定常流れ(流量が一定の流れ)における開水路の基礎式を組み立てていきます。下図は開水路の流れを示しています。断面①、②においてベルヌーイの式を適応させます。
次に、左辺の式を全て右辺に移項し、距離⊿xで割ります。さらに、微分表示にします。
このとき、エネルギー係数は開水路内の流速分布の形によって異なり、1.0~1.1の値を取ります。また、勾配にはそれぞれ名称があります。
動水勾配は、6.3 平均流速の公式でも一度触れましたが、単位長さあたりの摩擦損失水頭で表わされた値です。また、河床勾配は河川の河床(川底)における勾配であり、水面勾配は河床勾配に圧力水頭の差を足したものになります。エネルギー勾配は、さらに速度水頭の差を足した勾配です。なお、ib=iw=ieとなる流れは等流、ib≠iwまたはib≠ieとなる流れは不等流に分類されます。等流、不等流については4.2 流れの分類を参照して下さい。
まとめとして、等流または不等流は河床勾配、水面勾配、エネルギー勾配が同じであるかどうかによって決定されます。