいます。なので、宿泊して、身体に疲労をためない程度に何度も入るという湯治のスタイルを取るわけです。これは熱ショック蛋白の力により、免疫細胞の働きが強くなる事も考えられます。また、玉川温泉の場合は微量の放射線が出ており、これがミトコンドリアを活性化し、活性酸素を増やしてがん細胞を殲滅すると言われています。このミトコンドリアが活発になるのは癌にとっては大問題です。がん細胞のミトコンドリアはほとんど機能しておりません。正常なミトコンドリアを持つ細胞とがん細胞を融合させると、がん細胞は正常な細胞に変わっていくという研究データもあります。体内にあるミトコンドリアは体重の1割近くに達する、とも言われておりある意味最も大きな臓器です。微量な放射線がミトコンドリアを元気にする、と言うことは癌の治療には役立つのだろうと思います。しかし、温泉療法はそれ以上に、リラックスできる、心地よい、などの気持ちの問題がかなり大きいです(エピジェネティクス)。この事については、次回の講座で取り入れる予定です。
細胞は生きるために血中の糖分(ブドウ糖)を取り入れて、エネルギー(ATP)を産生します。通常は酸素を使いながらエネルギーを産生するのですが、がん細胞では酸素を使わない方法でのエネルギー産生が増加しています。解糖はグルコースがピルビン酸になる過程なのですが、この後ピルビン酸は酸素の供給がある状態ではミトコンドリア内に取り込まれて、効率よくエネルギーの産生が行われます。しかし、酸素の供給が充分でないとピルビン酸は細胞質で乳酸に変わります。とりあえずのエネルギー産生法ですね。運動をして筋肉細胞に乳酸が貯まるのは、酸素の供給が追いつかず不足してしまうからなのです。ミトコンドリアが活躍しません。「ワールブルブ効果」とはがん細胞のエネルギー産生や物質代謝の特徴であり「がん細胞では酸素が充分にある状況でも、ミトコンドリアでのエネルギー(ATP)産生機能が抑制され、酸素を使わないエネルギー(ATP)産生機能が亢進している」という現象です。この考え方で「がん細胞が増殖するために必要な脂肪酸やアミノ酸などの合成量を増やすことができる」、「血管が乏しい低酸素状況でも増殖できる」、「ミトコンドリアの働きを抑制すると細胞死が起こりにくい」、などのがん細胞の生存と増殖に有利になることが明らかになっています。がん細胞がグルコース(ブドウ糖)を大量に消費することは良く知られています。がん細胞を検出するPET検査は、がん細胞がグルコース(ブドウ糖)を正常細胞よりも大量に消費する現象を利用しています。
細胞は生まれては死に、を繰り返し正常状態を維持しますが、がん細胞では、寿命が来て自ら死を迎えると言うを起こりにくくするために、あえてミトコンドリアでの機能を抑制するメカニズムが働いているということになります。この自らの細胞死を起こりにくくするためにミトコンドリアの働きを抑え、必要なエネルギーを差酸素を使わずにエネルギー(ATP)を作る方法に依存している、と解釈できるのです。
癌に関する市民講座3回目です。これまでの続きとなります。
大きくなったがん組織は、様々な変異をもった多様ながん細胞から構成されています。動物実験ではマウスの移植腫瘍のモデルが多く使用されており、これは便利であること、操作が簡単、腫瘍の大きさも簡単に測れる、などの理由によります。しかし、人間のがん細胞では遺伝子変異が次から次に発生します。人間のがん細胞は極めて複雑な遺伝子変異をもっているのです。ですので、人間のがん治療では転移するがんを治療しなければならないわけです。
多くのがんは、診断されたときには、ぶどうの実ほどの大きさといわれ、その中には数十億個のがん細胞が存在します。一部のがん細胞は原発巣から離れて、血液やリンパの流れに乗って全身に転移します。この転移が多くのがん患者の死亡原因となってしまうのです。製薬企業も研究者もがんの死亡の直接原因である転移のメカニズムの解明や、転移を防ぐ薬の開発は困難であることを充分に知ってはいます。なので、腫瘍の縮小にこだわります。そして、腫瘍の縮小で効果の判定がなされ、新薬が登場します。腫瘍サイズの縮小が奏功率であり、それが50%以下にならないと有効と判断されないのです。生活の質が改善されたり、腫瘍の大きさが変わらないでいるというような薬剤があったとしても、今の基準では無効です。治療薬にはなりません。また、腫瘍の縮小率は生存期間の延長とはそれほど関係はない、ということは研究、開発者の間では良く知られています。それは一番の問題が突然変異を起こしながら増殖、転移を繰り返すというところにあるからです。これまで、抗がん剤の効果を判定するのに主として、がんの消失・縮小の度合いが使われていましたが、その判定基準で奏功率が高いとされた抗がん剤が良い、という考えには多くの疑問も出されています。
がんの予防には、食事や生活習慣の改善によってがんにならないようにする第1次予防、早期発見・早期治療によってがん死を免れる第2次予防、がんの治療後に再発を予防する第3次予防があります。野菜や果物の豊富な食生活や、禁煙や適度な運動などで、がんの発生の3分の2は予防できると考えられています。そして、免疫が正常である限り、私たちの体の中では、「治療を一切受けることなく、常にがんが治っている」のです。なぜなら、私たちの身体では、常にがん細胞はたくさん発生しているからです。自分の力で治しているのです。このような「自己治癒力」を最大限利用することは大切です。全身の栄養状態や血行を改善し、新陳代謝や恒常性維持機能を高めて免疫力や抗酸化力などの防御システムを最大限活用すれば、自己治癒力が働いてがんの発生を予防することも、がん細胞を減らしていくことも可能です。そして、たとえ同じ病気の人の10%にしか効果のないものでも、効いた人にとっては有効な治療法なのです。
感染症には「病原菌」、「感染経路」、「感受性宿主」と三つの成立要因があり、どれか一つでも防げば感染症に罹りません。感染症の原因となる病原菌ですが、病原菌の種類によっては特徴が異なります。例えば、感染経路を見てもインフルエンザは飛沫感染、結核菌は空気感染、ノロウイルスは接触感染です。そのため、感染症によって予防策が異なって来ます。予防としては、うがい・手洗い、マスク、消毒薬があります。このとき、予防したい感染症によってマスクを使い分ける必要があります。
話は変わりますが、冬と言えば温泉。そして、温泉と言えば、注意しなくてはならないのがレジオネラ感染症です。レジオネラ症は、重症化傾向の強い「レジオネラ肺炎」とインフルエンザに似た症状の「ポンティアック熱」の2 つに分けられます。生物膜とは浴室の壁面や配管等で発生する「ぬめり」のこと。微生物が作りだした粘液性の物質で形成されており、ぬめりが発生した箇所は細菌等が増えてしまった状態であることを意味します。入浴施設では水が温かく、入浴者のアカ等により有機物が豊富な場合が多いことから、清掃や消毒等が不十分であるとすぐにぬめりが形成されてしまいます。生物膜はその名が示すとおり、表面に膜ができており、この膜が消毒剤等から生物膜の内側にいるレジオネラ属菌を守っています。生物膜内では、レジオネラ属菌はアメーバに寄生することにより、アメーバの体内で増殖を繰り返し、やがてアメーバを破壊して環境中に拡散されます。アメーバとは、レジオネラ属菌と同様に広く分布する原生生物(真核生物のうち動物・植物・菌類に属さない総称)の一種。主に細菌類を栄養源として捕食します。
レジオネラ肺炎とは、レジオネラ菌という細菌が引き起こす肺炎のこと。エアロゾルという目に見えない水しぶきと一緒にレジオネラ菌を肺へ吸いこんでしまうことでかかります。免疫力が低下していると重症化しやすいと言われています。菌をもらってから、2~10日ほどで症状が出ることが知られており、治療は抗菌薬で、治療期間は通常、7~14日間です。
次に、病原体・感染経路への対策として消毒薬を紹介します。一般細菌に対しては全ての消毒薬で有効です。ただし、MRSA や結核菌、ウイルスなど特殊な病原菌に関しては、それぞれに対応した消毒薬を使用する必要があります。また、次亜塩素酸ナトリウムは金属腐食性をもつため、金属の殺菌には使いません。他にも消毒用エタノールであれば、刺激性があるため粘膜には使用できません。このように、金属に使用するのか非金属に使用するのか、また床や壁などの環境の消毒か、人体に使用したいのかなどによって使い分ける必要があります。また、病原菌によっては、消毒薬を使い分ける必要があります。インフルエンザであれば、消毒用アルコールやイソプロパノール、ポピドンヨードなどがあります。ノロウイルスの消毒であれば次亜塩素酸ナトリウムが多用されます。
新型コロナウイルスは世界中に多大な影響を与えました。しかし、このようなケースは珍しくなく、今後も多くが想定されています。中でも、深刻な状態に陥ると考えられているのは強毒性の新型インフルエンザH5N1型です。
鳥インフルエンザと言う言葉は聞いたことがあると思います。鳥に発生しただけで、その地域全体の鶏が殺処分となります。何故、こんなに大騒ぎになるのでしょうか?それは、これが人への感染能力を持ち、人から人への感染が始まれば、とんでもないパンデミックになることが予想されるからです。
インフルエンザウイルスの種類には、A 型、B 型、C 型の三種類があります。毎年流行を起こすウイルスはA 型とB 型で、中でもパンでミックを起こすウイルスはA 型のみです。そして、このA 型はヒト、鳥、豚、馬など多くの哺乳類に感染します。
A 型におけるHA とNA の種類にはA:16種類、NA:9種類があります。HA(ヘマグルチニン)やNA(ノイラミニダーゼ)はウイルスの構造から由来します。A 型インフルエンザウイルスの種類はこのHA とNA の型によって決定され、例えば3型のHA、2型のNAの場合はH3N2のウイルスというように呼ばれます。
人に感染する種類はHAは1~3 、NAは1~2の亜型までです。しかし、鳥に感染する種類はHAは16種類すべて、NAも9種類すべてです。例えば、鳥インフルエンザのH5N1がヒトからヒトへ感染したとします。5型のHA はヒトがこれまでに経験した事ないウイルスですので、大流行(パンデミック発生)となります。
過去に起こったインフルエンザによるパンデミックとしては、スペイン風邪(1918 年、H1N1型、世界で4000 万人が死亡(当時の世界人口約18 億人))、アジア風邪(1957年、H2N2型、世界で200 万人が死亡)、香港風邪(1968年、H3N2型、世界で100 万人が死亡)などが知られています。
かなり前になりますが、三浦友和さん主演での新型インフルエンザに対してのドラマがありました。新型コロナウイルスパンデミックを経験した今では、決して大げさではないことがわかります。
https://www.youtube.com/watch?v=-t_Z-oeioUc
NHKが制作し国民に新型インフルエンザについて周知しようとしたのだと思われますが、視聴率は今ひとつだったようです。
現在、世界的に警戒されているのは、新型インフルエンザの中でも、最強毒性のH5N1型です。現時点では感染した場合、50%以上の死亡率で推移しているようです。
温暖化の影響は色々なところで見られます。まずは、水問題。地球温暖化が進むと地球の気候が変動するとされています。雨の降水量が減少して干ばつとなり、雨の頻度が増えるなどでは、降水量が増加します。地球温暖化によって海水の体積が膨張し、海面の上昇が起こります。北極海などの氷以外にも、グリーンランドなどの氷床が溶けた水も海面上昇の原因となります。
そして、生態系への問題。これまで、地球上の35億年の生物の歴史の中で5回大絶滅があり、6回目は私たち人間によって絶滅が起きると危惧されています。これまでの絶滅は自然現象によるもので、数百万年かけて徐々に絶滅してきました。絶滅速度は1年あたり10〜100種です。それが現在は、1年間に約4万種の生物が絶滅していると言われています。今の絶滅速度では新しい生物へと進化する時間もなく、生物多様性の崩壊が進みます。また、二酸化炭素濃度の上昇による海洋酸性化が問題となっています。生物の殻や骨格になる炭酸カルシウム生成を妨害するため、海洋生物に影響が出ています。海水温の上昇によりサンゴの白化が進みます。淡水や土砂の流入など環境ストレスも原因となっています。白化が長期間続くと死滅します。
農業にも多大な問題を引き起こしています。気温が上昇することで収穫量が増加する地域と減少する地域が出て来ます。気温上昇が大きいと、登熟期間の短縮や高温障害などが起こり、作物生産性が減少します。低緯度域などの元々気温が高い地域では、気温が1~2度上昇しただけでこのような影響を受けます。気温の上昇が大きいと、基本的に作物の収穫量は減少します。水資源が不安定になる地域が発生することも相まって、今後の農業への影響が懸念されます。
自然災害も問題となります。特に台風の発生や大型化の原因の一つには地球温暖化が関係していると言われています。まず、多くの湿気を取り込みながら上昇し、雲が積み重なり勢力を増していくことで台風まで発達します。台風の中心は遠心力により湿った空気がないため、晴れ間が出来ます。地球温暖化が進んだ世界では、強い熱帯低気圧が増加する可能性が高いです。
温暖化にストップをかけるためには、食品ロスの削減や野菜を増やした食生活は重要となります。特に食品ロスは2016年度の推計で643万トン!です。その運搬や廃棄に多くの二酸化炭素が発生します。食品の元となる食材の生産にも二酸化炭素の発生が関わっています。食品ロスを抑えることで、食材を過剰に生産する必要がなくなり、運搬や廃棄での排出量も削減することが出来ます。食材の生産時の二酸化炭素排出量は、野菜よりも畜産のほうが多くなります。そのような観点から、野菜を増やした食生活を意識することも脱炭素ライフスタイルとなります。
結論から言うと、3つとも依存が形成されやすい。酒は飲みすぎで心身に害が出るしアルコール依存症も多い。タバコも体に対しては何も良いことはないどころか、タバコの煙は回りに居る人の健康もむしばむ。依存も形成され、止めるのには大変な努力を必要とすることが多い。では大麻はどうか?
最近、合法だが大麻類似成分の入ったグミを摂取し健康被害の現れたというニュースが流れた。合法で大麻より全く安全なグミで健康被害が出ているのである。そして、このグミの価格は7000~8000円、5粒で5000円等という価格だ。一般的にこの価格では購入する人は少ないと思われるが、愛用者は日なりの数に上る。つまり、このような人たちには依存が形成されている、と言うことだろう。*大麻類似成分の入ったグミは令和5年12月2日より、指定薬物となり流通が禁止されました。
違法薬物として取り締まられている大麻の問題成分がTHC(テトラヒドロカンナビノール)。このグミの主成分はHHCH(ヘキサヒドロカンナビノール)。この成分と似ているTHCH(テトラヒドロカンナビヘキソール)は、違法薬物のTHC(テトラヒドロカンナビノール)の約33倍の効果が得られると言われているが、もし、そうだとしたら規制対象にならないのも変な話だ。いずれにせよ、現時点で合法と言われているHHCH入りグミを使ってこの騒動、違法である大麻を使用して問題が無いはずは無い。上の図は実例だ。
本当の心地よさは「努力して得られるもの」だ。すぐにモノに頼ることで心地よさを求めると言う、安易な姿勢が問題なのだ。実話で示したように、たった1回の大麻の使用で人生を台無しにしてしまうのだ。他の国がそうだから、みんながそうだから、と他者依存的な姿勢は改めなくてはならない。
巨大地震にはS波とP波があります。震度計ではまず、P波が記録され、その後揺れの大きなS波が記録されます。大きな地震が来ると、最初に「カタカタ」と少し揺れ、その後「ぐらぐら」と大きな揺れが発生しますが、その「カタカタ」がP波で、大きな被害をもたらす「ぐらぐら」がS波の正体です。また、地震の前に遠くから「地響き」のような音を感じることがあるが、それもP波によるものです。
P波とS波の速度の差を利用して、先に到達する「P波」を全国の地震計で先に捉えることで、後から来る「S波」の到達時間及び予想震度を計算することが出来ます。その計算結果を地震が来る前に(S波が来る前に)、お知らせするシステムが今話題の気象庁の緊急地震速報です。緊急地震速報はいわゆる「地震予知」ではありません。地震の発生前に出されるわけではなく、地震発生後に速いスピードでやってくるP波(グラッ)と遅いスピードでやってくるS波(ユサユサ!)の時間差を利用して、警報を出します。これが緊急地震速報の仕組みです。震源が陸地に近くてP波とS波の到達時間の差が小さい場合、大きな揺れが来た後に緊急地震速報が出されるケースもあります。地震は大きく以下の3種類に分けられます。
①海溝型地震
海洋プレートと大陸プレートがぶつかると、厚くて重い海洋プレートが大陸プレートの下に潜り込む⇒大陸プレートの先端が徐々に引き込まれ、両プレートの間にひずみが蓄積⇒大陸プレートがひずみに耐えられなくなると、引きずりこまれていた部分が元に戻ろうとする。この時に放出される巨大なエネルギーによって起こる地震が「海溝型地震」。小さな縦揺れの後に大きな横揺れが起こることが多く、数分間に渡って揺れが続く。地震の規模が大きい。
②断層型地震
プレート内の断層で発生する地震。地下深くの岩盤には、たくさんの割れ目があるが、通常はかみ合っている。しかし、プレート移動によって大きな力が加わることで、再び壊れて上下や水平方向にずれが生じることがある。この時の衝撃が揺れとして地面に伝わったものが「断層型地震」。断層型地震は、「直下型地震」。「内陸型地震」と呼ばれることもある。断層型地震は、突き上げるような縦揺れと揺れる時間が比較的短いことが特徴。震源が浅い場合は、激しい揺れが家屋倒壊や土砂災害といった大きな被害をもたらす。
③火山性地震
地下のマグマの動きや熱水の活動、火山の噴火などによって、火山体やその周辺で発生する地震を「火山性地震」と呼ぶ。マグニチュード5以下の小さい地震が多く、揺れも震度1以下であることがほとんどだが、まれに大きな地震が発生することがある。
地震そのものの規模(大きさ)を示す単位を「マグニチュード」といいます。マグニチュードは直接観測することができないため、各地の揺れの大きさなどから推定されます。マグニチュードと震源から放射された地震波の総エネルギーとの間には、マグニチュードが1増えるとエネルギーは32倍になり、2増えると約1000倍になるという関係があります。したがって、東日本大震災(Mw9.0)は阪神淡路大震災(Mj7.3)のおよそ355倍のエネルギーになると考えらます。
震度は、ある場所での地震による揺れの強さを、人体の感覚や周囲の物体・構造物、さらには自然界への影響の程度から、いくつかの段階に分けて表したものです。日本では、全国の計測震度計で観測された震度を自動的に収集し、気象庁が地震発生直後に速報する体制を取っています。「気象庁震度階級」は0、1、2、3、4、5弱、5強、6弱、6強、7の10階級で表し、震度6強を超えるものはすべて震度7となります。
アウターライズ地震
アウターライズとは、陸から見て海溝の外側(アウター)にある隆起(ライズ)した地形のこと。海側のプレートが陸側のプレートの下に沈み込む際に海底がたわみ、盛り上がって形成されます。「海溝外縁隆起帯」とも呼ばれます。今までにもアウターライズ地震は、いくつも発生しています。東日本大震災の時にもアウターライズは発生しているとみらています。そのため、いずれアウターライズ地震は発生しますし、これに伴う災害が懸念されています。この地震が発生しても、陸地から離れているために震度は5程度くらいと想定されてはいますが、巨大地震に変わりは無く、東日本大震災級の津波に襲われる危険性があるとも言われています。
スロースリップ現象
スロースリップ現象は、ネーミングの通り「ゆっくりすべる」です。断層もゆっくりと動いて、地震の揺れを感じる地震波を放射せずにひずみエネルギーを解放する特異的な現象です。一気に跳ね上がり、巨大地震になるという事ではないのですが、エネルギーが蓄積されているために起こることには変わりがありません。エネルギーが溜まっているのは事実なので、これが巨大地震の可能性を示唆していることも考えられます。過去では海溝で巨大地震が発生した時に、「スロースリップ(ゆっくりすべり)」の現象が起こっています。
さて、地震というと津波や土砂災害の他に原子力災害があります。アルファ線、ベータ線、ガンマー線などが体に及ぼす影響が問題視されています。これらを放射線といい、これらを放出する物質が放射性物質ですね。そして、放射線を出す能力のことを放射能と言います。この能力をベクレルという単位で表します。これを人が受ける放射線被曝線量の単位としてシーベルトがあります。実際我々の体に対する影響としての数値がシーベルトですね。
原子力の事故初期にはヨウ素131という放射性物質が放出されます。そのために、図で示したとおり、ヨウ素剤の服用で放射性ヨウ素の取り込まれる確率が下がるので、原子力施設の周辺ではヨウ素が配られます。日本人は元々、ワカメや昆布などのヨウ素含有食材である海藻を多く摂取しているため、過剰な心配はしなくて良さそうです。インスタント製品ばかり摂っていれば、話は別ですが。
災害時には色々な情報が飛び交うと思われますが、いい加減な情報に振り回されないように気をつけたいものです。
混沌(カオス)から太極(万物の根源で陰陽の二元が生まれる)が生まれ、そこから五行が生み出されたと考えられています。「五行」の「行」は行いや働きを意味します。世界のすべての物事は、「五行」の中の何らかの性格に当てはまるという考えですね。
ここで重要な概念が「気」です。大学時代、漢方の授業で「気」とは何か説明せよ、と言う問題が出題されました。答えは、形が無くて働きがあるもの、です。最初、「気」の性格は一つでしたが、二つに分かれて「陰陽」となり、さらに五つに分かれて「五行」になったと考えらました。この「陰陽」や「五行」が、すべての存在の性格を決定していると考えられたのです。そして、積極的な性格の「気」が陽で、消極的な性格の「気」が陰とされました。自然界の秩序は、相反する陽と陰という二つの気が調和することによって保たれます。陰が無ければ陽は存在できません。これは、光「陽」と闇「陰」に例えるとわかりや椅子です。光だけでは、光っているのがわかりません。つまり陽と陰は、お互いに存在して初めて一つの要素に成りうるわけです。別の言い方をすれば、「陰」と「陽」と言う二極の間で振動する事で我々の住む現象界は成り立っている、と言う事になります。
「気」は性格、性質を与えるという表現をしましたが、ちょっと違うかも知れませんが、図を使いわかりやすく例えてみました。感情や心の動き、思考などは「気」と言う事になります。
人体も陰陽五行の理屈で説明できる訳ですが、そうすると感情や心の動き、思考などは人体形成には大きな影響を及ぼす、と言う事になります。まさににその通りで、これもたとえの話ですが、「生きている」=「人体の存続」とすれば、図の例ではまとわりつく「葉」が人体です。剥がれ落ちるばかりで全くまとわりつかなくなり、葉がなくなった状態が「死」です。生きている間には枯れ葉や生き生きとした葉がまとわりつきます。綺麗な葉、生き生きとした葉、枯れ葉等ですが、どのような葉を身につけるかは中心にいる「あなた」と言う存在の思考、感情等の心の動きに大きな影響を受けます。葉は常に、くっついては落ちていく、と言う事を繰り返しているので、どのような葉をくっつけるかは「あなた」次第、と言う事になります。
この二つの理論は全く違うように思えますが、根本的には同じだと思って良いでしょう。今回はガイア理論中心でのお話。単純に言えば、地球は生きている、と言う理論。つまり生命ですね。生命である以上、生きるためには多くの秩序が存在し、全ては過不足無くある必要があります。つまり、バランスがとれている事が重要になります。
我々も自然の一部である、と言う話を聞いた事がある人も多いでしょう。また、宇宙という言葉を使えば、大宇宙、に対して人体は小宇宙と表現される事もあります。宇宙も地球も人体も、絶妙なバランスで成り立っているのです。人体で言えば、増えすぎた物や本来存在しない悪影響のあるものは、解毒、或いは免疫などの攻撃を受け、消滅します。また、活性酸素や悪玉コレステロールなども生体維持には重要で、悪いとされるのはバランスの問題からですね。バランスが崩れた状態を我々は病気、と呼んでいます。
地球という生命体も環境というバランスを取りながら、美しさを維持しています。なので、環境が崩れそうになれば、その原因を是正、排除するような事がおこるかも知れません。対象が人類とならないようにしたいものですが、核兵器まで使うような人類は、もはや地球にとっては、強毒性の細菌やウイルス、或いはがん細胞かも知れないのです。地球環境との共存の道は何としても残さなくてはなりません。
人間が、内部からの崩壊で命を落とす以外に事故など外部の影響で命を落とす事があるように、地球も同様の事がおこる可能性はあります。内部環境の大きな崩れでも崩壊しますが、外的要因の影響も脅威となる事があるのです。存在の特定の難しいブラックホールや中性子星に食われる事もあります。ベテルギウスという遠方の恒星が爆発時に放つγ線が地球を向いていたら、地球上の生命絶滅になるかも知れません。最も近い恒星であるケンタルウス座α星(αケンタウリ:地球から4.3光年)が爆発しても、地球のオーラ(大気)は吹き飛ばされてしまいます。
このようなガイア理論は学者の間でも、賛否両論ですが、賛成だの反対だの論ずる以前に、私はこんな当たり前のことに何を言っているのか、と思ってしまいます。そもそも、人間は水を飲み空気を吸っている。植物も動物も外から得られる物です。皮膚も実は穴だらけで、空気の出入り、つまり皮膚呼吸をしています。だから、大やけどは皮膚呼吸が出来なくなり、生死に関わります。地球の重力が無ければ、人間は生きることが出来ません。大きすぎる重力では身体が持たず、軽すぎる重力は骨の形成をはじめとして多くの問題を身体に提示します。地球人には地球の重力が最も良いのです。我々は自然界と切っても切れません、つまり繋がっているのです。地球環境、自然の一部なのです、
話は変わるが、自然界全ての存在は原子で成り立っています。これは真ん中に陽子核があり、その周りを電子が回っています。原子核をピンポン球くらいとすれば、電子は塵やほこり。これがまるで太陽系のようにいくつかの電子が、原子核の周りを回っているのです。原子核をピンポン球と仮定して建物の真ん中に置くと、一番近い電子は3~4階建ての天井あたりを回っています。つまりピンポン球の周り、建物3~4階離れたところを塵が回っている、隙間だらけですね。膨大な数の原子が集まっているので隙間がないように見えるだけなのです。原子核は陽子と中性子になり、更に破壊すると、素粒子になります。電子も素粒子の一つですね。
つまり、生命は開放系なのです。我々は全身で空気を吸い、肉、野菜など外から必要なものを摂っています。米でも野菜でも、変換されて身体になっています。重力や自然光の配分がちょっと違っただけでも生きられません。我々は、絶妙のバランスの上で生きているのです。ですので、奇跡とも思える「今」を大切にしたいものですね。
地球の歴史を1日とすれば、文明誕生からは1分も経ってない。人生2回遡ったらもう、江戸時代です。人間の歴史は吹けば飛ぶようなレベル。大変脆弱でもろい。いつ無くなっても不思議では無い。だから大切にしなくてはならないのです。
陰陽五行説もガイア理論もその指し示す事は、バランスであり調和、、なのです。
夏になると食材に適した野草は、スベリヒユやアカザ・シロザなど限られてきます。どちらも、農家には嫌がられる雑草ですね。アカザ・シロザのおひたしは、ほうれん草より美味しいかも知れません。また、スベリヒユは多くの薬効を持つスーパーフードでもあります。他の果物や野菜よりも、ガンの成長を阻害する抗酸化物質のメラトニンを20倍以上を持っていると言われています。オメガ3不飽和脂肪酸も多く含まれます。魚油よりも高品質なオメガ3不飽和脂肪酸を含んでいるとも言われます。野菜や果物や豆類など植物性食品、精製度の低い穀物、魚油や紫蘇油や亜麻仁油に多く含まれるオメガ3不飽和脂肪酸は、がんの発生や再発を予防する効果があります。
野草には、免疫力を高める成分、活性酸素やフリーラジカルの害を防ぐ成分、発がん物質を不活性化する成分、がん細胞の増殖を抑える効果をもつ成分などが多く見つかっています。これらを摂取することでがんの発生や再発の予防につながると言われます。つまり、植物には、「免疫増強作用」「抗酸化作用」「解毒作用」「がん細胞増殖抑制作用」などのがん予防に役立つ成分が含まれるのです。これら薬効成分はファイト・ケミカル(phyto-chemical)と呼ばれます。Phytoは植物、chhemicalは化学を意味する言葉で、植物に含まれる化学成分の事です。多くの植物は、カビや細菌や昆虫などの外敵から自分を守るため、あるいは動物から食べられないようにするために大なり小なり毒を持っています。動けない植物の自衛策です。カビや細菌から守るために、天然の抗生物質に当たる成分も多いです。常に強い紫外線にさらされているため、天然の抗酸化物質も多くの種類が含まれます。まさに、野草は「宝の山」なのです。
抗がん剤の有効性の判断は、何よりも腫瘍サイズの縮小であり、縮小率が50%以下にならないと有効と判定されません。生活の質が改善されたり、何か月にも渡り腫瘍サイズが不変のような薬があったりしても、今の基準では無効とされます。治療薬になる可能性はゼロなのです。そのようなこともあり、今の基準では医薬品となれなくても、効果があり有用なものが沢山あるのです。
抗がん生薬と呼ばれるものには、白花蛇舌草・半枝蓮・蒲公英・紫根・ヨクイニン・紫イペーなど多くが存在します。腫瘍縮小率からは、化学薬品の抗がん剤の効果に及ばないのかも知れませんが、副作用が少なく、腫瘍の増殖を有意に抑制できるようなものは腫瘍の退縮にもつながります。腫瘍縮小率が0でも、がん細胞が休眠状態になれば延命効果は期待できます。もちろん、従来の抗がん剤の評価法では無効とされますが、このように別の視点から見れば、治療法としては極めて有用になるのです。
活性酸素やフリーラジカルが多く発生する、つまり酸化負荷が増大したり抗酸化力が低下すると、体内の細胞成分の酸化が進みます。つまり酸化ストレスの増大です。酸化ストレスか増大すると、細胞や組織の酸化障害を引き起こし、がんの発生や進展を促進する原因となります。また、腫瘍は血管新生が伴わないと増殖しません。一般に炎症反応は血管新生を促進することが知られています。慢性炎症状態は酸化ストレスを増大し、腫瘍組織の血管新生を促進することになります。抗炎症作用や抗酸化作用をもった植物は、酸化ストレスと血管新生を抑制してがんの発生を予防する効果が期待できます。植物には、毒性を示すアルカロイドだけでなく、抗酸化作用や免疫増強作用を有するフラボノイドやサポニンや多糖類など抗腫瘍効果を持っている成分が多く含まれます。利用することで、がん細胞の増殖を抑制する事は可能なのです。
癌の話第2部です。楽しく、わかりやすくを第一に最先端の医療まで解説しました。
癌医療に対しての進歩には、目を見張るものがあります。しかしながら、敵も去るもの、うまく、消滅してはくれません。相手は生命である以上、何とか攻撃から逃れよう、そして逆に反撃して自分たちの領域を増やそう、どんどん増えよう、そのために強くなろう、とします。戦争と同じなのです。
現在、手術療法、放射線治療、細胞障害性抗がん剤、ホルモン療法、分子標的薬による治療、免疫チェックポイント阻害薬(分子標的薬の一種)による治療、体外培養T細胞を用いた養子免疫療法、NK細胞補充療法、がんワクチン、樹状細胞療法等があります。なお、免疫チェックポイント阻害薬(分子標的薬の一種)による治療、体外培養T細胞を用いた養子免疫療法、NK細胞補充療法、がんワクチン、樹状細胞療法等は免疫療法と言われています。
どれも決定打になっていないのが現状で、また、どの治療法にもプラスの面とマイナスの面があります。また、これらの治療法には保険のきかないものもあります。良く説明を受けて納得して治療を受けることが大切です。
今や2人に1人がなると言われる癌。当薬局での市民講座でも引き続き「癌」の話はしていく予定です。
当たり前ですが、人間の身体は食べ物から出来てます。米や野菜、魚が消化されて我々の身体を作ります。これに生活習慣や気持ちのありようが作用して、良い身体、悪い身体が出来るのです。
また、食べ物が身体に吸収されていくためには、まず、「消化」が大切となります。その、最初の入り口が、口腔です。胃腸に対しての負担を軽減し、栄養吸収を良好にするためには、咀嚼・嚥下が大変重要となります。そして、重要な働きをする「主役」が「歯」ですね。よく噛む、と言う事が健康上大変重要ですが、そのためには丈夫な歯が必要です。丈夫な歯を維持すると言う事は、健康維持には必要不可欠なのです。
虫刺され、というとスズメバチ、そして毛虫に注意が必要ですが、あなどれないのは、マダニ、ツツガムシなど、ダニ類です。千葉県でツツガムシで亡くなった人がいる、また、千葉市のアパート裏の林でも普通にマダニは捕獲されている、という報道を見て正直ビックリしました。私の記憶では、マダニの生息地はは三国山脈を越えてない、しかし、群馬で初めて確認された、と言うところまででした。コロナウイルス騒動でかなり増加した、と言う報道も目にしました。理由はわかりませんが、これは大きな問題に発展しかねません。何しろ、こういったダニからの感染症は、新型コロナウイルスどころでは無い死亡率を誇ります。
最近、特に話題になっているのは、マダニから感染する「SFTS(重症熱性血小板減少症候群)」です。SFTSウイルスに感染すると、6日~2週間後に高熱・吐き気・腹痛・下痢・血便などの症状があらわれます。未だに根本的な治療法が確立しておらず、症状を抑える対症療法を行うしかないのです。SFTSについては直接マダニに刺されて発症するだけでなく、ペットから飼い主や獣医師が感染するケースが多数報告されています。感染したペットの体液には大量のウイルスが含まれており、それら排せつ物に何らかの形で接触することにより感染してしまうのです。
このほか、マダニが媒介する病気には、本州北部以北で多く見られるライム病、西日本中心にみられる日本紅斑熱などもあります。日本紅斑熱の感染報告が2021年過去最多を更新するなど、マダニが媒介する感染症にかかる人は増えており注意が必要です。ライム病は、マダニに刺されて10~14日ほどたってから、刺された部位に赤い大きな発疹が現れて広がります。そして、発熱や筋肉痛、関節痛などが現れます。日本紅斑熱は、マダニに刺されてから2~8日間の潜伏期を経て、全身に赤い発疹が出て、発熱、頭痛、倦たい感などが現れます。
マダニが皮膚に吸い付いている場合には、無理に取り除いてはいけません。皮膚にマダニの吸い口が残ってしまい、肉下種(にくげしゅ)と呼ばれるしこりができることがあります。無理に引きはがそうとすると、口の一部が体内に残り化膿することもあります。また、マダニの体を引きちぎるとウイルスがまき散らされ感染の可能性が高くなります。マダニに刺された場合には、そのまま皮膚科を受診して、マダニの吸い口が残らないように取り除いてもらう事が大切です。
ツツガムシ病はダニの一種ツツガムシによって媒介されます。患者さんは、汚染地域の草むらなどで、有毒ダニの幼虫に吸着され感染します。発熱、刺し口、発疹は主要3徴候とよばれ、およそ90%以上の患者さんにみられます。患者さんの多くは倦怠感、頭痛を訴えます。治療が遅れると致死率が高いです。
虫と言えば、もちろん蜂や毛虫にも注意が必要。感染症では無いですが、ハチに刺されることで、命に関わる場合があります。原因はハチ毒による「アナフィラキシーショック」です。アナフィラキシーショックとは、短時間に全身にあらわれる激しい急性のアレルギー反応です。1回目はスズメバチ、2回目はアシナガバチなどのように、1回目と2回目で刺したハチの種類が異なる場合でも、アナフィラキシーショックを起こすことがあるので注意が必要です。ハチは黒っぽいものに反応して襲う習性があるため、服やバックなどはできるだけ明るい色にしましょう。明るい色だとマダニやムカデなどの虫が付着しているのをみつけやすくなります。香水や整髪料は、虫を過剰に刺激したり引き寄せたりすることがあるので注意が必要です。ハチには、虫よけスプレーは効きません。ハチやハチの巣を発見したら、静かに離れてください。家の中に虫を持ち込まないよう家に入る前に服や持ち物に虫がついていないかチェックし、すぐに着替えます。子どもの場合は、体に虫がついていないかどうか、保護者がチェックしてあげましょう。
ディートやイカリジンに代表される虫除けスプレーも用途に合わせて上手く使い、予防に役立てましょう。虫に刺されたら、抗ヒスタミン剤やステロイド含有の外用薬を塗布したり、場合によっては内服薬を使用します。薬剤師に相談する、皮膚科受診する、等が大切です。
虫刺されからの感染症だけで無く、感染症は人類にとって永遠の戦いです。新型コロナウイルスのような新型ウイルスの登場もまだあるでしょう。このように感染症との戦いには終わりが無いのです。トップページや下記にもリンクを張りましたが、茨城県の感染症情報センターでは話題の感染症や流行り病情報も掲載されています。ご参考下さい。
紫外線、多くの人が聞いた事があるこの言葉、実はよくわかってない人がほとんどだと思います。光は波長の短い領域から長い領域に並べると、
γ線⇒X線⇒紫外線⇒可視光線(目で見える領域)⇒赤外線
となります。可視光泉より波長の短い領域は、直線的に進み、エネルギーは強くなります。巨大恒星が爆発すると、γ線を直線状に噴出しますが、その矛先が地球に向いていたら、生命は終焉を迎えると言う事もあります。オリオン座のベテルギウスは、一時γ線の矛先が地球を向いているのではないか、とドキドキハラハラでした。つまり、人類滅亡の危機だった訳です。しかし、矛先から20度ほどズレていた、人類は滅亡を免れた、とNASAは発表しました。
可視光より長波長側では、障害物に当たっても、そこを回り込むように進みます。私たちの体が温かいのも、赤外線が出ているから温かい、訳ですね。電波も可視光より長波長側で、人類は多くの恩恵を受けています。
話はそれましたが、紫外線は可視光より波長が短いです。この紫外線、人類が生きていくためには必要不可欠です。
人類発祥の地はアフリカ、との仮説があります。最初は体毛に覆われていました。この頃は、皮膚は白かった、しかし、進化と共に体毛が少なくなると、紫外線からの影響を遮断して、紫外線の害から身を守るためにメラニン色素が濃くなった訳です。人類が、赤道付近から両極に向け移動する、つまり紫外線の弱い地に移動すると、メラニン色素の強い濃い皮膚色では、今度は紫外線の恩恵を受けられなくなります。そのため、白い肌色に進化していった訳です。紫外線はビタミンDを身体で有効に使えるように変化させ、抵抗力を増強し、ガンを予防し強い身体を作ります。しかし、過度の紫外線は、ガンを引き起こす原因ともなります。つまり、紫外線の量の問題、メラニン色素と紫外線量のバランスの問題、と言う事になります。白人は紫外線でガンになるリスクが高く、黒人は紫外線でガンになるリスクはほとんどありません。人種差があるのです。
メラニン色素を作るのはメラノサイトという細胞。実は黒人だろうが白人だろうが、メラノサイトの数はほぼ同じ。つまり、メラノサイトがメラニンを作る能力が違うのです。そして、このメラニンを作るときには、活性酸素が重要となります。これが無いとメラニン色素が出来ず、大変な事になります。皮膚ガンにもなりやすくなります。しかし、活性酸素はガンを引き起こす、とも言われまた、がん細胞を破壊する、と言う事もやっています。ですので、これも量とバランスの問題、と言う事になりますね。
紫外線の功罪について述べましたが、やはり日焼けは気になるところ。日焼け止めを使うケースも多くなります。これも紫外線吸収剤や反射剤があり、それぞれ長所、短所があります。例えば、紫外線吸収剤よりも紫外線反射材の方が、身体に対する負担は低いのですが、テカりやすかったりしますね。また、紫外線防止剤の効果はSPF(Sun Protection Factor)やPA(Protection Grade of UV-A)という数値で表されます。SPFは主にUV-Bによるサンバーンを防ぐ効果を示す数値で、紫外線で皮膚に赤い斑点が現れるまでの時間を何倍に長くできるかを表したものです。PAは皮膚の黒化をSPFと同じ方法で測定したPFA(Sun Protection Factor of UV-A)という数値から求められます。UV-A防御効果の指標ですね。SPFやPAが高いということは紫外線防止効果が高いということですが、その分だけ皮膚への負担が大きくなります。ですので、使う時期や場所、時間を考慮して使い分ける事が、健康維持には大切なのです。日常の生活で使う日焼け止めは数値が低いものを選び、数値が高いものは海水浴、レジャー、屋外でスポーツをするときなどに使うようにする、などの使い分けですね。わからない事はきちんと聞く姿勢が大切です。
粉塵とは、大気中に浮遊する固体の粒子状物質の総称です。溶接作業等で発生するヒューム(気体での化学反応によって生じ、空気中に固体粒子となって浮遊するもの)も含まれます。また、ここ数年問題となっているPM2.5も粉塵で、粒径が2.5㎛以下(1㎛は1mの100万分の1)の粒子状物質です。
粉塵は無機物からなる「無機粉塵」と、有機物からなる「有機粉塵」に分けられ、一般的には「無機粉塵」により、「じん肺」などの健康障害が発生すると言われています。 シリカ(石英)、アスベスト(石綿)、滑石(タルク)、、セメント、カーボンブラック等があります。
しかし、有機粉塵によっても、アレルギーなど、人体側の要因によって健康障害を引き起こします。花粉、犬と猫の毛、カビの胞子、アスペルギルスの胞子、ハトの羽毛、ホコリタケ種の胞子などです。
粉塵の粒径(大きさ)によっても、健康障害の程度が変わって来ます。吸い込んだ粉塵は鼻腔や気管支の繊毛によって体外へ排出されますが、小さな粒子ほど排出されにくく、PM10以下(粒径が10μm以下)では呼吸器系への影響が大きいと言われています。
一般的には、粉塵を吸い込む量が増えると、健康への影響は大きくなりますが、粉塵の種類や大きさ、体質など、「化学的組成」「粒径」「人体側の要因」の三つの要因との関わりで健康障害の程度は変わってきます。
じん肺は、粉塵が肺に蓄積することによる肺疾患の総称で、一度なってしまうと、完治することができない恐ろしい疾病です。
黄砂とは、特に中国を中心とした東アジア内陸部の砂漠または乾燥地域、「タクラマカン砂漠」や「ゴビ砂漠」、「黄土高原」などの砂塵が強風を伴う砂塵嵐(砂嵐)などによって上空に巻き上げられ、春を中心に東アジアなどの広範囲に飛散し、地上に降り注ぐ気象現象。あるいは、この現象で飛散した砂自体のことです。雪や氷が解けて乾燥している、樹木がないといった条件下で発生しやすいです。
低気圧などによる強風が原因で、砂漠の土壌や鉱物粒子が舞い上がり、地上高くに舞った砂塵は、大きな粒子が重力で落下することで地面に衝突し、細かな砂塵をさらに巻き上げます。こうして発達した砂塵の雲が偏西風に乗り、日本にやって来ます。
ところで大気汚染の原因となるPM2.5とは何が違うのでしょうか?PM2.5とは、前述したように大気中に浮遊する非常に小さな粒子状物質を指します。「PM」とは粒子状物質を表す「Particulate Matter」を省略したもので、「2.5」とは粒子の大きさが直径2.5㎛(マイクロメートル)以下であることに由来してます。
PM2.5の原因となるのは、工場や車などから排出される煤煙(ばいえん)や粉塵。中国大陸から飛来するものだけでなく、日本国内で発生するものもあります。。
黄砂が飛来すると、呼吸器系疾患などの健康被害が起きる可能性が指摘されています。アトピー性皮膚炎やアレルギー性鼻炎、ぜんそくなどの症状が悪化するほか、健康な人でも咳やたんが出やすくなるという報告もあります。
一方、PM2.5も3月から5月にかけて濃度が高まり、黄砂と発生時期が重なりやすいです。春になると偏西風の中でもとくに強い風が吹き、中国大陸のPM2.5を日本まで運んでくるため、濃度が上がると考えられています。
黄砂で空がかすんでいる日は、外出時にマスクを付ける、外に洗濯物を干さない、窓を開ける場合は空気清浄機を使うなどの対策は必要でしょう。
日本に来る黄砂は4㎛程度の大きさが多いのですが、2.5㎛以下の微細な粒子も一部含まれています。PM2.5の粒子をカットしてくれるマスクや、サージカルマスクなどの使用も効果的です。
皆さんは、漢方薬と民間薬の違いをご存じでしょうか?どちらも、植物をはじめとした自然天然品が原料であるため、混同されている事も多いです。
大きな違いは、漢方的理論があるのか無いのか、個人に合わせた薬かその症状に対して使うのか、です。例えば、下痢をした、と言ったケースでは、民間薬ではゲンノショウコを使ったりしますが、漢方の場合水のような下痢か泥状下痢か、腹痛あるかないか、などでも漢方薬は違って来ます。
また、漢方には独特の理論があり、それに沿った使い方をしないものは漢方薬ではありません。ですので、お茶やお花と同じように「流派」もあります。漢方薬を使用するに当たっては、詳しいところで良く相談する必要があります。
アレルギーと言えば花粉症ですね。中でもスギ花粉アレルギーは今や国民病です。しかし、スギ花粉と似ているヒノキの花粉に反応したり、夏~秋の花粉に反応したり、また、年明けと共にカバノキにアレルギー反応を示したりと、結局、年間を通して花粉症状を呈している人は多いです。花粉症は花粉に対して行き過ぎた防衛反応を示した状態で、くしゃみや鼻水などの症状が表れるようになります。くしゃみによって吸い込んだ花粉を外に出し、鼻水によって鼻についた花粉を外に出します。また、鼻づまりによってそれ以上花粉が入ってこないようにするのです。
花粉以外でも、ダニの死骸や食物の塵などの混じったハウスダスト、或いは食物によるアレルギーなど多くの種類があります。このような疾患は、右肩上がりで増えています。
また、シックハウス症候群という名で呼び名で言われる、化学物質過敏症も増えています。これは従来のアレルギーとは少し違いますが、外部からの物質に対して過敏反応を示す、と言う点では同じですね。ですので、学校での環境検査の項目でも、ホルムアルデヒドなどの揮発性化学物質の測定が増えています。
環境の変化に対しても敏感に反応する人が増えていますね。気圧の変化で喘息発作、寒暖差で鼻炎発作やじんましん、皮膚のかゆみなどは以前より知られてましたが、これも右肩上がりで増えているのです。
原因として、花粉量が増えた、機密性が良く快適な移住空間がダニを増やした、生体にとっては異物である化学物質が増えた、環境の変化が大きくなっている、などが考えられますが、人間の身体が脆弱になったために、身体を守ろうとして防衛反応が強く出てしまった、人間の環境適応能力が低下して、大きすぎる、或いは早すぎる環境の変化について行けなくなった、なども考えられるでしょう。自然環境の変化が大きくなっているのは事実ですが、人間の生活環境も最近100年の間に大きく変わりました。長年かけて獲得した今の遺伝子発現はそんなに早く変われないのです。
アレルギーを克服するためには、強い身体、強い精神が重要だと考えられます。
癌は今や国民病、生活習慣病でもあります。国民の半分は癌になると言われますから。
異常に増殖してできた細胞の塊が「腫瘍」
人の細胞は増殖する機能をもっています。正常な場合は、必要以上には増えません。しかし、必要以上に増殖してしまう場合があります。これが腫瘍となります。腫瘍のなかには良性と悪性があります。良性は、塊をつくっても他の組織に広がりません。一方の悪性の腫瘍は周囲の組織に染みこむように増殖していきます。さらに血管やリンパ管を通ってほかの臓器に転移します。そしてからだのあちこちで増殖し、臓器に障害を引き起こし、さらには悪液質となり栄養不良となって体重減少などが起こります。ガンの遺伝子が読み込まれても、本来は、免疫機能(病気に抵抗する体のしくみ)によって、ガン細胞は抹殺されますが、免疫力が落ちていると、ガンは発症しやすくなるのです。また、ガンがこれだけ増えてしまった主な原因は、農薬や添加物等の化学合成品の影響が大きいと言われます。
遺伝子変異
遺伝子には、私たちの体を作り、保つために必要な情報があります。遺伝子が変化すると、体の正常な働きが保たれなくなることがあります。遺伝子の変化のことを変異とよび、ちょっとの変異でも、遺伝子の読まれ方が大きく変わってしまうことがあります。がんは遺伝子に生じた変異が原因で起こる病気です。通常、変異は修復システムによって取り除かれます。遺伝子の中には、変異を除去、修復する働きをもつタンパク質を作り出すものがあります。これらのタンパク質の働きによって、通常は遺伝子に変異が残ることはありません。ところが、修復に関わる遺伝子に変異が生じてしまうと、変異は取り除かれることなく蓄積してしまい、がんの発生につながることがあります。ひとからだの中では1日に数千個のガン細胞が自然発生していると言われています
免疫の仕組み
体内に侵入した異物を取り除く仕組み、これが免疫。例えば、食中毒を引き起こす大腸菌やインフルエンザウイルスが侵入すると、「免疫」機構がこれらを撃退します。「免疫」は体内から発生したものでも、自身にとって害となる細胞は撃退し、あらゆる病気を防いでくれる自己防衛システム。そして、体内から発生する最大の敵はガン細胞。健康な状態であれば自然に発生するガン細胞を免疫力が撃退します。ところが高血圧・高脂血症・糖尿病などの生活習慣病、加齢、ストレスといった要因により免疫力が弱くなると、感染症にかかりやすくなり、さらにはガンを発症しやすい身体になる可能性が高くなります。
知らず知らずに免疫力が下がっていませんか?
☆風邪やインフルエンザなど、感染症になりやすい ☆目元のクマや肌荒れになりやすい ☆疲労が溜まると、帯状疱疹や口唇ヘルペスができる ☆久しぶりに運動をすると、よく風邪を引く ☆こまめに歯を磨いているが、歯周病になった ☆仕事でストレスが溜まる、勤務時間が長い ☆普段、あまり運動をしない ☆ぐっすり眠れない、睡眠が不規則 ☆ビールやワインなどアルコールをよく飲む ☆習慣的にタバコを吸う ☆呼吸をする時、口が開いている ☆抗生物質や解熱鎮痛剤を飲む機会が多い ☆いつも体が重たく、疲れが取れない ☆肌荒れ、ニキビ、花粉症がひどくなった ☆食事のバランスが悪いため、栄養が偏っている ☆便秘になりやすい ☆便がゆるい、下痢症 ☆尿道炎や膀胱炎になることが多い ☆同じシーズンに2回、インフルエンザになった ☆アトピーや花粉などのアレルギー症状が出やすい 上記のチェック項目に当てはまるものがあり、それを何度も繰り返している、あるいは継続した状態が続いている場合は、免疫力が低下していると言えます。免疫力が低下した状態では、いつもならすぐに治るような風邪が重篤な症状まで進行してしまったりします。つまり防衛隊が手薄な状態と言えるのです。そして、体内で発生するガンを抑制する力も弱くなり、ガンを増殖させる要因へとつながってしまいます。
当薬局の健康講座では、この後ガン対策も上映予定です。
新型コロナウイルス感染症の予防策として当たり前の光景になった手洗いやアルコール消毒。しかし、手湿疹や手荒れに悩んでいる人は多いですね。これが原因で、食物アレルギーが発症したり、別のアレルギーのリスクが高まったりする事もあります。
手湿疹がアレルギーの原因……というと、驚かれる人も多いでしょう。経皮感作です。経皮感作とは、炎症(湿疹)のある皮膚にアレルギーになりやすいたんぱく質がくっつくと、そのたんぱく質に対するアレルギーになることがある、ということです。手は、手湿疹という炎症を起こしやすく、さまざまなたんぱく質にさらされやすいため、食物アレルギーの原因となることがあるのです。
さて、手をきれいにするには2通りの方法があります。一つはせっけんで手を洗うという方法。もう一つはアルコールを手になじませて菌やウイルスを減らすという方法です。
さて、この二つの方法のうち、どちらのほうが手荒れや手湿疹を起こしやすいでしょうか?
意外と思われるでしょうが、アルコールによる手指衛生のほうが、せっけんで手洗いするよりも手の皮膚を傷めにくいことがわかっています。実は、手指衛生用のアルコールの中には保湿成分が含まれていることが多く、これが要因と思われます。もちろん、純粋な消毒用エタノールを使用すれば、すぐに荒れてくるとは思いますが。
このことからもわかる通り、せっけんで手洗いをした後にも、手に保湿剤をしっかり塗っておくことが重要といえます。ただし、手湿疹はなかなか治しにくいことが多いのも事実。感染予防のために手を洗う機会が増えているので、手に保湿剤や薬を塗ってもすぐに取れてしまい、効果が落ちてしまいます。なるべく効果を出すように、保湿剤をたっぷり塗ったら手袋をするというのも一つの方法です。そうすれば保湿剤が取れにくくなるので、さらに保湿剤や外用薬の有効性を発揮させることができます。昼間に手袋をすることが難しければ、夜間だけでも使用すると、手荒れや手湿疹が改善する事は多くなると思われます。
当薬局ではエタノール含有の保湿剤を製造販売しております。衛生的に皮膚の荒れを防いでくれます。是非、お試し下さい。
しもやけは、冬の寒さなどによって血行が悪くなることが原因で起こります。人間の体には体温を調節する働きが備わっています。例えば、寒さを感じると、その情報が脳に届き、脳の視床下部からの指令で血管を縮めて血液をあまり流さないようにします(自律神経の働き)。それで皮膚表面の温度を低く保ち、体内の熱を外に逃がさないようにします。反対に、暑くなると血管を広げて血液を多く流し、皮膚の表面温度を上げたり、汗をかいたりして熱を放出します。寒さと暖かさの刺激が繰り返され、血管の収縮や拡張が繰り返されることで血液の循環に障害が起こります。特に、手足など末梢の血管では血行のコントロールがしにくくなり、赤く腫れたり、かゆくなったりという症状が起こります。これがしもやけで、凍瘡(とうそう)とも呼ばれます。1日の気温差が10度以上になると起こりやすく、晩秋から冬の初め、冬の終わりから春先にかけてなど、寒暖差の大きい季節に多くみられます。しもやけには、2つのタイプがあり、大人によくみられ、赤い発疹や水疱、しこりなどができることもある多形紅斑型(たけいこうはんがた)と、子どもによくみられ手足が真っ赤になり、熟れた柿のように腫れる樽柿型(たるがきがた)に分類できます。
あかぎれは、寒さや空気の乾燥によって皮脂や皮膚の水分が奪われ、ひび割れができることで起こります。ひび割れが深くなり、中が赤く見えたり、出血や痛みを伴うものをあかぎれと呼ぶのです。あかぎれは、肌のバリア機能をはたす皮脂腺の分泌が少ない手の指にできやすいです。かかとに起こることもあります。悪化すると腫れや出血を伴うこともあり、水仕事をする機会の多い主婦や美容師、調理師などに起こりやすい症状です。
凍傷と凍瘡は違う
凍瘡(=しもやけ)は日常的な冷えによる血行障害。生活上の工夫や注意で予防でき、治療も初期なら市販薬で対応可能です。一方、凍傷は気温-4度以下の状況、例えば冬の雪山など氷点下になるような厳しい寒さに長時間さらされることで起こります。低温によって体の組織が凍結して血行が途絶えてしまうため、重症化するとその部分が壊死し、外科的処置が必要になります。
しもやけ・あかぎれの対策と予防
しもやけやあかぎれの予防のためには、まず保温が第一。それに加えて、しもやけには血行促進、あかぎれには保湿と保護も大切です。保湿成分や炎症を抑える成分が入った薬を使用したり、手足の指をほぐすマッサージなどで症状は改善しやすくなります。
軟膏や飲み薬を使ってかゆみや炎症をしずめる
皮膚に潤いを与える成分や皮膚を保護する成分が配合された保湿剤を使い、皮膚の乾燥を防ぐ事が大切。症状に応じて、鎮痒消炎薬(かゆみ止め)や、しもやけ・あかぎれ治療用の塗り薬を使ってもよいです。かゆみが強い、腫れがひどい場合などは、ステロイドを含む軟膏を使用することもあります。ビタミンEを含む軟膏や、ビタミンEの内服薬を使用することは、血行促進に繋がり症状改善に有効です。
傷の保護やマッサージも有効
あかぎれができているときは絆創膏などを貼り、水仕事のときはゴム手袋をするなどして傷口を保護します。また、手足の指をほぐすようにマッサージし、血行促進を心がけることも有効。
温まるとかゆみが強まることも
しもやけ・あかぎれは冷えによって症状が起こります。身体を冷やさないように温めることが大切ですが、入浴などで体が温まると、しもやけのかゆみが増すことがあります。かきこわさないように注意して下さい。また、重症化すると水疱ができたり、それが破けたりしますが、その場合はマッサージをやめましょう。
しもやけ予防には体を冷やさないよう保温が第一
手足、耳や頬など、素肌が冷たい空気にさらされないように、手袋や耳当て、厚手の靴下を使用するなど、防寒対策は大切です。身体を温める食べ物や温かい飲み物の摂取、ゆっくり入浴する、など体の内側からも温める工夫も大切。汗をかいた時に放っておいたり、手足を濡れたままにすると、水分の蒸発と共に冷えてしまいます。その温度差がしもやけの原因となってしまうため、汗をかいたり、水仕事や手洗いの後など、水分をふきとることが大切です。外から暖かい部屋に入ったり、厚着をして暖房の効きすぎた室内で過ごしたりする場合でも汗はかきやすくなるので注意が必要です。
あかぎれ予防にはつらい乾燥状態をケアすることも大切
あかぎれは冷えと乾燥によって起こるため、しもやけと同じように保温することが大切。乾燥して皮脂や水分が失われると、皮膚のバリア機能が低下して、皮膚のひび割れが起こりやすくなるので、乾燥状態を改善することも大切です。水仕事や入浴の後など、保湿クリームなどを使用すると良いです。水仕事をする時にはゴム手袋をするなど、手を保護する習慣をつけることも大切です。
マッサージやビタミンEの摂取で血行促進を
しもやけは、血液の循環が悪くなることで起こるため、お風呂に入って体を温めたり、入浴中や入浴後などに手足の指をもみほぐしたりして、血行をよくする事も大切です。圧迫されると血行が悪くなるため、きつめの靴をはくことは避けた方が良いです。ビタミンEには、末梢の血管を広げて血液の循環をよくする働きがあります。うなぎ、落花生、アーモンド、植物油、卵黄など、ビタミンEを多く含む食材を摂りましょう。熱エネルギーの素となるたんぱく質(大豆製品、魚など)を摂ることも大切です。毎年、寒くなるとしもやけができるという人は、秋ごろからビタミンEを摂取する習慣をつけるとよいかも知れませんね。
番外編ー鮫肌はまた、別のもの
鮫肌とは、水分不足により皮膚が乾燥してブツブツ・ザラザラとした鮫の鱗のような肌のことをいいます。主に小学生~思春期の子供に多く見られ、30歳前後になると自然と治る傾向があります。乾燥によって肌の表面が硬くなると、手触りはザラザラとごわつきます。キメが荒く毛穴が目立つようになり、角質がポロポロと剥がれ落ちることも。放置すると痒みや摩擦による軽い痛みを伴うため、いち早く治したいところですね。肌のターンオーバーの乱れも原因の一つ。本来剥がれ落ちるはずのアカが角層に留まり鮫肌の原因となったりします。
正常に肌のバリア機能が働いている状態であれば、角質層が外的刺激から肌を守り、肌内部の水分・脂質が逃げるのを防ぎ、潤いのある肌を保つことができます。ところが、何らかの原因により、角質細胞に含まれるアミノ酸などの天然保湿因子(NMF)や細胞間脂質が減って細胞をつなぎとめる力が弱くなると、バリア機能が低下し、水分が逃げてしまいます。つまり、乾燥肌を起こさないためには、肌のバリア機能を守ることが何より大切なのです。
そして、お肌の「清潔」と「保湿」がポイントです。ていねいなスキンケアを心がけましょう。生活習慣の乱れなど、思い当たる肌あれの原因があるときは取り除いてあげましょう。かゆみを抑える軟膏などの塗り薬や、皮膚の新陳代謝を助けるビタミン剤などを使用するのも有効な方法です。肌を洗う場合は、硬いナイロンタオルなどは避け、スポンジやネットで泡立ててから、泡でやさしく洗うイメージで。手で洗ってもよいでしょう。
スキンケア製品は皮脂をとりすぎないものを使用する。肌に合わず皮脂をとりすぎてしまうものもあります。ご自身の肌に合ったものを選ぶとよいでしょう。
スキンケア製品は肌に合うかチェック。肌の状態は人それぞれ。敏感肌の人は使い始める前に、サンプルやトライアルキットなどで自分の肌に合うかどうかを試してみた方が良いでしょう。
スキンケア製品は正しい使い方を守る。自己流の使い方では、効果が半減してしまうこともあります。使用する手順や使用量など説明書をよく読んで正しい使い方をする事が大切です。
スキンケア製品の使用タイミングは入浴後すぐ。入浴により、天然保湿因子は流れ出てしまいます。肌から相当量の水分が逃げています。スキンケア用品は、入浴後すぐに使用した方が効果的です。
顔の保湿はパックが効果大。入浴後のボディーミルクや保湿剤はもちろん全身の乾燥対策に効果がありますが、肌に伸ばしてしばらくおいておく「保湿パック」は、顔の乾燥には効果大。パックで密封すると角質細胞がふやけ、細胞間を有効な成分が通りやすくなるからです。
こすりすぎは禁物。クレンジングは、洗い流すタイプのものがおすすめ。しっかり洗浄することは大切ですが、ゴシゴシと強くこすることは良くありません。洗うときは、手ややわらかいタオル、スポンジなどでよく石鹸を泡立て、泡で洗うようにします。泡立てることで、皮膚のキメの間に入り込んだ汚れが落ちやすく、洗浄剤の成分が肌に残りにくくなります。熱いお湯は皮脂を落としてしまうため、38~40度前後のぬるめのお湯で、石鹸の成分を残さないようにしっかり洗い流しましょう。洗浄料は、植物性アミノ酸系など残すべきうるおいをとりすぎない洗浄成分を使ったものを選ぶとよりよいでしょう。
入浴剤を上手に使う。保湿効果のある入浴剤を入れるのもおすすめです。
お湯はぬるめに。熱すぎる湯のお風呂は、肌にとって必要な皮脂までとってしまい乾燥を助長します。40度を超えない温度が適温でしょう。
乾燥しやすい部位には保湿剤をしっかりと。入浴後に保湿ケアをすることは大切ですが、特に乾燥しがちな腕や足などには、ボディークリームやボディーミルク、保湿剤などをしっかりと塗り、日常的にケアしておくのも重要なポイントです。加齢によって減少した保湿成分は、日々積極的に補うと良いでしょう。
夏・冬ともにエアコンなどによる乾燥の対策を。一般的に乾燥肌は、空気の乾燥する冬季はもちろん、夏季にもエアコンなどにより室内はかなり乾燥した状態になるため、一年を通じて室内の加湿対策が必要です。自宅では気候に応じて加湿器を使いましょう。部屋に洗濯物を干すなど室内の加湿や、外出時の防寒も大切です。出先など、加湿の調整ができない場合は、保湿成分が配合されたミスト化粧水などを携帯し、潤いを補ってあげることも効果的です。
十分な睡眠をとろう。睡眠不足は新陳代謝が遅れてしまい、皮膚細胞の代謝も悪くなるので、しっかりと睡眠をとりましょう。特に深い眠り(ノンレム睡眠)のときに成長ホルモンが最も多く分泌され、細胞の修復や再生を促すことがわかっています。眠りの浅いレム睡眠とノンレム睡眠は約90分周期で繰り返されていますので、最低でも6時間程度は睡眠時間を確保しましょう。このように、肌細胞の修復やメンテナンスに必要なホルモンは、睡眠中に多く分泌されます。私たちが眠っている間に、皮膚では栄養分が補給され、いらなくなった老廃物を排除する働きがなされているのです。とくに、皮膚の新陳代謝は午後10時~午前2時の間に活発におこなわれるので、早寝早起きを心がけ、十分な睡眠をとることが大切といえるでしょう。
紫外線対策も大切。春以降は紫外線対策も忘れないようにしましょう。
便秘を予防する。ニキビや吹き出物などの原因となる有害物質を体内にためこまないために、便秘予防も重要です。適度な運動、毎日の排便習慣、水分・食物繊維・乳酸菌をとるなどして、便通を整えておきましょう。
ストレスをためこまない。皮膚のうるおい成分を減らすもととなるストレス、ストレスで皮膚・粘膜は乾燥傾向になります。ストレスをため込まない生活習慣をつけましょう。ゆっくりお風呂に入る、好きな音楽や香りを楽しむ、たまに美味しいものを食べに行く、運動するなど、毎日の生活の中で楽しみやリフレッシュの方法を見つけ、ストレス解消を心がけることが大切です。適度な運動には、ストレス解消に加え、血行を促して肌の新陳代謝を高めてくれるメリットもあります。
ターンオーバーを整える。通常、健康な肌は約6週間で細胞が入れ替わります。新しく生まれた細胞が基底層から上へ上へと押し上げられ角層に至るまでに約4週間かかり、一番上の角質層に約2週間留まると剥がれ落ちて新しい細胞へと入れ替わります。しかし、加齢やストレス、紫外線などの刺激によって、このターンオーバーのサイクルが乱れると、急いで新しい細胞を作ろうとして、未熟な細胞が増えてしまいます。また、古い角質層が厚くなって表面のキメが粗くなったり、水分を保つセラミドなどの細胞間脂質も減ってしまったりします。新陳代謝をよくしたり、ストレスをためたりしないようにして、日ごろからターンオーバーを乱さないよう心がけることも大切です。
禁煙。喫煙は健康上良くありません。肌にも大敵です。ビタミンCを破壊するといわれています。禁煙することは大切です。
バランスのよい食生活で肌を丈夫に。食事はなるべく1日3回、規則正しく栄養バランスのよい食事を心がけましょう。特に肉、魚、大豆製品などのタンパク質は肌細胞を生成する大切な栄養素です。また免疫力を高めるビタミンC、新陳代謝を促進するビタミンA、皮膚や粘膜を保護するビタミンB2やB6などのビタミン類も肌に密接な関係があります。野菜や果物を毎日の食事にとり入れてバランスよく摂取するようにしましょう。健康な肌のためにも、無理なダイエットや偏った食事は良くありません。甘いものやインスタント食品の取りすぎにも注意が必要です。以下に挙げた栄養素は、肌あれを予防するのに効果的と考えられます。
☆ビタミンB2、B6。皮膚の新陳代謝を助け、皮膚を保護する働きがあります。
☆ビタミンA。新陳代謝を促進し、皮膚の機能を維持したり、乾燥を防いだりします。
☆ビタミンC。コラーゲンの合成を促進する作用があります。
☆タンパク質。肌細胞の原料となる成分です。
アミノ酸は肌に取ってはとっても大切
人間のからだを構成する分子の約20%を占めているのは20種類ものアミノ酸。角質細胞にある天然保湿因子(NMF)や、肌の弾力に影響するコラーゲンもアミノ酸から出来ているのです。これらのアミノ酸はターンオーバーの過程で作られますが、乱れたターンオーバーでは十分な量が生成されずバリア機能が低下します。肌あれ状態ではアミノ酸も不足しているのです。このため、日常のスキンケアの中で、肌のアミノ酸を奪いすぎることなく洗浄し、さらに保湿で補ってあげる必要があるのです。
肌の仕組み
皮膚は、外側から表皮、真皮、皮下組織の3層構造になっており、表皮は表面から、角質層(かくしつそう)、顆粒層(かりゅうそう)、有棘層(ゆうきょくそう)、基底層(きていそう)の4つの層に分かれます。乾燥と密接な関係にあるのが、表皮の一番外側の角質層。角質層にはバリア機能という役目があり、バリア機能が正常だと、肌の水分を保ち蒸散を防ぎます。また、アレルゲンなど異物の侵入や外部刺激から肌を守ります。角質層は、角質細胞と細胞の間を埋めている細胞間脂質から成り立っています。角質細胞はアミノ酸などの天然保湿因子(NMF)で満たされ、細胞間脂質はコレステロール、セラミドや脂肪酸などで満たされています。
表皮では、いちばん奥の基底層で日々新しい細胞が生まれ、少しずつ形を変えながら表面に押し上げられていきます。最終的には古くなった細胞が垢として皮膚表面からはがれ落ちます。これが皮膚のターンオーバー。個人差もありますが健康な皮膚では約28日の周期でターンオーバーが繰り返され、新たな細胞に入れ替わっています。しかし、何らかの原因でターンオーバーのサイクルが乱れると、古くなった角質細胞がいつまでもはがれずに表皮に残ったり、角質層の細胞の間を埋めている細胞間脂質などの保湿成分が作られにくくなったりします。
敏感肌や乾燥肌と肌あれの関係
敏感肌とは、外からのさまざまな刺激を受けやすく、それによって肌トラブルを起こしやすい性質の肌のこと。また、乾燥肌とは、皮膚の脂質や水分が失われ、乾燥した状態の肌のこと。肌あれは、敏感肌や乾燥肌によって引き起こされる状態。敏感肌や乾燥肌は肌あれの要因のひとつです。乾燥肌も、敏感肌の原因になります。乾燥肌とは、肌の水分・皮脂が不足して潤いがなくなっている状態で、ドライスキンとも呼ばれます。
健康な肌には、紫外線やほこり、細菌などの刺激から生体を守ってくれるバリア機能が備わっているのですが、敏感肌はさまざまな要因でこのバリア機能が弱まり、ちょっとした刺激で、かゆみや赤み、ピリピリ感を感じてしまう状態となります。敏感肌になると肌に合う化粧品が見つかりにくくなったり、かき壊しから細菌に感染しやすくなるなどの影響も心配です。乾燥肌も、敏感肌の原因になります。
肌荒れは、ターンオーバーの乱れや、乾燥、老化などの理由で角質細胞間の保湿成分が不足すると、角質細胞どうしのつながりが弱くなり、バリア機能が低下してしまい、その結果、外からの刺激を受けやすくなったり、皮膚の乾燥が進んだりすることで起こります。
肌あれは、敏感肌や乾燥肌によって引き起こされる状態ですが、老化などさまざまな原因でも起こります。
原因としては、
肌のターンオーバーの乱れ。ストレスや生活習慣の乱れなどでターンオーバーのサイクルが早まったり遅れたりすると、バリア機能が低下し、天然保湿因子(NMF)や細胞間脂質が生成されにくくなったり、水分が外に逃げやすくなったりします。
冷房・暖房の長時間利用による空気の乾燥。エアコンは空気中の水分も一緒に吸収してしまう仕組みのため、冷房でも暖房でも、長時間使用により空気は乾燥します。空気が乾燥すると、肌のバリア機能は低下しやすくなります。
紫外線によるダメージ。紫外線はシミ・シワや日焼けなどさまざまなトラブルを引き起こしますが、特に肌の一番外側にある角質層はストレートに紫外線のダメージを受け、皮膚のバリア機能を低下させてしまいます。
間違ったスキンケア法、入浴法。ナイロンタオルなどによる洗いすぎ、こすりすぎや洗浄力が強すぎるものでの洗浄によって、皮膚のバリア機能は低下してしまいます。また、42度以上の高温の湯は肌から必要な脂質を奪い、バリア機能を低下させます。
ビタミンB群の不足。ビタミンB群は、肌のターンオーバーを正常に保つ働きがあり、不足するとターンオーバーが乱れ、バリア機能低下につながります。
加齢による皮脂分泌量の減少。誰でも年齢とともに水分、セラミドなどの細胞間脂質、天然保湿因子(NMF)は減って行きます。これらが減少すると、バリア機能は低下しやすくなります。また、加齢によって表皮・真皮は薄くなっていきます。コラーゲンなどの弾性繊維も減少し、弾力を失います。さらにメラニン細胞の数も減り紫外線に対する防護力も衰えてきます。ですので、年齢を重ねると若いころに比べ、ちょっとした刺激でもダメージを受け、敏感肌になりやすくなります。
寝不足。皮膚の再生や成長に必要なホルモンは眠っている間に多く分泌されます。また、ターンオーバーなどの新陳代謝も睡眠中に進むため、寝不足は皮膚の再生を妨げるもとになります。
ストレス。ストレスが神経の働きやホルモンバランスなどに影響を及ぼし、そのため肌のトラブルが起こることがあります。
便秘。便秘によって腸内環境が悪くなると、悪玉菌やガスなどの有害物質が体内で増加して、肌あれなどの原因になります。
偏った食生活や過度のダイエット。偏食や過度のダイエットによって、ビタミン、ミネラル、アミノ酸など、健康な肌を保つために欠かせない栄養素が不足してしまいます。
女性は生理の前に肌あれしやすくなる。女性の体では、生理の周期にあわせてホルモンの分泌が変化していて、生理の1週間ぐらい前になると黄体ホルモンの分泌がさかんになります。黄体ホルモンには皮脂の分泌を促す作用があるため、「生理前になると吹き出物が増える」など、肌あれが起こりやすくなります。
体質。このほか、アレルギー体質や、もともとの肌の弱さなどが関係することもあります。
薬草の力・自然の力のコーナーでも記載させていたように、自然界には様々な生存体系があり、それぞれが優れた個性を持っています。これが上手く「バランスと調和」を保って自然体系を維持しています。そのために「生と死」「創造と破壊」がある訳です。
生まれたものはいずれ死に、造られた物はいずれ壊れる、も自然の摂理です。この我々の身体も他の自然体系と同じように、免疫の世界やホルモンの世界、神経系統の世界など固有の世界を持っており、すべてが「自然の摂理」の中で活動しています。人間の身体は、大体5年も経てば、生まれ変わって元の身体は残ってないです。また、「バランスと調和」から、はみ出た部分は「自然の摂理」により、淘汰される事になります。
薬草は小さな世界(宇宙)の力で対応した世界(心身)に少しずつ浸透します。そして、対応した世界(心身)はその自然の摂理による力を借りて「バランスと調和」を取り戻すのです。
薬草単独でも上手くいかない時は、いくつかの薬草を組み合わせます。それらの協同作業により大きく崩れた、心身の「バランスと調和」を立て直します。これが漢方薬です。
漢方薬は、やっくり浸透するように心身を良い方向に変えていきますが、風邪などの急性疾患では、1回の服用で効果が実感出来ます。
野菜、これは私たちには無くてはならない食材です。野菜だって元々は野草、雑草ですね。しかし、人間が、ちやほやして育てた野菜とは違い、野草、雑草は強いです。
さて、植物は敵に襲われた時に逃げる事は出来ません。しかし、近くで火の手が上がった時などは、微弱な電気を発して仲間に知らせようとする、と言うような話は聞いた事はありますが。
逃げる事が出来ない植物たちは自衛策として「毒」を持つ事を覚えました。生き残りのために、沢山食べられないように、と言う事でしょう。身近な野菜であるナスも、ピーマンも、トマトも実は「毒」を持っています。最も毒性を発揮するような量は食べる事は出来ませんが。しかし、この「毒」のおかげで、我々は年月をかけて「毒」に帯する抵抗力を獲得しました。こうやって成長・進化を遂げてきたのです。
また、ほとんどの植物は紫外線から身を守るために「抗酸化力」を獲得しました。抗酸化作用のある物質を生成するための遺伝子を獲得したのです。そこには多種多様の遺伝子体系があり、多くの抗酸化物質が誕生しています。植物から抗酸化物質を抜き出したサプリメントを摂取するより、まるごと植物を摂取した方が良いに決まってますね。
そして、薬草で最も優れているのは、多種・多様な成分体系が、体調に応じて効果を変える事が出来る、と言う点にあります。例えばオタネニンジン(朝鮮人参)。オタネニンジンには、ジンセノサイドと呼ばれるサポニンの仲間だけですら、少なくとも38種の成分が存在すると言われています。それ以外にも多くの成分物質が含まれており、これらが服用した状況に応じて多様な働きをしてくれるのです。例えば、「徹夜して頑張りたい」や「気持ちが滅入って何もやる気が出ない」と言う時には、気持ちを高揚してやる気を引き出し、徹夜しても仕事が出来る、と言うようになります。逆に「イライラ興奮」や「ゆっくり眠りたい」と言う時には、精神を安定して落ち着かせ、ぐっすり眠る事が出来る、と言うようになります。
ドクダミは別名、十薬、重薬。肌荒れ、便秘など十の薬効があり、重要な薬草という意味がありますね。
ゲンノショウコは、お腹の弱い人に「下痢止め」として有名ですが、便秘がちの人にも使います。
このように植物たちは、すでにその生命体系を持っています。それぞれが固有の「宇宙」を形成しているのです。これを利用しない手は無いですね。
そして、薬草単独の力でも応じない時は、色々な薬草を組み合わせる事になります。これで難しいケースに対応する訳です。これが、漢方薬です。
喘息の薬には、飲み薬、吸入薬、貼り薬などがある。最近の治療薬は吸入薬がメインになっている。吸入薬には2種類あって、発作の時に使って貰う薬と普段から使って貰う薬がある。
喘息というのは息を吸ったり吐いたりするときの空気の通り道、気管支に慢性的に炎症が起こっていて、それに何かの刺激が加わり気管支が収縮し、呼吸困難を起こす病気のことを言う。発作を起こしたときには気道はとても狭くなってしまっていて、空気を吸い込みにくくなっている状態になる。シェイクと言うどろっとした飲み物がある。それを普通は太いストローで飲むが、それを細いストローで飲んだ状態、と考えて貰うと良い。とても吸い込むのが大変な状態になる。その時に発作を抑える吸入薬を使用することにより、気管支を一時的に広げ、呼吸を楽にするのである。ただし、発作時の薬を使うだけでは気管支を広げるだけで、炎症を取ることが出来ない。普段の吸入はそこにある慢性的な炎症を治すために必要な薬なのである。炎症を抑えることにより、気管支が刺激を受けて狭くなり呼吸困難を起こさないようにする。今、症状が無くても炎症は残ってしまっているので、発作を起こさないようにするために毎日使用することがとても大切なのである。今は発作の時に普段の、炎症を抑える吸入を使用できる薬もある。その辺はかかりつけの薬剤師に聞いてみて欲しい。
吸入は粉とエアーのタイプの2種類がある。粉を吸い込むからと言って、咽せてしまうのではないか?と思われるかもしれないが、とても少量なのでそんなに刺激にはならない。とはいえ、喘息の方の気管支、少しの刺激で呼吸困難に陥るほどデリケート。粉のタイプで咽せてしまう、と言う方はエアーのタイプに変えて、補助器具を使ってやってみるとうまくいく可能性がある。それでもダメなら飲み薬で、と言うことになるので、その辺は医師、薬剤師によく相談すると良い。
そして、その吸入の仕方もとても大切なのでお知らせしたい。実は薬を使用するとき吸い込んで3~5秒くらい息を止めて貰うが、吸い込んだとき、一度息を止める、と言う動作をしないと、薬の効果が半減してしまうのだ。この使い方一つで効果が変わってしまう。せっかく良い薬を使っていても効果が半減してしまってはもったいない。そして使用後、うがいをして貰うことで口の中に雑菌が増えると言う副作用を予防する。きちんと使えば飲み薬よりも少量の薬で済むので身体への負担も少なく、とても効果の大きい薬なのだ。
本格的な少子化・超高齢化社会に入り、医療・介護も多難な時代に入りつつあります。世帯収入は伸び悩み、世帯あたり金融資産も減少しています。15~20代の自殺率は世界トップ。若者の死因で自殺がトップなどと言う先進国は日本以外にはありません。他国は事故がトップですね。これは若者が未来に対して、日本に対して希望が持てない、という事の現れでもあります。
そのような中、国民の医療・介護に対してのパッシングも大きくなりつつあります。雑誌を通して厳しい発言が寄せられます。真摯に受け止め、再考する必要があるのでしょう。皆さんも、ご自分の力を信じて健康増進に取り組む必要があるかと思います。
すべての国民がもう一度健康維持に対して再考する必要があるのだろうと思います。
そよかぜ薬局でも、共に健康でいよう、健康になろうという目標の下、人と人との良い関係性の構築も期待して健康講座、健康体操教室を実施しております。
食品添加物と農薬とはもはや無縁ではいられません。ばい菌の繁殖に防腐剤が必要なのも仕方ないです。自給自足でもしない限り、食品添加物や農薬と全く無縁、と言う訳にはいかないのです。しかし、本来は身体にとっては不要の異物、摂取量は控えたいものですね。
普段の生活の中で、継続した運動を取り入れて新陳代謝機能を高める事も大変重要となります
めまい・発汗・頭痛・吐き気・けいれん・意識障害など、熱中症は命にも関わってきます。ところで、熱中症とは何かご存じでしょうか?以前は日射病という言葉がよく聞かれましたが、最近はほとんど聞かれなくなりました。「熱射病」「日射病」の違いはあまり知られていないようですが、「日射病」が最重化すると「熱射病」等とも言われており、詳しい定義はありません。太陽光が熱源となって、脱水などを引き起こし、相対的に循環血液量が減少して起こる状態を日射病と言ったりしてました。今は、定義が色々で混乱、また、気温が高くなり、屋内で発症する例が非常に増えていることもあり、新たに熱中症として、重症度で分ける事としました。
熱中症は、高温の環境などにおいて、さまざまな理由から体熱のコントロールがうまくできなくなったときに生じる症状や状態を指します。日常生活の中で熱中症を防ぐには、水分、塩分、休息、栄養がカギになります。 免疫力の低下している高齢者や幼児などは熱中症になりやすいので初期症状を見落とさないように注意しましょう。
☆めまい、失神
体の熱を放散するため皮膚の末梢血管が拡張するため、脈が早くなり、血圧が低下し、めまいや一過性の失神などが起こります。
☆筋肉の硬直
汗をかいた事で体がナトリウム不足を起こしているため、筋肉がつったり痙攣します。
☆大量の汗
大量の汗が出る、汗が止まらないといった状態。水と一緒に塩分も摂ることが重要です。
☆疲労感
意識ははっきりしているが、食欲がない。嘔吐感や頭痛・疲労感や筋肉痛がある。
「熱中症」の新分類では、意識障害の有無などをもとに、重症度で3段階に単純化されるようになりました。
レベル1は立ちくらみやめまい、硬直、失神、筋肉のけいれんが起きる状態。「熱失神・熱けいれん」と呼ばれる状態。この初期段階なら涼しい場所へ移動して、足を高くして、横になりましょう。そして、スポーツ飲料や経口補水液分を飲むなどして水分と塩分を補給しましょう。
首筋やワキの下、足の付け根などに濡れタオルや氷を当てたり、体に水をかけるなどで体温を下げましょう。
レベル2の場合は脱水症状に伴う吐き気やめまい、頭痛、全身のだるさなどがある状態です。「熱疲労」と呼ばれる状態。基本的にレベル1と場合と同じ対策を取りますが、倦怠感が強くて自分で移動したり、水なども飲めない時があります。その場合は近くの人に手助けしてもらうか受診する、または救急車を呼ぶなどの対応が必要となります。
レベル3となると呼びかけに反応しないなどの意識障害や、ひきつけなどの重篤な症状を呈します。「熱射病」と呼ばれる状態。意識がもうろうとし非常に危険な状態なので、直ちに救急車を呼びましょう。いかに早く体温を下げるかが重要なので、救急車が到着するまでの間はレベル1の対応を行いましょう。体に水をかけて、さらに扇子やうちわなどのアイテムであおぐ事で早く体温を下げることができます。
生きていく上で水分は生き物の身体に最も欠かせないものですが、夏場の熱中症予防には、一度に多量の水を摂取するのでなく、のどの渇きを自覚する前に少しずつこまめに飲むようにするのが理想です。
なんにせよ、睡眠と栄養、水分や塩分をバランス良くとることが夏バテ防止にもなります。
ただ気をつけないといけないのが、冷房病ですね。冷房が効きすぎている室内にいたり、暑い室外と寒い室内を何度も行き来しているうちに、自律神経のバランスが崩れ、体にさまざまな不調が起こりますのでご注意ください。
熱中症と脱水症は別物
体内に入った水分はその80%が小腸で吸収されます。熱中症の対策では水分補給が大事といわれています。なぜなら熱中症の背景に脱水症が潜んでいるからです。つまり、熱中症の大きな原因の一つに脱水症があるのです。脱水症になった時に効果的なのが経口補水液です。経口補水液は水に塩とぶどう糖を混ぜたもので、他の飲料よりも水分と塩分を早く体に補給できるため、熱中症の原因となる脱水症の改善に最適です。しかし、脱水症予防にはOSー1のような経口補水液は不適です。脱水症の改善には適当ですので、脱水症から熱中症になるのは防いでくれますね。
しかし熱中症の怖さは、前ぶれとなる初期段階の症状に気づきにくく、自覚した時点では症状がかなり進行しているケースが少なくないことにもあります。たとえば、最近よく話題になる「かくれ脱水」は、熱中症を気づかないうちに進行させる引き金になるものです。
水分を補給せずにいることで体内の水分が減少すると、血行が悪くなり、その結果として手足が冷たくなったり、口の中が乾いて唾液が出にくくなります。こうしたときに、腕の皮膚をつねってみて元の状態に戻るのに3秒以上かかったり、爪を上から押してみて2秒以上白いままであったら、脱水が進んでいるサインなので、すみやかな水分補給が大切です。
日本人は脱水予防に塩分不足を考えなくて良い
水分以外のもう一つの要素である塩分ですが、日本人は普通にご飯を食べていたら塩分が不足することはありません。
高血圧を予防するなら1日6g未満の塩分摂取とされていますが、調査では日本人の食塩の平均摂取量は男性で1日11.3g、女性で9.6gです。充分、取っています。OS-1などの経口補水液は不要です。
しかし、寝たきりや体調不良で2、3日ご飯が食べられない状態のときや、発汗過多や嘔吐、下痢を繰り返したときは塩分が体外に出て行っているので摂取が必要となります。
このように塩分不足が予想される場合は、OS-1などの経口補水液が効果的ですが、日常的に飲むものではありません。OS-1などの経口補水液は、飲み方を薬剤師などの専門家によく聞いて使用しましょう。
身体を良くするのも悪くするのもあなた次第です。当たり前の事ですね。
誰もがDNAを持って、その中に身体を作る遺伝情報もある訳です。
料理を作る事を想像しましょう。あなたはオムレツを作りたくなりました。図書館には沢山の本があるので出かけました。早速料理の本を探す事にしました。色々な人が料理の本を出しており、オムレツもそれぞれ特徴があるようです。その中から、あなたはAさんの料理本を借りてきてオムレツの部分を開けて料理を始めました。レシピ通りだとこしょうと塩が入っているのですが、身体の事を考えて塩は使いませんでした。こうして、お気に入りのオムレツは完成です。
さて、図書館はDNAです。料理本が遺伝子、人によってちょっと違うオムレツの作り方は遺伝子多型、お気に入りの料理本からオムレツの部分を読む事を遺伝子発現と例えてみましょう。
すでにご両親から受け継がれた遺伝情報は書き換え不能で、同じ人間でも少々違いがある一つの理由です。しかし、遺伝情報は読まれなければ、発現しません。似ない場合もあるのですね。ここで、遺伝情報を読む、読まないでもまた、違ってきます(エピジェネティクス)遺伝情報にスイッチがついていると仮定すれば、押せば発現する訳です。このスイッチの押され方は環境、環境ホルモンなどの化学物質、ストレス、気持ちの問題などで変わるのです。タバコや環境ホルモン、不摂生、ネガティブな気持ちは悪いスイッチを押す事になり、成功体験、心地よさ、ポジティブな気持ちは良いスイッチを押す事になるのです。薬も効くと思えば効いてしまう(プラセボ)し、副作用が出ると思ったら出てしまいます。あいつ、きっと性格悪いぜ!顔に出てるぜ!!なんてのも悪い思いがそれなりのスイッチを押した、と言う事なのでしょう。
このような事もあり、「病は気から」は本当の事なのです。もちろん、すべてが気持ち一つで治る訳ではありませんが、気持ちの持ち方で、命わずかな少年が末期脳腫瘍を消滅させた、と言う実話もあります。奇跡だと言われておりますが、奇跡は存在しません。つまり、誰にでも出来る事なのです。
人は皆同じですが、違いはスイッチの押し方、押すのはあなたです。心身を作るのはあなたなのです。せっかくの人生です。長いようで短い人生、沢山の可能性を信じて良い生き方をしていきましょう。
人は皆同じ、しかし全員違う。つまり、同じ(遺伝情報)ように違った才能(遺伝子発現)を持っているのです。少しでも良い、遺伝子発現を目指しましょう。
最近の日本は温帯から亜熱帯になってしまったようです。それどころか、突然のスコールは熱帯雨林気候を思わせます。このような時期、特に注意したいのが熱中症、原因は多くが考えられますが、脱水も大きな要因です。
ところで、水はどうやって吸収されるかご存じでしょうか?大きく関係するのはナトリウム、つまり、塩です。昔の人たちは、「塩食べなかったら、塩抜きになっちまう!畑仕事も出来ねぇ!」と言って塩をなめながら畑仕事をした人もいましたね。
さて、飲んだ水の80%は小腸から吸収されます。水は小腸から小腸の壁を通り血管(血液)に入って行きます。どうやって小腸から?と言うと、
①カリウムが血管から腸の壁に入ってくる、と交代してナトリウムが血管の中に追い出される。小腸の壁には、ナトリウムが少なくなる。
②ナトリウムが少なくなったので、小腸の中からナトリウムが吸収される。その時にブドウ糖がNa-糖共輸送担体(SGLT1)というタンパク質の力を借りて吸収されるが、水も一緒に吸収される。
つまり、ナトリウムやブドウ糖が水の吸収を促進する訳です。これが、経口補水液の原理ですね。血圧が高くなってしまう、等の理由で敵対視されている塩(塩化ナトリウム)、生命維持には重要な働きをしているのです。
さて、水分補給には
☆水
☆スポーツ飲料
☆経口補水液
があります。
普段は、水をこまめに摂取する、と言う事で問題はありません。摂り方は色々ですが、コーヒー、紅茶、緑茶などカフェインが入っているものより、ほうじ茶、麦茶などカフェインの少ない、あるいは入ってないものの方が良いですね。とくに、脱水傾向が見られる時はカフェインの入ってない飲み物を選びましょう。ただし、大量の水を飲み続けると血液など細胞の外の液が希釈され、低ナトリウム血症(希釈性低ナトリウム血症:水中毒)になってしまいます。
スポーツ飲料は、飲みやすくするあまり糖分が多くなります、それでも、沢山汗をかいたりしている時はナトリウムやカリウムなどを補給する意味でも有効です。しかし、ナトリウム濃度は低いです。汗をかいた時には細胞からナトリウムが出ますが、皮膚表面に出てくるまでに多くが再度吸収されてしまいます。普段、汗をかかない人や、体力が低下していて「玉の汗」が出る人は、ナトリウムの再吸収が間に合わず、発汗のためにナトリウムを失いやすいです。スポーツの前後には、ナトリウム濃度がやや低めのスポーツドリンクでも良いのかも知れないですが、体調が悪かったり、体力が低下している人が、大量に発汗すると汗腺で、ナトリウムが十分に再吸収されず、ナトリウムは、体外に喪失してしまうので、スポーツ飲料では、ナトリウムを補いきれない可能性があります。汗中のナトリウム濃度は、発汗量が多くなるにつれて濃くなります。実際に、マラソンランナーは、レース後に、高頻度で低Na血症に陥っていると言わますね。特に、夏場の炎天下にスポーツを行う際には、十分な水分と、同時に、十分な塩分(塩化ナトリウム)を補給しないと、熱射病など熱中症に陥る恐れがあります。
このようにスポーツ飲料は、経口補水液に比べて、電解質が少なく糖質が多いため、補水効果および補水速度が十分ではありません。進行速度は遅いですが、大量に飲み続ければ、水同様に低ナトリウム血症を発症します。また、高血糖や口渇感の増強を呈することもあります。
経口補水液は、市販でも、飲む点滴、等として販売されています。点滴ですから、健康であれば必要はありません。つまり、脱水になって使用するもので、普段から予防に、と飲むものではありません。「オーエスワン(OS-1)」(大塚製薬株式会社)は、経口補水液ですが、厚生労働省から個別評価型・病者用食品として認可されています。病者用食品ですから、病的な状態で無ければ、必要ありませんね。また、症状が改善したら、速やかに通常食(飲料)へ移行し経口補水液を中止することも重要です。日常的に経口補水液を摂取しているとナトリウム過剰摂取になるので、予防目的で経口補水液を用いることは避けなくてはなりません。
脱水症になっていなければ、通常の水分補給は水やお茶で十分です。要は本当に脱水症が存在しているのか?ですね。
以下は、家でも出来る経口補水液の作り方です。
運動しなければ衰える、は自然の摂理です。
①骨や筋肉を丈夫にする。
生まれつき遺伝的に「骨形成が活発な体質の人」は骨折しにくくなりますが、その代わり関節が強直化して動かしにくくなります。その結果、さまざまな症状が引き起こされます。
このような状態にならないために、スクレロスチンという物質によって骨形成を抑制しているのです。
ところが、高齢になったり運動しなかったり、きちんと体で重力を感じる事が減ってくるとスクレロスチンが骨細胞から産生されるのです。動かない、運動しないなら、もういいだろう?と言う訳ですね。だから重力負荷を与え運動する事は大切なのです。
負荷をかけなければ、筋肉も細くなりますね。細く硬い筋肉は負荷をかけると、痛みやすくなります。痛めて運動をしなくなる、と言う悪循環に陥ります。
②生活習慣病の予防および改善に
スーパーへ行けば、結構多くの食材が買えます。動物性脂肪を含んだ食材は相当多いですね。旨い食材ほどコレステロールや中性脂肪が多いです。
そして、現代人の多くは自動車を所有しています。ちょっとした近場までの用事でも自動車を使用する習慣がついており、運動量が昔と比べて激減しています。有名な統計のグラフにおいて、糖尿病罹病率の増加と自動車の販売台数の増加が完全に一致している図がありました。つまり、体を極端に動かさなくなった事が、糖尿病増加の一番の原因なのです。
しかも始末が悪いことに、現代人のほとんどは毎日ストレスに曝されています。ストレスは血糖値を著明に上げます。
③血行改善
動脈は心臓から排出された血液を送ります。静脈は(心臓へ戻る血液を送ります。静脈は静脈弁が発達していて、血液の逆流を防いでいます。そして、静脈内の血液の移動は筋肉の収縮で行われるのです。だから、長い間動かない、また、局所を圧迫したままでいると血栓ができやすくなるのです。良好な血行の維持には、筋肉を動かす、つまり運動が重要なのです。
④抵抗力の維持増強
リンパ管の中では、白血球の仲間が細菌やウイルス等の敵を攻撃して倒し、最終的にリンパ液は問題の無い状態で静脈へと戻る事が出来ます。リンパ系は体にとって下水道、浄水場のような存在ですね。また、リンパ管には心臓のような大きなポンプはありません。そのため、
☆人の動きとともに起こる筋肉の収縮、弛緩によって生じる圧力、
☆呼吸によって生じる胸の中の圧力の変化、
☆体の外からのマッサージ刺激
などがリンパ液を流す助けとなります。だから、運動、深呼吸が大切なのです。
⑤精神的強さと肉体的強さの維持・増強
上熱下寒(上半身がほてり下半身が冷える)、頭熱足寒(のぼせほてり手足が冷える)、上実下虚(上半身が緊張し下半身が弱く脆弱)は自律神経の乱れの乱れ(脳の緊張)の原因になります。他にも神経疲労による症状も含み、ふらつき、めまい、頭重、胃腸虚弱、夜間頻尿、不眠、イライラ、のぼせなどが現れやすくなるのです。ストレスに弱くなり、心を病んでしまいやすくなります。
腹式呼吸は上熱下寒、頭熱足寒、上実下虚を逆転させる働きがあります。神経のバランスをとり、また、予想以上にエネルギー産生、カロリー放出効果があるのです。
腹式の深呼吸をして下さい、というと胃のあたりがふくらむ人が多いのですが、本当の腹式呼吸は、息を吸い込んだ時は、下腹(へその下)がふくらみます。また、息を深く吸い込んだときに全身にエネルギーが走るように感じ、気力がみなぎるものです。
上熱下寒、頭熱足寒、上実下虚を上寒下熱、頭寒速熱、上虚下実に改善する事が強さ、抵抗力の増強に繋がるのです。
①クワ、桑の実
桑の実は強壮薬・貧血として有用と言われますが、マルベリーとしても知られており、ジャムなどとして、食用として気軽に摂るのが良いでしょう。自然の甘さ満載です。
桑の葉は血糖値の急激な上昇を抑制するといわれ、肥満予防や、生活習慣病の改善などに効果があると、期待されています。血糖値・血圧が気になっている方、甘いものを取りすぎてしまう方、ダイエット中の方、コレステロールや、中性脂肪が気になる方によいようです。乾燥品を桑白皮と言い、漢方の原料として使われます。咳・痰などの症状改善として配合されています。食べるなら、天ぷら!美味しいですよ!!
②柿の葉
ビタミンCが豊富に含まれます。ビタミンCは正常な皮膚粘膜の状態を保つ作用があるため、風邪をひき
やすかったり疲れたり、肌荒れしやすかったりするときに摂取すると良いビタミンです。柿の葉の若葉の天ぷらは、なんと『たけのこ』と同じ風味がする!ほんのり甘くて、少し苦みもあって。特に茎の部分の風味が強いので、茎も一緒につけて揚げるとよいと言われます。
③(左)カラスウリ、(右)キカラスウリ
カラスウリの実は王瓜子(おうがし)、根は王瓜根(おうがこん)。キカラスウリは根は括楼根(かろこん)、実は括楼実(かろじつ)果実の中の種子は括楼仁(かろにん)と呼ばれ漢方薬の原料でもあります。キカラスウリとラッキョウのコンビは心臓疾患にかなりの効果が期待出来る!!と私の漢方の師匠が言ってました。専門書でも記載しているくらいです。
一般的には青いうちの実を採取、さっぱりしたスープで夏の疲れがとれそうですね。
④コシアブラ
タラの芽にも似てますね。とても美味しくまた、有名な山菜ですが、漆とは間違えないようにしましょう。
⑤ハルシメジ
別名、シメジモドキ。秋は似た毒キノコはとても多いですが、春は似た毒キノコはありません。安心して食べる事が出来ます。また、梅林や家の庭園など、身近なところでも普通に見られます。大変美味しい、春のお勧めキノコNo.1です。
⑥キクラゲ
春~秋と長い間、割合普通に見られます。スーパーで売られているものよりしっかりとしており、歯ごたえ抜群です。
⑦ショウロ
海岸沿いの松林などで比較的普通に見られます。少々リンゴのような香りがして、お吸い物などによく合いますが、小さい!なのであまりこれを目当てでは取りません。
⑧カシタケ
春の食用キノコでどこでも普通に見られます。茨城独自のキノコと言われてましたが、他県でも見られるようです。秋に生えるカワリハツの親戚ですね。それほど美味しい訳ではありませんが、収穫物が無い時は採取します。
⑨(左)ヒトヨタケ、(右)ササクレヒトヨタケ
初夏~秋、ゴミ捨て場などに普通に生えます。あまり綺麗なところには生えず、むしろ敬遠されます。どちらも一晩で黒く溶けてしまいます。なかなか採取する気にはなりませんが、見かけによらず、とても美味しいです。うま味が強すぎるあまり、沢山使用すると逆にきついです。ヒトヨタケの方はお酒と相性が悪く、一緒に摂取すると悪酔いします。
⑩シロオオハラタケ
初夏~秋に至る所で見かけます。学名はアガリクス、つまりハラタケの仲間、売られているマッシュルームと同じ仲間です。なので、見かけによらず、とても美味しいですよ。しかし、ヒダが白いのは要注意。猛毒菌の多いテングタケの仲間と間違わないようにしましょう。
①カンゾウ
つぼみで作るスープ、花で作るゼリーは大変美味しいですよ。
②ハルノノゲシ
タンポポと同じ仲間で、立派な食材になります。大きくなったものは、塩水を使い一度ゆでこぼしてから、炒め物などにすると独特のうまみが出ます。
③アカザ(シロザ)
大きくなると杖になると言われるどこにでも生える雑草。下痢・健胃・強壮・高血圧・利尿・動脈硬化として利用できるようですが、もっぱら食材です。
アカザもシロザも、野草界の帝王と呼ばれるくらい美味しいです。苗も、通信販売されているようです。
いつもは、野菜は食べるが、草は食わないぞ!!と野草は、絶対食べないという御主人に自然食好きの奥さんがこれを食べさせた時の話ですが、黙って食べさせると、これは新種の野菜か?好物のほうれん草より遙かにうまい!!と喜んで食べたとか……
④クサボケ
実の香りがとても良いので、何とか利用出来ないか、と常日頃から思っていました。庭木としてよく利用されるボケの木の野生種で、小さく枝が横に広がるため「草のようなボケ」です。
10~12月頃に果実が黄色く熟し食用にはなりますが、酸っぱい!そのまま食べるよりもジャムや果実酒とした方が良さそうですね。むしろ、香りがよいので、輪切りにするなどして吊るしたりして、芳香剤として楽しめそうですね。
⑤キイチゴ
甘い、甘酸っぱい天然のフルーツ。夢中で採取してキイチゴのとげで傷つけたり、毛虫に刺されたりした経験があります。注意しましょう。
⑥スベリヒユ
夏場、乾燥した地面でも巨大化する大変嫌われる雑草。しかし、山形県では乾燥して保存食、郷土料理の材料として使われます。トルコでは高級料理店でしか食べられません。スベリヒユはごま油と相性がよいのでナムルは最高の食べ方だと言われています。熱を通すと茶褐色になるので美味しくなさそうなので、個人的には生で食べます。酸味があるので、和風ドレッシング、中華風ドレッシング、冷やし中華の具材として美味しく食べられますよ。
⑦ハッカ(ニホンハッカ)
紅茶、スイーツなど多くの利用価値があります。香りは蚊除けにもなりますね。
⑧ツユクサ
よく見られる雑草。小さい時は、煮物・汁物などに利用出来ますが、大きくなると天ぷらあたりでしょうね。
⑨ハチク
至る所で見かける事が出来ます。タケノコと同じように料理出来ます。やや緑がかった部分は素揚げにして塩を振り、絶品!
⑩タネツケバナ(タワサビ)
つまんで食べると、本当にわさび!利用価値は、料理のちょっとしたアクセント、ですかね。サラダの具の一つとして使えます。
①クズ
とんでもなく繁殖力の強い雑草ですが、そのデンプンは特急品。吉野クズとしても知られています。根は葛根と言い、漢方薬の原料として使われています。
単独で使用しても、薬としての効果はあるようですが、食材として使うのが良いでしょう。新芽の天ぷらは芋の天ぷらのような食感で最高、素揚げでも美味しいし、花で作るジャムも美味しいですよ。
②イタドリ
イタドリの由来は「痛みを取る」からきており、イタドリ茶を飲む事で、関節痛などの緩和が期待されています。イタドリの新芽に含まれている酸味には、利尿作用もあり、イタドリに含まれるポリゴニンという成分が体内の毒素を排出してくれます。また、咳を抑える作用や肥満の抑制効果もあります。レスベラトロールという脂肪の蓄積を抑える成分が含まれています。一般的には食材として利用するのが良いでしょう。高知県では山菜として広く知られています。生でサラダ、また、天ぷらや炒め物も美味しいです。
③アカメガシワ
健胃効果があり、また、痔にも良いと言われています。市販薬の中には配合されているものがあります。一般的には食材として使用するのが良いでしょう。若い葉は天ぷら、木の芽は茹でてあえものにすると美味しいです。
④ウド(ヤマウド)
独活や羗活(シシウド)として漢方の原料にもなります。出たての芽は香り高く食べても美味しいです。ゆでてサラダにしたり、きんぴらにしたり、天ぷらにしたりと色々な調理方法があります。大きめになると、やはり天ぷらですね。
⑤オオバコ
葉は車前草と言って、咳止めとして、実は車前子と言って漢方薬の原料として使われます。他に利尿効果があり、眼病にも良く、整腸作用もあると言われています。一般的には食材として使用するのが良いでしょう。軽く塩ゆでし、水にさらしてあく抜きして、お浸しや和え物になります。あとは天ぷらですね。
⑥ワラビ
誰もが知っている人気の山菜。発がん性があるとも言われていますが、あく抜きして普通に食べる程度であれば問題ありません。
⑦ゼンマイ
これも多くの人が知っているのでは無いかと思います。乾燥して保存食、煮物にして食べるという地域もありますね。
⑧コゴミ(クサソテツ)
観光地の山菜そばや山菜うどんには必ず含まれますね。癖も無く美味しく食べられます。ゲジゲジゼンマイと言って毒だから、と食べない地域もあります。
⑨タラの芽
乱獲で貴重品になりつつあります。山から持ち帰り、畑に植えている人も多いようです。天ぷらは絶品です。
⑩ハルジョオン・ヒメジョオン
ビンボウ草、等とも呼ばれみんなに嫌がられますが、単純におひたしで食べても独特の風味があり、美味しいです。
①フキ
ふきのとうの親です。栽培しているものは大きく立派ですが、自生しているものは細く小さいです。しかし、香りは栽培しているものより強いです。力を感じます。塩もみした葉で作るおにぎりは絶品です。
②セリ
至る所に自生してます。天然物はとても香りが強く、おひたし、汁物、天ぷら、煮物と色々な料理で楽しむ事が出来ます。
③ミツバ
あちこちに自生している雑草。天然物は茎も太く、しっかりして香りが強いです。サラダや汁物など、色々な料理に使う事が出来ます。
④カラスノエンドウ
マメ科の植物です。若い芽はおひたしや汁物、天ぷらに利用出来ます。
⑤オランダガラシ(クレソン)
繁殖力が非常に強く、水域に生育する希少な在来種を駆逐する恐れがあるため日本では要注意外来生物に指定されています。野草採りに同行した人の中には、ベーコンと炒めて食べるととても美味しい、と言って大量に持って行く人が居ます。
⑥ユキノシタ
表面は緑色に縁取り模様、裏面は赤褐色の丸い葉が食用にでき、裏側だけに薄く衣をつけて揚げた天ぷらは「白雪揚げ」と呼ばれます。
⑦クローバー(シロツメクサ、アカツメクサ・ムラサキツメクサ)
出たばかりの時期なら色々な料理に使えるでしょうが、大きくなってからは天ぷらになると思います。あまり大きいと天ぷらにしても茎は硬いです。
⑧ノビル
生で味噌をつけて食べる、これは日本酒にとても合う食べ方ですね。ネギと同じように味噌汁や炒め物として食べて美味しいです。少し取ってきて庭などに植えても増えます。しかし、農家ではとんでもない雑草と見ている人も多く、嫌がられる雑草の一つです。
⑨アサツキ
陽当たりの良い土手などにまとまって生えます。ノビルが生えているような場所に一緒に生えていることも多いです。ノビルと同じように利用出来ます。ノビルよりも普通に見かける事が出来ます。
⑩ヨモギ
出たての頃は草餅などとして使う事が出来ます。大きくなってからは、やはり、天ぷらです。なかなか美味しいです。
さあ、春です!健康を維持するために、健康を取り戻すために、自然の力を借りましょう!身近なフィールドに飛び出しましょう!!健康の元は沢山あります。自然に存在する食材は踏まれても生き抜いていく力があります。生気に満ちあふれています。その力をもらって元気になりましょう!!
しかし、繊維質が多かったり、また、シュウ酸を多く含むものもあります。食べ過ぎには注意しましょう。何でも程々ですね。
①ふきのとう
春が来た!さぁ、外に出よう!!と言う気にさせてくれますね。天ぷらでも蕗味噌でも美味しいです。他にも、色々な食べ方があります。
②ギシギシ
新芽は独特のぬめりがあり、オカジュンサイとも呼ばれます。酸味のきいた料理に向いています。
③カンゾウ
夏には橙色の花をつけますね。出たばかりの状態で採取します。バター炒め絶品。色々な食べ方があり、自然食の帝王ですが、乱獲により自治体によっては採取禁止となっているようです。
④ハコベ
ハコベは至る所に生えている雑草。産後の浄血薬・搾乳薬・整腸効果・利尿剤として利用できるようですが、私は食材として利用してます。味噌汁はなかなか、いけます。なお、薬草とするなら乾燥して茶剤にするなどが良いです。
⑤つくし
昔から使われている食材ですね。色々な料理の仕方があるので、是非工夫してみて下さい。個人的には油炒めとしてよく食べます。
⑥スギナ
つくしの親玉。みんなに嫌われます。しかし、葉緑素を大変多く含みます。葉緑素は「植物の血液」ともいわれ、血液をきれいにしたり、有毒物質を排除したりする働きがある、といわれます。茶剤にしたり、変わったところではスギナご飯、等という食べ方もあります。
スギナご飯
スギナ(若芽)を塩少々入れた熱湯で茹でて、冷水にさらして、なるべく細かく刻んで水気を切り、塩を加えて良くもみます。汁気をしっかり絞ってからボウルに入れ、ご飯に混ぜ合わせて、おにぎりを作ります。(ごまを入れても美味しい!)
⑦タンポポ
ほとんど見かけるのはセイヨウタンポポですが、元々はサラダ菜として輸入されたのが自生しました。ですので、もちろん食べる事が出来ます。
根は蒲公英と呼ばれ、乳汁欠乏症につかわれます。健胃・利尿・搾乳・高血圧・糖尿病に利用の価値があるようです。
タンポポは花、葉、根すべてが食用になります。ハーブティーとしては、ダンデライオンとか、呼ばれています。黄色の花は天ぷらやサラダに、葉は軽く塩茹でした後に冷やして炒め物やサラダになります。おひたしもおすすめです。根は乾燥させてお茶や有名なタンポポコーヒーになりますね。根は取るのが大変なので、個人的には葉や花を生でサラダとして(少し苦いので酸味のあるドレッシングが良いかも)または、炒め物に一緒にして食べています。
⑧カキドウシ
連銭草(れんせんそう)は、シソ科カキドウシの全草を乾燥したものです。カキドウシはどこにでも生える雑草ですね。別名をカンキリグサ、セキセツソウともいいます。タンニン、精油成分、苦味成分などを含んでいます。
レンセンソウを煎じて飲むと血糖値が下がる、という話が伝わり、多摩川土手のレンセンソウが一時ピンチになったという話もあったようです。実際に過去に学界でも発表されています。
子どもの癇の虫を鎮めたり、虚弱な体質を改善する効果もあると言われています。
解毒・利湿・清熱・小児の癇取り・鎮咳・尿路結石・胆石などにも有効と言われています。独特の風味があり、かき揚げは絶品です。
⑨菜の花
誰もが食べた事のある植物ですね。畑でとれるものは苦みがありませんが、自然界のものは苦みのある事も多いようです。春を感じさせます。
⑩からし菜
ずっと菜の花だと思って採取していたら、実はからし菜、と言うくらいに似ています。菜の花とほぼ同時期に同じようなところに生えています。見分けが着きにくいですが、どちらも食べられるので難しい事は考えずに利用して良いと思います。芥子(がいし)とは、カラシナの種子で、漢方薬の原料にもなりますが、あまり使われません。
ホームページ上での相談が多い事例、あるいは返信が上手くいかなかった事例について時々、このコーナーで取り上げようと思います。今回は「耳鳴りと漢方」について。
耳鳴り、なかなか辛いもので、気になり出すと余計に何とかならないか、と思ってしまいますね。まず、この耳鳴りは何故起こるのか?です。
音は振動です。音が入ってくると鼓膜が震え、耳小骨で音は増幅され、さらに奥の蝸牛と言うところで電気信号に変えられ脳に伝わります。さて、何らかの原因で音が脳まで届かないと難聴になる訳です。聞こえにくい音があると、脳に変化が起こります。脳は電気信号が少なくなったことを感知し、聞こえないことを補うために過度に反応し、電気信号を増幅させます。この反応は音が鳴っていないときにも起こり、「音が鳴っている」と勘違いしてしまうのです。このように、耳鳴りは聞こえなくなった状態を補おうとする脳の反応なのです。つまり耳鳴りの大きな原因の一つに「難聴」があります。難聴により聞こえなくなった音を脳が増幅してしまうのです。ですので上手く補聴器を使用する事で軽減する事も多いのです。
また、気になると余計に聞こえてしまう、聞こえるからまた、気になると言う悪循環に陥る事があります。人間は、聞こうとするから聞こえる、、見ようとするから見える、つまり、悪い意味での興味の対象が「耳鳴り」ですね。興味の対象が変われば良い訳で、穏やかな音楽を流す、やりたい事に時間を費やす、心地よい自然環境の中で興味の対象から外す、などでも軽減するでしょう。何かに集中している間は耳鳴りは気にならなかったりします。
薬ではどうか、と言うと程度に合わせてビタミンB12製剤、循環改善剤や安定剤などを使って様子を見る、というケースが多いようです。もっとも、耳鳴りの原因が、脳血管障害や脳腫瘍のように物理的に問題がある場合ですと、原疾患を取り除く必要があります。しかし、このような原因ですと他の症状も複合して現れて来ますし、ごく希なケースです。不安感やストレスが耳鳴りに対しては悪影響になります。ほとんどは命に関わる事がないので、安心して改善に取り組む事が重要です。
さて、漢方薬についてです。耳鳴りの起こる原因は様々で、精神的なストレス、気温差、不眠などが原因となる神経疲労由来のケースや冷え、むくみなどを伴う血行不良が原因であるケース、そのような事が混在するケースなど色々考えられます。どのような事が原因なのかでも使用する漢方薬は変わります。ですので耳鳴りに効く漢方薬はありますが、多くの種類が考えられます。半夏白朮天麻湯、滋腎通耳湯、八味地黄丸、連珠飲、柴蘇飲等の各種柴胡剤、半夏厚朴湯……など挙げたら切りがありません。ですので、よく相談して使用する事が大切です。
そのような事もあり、当薬局では冷えの程度、胃腸の具合、睡眠状態や普段のストレスなど、チェックして漢方薬は考えております。
なお、先ほどの漢方的見地からの原因がわかれば、食事、運動、睡眠などの漢方以外の方法も考えられます。漢方薬を服用しながら、そういった方法を使用すると、効果は早く上がるかと思います。当薬局では漢方薬だけでは無く、ありとあらゆる方法を皆様とともに考えて、それぞれの方々に合った改善策を提案・指導しております。
そういうこの私の書いている記事もインターネットの情報ですね(^^;)でもね、皆さんが自分にとって必要な情報をきちんと使うのであって、情報に使われてはいけないのですよ(>_<)
2007年に、有名な健康番組で納豆がダイエットに効果があると放送、納豆の売り上げは大幅に増加。しかし、番組内容のデータは捏造、後にテレビ局は番組内で謝罪。この事件は、マスコミの言うことが必ずしも正しいとは限らない、という証拠の一つです。テレビが言うことは影響が大きいため、その事柄が正しいかどうかきちんと検証しないといけません。
また、人は極論が好きです。極論もしばしば散見されます。目的は、買ってもらいたい、見てもらいたい、ですね。
「○週間で○kg痩せる」、「がんが治る」、「天然物は良い、合成品は悪い」と平気で言っているようなマスコミや健康食品販売をしている会社・サイトは信用できません。
また、人は薬で殺される、薬を止めたら癌が治った、などの宣伝文句!事もある、ごく稀にある、が抜けてますね。
それから、核酸、マイナスイオン、アロマ、活性酸素、セロトニン、フィットンチッド、悪玉コレステロール、α波ミュージック、1/f揺らぎ、酵素……e.t.cの言葉。本当に意味を知っているのでしようか?日本人は横文字や難しい言葉にも弱いです。
大切なことは、根拠は何か?使う意味は?どのくらいの量が配合されているか?そしてその量は意味があるのか?です。
そして、テレビでやっているから、雑誌に載っていたから、と、何でも鵜呑みにしてはいけない。風邪をひかないことは良いことか?平熱が高いことは良いことか?です。何でも、程々が健康!!なのです。
是非、一歩、踏み止まるクセをつけて下さい。その情報は、私にとって
正しいのか?必要なのか?
何故なら、全ての人にとって、正しい情報は存在しないからです。
そして、迷ったら、わからなかったら、かかりつけ薬剤師に相談しよう。あなたの事を良くわかっている、かかりつけ薬剤師は、あなたの健康のコーディネーターです。
薬にしても、サプリメント、健康食品にしても、使うなとは言わない、頼るなとも言わない。しかし、その前に、あなたに出来る事を精一杯やって、あなたの中にある能力を精一杯使いませんか?
そして、健康食品、サプリメントもどうせ使うなら、きちんと説明を受けて納得して使いましょう。
ウイルスの構造を簡単に言ってしまえば、「膜の中に遺伝情報が入っているだけ」の構造。核酸と膜だけで構成されているため、ウイルスは自分自身の力だけで増殖することはできません。なので、生物とは言えない、との考え方もあります。生き物で無いなら殺すなど不可能かも知れませんね。増殖には私達の細胞に寄生する必要があるのです。
このような事もあり活動中のウイルスをストップさせるのは難しいのです。活動しているウイルスはその大部分を私たちの体を使っているので、それを、ストップさせようとすれば、私たちの体の機能まで異常を来してしまいます。なのでウイルスのみに対しての有効な手段は多くはないのです
現代における厄介な感染症は、ほとんどウイルスによるものといっても過言ではありません。これは細菌の場合と異なり、抗ウイルス薬の開発が難しいことが要因の一つとなっています。
☆ウイルスはとても単純な構造なので、医薬の標的となる「弱点」が少ない
☆ウイルスは形状もサイズも大きく異なるなど極めて多様である。
☆遺伝子もDNAのものやRNAのもの、1本鎖のものや2本鎖のもの、環状になったものや直鎖状のものなど様々なタイプがある。このため、一剤で多くのウイルスに効く薬剤の開発は難しく、どうしても個別のウイルスに対する医薬品にならざるを得ない。色々な細菌に対して効果を発揮する、抗生物質、抗菌剤のようには行かない。ヘルペスウイルスの薬、インフルエンザウイルスの薬、と言うように開発しなくてはならない。
☆ウイルスには培養不可能であるなど、実験的取り扱いが難しいものが少なくない。たとえばノロウイルスの人工的培養や実験動物への感染は未だなされておらず、このことが治療薬やワクチン開発の足を大きく引っ張っている。
☆ウイルスは変異が発生しやすく、今まで有効であった薬に対しても、すぐに耐性ウイルスが登場してくる。
このようなこともあり、ウイルスとの戦いには終わりが無いのです。
子供の薬の飲ませ方
冬は風邪を引きやすくなる。風邪を引いたらどうするか?暖かくして寝る、が一番だが、それでも治らなかったら、薬を飲んで休む、と言うことになる。
苦くても大人はそれを飲んで良くなることを知っているから、嫌でも飲む。だが、子供はそんなことは露知らず。苦いからイヤだ、と言うことになる。それでも無理に飲ませようとすると、ますます子供は薬嫌いになる、と言う悪循環に陥っていく。
それではどのようにしたら良いか?
まずは子供に薬を飲まなければならない意味を普段から教えていく、と言うことが大切。最近は薬育、と言う言葉で小学生頃から 教育現場で取り入れているところも出てきている。飲めば良いという物でも無い。飲みたくなければ飲まなくても良い、と言う物でもない。そこはきちんと教えていかなければいけない。もっと小さい、幼児期からも少しずつ洗脳はしていくと飲むのを嫌がる、と言うことが少なくなってくる。
だが、親としては、今、我が子が飲んでくれなくて困っている、と言う方もいるだろう。小さいお子さんの場合、シロップや粉薬を飲ませる、と言うケースが多いと思われる。
まずはシロップ。それ自体が甘くなっているため、子供は割と喜んで飲んでくれることが多い。ただし、もっと飲みたい、と思われてしまうこともあるため、勝手に飲んでしまわないように注意が必要。手の届かないところに置いておく、あるいはチャイルドロック、と呼ばれるあけにくい蓋の入れ物もあるので、必要な場合はかかりつけの薬局に聞いてみるとよい。
次に粉薬。お子さんが小さいうちは薬に数滴水を垂らし、練った状態で頬の内側に塗り込むと吐き出しにくい。 あるいは少しの水に溶かし、スポイト、さじ、哺乳瓶の乳首に入れて飲ませる、という方法もある。ミルクに入れて飲ませてもいい?と言う親御さんもたまにいるが、それはミルク嫌いの原因になってしまう可能性があるのでやめていただきたい。ミルクが嫌いになると子供が小さいうちは栄養の問題でとれなくなるデメリットが大きい。もう少し大きくなったお子さんの場合は、ジュースやヨーグルト、アイスなどに混ぜて飲ませる、と言う手もある。ただし、あまり多くの量だと飲ませ切れないと困るので少量に混ぜて飲ませる。物によってはジュースやヨーグルトに混ぜてしまうと苦みが出てしまうこともあるのでそこは薬を貰うときに薬剤師によく聞いてみて欲しい。それから水に溶かした場合もそうだが、溶かして時間がたつと、薬のコーティングがとれてしまい、苦みが出て飲んでもらえない、と言うこともあるので注意が必要。元々苦いお薬を飲ませないといけない、と言う場合もある。その時にはチョコレートアイスがおすすめ。しかも、高級なアイスの場合、チョコレートの苦みでしっかりカバーされるので苦い薬もあまり苦労なく飲めるので試してみていただきたい。
何にしても、飲ませる側が怖い顔をして、「飲め!!」と言っていては子供の口は開かない。こちらもゆったりとした態度で臨みたいものだ。
コロナウイルスのおかげで、すっかり有名になったこの検査。受けられた人も多いでしょう。ところで、どのように違うのかご存じでしょうか?簡単に言えば
判定に時間はかかるけど精度が高いPCR検査
制度はPCRに劣るけれど、判定時間が短い(すぐにわかる)抗原検査
今感染しているかどうかは、わからないけれど敵(抗原、つまりウイルス)に対する武器(抗体、つまりウイルスを攻撃するための準備)が整っているかどうかをしらべる抗体検査
と言う事になります。
PCR検査
PCRとはポリメラーゼ連鎖反応(polymerase chain reaction)の略でウイルスの遺伝子を増幅させて検出する方法。ウイルスのDNAを増やして検査するので、少ない量のウイルスでも発見出来ます。しかし、大がかりな検査設備が必要で判定に時間もかかります。
抗原検査
ウイルスに感染した細胞が特異的に産生する抗原を検知して診断に導く検査のこと。30分ほどと非常に最短で検査ができること、特別な検査機器を使わずに検査ができるというメリットがありますが、判定には一定のウイルス量が必要となります。ウイルス量が少ないと、感染していても陰性判定となる恐れがあります。すぐに結果は出るのですが正確性に欠けますね。PCRと違って標的を増幅させることは出来ないため、検出にはより多くのウイルスが必要であり、PCRに比べて感度が劣る(偽陰性が多くなる)わけです。
このようなこともあり、それぞれの利点を理解し、上手く使用することが良いでしょう。また、抗原検査、PCR検査を組み合わせて活用することも、それぞれの利点を上手く生かせる方法かと思われます。
ところで、PCRはDNAを増幅させます。しかし、コロナウイルスはRNAウイルス。なので、RNAをDNAに戻して(逆転写と言います)DNAを増やします。逆転写を英語ではリバース・トランスクリプションなので、RT-PCR検査とも呼ばれます。
なお、抗体検査では前述したように、今現在ウイルスに感染しているのかどうかは分かりません。
花粉症の季節到来です。トップバッターはシラカバと近い仲間のハンノキ、カバノキ。飛散開始は1月上旬からです。スギ花粉の時期と重なるため、自分がスギ花粉症だと勘違いしている場合もあるようですね。また、時期的にあまり知られてないこともあり、風邪だと思ってしまうこともあるようです。よく見ると山や公園など、至る所にあります。茶褐色をしているので、遠目には枯れ木、枯れ枝に見えますが、あれは全部花粉です。
価格も色々な抗原検査用キッド。違いはあるのでしょうか?入荷しにくいこともあり、当薬局では何種類もの抗原検査用キッドを扱っております。どれも、厚生労働省が正式に使用を認めたものですが、かなりの格差があります。
価格が高いほど、判定結果が出るのが早く、操作も単純で使いやすい傾向があります。早いものは資料を滴下してから5分程度で結果が出ます。
価格が安い製品は、判定結果が出るのが遅く、操作が煩雑だったりします。煩雑と言うことは、うまくいかない確率が増える、ということですね。また、欠陥なのか全く反応が出ない製品も混じったりします。資料を滴下してからの判定も30分かかる製品もあります。保管は冷所にしなくてはならないものもあります。
もし、ご自分で使用するなどの理由で購入する場合は、きちんと操作方法を聞いておく必要があります。
妊娠中のダイエットと子供の糖尿病
近年の妊婦さん、とてもスタイルに気を使う。あまり太らないようにダイエットもするとか。でも、ちょっと待って(;゚Д゚)!自分が生活するエネルギーブラス、胎児がすごい勢いで細胞分裂を起こすエネルギー。とても大きなエネルギーが必要なのに、エネルギー摂取を控えてしまったら……胎児の体はこの与えられたエネルギーでなんとかやりくりをしようと、エネルギーの節約モードで成長していく。ところが…いざ、産まれてきたら、前よりも多くのエネルギーを与えられるのだ。胎児の間に節約モードで動いていた内臓。急にエネルギーを与えられるようになり、焦る💦節約モードが普通になっていた為、過剰のエネルギーを対処出来ない💦対処出来ないまま、エネルギーは体の中に溜まっていき、行き場を失う。こうして、子供の糖尿病が発症する。
そうかと言って、カロリーをたくさん摂ればいいという訳でもない。妊娠中のカロリー摂りすぎ、運動不足による、妊娠糖尿病になる可能性もあるのだから。
適量は人それぞれ違うのだから、オーダーメイドで上手くやれたら良いし、産まれてくる子供にいい遺伝子を受け継いでもらえたら、と思う。
サプリメントでカルシウムの摂取を心がけている人は多いと思いますが、そうでしょうか?実は、そう単純では無いのです。では、ビタミンDも必要なのでは?となるのでしょうが、ここでは、別の視点でお話ししましょう。
まず、何で骨はもろくなっていくのか?を知る必要があります。女性の場合、閉経とともに骨が弱くなっていくのはよく知られていますが、さらに重大なのは、体を動かさない事にあります。閉経や運動不足、重力負荷が減ることでスクレロスチンと言うやっかいなタンパク質が骨の細胞から放出されるのです。
家で例えてみましょう。新築の家でも時間経過とともに徐々に中身は汚れていきます。また、柱もボロボロになっていきます。そこでリフォームするなどして強化すれば住みやすい状態を維持出来ます。骨についても同様であり、壊しては新しく作ることをやっているのです。古いのを壊すのが破骨細胞、新しく作るのが骨芽細胞。この二つの協力が大切となるのです。しかし、スクレロスチンがやってくると、骨を作る細胞はどんどん死んでゆき、骨を壊す細胞が増えていってしまうのです。スクレロスチンに歯止めをかけるのは運動なのです。どこかで、AMPキナーゼと運動の効果を書きましたが、骨を丈夫にするためにも必要です。運動は、生きる上で必須なのです。
そよかぜ薬局では飲み薬や軟膏、点鼻薬などほとんどが手作りです。効きますように!と思いを乗せて(念を入れて)作るからもちろん効き目は保証付き!と聞いて、まさかと思うかもしれませんが、事実、なぜかそうなのです。同じ食材で作っても、インスタント製品よりも手間暇かけて作った手作り料理の方が美味しいのと同じかもしれないですね。
そのような話は置いておいて、薬局で製造している医薬品ですが、好き勝手に配合している訳では無く、厚労省が指定した配合で製造しています。薬局薬剤師が、あっ、この内容で行こう!とかこの配合は効きそうだ!と選んで気持ちを込めて製造します。配合される薬は、以前から使用されており、効き目は保証付き!!
また、何も薬は新しいのが良い訳では無いです。逆に新しい薬は使用経験も少ないので、副作用の情報も少ない。それよりも、これまで長い間使われていた使用経験の多い薬を組み合わせて作った方が、効き目があることも多いのです。
そのようなことで効き目は保証付きですが、効き目のある薬は副作用もあります。使用する時は薬剤師によく相談して使うことが大切になります。
また、そのような薬であるため、作った薬局でのみ販売が許可されており、他の薬局・薬店で売ることは出来ない医薬品です。
当薬局では風邪薬、胃薬、アレルギーの薬、漢方煎じ薬等の飲み薬、かゆみ・かぶれ用、保湿用、抗菌薬などの塗り薬、点鼻薬など多くの種類を用意しております。
在宅医療とは、ご自宅や施設で療養をしている患者さんに対する医療のことです。医師や歯科医師、看護師、ケアマネさんやヘルパーさんなどと情報を共有して、どのような医療サービスが良いのか取り組んでいくのです。
薬剤師は何をしているかというと、患者さん宅にお伺いして、薬の管理をしたり、心身の状態、医療衛生材料、薬やサプリメントなどの相談に乗ったりしています。得た情報をもとに他職種の人たちとみんなで、患者さんをサポートしています。
また、在宅医療は病院や薬局に通えない人だけが対象ではありません。引きこもっている人、精神的な問題で、薬を沢山飲んでしまう人、逆に指示通り服薬しない人も対象となります。つまり、きちんと服薬が出来ない人です。実は増えており、今、このような人たちを救うためには近隣の方々の助けが必要となっております。皆さんのお住まいの地区にもいらっしゃる可能性があります。地域ぐるみで支え合う必要があります。みんなの力が必要な時代です。
そして、どうして良いかわからない、在宅につなげたいと思ったら、身近な窓口である薬局に相談しても良いです。普段から、そのような薬局を作っておくことは大切ですし、そよかぜ薬局はそのような相談も受けております。
セルフメディケーションとは、自分自身の健康に責任を持ち、軽度な身体の不調は自分で手当てすることです。そして薬を使用する時は、よく説明を受けて納得して使わなくてはなりません。そのためには、普段から気軽に相談出来る薬局、薬剤師を作っておくことが大切です。
また、薬や病院に頼る前に、自分自身に出来ることをしっかりやっていくことが大切となります。規則正しくバランスの良い食事、質・量ともに良好な睡眠、そして運動や趣味を通して満足出来る毎日を送ることです。使わない機能は衰える、は自然の摂理です。だから持っている能力を使いこなしましょう!!
もう一つ、伝えておきたいことがあります。それは、氾濫する健康情報に対しての対処法です。マスコミを信じすぎてはいけません。テレビが言うことは影響が大きいため、本当かどうか検証が必要です。
テレビでも雑誌でもインターネットでも、その情報は、私にとって本当に正しいのか?本当に必要なのか?と一歩、踏み止まるクセをつけて下さい!何故なら、全ての人にとって、正しい情報は存在しないからです。
皆さんは自分の心身に対しての対処法の最終決定者なのです。自分で治せないから、お医者さんにかかる事を決定する。どうしようも無いから、薬に頼る事を決定する。それが無ければ、行動は起こらないですよね。
そういう自分を、自分の力を信じる事も大切です。あなた自身を信じてみようではありませんか?
行動するのはあなた方です。目指せ!生涯現役!!そよかぜ薬局の薬剤師には、そんなあなた方をサポートする用意があります。
病気を発症したら「すぐに薬」ではなく、症状を見極めて患者さんに合わせた指示を行っていくということが薬剤師にも求められている時代になったのです。
私たちの細胞はお互いに周囲の環境を監視しており、周りが囲まれていたらそれ以上増えないといった規律が守られています。傷を負ったりで細胞が失われ、細胞分裂が起こっても隣の領域までは行かず増殖はストップします。
しかし、がん細胞では細胞増殖の遺伝子に変異が生じ、常に「細胞増殖の信号」が発せられるように変わってしまっいます。
また、私たちには「細胞増殖の抑制に関わる信号」が存在します。この癌抑制部分に異常が起こると細胞増殖が止められなくなってしまいます。この段階では、まだ良性腫瘍ですね。
さらに遺伝子の変異が蓄積、周りの組織に広がっていったり(浸潤)、離れた組織や器官に移住したりする(転移)働きをもつがん細胞が生じてしまいます。
がん細胞はもともと自分の細胞に何らかのエラーが生じて異常増殖している細胞。そのため、がん細胞にだけに作用し、正常な細胞には作用しない薬剤を開発することは容易ではないといわれています。
ただ、放射線や発がん物質などにより遺伝子の損傷が起こっても、すぐにがん化するわけではなく、細胞自身がもつ修復機能により、正常化したり、または老化や細胞の自殺(アポトーシス:都合悪い細胞には死んでもらう)を誘導したりすることで、異常な細胞が増殖しないようにコントロールされています。
しかし、これを免れて細胞ががん化しても、外因性の腫瘍抑制機構 として働く免疫細胞に認識され、がん細胞は排除されます。つまり、細胞自身がもっている修復機構で間に合わなくなった場合、T細胞など他の免疫細胞の力を借りてがん細胞を排除しようとするのです。悪性腫瘍は、こう言ったがん免疫監視機構を何らかの方法で回避し、増殖してしまった結果生じてしまったともいえます。
とってもやっかいながん細胞、しかし、実は大変な怖がりなのかもしれない。なんと言っても、酸素を沢山取り入れた時に発生する活性酸素にはかなりの恐怖を抱いている。一発でたたき切られそうだし。おまけに、正常細胞に侵攻するのは難しい。そこで彼らは考えた。
酸素など有っても無くても、酸素なしで増えることをやっていこう。どこかで記述したが、酸素なしだと乳酸は沢山出来る。これは正常細胞との境界に炎症を起こしやすく、がん細胞が侵攻するにはもってこいである。こうして、がん細胞の城は完成、後はどこまでも攻め入るのみ!!
さて、奴らをどうやって食い止めるか?そうだ、究極奥義である有酸素運動だ!!
100m全力疾走は無酸素運動、乳酸が沢山出来て処理しきれず、筋肉痛や突っ張り・こわばりの原因になります。私の指導する武術気功は誰でも出来る有酸素運動、呼吸法を取り入れた運動です。また、運動によってAMPキナーゼが刺激を受け、mTORと言う酵素に作用しがん細胞の増殖を抑えてくれる。ガン予防にも、ガン治療にも有効だと思っています。
*一部のガンには酸素に強い奴もいるようです。
糖尿病という病気は皆さん聞いたことがあるだろう。食の欧米化に伴い、糖尿病患者数も増えてきた、と言われている。それだけだろうか?
上のグラフを見てみよう。戦後、糖尿病患者数は急激に増えてきている。確かに同じ時期から脂肪摂取量も増えてはきている。が、その時期にもっと急激に増えている部分がある。自動車登録台数だ。しかも驚いたことに同じようなカーブを描き増えている。食生活も大切だが、このグラフから、糖尿病になる原因は車の使用による運動不足が大きい、と考える方が妥当ではないか?
ここで糖尿病の原因を考えてみよう。糖を細胞に取り込むホルモン、インスリンが不足して糖尿病になる、と思っている方も多いだろう。確かに糖尿病が進むとインスリンの出も悪くなる。が、実はその前段階としてインスリンは出ているけれどそれをうまく働かせられない、という状態の場合が多い。いわゆる感受性の問題。この感受性を良くすれば、血糖値は下がりやすくなる。また、インスリンを使わずに糖を働かせる経路がある。その一つが骨格筋。運動することでエネルギー(ATP)が使われ(燃焼)、それによりAMPキナーゼという酵素が働き、血糖値が下がる。そして、うれしいことに運動によりインスリンの感受性も良くなる、という好循環を生んでくれるのだ。
このことを踏まえてグラフを見てみると、自動車登録台数の増加による運動不足により糖尿病患者数が増えた、と考えることに信憑性が出てくる。
AMPキナーゼを働かせて血糖値を下げる薬としてはメトホルミンが有名だが、それ以上に運動をしてAMPキナーゼを活性化した方が自然だろう。
そして、このAMPキナーゼ、脂肪酸の燃焼にも関わる。このAMPキナーゼを活性化したら、一石二鳥どころか、三鳥、四鳥と、良いことずくめなのである。
この続きはまたの機会に・・・
この図は市民講座で使うために私が作った資料です。酸素がある場合は沢山のエネルギーを産生し、糖を水と二酸化炭素にする。しかし、活性酸素も発生しますが、抗酸化酵素により消去されてレドックス(酸化還元)バランスが保たれます。活性酸素はガンの原因にもなると言われますが、ガンに対しての殺傷力も強くいわば諸刃の剣です。活性酸素は、細胞伝達物質や免疫機能として働く一方で、過剰な産生は細胞を傷害し、がん、心血管疾患ならびに生活習慣病など様々な疾患をもたらす要因となりますね。このように活性酸素がなかったら我々は大変なことになります。
酸素が無い場合は、苦し紛れにとりあえずのエネルギーを産生し、乳酸を沢山作ります。これが沢山あることは私たちの身体には不都合です。ですので、肝臓で最初のブドウ糖に戻されたりします。しかし、肝機能が低下すると、乳酸が溜まりすぎ、身体に対して悪影響を与えます。
牛の胆嚢、すなわち胆石です。この胆石、牛1000頭に1頭の割合でしか発見できない大変貴重な品です。「本草綱目」という薬草について書かれた古書にも「薬物として高価なることこれ以上のものはない」と記されています。現在では衛生管理が行き届いた牧場が増えたため、胆石を持った牛が少なくなり、牛黄はますます貴重となっています。
しかし、値段が高いため古来ニセモノが多く、カレーの黄色の色素としても有名なウコンを練り固めたモノや、白泥に牛の胆汁を混ぜてつくったモノなど色々とあったようです。
日本で輸入されるものは、科学的な分析法で見分けるため、ニセモノはほとんど輸入されなくなりましたが、全く無くなったわけではありません。特に海外で購入したり、直輸入品など、とても怪しいものが数多く存在します。人工牛黄なども出回っているようです。
さて、牛黄はこのように珍重されてきましたが、一体何の治療に用いられたのでしょうか。
日本では牛黄は「日本薬局方」という医薬品の公定書に収載され、滋養強壮・強心薬・小児用薬・風邪薬や胃腸薬など様々な医薬品に微量使用されています。
では、現在の利用法のもとになった文献には一体どのようなことが書かれているのでしょうか?
牛黄に関する最も古い記載は「神農本草経:しんのうほんぞうきょう」という薬物書にあります。そこには「驚癇寒熱、熱盛狂痙。邪を除き、鬼を逐ふ」と記されています。これは主として急に何者かに驚いて卒倒して人事不詳になってしまった者や、高熱が続き、痙攣を起こしたり、そのために精神に異常をきたした者の治療に使用し、また人に悪い影響を与える邪気をとり除き、死人のたたりの鬼気を逐払う作用があるとしています。つまり、邪や鬼といったものであらわされる病気を駆逐したり、病気にかからないようにする、といったように治療のみならず予防としても使われていたようです。
牛黄のおもしろい作用に「人をして忘れざらしめる」というのがあります。いわゆる「認知症」の予防または治療に用いられてきたと考えられます。現在、中医学では牛黄を芳香開竅薬(ほうこうかいきょうやく)というカテゴリーに分類し、脳卒中や脳梗塞などの脳血管障害に用いられているところをみると、古い書物の臨床適応も十分納得がいきます。また、牛黄の作用の一つに末梢の赤血球数を著しく増加させる、といった報告があります。これも脳血管障害などからくる「認知症」に有効に働くものと考えられます。
片仔廣(へんしこう)と言う肝硬変、肝臓ガンなど難治性の肝疾患に使用する、有名な中国の薬がありますが、これも主薬は牛黄や田七(でんしち)です。 片仔廣(へんしこう)は日本では医薬品として認められないため、わざわざ中国に出向いてまで購入する人が少なくありません
なお、当薬局では 、牛黄や田七(でんしち)の取り扱いがあります。興味のある方はご相談下さい。
秋と言えば、キノコ狩り。ついに採ったマンネンタケ!と~っても縁起の良いキノコです!!別名霊芝、癌に対しての使用で有名ですね。癌に対してはこの霊芝をはじめとしてアガリクス、メシマコブ、(梅・竹)寄生など色々な種類のキノコが使われてきました。しかし、今は白花蛇舌草や半枝連が抗がん生薬として有名です。これらは:嫌気的エネルギー産生によるATPと言うエネルギー産生を抑制し、がん細胞の増殖も抑制するとの報告もあります。多くのがん細胞は嫌気的エネルギー産生を利用して増えます。しかし、ATPは身体には無くてはならないものなので、好気的エネルギーによるATP産生は必要以上には抑制しないのでは?と思われます。不思議な薬草ですね。気になる方は試しても良いでしょう。医薬品ではないので、毎日続ける事で良好な体調を維持することを目的に使用すると良いかと思います。ちなみに当薬局の健康茶にも配合されています。滅多にお目にかかれない霊芝も薬局に飾ってあります。拝みたい方はどうぞ😉
最もキノコ狩りに適したシーズン、同じキノコでもスーパーで出回っているものと天然物は全く違いますね。植物もそうですが、手にかけられたものは弱くもろいです。天然マイタケとスーパーで売られているマイタケでは、これは本当に同じキノコなのか?と思うほどの違いがあります。ミツバやセリ、クレソンも雑草ですが、天然のものは売られているものとは全く違った香りと歯ごたえがあります。自然の中のものは生命力があふれ、そして強い。素晴らしい「気」に満ちています。
大学で漢方を習い始め、4ヶ月もたった夏合宿でこわ~い先輩から質問を受けたことがあります。「ところでさ、カネボウの葛根湯とか大正漢方胃腸薬とかあるけれど、あれって漢方薬なの?」漢方薬では無い、と言ったら何で?!と言われるだろうし……漢方薬と言ったら、これもまた、怒られそうだし……まぁどちらにしても怒られそうだと思いつつ、漢方薬では……と自信なさげに返答しました。案の定、「あんた4ヶ月も勉強してそんなこともわからないの!漢方薬な分けないでしょ!!」と怒られました(>_<)今はもちろん理由はわかります。
簡単に言えば、漢方薬とは理屈であり理論です。ゆえに流派があります。だから学ぶ教科書も違います。理論を指すものだから、かんぽうは漢方ではなく漢法だ!と言う流派もあります。そよかぜ薬局は古方派ですが、他にも中医や後世方派などいくつかの流派があります。古方派では陰陽・表裏・虚実・寒熱・気血水などの理論があります。だから漢方薬を選ぶ時にこの理論を踏まえて漢方薬を考えなければもう、漢方とは言えないのです。漢方を正当に学びました、と言うと、「どちらの流派で誰先生の高弟かな?」と聞かれたりします。これが本当の漢方の世界です。
しかし、「風邪の初期に葛根湯」のような病名漢方を否定する訳ではありません。これもまた、一つの時代の流れなのでしょう。認めはしますが、そよかぜ薬局は、やはり古方漢方なのです。
この表は私が市民講座で使用した時に作成した資料です。漢方薬の原料として薬草は使用されますが、だからといって薬草は漢方薬ではありません。そこには漢方的理論が無いからです。