日本の消費税について
消費税の歴史
日本の消費税制度は1989年4月に、竹下内閣(1987年〜1989年)の抜本的税制改革による3%税率で導入された。当時は減税超過型の税制改革で、所得税と個人住民税の減税規模は消費税率の増税規模を超えていた。
★減税超過型:所得税の税率構造の緩和(15 段階から5段階、最高税率は70%から50%へ)、法人税率の引下げ(43.3%から37.5%へ)
1997年に5%(国4%+地方1%)、2014年に8%(国6.3%+地方1.7%)、そして2019年10月より、現在の10%標準税率(国7.8%+地方2.2%)と8%の軽減税率(国6.24%+地方1.76%)になっていた。
★軽減税率の対象:飲食料品(酒類・外食を除く)、定期購読契約が締結された週2回以上発行される新聞
消費課税の分類(教科書96ページ)
図1 消費課税の内訳(国税)
消費税の課税対象
原則として全ての取引を課税対象となっているが、非課税項目がある。(教科書106ページ)
消費税は我ら身近な税金なので、普段では「消費税は消費者で支払する税」という考え方がよくあるけれども、原則として消費税の納税義務者は事業者である。ここでは、財務省によって直接税と間接税の分類方法がある。
★直接税と間接税:所得税のような納税義務者と税負担者が同一の税金は直接税という、消費税は納税義務者と税負担者が異なるので間接税で定義された。
★直接税としての消費課税:支出税(教科書101ページ)
ミード報告 → 所得-貯蓄=消費 → 現代的支出税
(キャッシュレス化によるデジタル貨幣の場合は、実現できるかも...)
図2 消費税の負担と納付の流れ(10%)
各流通階段での事業者の納税額:
(課税売上高×10%)-(課税仕入高×10%)となる。また、税込み金額から消費税を求める計算式は、(税込み売上高×10/110)-(税込み仕入高×10/110)となる。以上の2つ計算方法に基づいて帳簿上で行われる方式は、現在実施している仕入控除方式(アカウント方式)である。
消費税増税の問題点
消費税率の引き上げは、消費財の価格を上昇させる。→ 価格の上昇は購入量を減少させ、景気に対するマイナスの影響を及ばす?
2019年増税の場合:5.2兆円程度の負担増 - 3.2兆円程度の受益増(幼児教育の無償化等支援) = 経済への影響2兆円程度 ⇦ 2.3兆円程度の措置(キャッシュレス・消費者還元等)
なぜ消費税だけ増税なのか?
① 消費税収は高齢化が進み支え手が減少していく中で特定の世代に負担が偏らない財源である。
② 消費税収は景気などの変化に左右されにくい財源である。
③ 消費税収は経済活動に対する影響が相対的に小さい財源である。
→ 代替効果による駆け込み需要とその反動減は大体同等となるので、経済への大きな影響を与えない 。
同じ金額を消費すると、税金も同額である消費税は、完全な水平的公平が保たれている。しかし、注目すべき点は軽減税率に対し賛否両論があり、多くの経済学者は軽減税率に反対している。 高所得層の負担軽減は低所得層より大きくなるので(存在する問題: 消費税の逆進性)
★消費税の逆進性:所得に占める消費支出額の割合は所得水準が高くなるにつれて低下することで、全消費支出に消費税を課税される場合、所得に対する負担額の比率は所得が高いほど低くなることである。
解決策 → 軽減税率と給付付き消費税額控除
★給付付き消費税額控除:カナダで実施されているGST(Goods and Services Tax)控除制度を参考にしたものである。
図1
図2