着任2年のご挨拶
島根大学医学部 循環器外科学講座の教授に就任して、早くも2年が経過いたしました。着任当時の思いからは、まだまだ足りないところばかりで忸怩たる思いですが、まずは基本に立ち返り大学における使命は「臨床」「教育」「研究」の三本柱にありと考え、現在は特に「臨床」と「教育」に力を注いでおります。
臨床面では、年間約150例の心臓血管外科手術を行っております。残念ながら最新の低侵襲手術やロボット支援手術にはまだ対応できておりません。しかしながら、私たちは一例一例の手術に対して、患者さんの安全・安心と術後の生活の質を最優先に考え、丁寧な治療を心がけています。このような姿勢は、患者さんの安全のみならず若手医師や医学生にとっても重要な教育の機会となっており、実践を通じて確かな技術と判断力を養う場となっているものと自負しております。
教育面では、若手医師に対しては手術手技ならびに周術期管理を中心とした実践的な指導を行い、医学生に対しては心臓血管外科という専門領域に少しでも興味を持ってもらえるよう、日々工夫を重ねています。幸いなことに、医局員の数は年々増加しており、「人は力なり」という信念のもと、今後もより一層、臨床と教育の充実を図り、島根県における心臓血管外科育成を進めてまいります。
また、研究活動についても、若手医師のキャリア形成において欠かせない要素であると考えており、研究体制の整備と支援にも力を入れていきたいと考えております。
今後とも地域医療への貢献と次世代の育成に努めてまいりますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。
2025年8月