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研究室見学はいつでも歓迎します!

当研究室を希望してくれる人へ(研究室見学はいつでも歓迎します!)


1)当研究室で行なっているように、物理学の研究の中でも、特に気体標的である原子・分子を扱う実験は、元々確率論が基本となる量子力学に基づいて行われています。実際の実験でも液体や固体標的と比べて標的数密度が非常に小さいことから、統計的に十分な信頼度の高い実験データを得るため測定に非常に長い時間を要することが多々あります。座学から離れて初めての研究活動ですので、最初は知らないことだらけで慣れるのにも時間がかかることが予想されます。また学生実験とも違い、答えのあるテーマを学ぶのではなく、新たな発見や測定を目指すことになります。そのため、例えば春学期で基本的な実験のことや関連する量子力学的な考え方を学んで、夏休み明けくらいから実際の研究を始めると、研究の成果が出始めて面白くなってきた頃に、気づけば卒論を書いて卒研発表当日ということもしばしば起こります。さらに、扱う対象が当たり前に身の回りに存在する原子や分子ですから、目的とする物理現象や標的に特化した実験装置を自ら設計・開発して研究を進めますので、なおさら時間がかかり、一つの研究テーマを達成するまで3年くらいの月日を要する場合もあります。ですので、本学の大学院進学までを視野に入れて研究を計画的に進めると研究の達成感も得られ、その面白さを十分に体感できると思いますし、その成果を国内外の関連学会で発表する機会もあります。当たり前に存在する原子や分子でも今まで誰も予想もしなかった意外な性質や振る舞いが発見できるかもしれません。

2)ゼミは、週3回(予定)を行います。1回は量子化学や量子力学に関する基礎知識の習得、1回は実験に関する内容の理解、1回は過去に発表された自分の研究内容に関係した原著論文(欧文)を読んで研究室メンバーに紹介する論文紹介の時間です。限られた時間の中で基礎的な知識の習得、実験内容の理解、研究を行うのはなかなか難しいので、基本的には平日は毎日研究室(学生室や実験室)にきてその予習や復習、実験装置の組み立てなどをして過ごします。これまでの3年間のように授業時間に教室に行って講義を受けるのとは異なり、研究室(3-436室)には自分専用の机が準備され、他のメンバーとコミュニケーションを取るお茶スペースもあります。学生部屋は小田切研究室とも共用ですので、日常生活はかなり賑やかです。まずは毎日大学にきて、快適な「自分だけの空間」を作るところから始めましょう!

3)研究テーマは、主に電子や光などの量子ビームを原子や分子に衝突させる実験が基本になります。実験内容や標的原子・分子については年度ごとに異なりますが、実験は上智大学の実験室(3-438室)か、茨城県つくば市にある高エネルギー加速器研究機構(KEK)のフォトンファクトリーで行うことになります。上智大学では常に装置は稼働しており、いつでも実験をすることができますが、装置は手作りですのでボタン一つで動くとは限りません。動かない時には自分たちでメンテナンスも行います。KEKでは、「ビームタイム」と言って、いつでも実験ができるわけではなく、宿泊して限られた時間の中で集中的に必要な実験を行うことになります(通常10日前後)。その後、大学に戻ってきた後に実験の解析やレポート作成などを行います。配属後にいくつかのテーマを紹介し、その中から皆さんで相談して自ら興味のあるテーマを決めて実行していただくことになります。


  • もし可能であれば、本学大学院進学を希望し、卒業研究と合わせて3年間、勉学や誰もやったことのない研究に挑戦してみたい人

  • 広い意味での原子分子過程科学(原子衝突物理学)が扱うミクロな視点に興味がある人

  • 研究室メンバーだけでなく、他大学・他機関・海外の研究者と協力してコミュニケーションを取りながら研究を自ら進められる人

  • 理工学部共通II群科目「現代物理の基礎」・「原子分子科学」・「量子物理化学」・「物理化学」、学科専門科目「原子衝突物理学」・「放射線科学」・「レーザー科学」・「量子力学」・「理論分子設計」・「分子構造化学」ほか物理系・物理化学系科目などを履修していることが望ましい。もちろん、履修していなくてもゼミの中できちんと勉強していきますのでご心配なく。

研究室見学はいつでも歓迎します。事前に日程調整をメールで相談の上(下記)お越しいただければ助かります(もちろん、突然の訪問も歓迎します)。